2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
OPENING SESSION「デジタル時代の顧客はどこにいるのか?」(全1記事)
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司会者:登壇者をご紹介いたします。Showcase Gig代表取締役、新田剛史。セガゲームスDMS統括部統括部長、尾崎雄一。フラー代表取締役、渋谷修太。それでは、お願いいたします。
新田剛史氏(以下、新田):本日、オープニングから前半モデレーターを務めさせていただきます、株式会社Showcase Gigの代表取締役、新田と申します。改めまして、お暑い中お集まりいただき、ありがとうございます。
「Digital Consumer Meetup 2018」と題しまして、本イベントが最初の開催になり、今回、セガゲームスさん・フラーさんと、3社共催で開催することになりました。背景としては、私ども3社それぞれ、かなり異なる領域というか。
Showcase Gigはデジタルサービスの開発、とくにオムニチャネルの領域。実店舗のデジタル化であったり、省人化、モバイルオーダー&ペイという、スターバックスやマクドナルドのように、海外ではかなり浸透しているサービスの導入を行っている会社です。
セガゲームスさんは家庭用ゲーム機やスマホ向けのゲームでお馴染みですね。今回はデジタルサービスご担当の尾崎さんに来ていただいています。
フラー株式会社さんはアプリの解析や、ジャストパネルを展開されている会社です。
新田:改めて尾崎さんから自己紹介をお願いいたします。
尾崎雄一氏(以下、尾崎):今日はすごくお暑い中お越しいただきありがとうございます。前職はソーシャルゲームの会社、グリーにおりまして、ソーシャルゲームの最初の責任者を務めていました。
2015年からセガゲームスに入社して、その流れでゲームづくりになると思っていたんですが、ここ2、3年、セガゲームスではデジタルマーケティング事業を展開しており、そこの事業統括をやっています。
みなさんはもうご存知の部分もあるとは思うんですが、セガゲームスというと、家庭用、モバイル、PC向けのゲーム関連事業が主力だったりするんですが、ここ直近、デジタルマーケティング事業として、アドネットワークなど、いろんな事業を展開している、という状況になっています。
渋谷修太氏(以下、渋谷):こんにちは、渋谷と申します。僕も実は前職がグリーで(笑)。
尾崎:(笑)。
渋谷:フラー株式会社は、7年ほど前に創業しました。弊社は、基本的にはスマートフォンのモバイルの視聴率調査サービスをやっていまして。
イメージで言うと、テレビのビデオリサーチさんは、1,000軒ほどのお家にパネル、ツールを入れて、どのチャンネルが見られているかを取っていると思うんですが、それと似たような手法で、スマートフォン上のどのアプリが使われているのか、誰に使われているのかというデータをパネル調査で集めています。
国内だと数万件、それ以外にも韓国、アメリカ、あとは、もうすぐ10ヶ国ぐらい追加できるという状況ですが、いろんな国のどのアプリが流行っているのかというデータがわかるサービス「App Ape」をやっています。これをもとに、後ほどスライドで、我々のデータ視点から「デジタルのアプリは今どういうふうになっているのか?」というお話をさせていただければと思います。
下側の「スマホビジネス共創事業」と言っているんですが、データがたくさんたまってきたので、データを見て、例えば店舗のアプリだったらどうやったらうまくいくのかとか。
店舗でなくて今度……例えばイベントのアプリはどうしたら使えるかというようなものをデータをもとにつくっていくようなことも最近ではやっていたりします。よろしくお願いします。
新田:改めて、なぜこの3社かというところについて。時期は違うんですが、もともとお二人がグリーさんにいらっしゃって、コンシューマーのソーシャルゲームの課金ビジネスなどを経験されている。
2012年に株式会社Showcase Gigを立ち上げる前、私は、実は株式会社ミクシィにいて。SNS全盛でソーシャルゲームのマーケットが立ち上がり、グリーさんやディーエヌエーさんの間では激しいバトルが展開されていたのですが、ミクシィはユーザー課金を推奨せず、そのバトルには参加しておらず、グリーさんとも仲は悪くなかったですよね。
