2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
座談会(全1記事)
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滝口開資氏(以下、滝口):よろしくお願いします。
(会場拍手)
まずうかがいたいのが、お二人はそもそも旧知の仲だということですが、いつ頃からのお知り合いだったんですか?
大橋拓文氏(以下、大橋):いつ頃でしたっけ?
山本一成氏(以下、山本):わからないですけど(笑)、5年以上前から知り合いだったはずです。
大橋:そうですね。5年、6年……7年ぐらいな気がします。
山本:えっ、もうそんな長い? 囲碁が強い人という感じで「あっ、囲碁強いんだ、ふーん」って(笑)。
滝口:強いは強いですよ。プロ棋士ですから。最初のきっかけは覚えてらっしゃいます?
大橋:最初のきっかけは、SSFだと思います。
山本:嫁つながりですね。嫁がプロ棋士の人と……プロ棋士の交流会で合ってる?
大橋:佐藤紳哉さんの「さとう・しんや・ファミリー」でSSFという会ですね。その人が主宰した、囲碁の人とか将棋の人がたくさん集まるパーティに行って、そこで一成さんの奥さん(に会った)。当時は婚約中だと言ってたことをよく覚えてます。
山本:ああ、そういう恥ずかしい話をするんだ?(笑)。
大橋:出会ったのはそれぐらいの時期で、そのあと、いつの間にか仲良くなったという感じですね。
滝口:その後お二人の中で、だんだんAIブームの話が来て?
大橋:いや、だんだんというより、AlphaGoの解説を一緒に……なんていうか、Ponanzaで有名なのは知ってたんですけど、AlphaGoのおかげで、AIというカテゴリで囲碁と将棋が一緒の波に飲まれつつある時によく話すようになったかな。
滝口:なるほど。じゃあ、とくにAlphaGoのあたりから。
大橋:そうですね。そんな気がしますけど、どうでしょう?
山本:ちょっと話が戻るんですが、AlphaGoの時の解説はめっちゃおもしろかったです。大橋君が1局目に負けた時、しゃべらなくなっちゃったんです。 解説回なのに。「がんばれ」とか言ってるのに、なんか「うーん……」みたいな感じだったので、最後のほうは私がけっこうしゃべったんですよね。
大橋:(笑)。
山本:これは私、知ってる状況で、将棋の時も、Ponanzaが現役のプロ棋士を初めて破っちゃった時、対局の30分後に記者会見したんですけど、かなりやばい雰囲気だったんですね。「俺、しゃべっちゃまずいかな?」みたいな。会場のみんなも、マジで泣いてた人がいた。本当に、そういう怖い雰囲気でした(笑)。
(会場笑)
滝口:Ponanzaのほうが、AlphaGoより数年先に行ってますよね。
山本:そうですね。もう6年ぐらい前じゃないかな。
滝口:Ponanzaの記者会見の場でいらしてたメディアの方は、やっぱり将棋関係ばかりでした? コンピュータ関係(の方)はいらしてなかったですか?
山本:いや、私、人類の敵なので。
(会場笑)
「あいつは人類の敵だ」みたいになって、もう、すごすごと帰っていきましたね。いや、本当に「本当、ちょっと許して?」みたいな感じでした。
滝口:その頃の世間の、いわば空気感みたいなものは、先生が今おっしゃったように風当たりが厳しかったと。
山本:うーん……まぁそうですね。
大橋:(笑)。
滝口:今は、そういうコンピュータ・AIに対して世間の雰囲気はどうですか? 評価と言い換えてもいいと思いますが。
山本:今は、なんというかコンピュータ将棋ってぜんぜん主役じゃないですね。「あっ、あったっけ?」みたいな感じでございます(笑)。
私、人間ってすごいなって思ったんです。なにがすごいって「今ある現実を受け止める力」がめちゃめちゃ強い。最初はすごくショックだったんですけど、すぐ慣れちゃって、一昨年かな、2017年に名人とPonanzaが戦ったんです。ぜんぜん盛り上がらなくて、(人が)ぜんぜんいないんですよ。記者の人も少なかった。
その2〜3ヶ月後に、藤井君ブームが来たんですね。藤井君が出て、記者が100人ぐらいいて「なんか悔しいなぁ」と。まぁ、人間ってそういうもんです。
滝口:やっぱりバズりたかったですか?
