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『創る人と売る人』(全1記事)

急成長の2次曲線を描く武器は、サイバーエージェントとの協業 ABEJA菊池佑太氏が語る企業成長のロジック

2018年7月7日、株式会社フリークアウト にて「プロダクトオーナー祭り 2018 Summer ~プロダクトマネジメントが世界をツナぐ~」が開催されました。IT関連企業に所属するソフトウェア開発のプロダクトマネージャーやプロダクトオーナーを中心に、それぞれが携わるプロダクトの価値や、マネージャーとしての体験談など、幅広い観点からライトニングトークが繰り広げられました。本記事では、ABEJA/CA ABEJAの菊池佑太氏による「創る人と売る人」をテーマとしたLTの模様をお送りします。

「ゆたかな世界を、実装する」ABEJAの取り組み

菊池佑太氏:みなさん、こんにちは。ABEJAという会社の事業と、CA ABEJAというサイバーエージェントさんとの合弁会社のマネジメントをしている、菊池と申します。本日はよろしくお願いいたします。

まず最初に、ABEJAという会社の説明をさせていただきます。ちょうど先週末にリリースを出させていただきましたが、このたびシリーズCの42億円の資金調達に成功しまして、これからますます事業的なドライブを、国内のみならず海外に対しても展開をしていこうと思っている会社でございます。

会社は設立6年目で、現在70人規模の会社でございます。70名の中でも、75パーセントがエンジニアの組織体制になっているので、ほとんどの方が技術に携わるメンバーで構成されていると思っていただければなと思います。

会社のタグラインですけれども、「ゆたかな世界を、実装する」という、かなり大きな世界観を掲げている会社でございます。今国内にいるメンバーに関しても、実は海外から積極的な採用を進めています。海外でそれぞれの国のトップ大学を卒業しているメンバーを国内に呼んでいます。

もともと外国籍メンバーのモチベーションとしては、日本に対して興味を持っていたという背景があります。例えば日本的な文化だったり、食事だったり、観光地だったり、アニメだったりですね。日本で働きたいというモチベーションがあった彼らを、我々としても引き入れて、思う存分に能力を発揮いただける環境を提供しているような会社でございます。

よく皆さまから評価いただくポイントとしては、サーバーサイド、エッジコンピューティング、両方のサイドで幅広い展開をされているNVIDIAさんから、アジアで初めて出資をいただいた会社であるということです。NVIDIAさんは、GPUというマシンラーニングやディープラーニングのチップを作る会社ですね。そういったところが、世間として注目を集めているポイントであるかなと思っております。

リアルな世界に、IoTデバイス+AIを普及させる

ABEJAという会社はなにをやってるのというと、AIのテクノロジーを作っている会社でございます。大きく分けて2つのポイントがございます。

1つ目は、「リアルな世界に対してIoTデバイス+AIを普及していく」といったことをやっています。(スライドを指して)スライドの図の中には5つの箱があります。1つ目の箱が、例えば小売向け。店舗を持たれている方々に対して、IoTデバイスとAIを一緒にセットとして導入をしていきます。2つ目の箱は製造業の方々。例えば検品作業みたいなものも、人が目視で確認をしてるところに対して、IoTデバイスとAIを導入することによって半自動化する、といった世界観を描いています。

リアルな世界に対して、データの取得からAIの構築による自動化や、可視化をしていく。そういった技術をソフトウェアのレイヤーとして作っているというのが、大きく分けたうちの1つとなります。

ソフトウェアの領域だけではなくて、実はプラットフォーム事業もやっております。スライドの図の1番上のレイヤーがソフトウェアです。その配下がプラットフォームですね。APIからプロセッサといわれるところの、より低レイヤーな部分をプラットフォームという仕組みで押さえています。

ソフトウェアのレイヤーで構築したロジックを、プラットフォームにより汎用化して、抽象化し、移植をしていく。もしくは、データサイエンティストの方々など、さまざまなAIに関わるプロセスといったものを、より簡略化するための機能を、このプラットフォームの中に組み込んでいっているようなイメージです。

AIによる課題解決の土台となるプラットフォーム事業

2つ目ポイントとしては、AIのプラットフォーマーとしてPaaSというレイヤーを押さえています。ここにAIを活用するためのさまざまな機能を乗せていくことによって、先ほどお話ししたソフトウェアサービス、もしくはプラットフォームユーザー側が楽になる構成となっています。

いろんなツールやAPIなどを公開することによって、AIの各プロセスが簡略化されるようなプロダクトを、プラットフォーム事業として押さえています。

このプラットフォームですが、現在はオープン化しています。実際にみなさまもご利用いただけます。なにかしらAIによって課題解決をしたり、そのためのAIのモデルを、いかに自分たちで効率よく管理をしていくのか。そんなことにトライされている方、課題を抱えられている方は、ぜひABEJA Platformをご利用いただければと思っております。

可視化する機能の実例

1番目のポイントとして上げたソフトウェアのイメージを、簡単にみなさまにご共有できればな思って、今日は動画を持って参りました。先ほど我々は小売向けの方々に対してサービスを展開していると申し上げましたけども、どんなことをやっているのかというと、実際の店舗内の動画を撮影して、そこで人の動きを捉えて、可視化をしていくプロセスがあります。