渋谷:うちは、ユーザー数の推移では、(ミクシィを)ぜんぜんライバルとして並べていました(笑)。ね?(笑)。
尾崎:(笑)。
新田:そうだったんですね(笑)。
新田:みんな共通するのは、今BtoBのビジネスに携っていて、企業さんやブランドさんと一緒に、その立場からコンシューマーにどんなアプローチができるかを、ずっと考えるのが今それぞれ生業になっていて。
意外かもしれないですが、セガゲームスの尾崎さんは完全にBtoBの事業を展開されているというところで。
そこをやっていく中で、BtoBというと、コンシューマーサイドに立ったサービス開発を進める経験とは、考え方、KPIの追い方、ゴール設定、そもそも投資できる金額などが、ぜんぜん違っていたりする。
ただ、App StoreやGoogle Playといったアプリのフィールドに並べられてしまうと、完全に同じ土俵で戦うことになってしまって。アメリカや中国で、どんどんコンシューマーを捕えた攻め手が増えてきている中で、「今のままの感じってすごく歯がゆいね」と話すことが多くて。
一度BtoB目線で、ただ、コンシューマーをどう捕えていくかを徹底的に考える日、時間もあっていいのではないかというのが、今回の開催趣旨となっています。
本日のプログラムを簡単にご紹介しながら、プログラムに関連するApp Apeさんの調査パネルなどを見ていければと思います。まず最初のセッション2つは、私がモデレーターを務めさせていただきますが、「新時代における“チャネルシフト”とは」と題して、展開させていただきます。
まず、オムニチャネルという言葉もあるように、そもそもチャネルを捕える時には、コンシューマーにはいろいろなところにインターネットにできるチャネルがあって、それはアプリ……スマートフォンの普及台数が頭打ちになってきているので、スマートフォンだけではなく、コネクテッドカーやスマートスピーカーといった、さまざまなところがつながっていくんですが。
その中でも、日本は「アプリか、Webか」という議論が「意外と長いな」という印象があって。
渋谷:確かに。
新田:アメリカと中国は、そんなに迷いがないですよね。
渋谷:本当にそうですよね。けっこうおもしろいなと思っていて。後でスタバのやつが出てくると思うんですが、アメリカなどで圧倒的に便利なやつ……1回体験したら絶対こっちのほうがいいなというのが、なかなか日本でシフトしていかないという気がしますね。
新田:どうしても企業側事象で、当然「そっちが得するんで」というのがあるんでしょうが、コストとか合理性といった考えは、けっこう迷っていないですよね。
「アプリか、Webか」の議論も、たぶん用途によって変わるとは思うんですが、別にどっちが絶対というのはないにしても、ただリピートとか、課金していくとか、決済していくものは、わりと普通にそっちに流れていく中で、最近の動向としてはライフスタイル系も、かなり増えてきているということですね。
渋谷:そうですね。ずっとデータを見ていて、傾向としてわかってきているのは、ライフスタイルでなくて店舗を持っている会社さんのアプリが多いんですが、勝ち負けはめちゃめちゃはっきりしているな、と思っていて。アプリを立ち上げた時に、やる気がある会社かやる気がない会社かがすごくわかるなといった話を、けっこうします(笑)。
新田:数字を見るとわかるんですか?
渋谷:数字も、そうですね。数字を見てもわかるし、アプリを見てもわかる。はっきりしています。新田さんはどう思われますか?
新田:姿勢は数字に出ますよね。レビューはけっこういろんな議論あるので、レビューだけで測れない部分もあると思うんですが、もちろん1つの評価軸ですし、ライフスタイルカテゴリで今だと、セブンイレブンさんが直近出されたものが、非常に勢いあると。
渋谷:そうですね。これもめちゃめちゃすごいなと思っていて。やっぱり店舗があるので、毎日来店する人が圧倒的にいる中で、ダウンロードの導線が明確にあるから、本気を出してつくってプロモ―ションすれば、めちゃめちゃ一気にユーザーが来るという。
App Apeだと意味わかんないグラフを描いていて。ずっとユーザー数はこのへんだったのに、プロモーションしだしてバーンみたいな感じで(笑)。これ、そんなこともできるんだ。ゲームなどからすると、けっこううらやましいダウンロードのさせ方ではないですか?