山本:まぁ、そんなにバズらないだろうとは思ってましたが、コンピュータ将棋士の歴史上、あるいは情報科学としてはすごく大事な時期だったんですけど、人々の関心という意味では、もうすでに去った話だったんだなと思いました。
人々はまた人間同士の対局を、以前と変わらず、いや、むしろ、いろいろな状況があって……藤井君って、もちろん彼本人も強いんですけど、若くて柔軟なので、間違いなくAIから新しい棋風、あるいは新しいことをすぐ取り入れている。やっぱり、めちゃめちゃ強いんです。そういう存在に人は惹かれるんだなと思いました。
「そりゃ、そうか」ということですね。当たり前のことを学習した。この10年、私は人間について学習したことばかりです。
滝口:なるほど。プログラマが人間について学習していく。
山本:「人間ってこうなんだ」みたいな。
滝口:ありがとうございます。今、将棋界の流れについてうかがえたと思いますが、囲碁界では、とくにAlphaGo前後、AIに関してどういうふうに流れが広まっていきましたか?
大橋:囲碁界としては、将棋が先に来ていたので、多少心の準備はあったのかなという気はします。
最近知ったんですけど、チェスのほうだと、コンピュータがカスパロフさんに勝ってから、完全に人間を超える実力になるまでに時間がかかったようです。カスパロフさんが負けたシリーズでも勝っていますし。かなり力の差がついたと思われるまでに、15年ぐらいかかってるらしいです。将棋も5年ぐらいは戦ってましたよね。
囲碁のほうは、棋士が本当に無邪気というか、練習で片っ端から対局していくんですね。本当に1年ぐらいの間に……。イ・セドルさん、(AlphaGoに)1回勝ちました。AlphaGoの4勝1敗で、僕は感動しましたし、歴史的な1勝だったと思いますが、それによってまたAlphaGoが真剣に次のバージョンを作ったのかなという気もしています。
そのあと「AlphaGo Master」というのが現れて、なんと約10ヶ月後に60連勝しちゃいました。「おお、すごい!」と言っている間に「AlphaGo Zero」が出てきまして。最近ネット上では(AlphaGo以外)AIの100連勝というのも頻繁にあります。そうすると4勝1敗から100連勝まで約1年。……それでも、棋士たちがバッタバッタと。イメージだと、新選組が黒船に斬りかかっていくような感じ(笑)。
本当にそうなんですよ。(相手は)近代装備をいっぱいしているのに、刀で大砲を切る術を学んでいる棋士はかかっていくんですよね。囲碁の人はどうも負けることよりも新しい囲碁を打てる喜びがあるのか、ネット上で今もいるんですけど、300連敗とかしてもみんな平然とかかっていって、たまに勝つんですよね。
山本:たまに勝つの? あっ、Master?
大橋:いや、相手は中国のAIで、この前200連勝ぐらいしてたんですけど、久しぶりに人間が勝ったって。
山本:おお、「FineArt」?
大橋:FineArtじゃなくて「PhoenixGo」通称金毛。
山本:あっ、PhoenixGoもいるんですね。
大橋:AIの種類に反応できれば囲碁AIマニア(笑)。
山本:えっ、勝つんだ? 勝つんですね。
大橋:人間の学習能力はすごいですよ。
滝口:当然ながら、立ち向かっていってるのはトップ棋士の方?