(動画を流しながら)例えばこういったかたちで店舗内での人の動きを把握することによって、どういった棚がよく見られているかだったりを可視化するイメージですね。あとは来店者の属性を自動的に判別するようなこともやっています。こういったかたちで来店者の顔を捉えることによって、性別はなんなのか、どういった年齢の方が実際に来店をしているのか、といったことを把握することができるようになっています。

可視化のツールとして、こういった機能を持っています。実際に店舗の方々が見ていただきながら、店舗内の戦略につながるような事実を展開していくサポートをさせていただくようなサービスなっています。

急成長の2次曲線を描くために選んだ協業

今後ABEJAはどういった方向に向かいたいのかというと、当然スタートアップなので、よりレバレッジを効かせたビジネスに踏み切りたいと思っています。おそらくみなさまの中に、事業計画だったりPLを引く方は、たくさんいらっしゃると思います。

ただ、やっぱり線形の事業設計といったものは、やっていておもしろくないんですよね。ゆえに、我々はやっぱり急成長の2次曲線を描きたい。じゃあ急成長の2次曲線を描くためにはどういった武器を考えなければならないか。これがまさに、経営マネジメントに求められるところかと思っています。

みなさまもソフトウェアを開発しながら、さまざまなビジネスロジックを組み立てているとは思うんですけども。そのビジネスロジックの中に、例えば自社でどういったことができるのか、または他社と協業して、どうすれば加速できるのか。そういったところでABEJAは今回、サイバーエージェントさんとご一緒させていただくという決断をしました。

サイバーエージェントさんはもともとデジタルマーケティングにすごく強い会社なので、彼らと一緒に問題を解決していくということを今、やっております。それがCA ABEJAという名前の会社です。

2社目のCA ABEJAの説明ですが、まだ今年の4月に設立したばかりで人数はぜんぜんいないんですけれども。なにをやってるかというと、ABEJAがリアルワールドで蓄積したノウハウや技術を、デジタルマーケティングにシフトしていく、といった会社でございます。

技術的な部分はABEJAが作って、それをCA ABEJAのほうにOEMというかたちで提供する座組です。もちろんビジネスを2次関数的に伸ばしていきたいんですけれども、ABEJAとサイバーエージェントさんでは、当然企業的な文化や特徴、やり方といったものが変わってくるので、今はまだ、お互いの強みを理解し合うこともやりつつ、成長としての起爆剤を時間がかかっても作り込みにいっている状況です。

大事なのは、お客さまにできるだけ会いに行くこと

実際にどんな感じでやってるのかを、ちょっとご紹介させていただければなと思います。Sales部隊を実は早くも立ち上げていて……と言っても実際はまだ5名の組織なんですけれども、これからどんどん営業に行くというところについて、サイバーエージェントさんに頼らせていただいています。

現状のステージとしては、まだ仮説検証をくるくると回しているような段階の状態です。なので、お客さまのところに行って1次情報のヒアリングだったり、そこから課題マップを作っていくようなことをやっています。極力お客さまのもとに行くということを目標値として追ってるようなかたちになります。

これは営業のアポ件数をラップとしてマネジメントしています。なにをやっているかというと、週次単位でお客さまのアポを何件入れたか、みたいなことを高い目標値として持ってます。アポ件数を伸ばしたい理由は次で述べます。

お客さまの先に行ってヒアリング情報を得たものを、ちゃんとマップ化するために、「Javelin Board」というかたちで1個1個、記録をしています。記録をした結果から、最終的にその課題に対しての抽象度合いを上げていって、各課題の共通項目とは一体なんなのか、みたいなことをあぶりだし、それをソフトウェアの機能として開発し、横に展開をしていくプロセスとして成り立たせています。

アポの件数が課題マップの一次情報の数として活きてくるので、今はその情報を必死になって集めるタイミングであり、そこがソフトウェアの事業開発として最高に重要だと思っています。

攻めと守り、両方のプロセスに活きるAIの価値

みなさまもおそらくご存知だと思うんですけど、AIに今なにができるのかというと、1つは売上などを伸ばしていくといった攻めのプロセスに適用できるということです。あともう1つあるのが、バックオフィス系など運用コストの削減であり、守りのプロセスですね。両方ともに同じレベルで重要なプロセスですが、それをAIで解決するができます。

CA ABEJAの場合は、攻めと守り合わせたようなかたちのSoftware as a Serviceといったものを今現在構築中です。実際にAIの適用で進んでるのは、どちらか一方を選択して取り入れることが一般的ですけども、我々はそこをもっとチャレンジングな領域として、両方をアンドで持つような課題に対してAIを適用していくことをやっています。

この7月にまた1つ、Software as a Serviceの大きなリリースを打とうかなと思ってますので、気になる方はぜひ見ていただければなと思います。

今日は「創る人と売る人」というかたちで、創る人がABEJA、売る人がCA ABEJA、もしくはサイバーエージェントさん、という話をさせていただきました。

創る側の人には外国籍のメンバーを多数採用させていただいて、彼らの能力を最大化できるような環境を提供させていただいてるというところです。セールス部隊としてもまだまだ立ち上げの段階なんですけれども、お客さまと向き合うことで、課題をヒアリングさせていただいて、そこから抽象度を上げて課題解決に結び付けていこうと思っています。

よりビジネスを加速するために、我々は採用面も強化をしています。ABEJA、CA ABEJA、両方採用面を強化していますので、もしご興味がある方はこのあとで、私にお声掛けいただければと思います。

ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

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