尾崎:そうですね。IPが確立しているものなら、非常にスタートダッシュ切れますが、ゼロからのオリジナルだとなかなか厳しかったりするので、けっこううらやましいなと思いますね。
新田:たぶんこの規模になると、ダウンロード数だったり、広告だけでどうこうなるユーザー規模ではない可能性がありますよね。オフラインチャネルをちゃんと使っているからできる、というのもありそうですよね。
渋谷:そうですね。
渋谷:ここにも直近伸びているランキングで入っているんですが、Tik Tokという動画が10代にめちゃめちゃきていて、僕自身もTik Tokとか、ゲームだと『コトダマン』とか(笑)、最近(新たに)きているやつかなと思っていたら、意外にセブンイレブンさんだったという(笑)。
新田:そうですね。Tik Tokについては、たぶん後のページでもご紹介がありますが、先走って(スライドを)送りそうになりました(笑)。
ここに並んでいるアプリ……TVerはたぶんワールドカップ効果ですよね、これ。
渋谷:そうですね。
新田:わかりやすいところで。
渋谷:あと、NHKのワールドカップアプリもすごく良かったと思っていて。
新田:そうですね。
渋谷:4方向から見れて、もうテレビよりいいんじゃないかというような。すごいなと思います。
新田:そうですね。そういう意味では、確かにアプリシフトというか、使い方としてプラットフォームで使ってくるプレイヤーが今増えてきているということですね。
(スライドを指して)これは、アメリカのApp Apeさんのデータですね。
渋谷:そうですね。ランキングを見てもわかるんですが、Tinderとかは全世界そうなんですが、Starbucksがやっぱりすごいと思いますね。スタバのやつなんかは新田さんのところでもかなり?
新田:そうですね。ちょうどStarbucksのアプリで備わっている機能として特徴的なのは決済、モバイルペイメントの機能……日本国内のスターバックスも出していますが、プリペイドカードのアプリ化。そこに加えて、ポイント、スタンプといった「Starbucks Rewards」(スターバックスリワード)と言われる機能に、モバイルオーダーの機能。Showcase Gigの象徴的なサービスとして世界でも一番早い時期に始めたモバイルオーダー&ペイというサービスがありますが、海外では普通になっていて。
そこで決済とか、あとは事前に注文、並ばずに受け取れるところが、スティッキネス(Stickiness)というか、粘着性を生む要因になっていて、DAU、MAUが高い水準を記録していますね。
渋谷:要は似たようなアプリと並べた時にも、ぜんぜん常に使われ続ける、というようなデータです。いろんなジャンルの店舗があると思いますが、決済の機能がちゃんと習慣化して使われるようになるポイントとして、どういうものだと相性がいいというようなことはあるんですか?
新田:そうですね。決済自体は本当に日常消費をどう捕えるかで。例えば航空券のような作業の大きいものは、もともとネット決済すると思いますが、頻度の問題があるので、カフェやファーストフードのような頻繁に行く場所で使われて(います)。
次のセッションでもテーマとして出ますが、中国では言わずもがな、Alipay、WeChat Payがすごいことになっていますし、やっぱり日常ですよね。小売・飲食といった現場で使われて。
USのStarbucksのアプリは、それ1個でApple Pay全体の利用者数を上回っているというのがありましたね。
渋谷:(笑)。
新田:Apple Pay自体も伸びているし、Google Payも伸びているんですが、それでも大きいというのが数字として出ていたり。これに限らず、日常系は全部強いですね。日本だと、結局セブンイレブンさんで(数字として)出ています。
さらに動向として、OtoOシフトの流れから、また別の部分として、アプリというか、デジタルログの消費時間のコマースという局面がすごく長くなっているというのが、データでも出ているんですよね。これもフラーさんですね。
渋谷:そうですね。「Webか、アプリか」の議論も完全にアプリ側に寄ってきたと思っていて。検索から来ているのではなく、習慣化して、ちゃんとアプリ側で使い続けて、というのが強いな、というのはありますね。ZOZOさんなんか、最近すごく伸びてきているなという感じですね。
新田:現場での決済もあるので、当然、自宅に限らないと思うんですが、日常のオフラインのリテールとか、いわゆるECそのものも。