大橋:いや、トップというより、むしろ若手。10代のやる気満々の子たちがひたすらかかっていって、ごくごくたまに勝つ。
例えば、この前、世界戦で優勝した中国の陳さんという棋士は、国民栄誉賞の井山さんと同い年でライバルの方なんですが、「絶芸」と20ヶ月で2,000局打って全部負けているという報道がありました。2,000連敗という数字は、ちょっと想像を絶してます。優勝したあとのインタビューが「これから私の最強の全盛期が始まる」。
山本:最高になりたかったから狂わなきゃいけないんですね(笑)。
大橋:そうそう。
滝口:先ほどの黒歴史を思い出しちゃった山本さんですけど。
大橋:そうそう、さっき一成さんの話を聞いてて、3つ言い忘れたことがあったんです。まず人に関してと、そのテクニカルなAWSに関してと、人機一体というテーマで。
滝口:お願いします。
大橋:まず人に関しては、その「最高になりたければ狂え」って、たぶんイ・セドルさんの師匠の言葉だと思うんですね。韓国の方。囲碁界ではわりと言われてます。
山本:有名なんですね。私はお墓で書かれているので初めて知って「ああ、そうなんだ」と思って、すごい感銘を受けたんです。
大橋:囲碁界ではいろんなところで言われてる。
山本:有名なんですね。
大橋:そうですね。実は今日、囲碁の方も女流棋士の方が1人来てくださっているんですが、彼女の兄弟子で、負けたときに言う「発狂が足りない」って名言があります。
山本:厳しい世界ですね(笑)。
大橋:狂わなきゃ勝てないというところがあります。人としては。
大橋:一転して、ちょこっとテクニカルな話になりますが、なんでクラウドを使っているかというところで1つ言い忘れたことがありました。
AIって、進歩がすごく速いんです。だから、4勝1敗から100連勝まで半年ぐらいでいっちゃうわけです。半年経ったら前のバージョンに80パーセントの確率で勝つ、下手すると95パーセントで勝つぐらい強くなってしまうので、そのバージョンアップについていくことが非常に大変なんです。人間の処理能力ではついていけないところもある。
今、AIを使う研究会を作りまして、僕がネットワークを更新して配布すると、みんな一斉にそれを使えるようなシステムで使っているんです。だから、個々でバージョンアップしなくてもいい。それがクラウドの良いところです。一番最初にAMIづくりが出たと思うんですが、私がAMIを作ってみんなに配布すると、一斉に新しいAIを使えるようになるということで、それもあってこの使い方はいいんじゃないかと思っています。
やっぱり、これからは人機一体の時代だと思っているんですね。先ほどの講演で、藤沢里菜さんと上野さんの話が出ましたが、上野さんはまだ高校生で「私ぜんぜんAI使ってないです」って言うんですよ。ところがです、画面見て「今動かしてるんですけど」って言いながら、なんか待ってるみたいなんですね。「何してるの? 動かさないの?」って言ったら「ああ、100万回探索させるまで待ってるんです」って、しれっと言うわけです。私は10万回探索ぐらいでサクサク進めちゃいますけど。世代によって「使ってない」のレベル感が全然ちがって、AIはどんどん身近になってます。
将棋より囲碁のほうが、探索がちょっと重いみたい。
山本:重いですね。
大橋:そうですよね。さっき、8,000億局面って。
山本:すごいがんばった時は、1秒間で10億、nodes per secで10億局面読むようにがんばったんですけど、電気がかかりますね。
滝口:お金がかかりますね。
大橋:すごいですね。囲碁はまだそこまでいってなくて、100万回の探索にP3を使って10分ぐらいかかるんですけど、今、若い女の子たち曰く100万回探索するのがだんだん普通になってきて。よくギャグで「シチョウは3万回確認」とか言うんですけど、現実はそれを超えてます(笑)(注:シチョウ 相手の石を取る技の名前。AIが苦手なテクニック)。
思ったんですけど、これからは「人とAI混合棋戦」があったらいいな。「Amazon杯」とか「NVIDIA杯」とか「優勝者に最高のGPU1年分とかどうかな?」とか。
(会場笑)
滝口:そのへん、先ほどの山本さんの「お金のあるところにたかりに行け」じゃないですけど。
(会場笑)
山本:そこまでは言ってないですが(笑)。
大橋:だから、AIを使いこなして人とAIの混合棋戦……F1みたいなイメージでしょうか。それで優勝することを今、妄想というか、構想しています。
滝口:夢がある。
大橋:夢ですね。言い忘れてた3つはそれです。人と、テクニカルな話と、人機一体でこれからなにかおもしろいことしたいなという感じです。
滝口:わかりました。ありがとうございます。けっこう熱いメッセージになっていたと思います。山本さんから、会場にいらっしゃるみなさまにメッセージみたいなものはありますか?
山本:先ほども言ったように、これからどんどん新しい技術が出てきて、エンジニアとしてはアップデートしていくしかない。当たり前ですけど「Change or Die」、変わらなければエンジニアとしての成長は止まってしまうと言われてる。
ということで、さっき私が言っていたことも、例えばGitからテストを回していくやり方は、昔はそこそこエッジが利いてたんですけど、今となってはもはや自然なんですね。A/Bテストも、5年前は神秘に包まれてたけど、今となっては当たり前のことになってる。
今日言ったことって、実はもう2019年の段階では、ほぼ当たり前のことばかりなんですね。そうなると、次の当たり前じゃないことを探す、ということをずっと繰り返さないとエンジニアとしてダメなんだなという感じで、けっこうつらい。
(会場笑)
つらいけど、やっていくしかない。でも、逆に言うと、こうやってどんどん新しい課題が出てくるのは、よい世界だと思ってます。
滝口:ありがとうございます。日進月歩の世界で生きておりますので、その中で常に知識をアップデートして現役でいるということ。それから、世界は違えど、大橋先生も同じく、AIからどんどん新しいことを吸収していくという流れですね。
山本:私もあそこ(AWS Loft)で聞いてました。「Lambdaがわかりません」って言ったら、社員の人が丁寧に教えてくれました。
滝口:今のお話に補足すると、山本先生も大橋先生もこのAWS Loftを本当に毎日のように使ってくださっているんですね。「Ask the Expert」という、AWS社員に詳しく教えてもらえますという開発者の方向けのコーナーがあって……。
山本さんが最近インターネット上で話題になった。これは宣伝のご本です。
(会場笑)
山本:なんと巻末に大橋先生との対談も載っています。みなさん、ぜひぜひ読んでいただければ。
滝口:Amazonで残り2点ですので。
(会場笑)
山本:ちょっと在庫の揃えが少ないんじゃないですか?
滝口:売れ行きによってね、考えておりますので。
山本:売れ行きによって(笑)。
滝口:こっちですね。Twitterをやってらっしゃる方、いらっしゃいますかね。Twitterのお名前にお天気マークを入れておくと、その人の現在地に応じて自動で更新してくれます。これを山本先生が開発された。
山本:これですか? でも、これ、そんなに難しいやつじゃないです。単純に、お天気を連動させてる。(画面を指して)例えば、今、私のお天気のマーク、半月のマークがついてますね。今日は半月だそうですね。
そういう感じで、月とか天気の情報が、だいたいの所在地によって出るというやつです。このへんは全部サーバレスで書かれていて、こういう技術って当然だけどあるんですね。昔はサーバを建てたり、どこかのサーバに相乗りさせてましたけど、こういうものがサーバレスになると、むっちゃ心の健康にいいと気づいたんです。
サーバがあるとつらいんですよ。頭の中のメモリが何パーセントか取られるみたいな、片付かないお家みたいな気持ちになる。ところが、これは外注しているので、気持ちが楽。その代わり、値段が月2,000円ぐらいします。もう5,000〜6,000人が使ってて、それぐらいになると、けっこうかかる。まぁ、本当に気持ちが楽だなって感じになります。
こういう感じで、新しい技術を定期的に試さないといけないなと思ってます。今までとはぜんぜん異なる分野ですけど、とりあえずチャレンジしてみたという感じです。
この時は本当にわからなくて、ここによく来てました。「わからないです」って言ったら「こうするといいです」「ああ、そうなんですか」って聞いて、3日か4日ぐらいずっといたら、なんかできたので「こんなもんか」って感じでした。
滝口:ご活用ありがとうございます。
山本:はい。
滝口:きっとIT業界じゃない方もいらっしゃると思うので、補足します。「サーバレス」という言葉が出てきて、精神衛生上よくなった、気持ちよくなったとおっしゃったのはどういうことかというと、大橋先生は自分で囲碁の局面研究をするのに、EC2インスタンスといって、自分でコンピュータを立てています。
これが今までの使い方だったんですが、これって、例えばWindowsだったら、Windowsのパッチが来たら自分で当てなきゃいけないという大変さが残ったりする。つまりこれまでの使い方では、立ち上げたコンピュータのお世話は自分でしなきゃいけなかった。
山本先生がおっしゃったサーバレスとは、そういうお世話とか、まどろっこしいことは全部AWSが引き受けます。お客さまはその上で使える機能だけにフォーカスしてお使いください。そうするとビジネスに集中して開発ができますよというものです。
ということで、このお天気アプリについては、山本先生は自分でコンピュータを立ち上げることはしてない。その代わりに、お天気の情報を取ってくる機能、あるいはTwitterの名前を更新する機能だけを書いて、それをAWSの上で使っておられる。こういう使い方を、サーバがないので「サーバレス」と呼びます。補足をさせていただきました。
山本:AWSの機能を使ったまったく無駄な機能なんですけど、すごいがんばった。裏ではすごいいろいろがんばってくれてて、ちょっと感動的ですね。こんなものができるというのは信じられないです。
滝口:私も使ってますけど、海外に行ってもちゃんと追随してくれてたのですごいなと思いました。
山本:えっ、追随してないです。
(一同笑)
滝口:じゃあ偽物だったのかな。どうなってたんだろう?
山本:たぶんそれ、地元の天気と海外の天気が一緒だっただけですね(笑)。
滝口:なるほど。解説ありがとうございます。
山本:すいません。追随してたことにしたほうがカッコよかったんですけど、してなかったです。
滝口:いい時間になってきましたので、最後にお二人から、それぞれ「このAWS Loft Tokyoを使ってこういうことがよかったよ」「今後こういうところがあるといいよ」みたいなメッセージをいただくことはできますか?
山本:ここ、無料なので来放題だったんですけど、やっぱり技術的な話を聞けたことが大きかったです。実際にサーバレス、これは言ってしまえばおもちゃみたいなプログラムですが「実運用するときはどうするの?」みたいな話も聞けますし、データベースの選定とかどういった技術を使えばいいかというところは、正直、私でもつらい話です。
そういったものをエキスパートの方がやってくれる、相談に乗ってくれるというのは本当にありがたい話ですね。自分はロジックを実装すればいいということがあって、それで助けてくれるというのは本当によかった点だと思います。
滝口:ありがとうございます。
大橋:僕もまったく一緒です。素人がなにもわからず使い始めて、「Ask」で聞いたり、囲碁AIとかアプリの開発者の方もいらっしゃっているので、わからないときにはすぐ聞いてしまうんですね。そうすると、あるとき、これって贅沢な環境じゃないかと気づいた。一番詳しい人にすぐ聞けてるという。
AIを使っていく上で、ただ使えるという状態と、仕組みを理解して使う状態だと、やっぱりだんだん理解力に差が出てくるのかなと思って。AI自体の仕組みもそうですけど、クラウドを使ってGPUがどういう計算をしているかとかも、ちょっと疑問に思ったらすぐ聞けて、答えてくれると、またそちらの理解も深まっていく。そういうことが、少しずつですけど、積み重なると大きな差になるんじゃないかなと思いました。
やっぱりこういう空間、場があることは大事かなと思います。これからはAIとか、なんでも自動で、アプリとかインターネット上でできそうじゃないですか。でも、そうじゃなくて、人と交流しながら開発とか意見交換をすることって、すごい意味があるんだなということを実感した場でした。
滝口:どうもありがとうございます。たぶん、人機一体の「人」のほうにとてもフォーカスした感じなんですけど。こういう言葉をいただけたことは、AWSの社員として本当にうれしいです。たぶん、AWS Loft Tokyoを開設した時点では、囲碁・将棋・AIのコミュニティのつながりがこのLoft Tokyoで盛り上がるなんて、誰も想像してなかったと思うんですよね。
でも、大橋先生は山本先生たちとここでコラボレーションしながら、その中で、たまたまスポットインスタンスの担当ということで、本当に偶然私に声をかけてくださって、今回のこの囲碁・将棋・AIのセミナーイベントを開いてみようかなんてお話につなげられたのは、本当にうれしいことだと思っております。
これが囲碁界、将棋界、そしてAIを開発されるみなさんに、なにか1つでも助けになっていれば、すごくうれしいなと思います。
では、座談会というかたちでは、ここをもちまして終わりにさせていただきたいと思います。みなさま、ご清聴いただき、ありがとうございました。
(会場拍手)
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