当たり前のようですが、何の目的でスマートフォンやアプリを使うかというと、コマースが去年よりもかなり(拡大していて)、アメリカでさえ未だにすごく拡大しているというのがあって。今年出たKleiner Perkinsの「Internet Trends」というレポートでも、かなりコマースというチャネルが(拡大しているということが)、データで出ていて。
消費時間として、日本では、ECサイト上で過ごすというのが増えているんだなと。実際、広告売上、Amazon、Alibabaもすごいというのがデータで出ていますね。
新田:セッションというより、全体観をお話ししてしまいました。もう1つのセッションは、「データテイメントの描き出す未来」で、いろいろな角度の事例、とくにアプリやオフラインに限らないところで、データをどうエンターテインメント表現に持っていくかというのをお送りいたします。
その次は、「今、女性はスマホで何を見ているのか? 最適な場のつくり方」と題して、フラーさんにモデレーションやっていただくセッションになっていますね。
では引き続きまして、App Apeさんのパネルから、インスタについて。伸びているというのはみんなわかっていても、何で伸びているかというところですよね。
渋谷:圧倒的に機能のアップデートがめちゃめちゃすごいなと思っていて。すごく悪く言うと、徹底的に出てきたやつをパクっていきますよね(笑)。「これでもか!」というぐらい、すべて追いついていく、というような。
新田:そうですね。全部他社アプリみたいに(笑)。
(会場笑)
渋谷:(笑)。Tik Tokきたらこれがくる、というような。でも、すごいわかりやすいなと思っていて。僕の偏見なんですが、日本の企業は、プライドなのかわかんないですが、あまりそういうことをやらない印象があって。
新田:そうですよね。
渋谷:アメリカや中国は、もっといいものはパクるというような戦いになるじゃないですか(笑)。でも、ゲームなんかは、わりと……。
新田:仁義なきバトルをやっている、率先してやられているんじゃないですか?(笑)。
尾崎:そうですね(笑)。あとは、けっこうゲームのプロデューサー自体も、「新しいものをやりたい」というようなこだわりを持っていたりするので、そこの線引きが(難しい)、というようなところがありますよね。
渋谷:ゲームはもちろんめちゃめちゃ激しいから、アップデート合戦だと思うんですが、いわゆるブランドアプリだったり、もっと日本のその他のジャンルも、これぐらい見習っていってもいいのかな、と思ったりしますね。
新田:そうですね。Facebook社の方針なんでしょうが、インスタ上では大胆に機能をパクって競合潰しというのをすごくやって。時間との勝負だからですよね。ストーリー機能はSnapchatから持ち込まれたというのは有名ですが、このせいでSnapchatも、UUが完全にそがれてしまって。
渋谷:そうですね。
新田:叩き潰せてしまって。それもSnapchatが買収に応じなかったからという。従わなかったらパクって潰すまでという(笑)。全部ですよね。Facebook Messenger側でもやってきましたし。
渋谷:そうですよね。Tik Tokの経営の流れも、徐々にもう始まっていますね。
新田:そうですよね。
渋谷:ある種、ビジネス視点ではパクり合いなんですが、ユーザー視点だとすごく優れているのかなと思っていて。1回ストーリーのようなものをやってしまうと、慣れてしまうから、「あ、あれね」という感じでわかってくれる。
新田:そうですね。
渋谷:ユーザーが慣れているやつをちゃんと入れていくというようなことが、すごく大事かなとはよく思いますね。
新田:そうですね。僕もミクシィにいて、mixiは2004年2月から提供しているサービスでしたが、2007年にTwitterが始まって、Twitterがきていると。早いエンジニアやユーザーでは、たぶん2008年、2009年とかに、日本でかなり盛り上がっていたんです。「Twitterのつぶやき機能を取り入れていいか」議論とかがすごくて。
渋谷:(笑)。
新田:mixiの場合、機能開発は終わっているのにリリースしないという状態がだいぶ続いていて。たぶん終わっているのに、1年半ぐらい出さなかったと思うんですよね。
渋谷:へぇ!
新田:だから、やっていることが真逆ですよね。
渋谷:グリーもありましたよね。
尾崎:ありましたよ。
渋谷:サクッと(笑)。
新田:コンシューマーのところの機能開発はつくりやすいかもしれないですが、武士は食わねど高楊枝でやっているうちに死んでしまうというところが(笑)、デジタル上であるとしたら。
実際、コンシューマーのコミュニケーションレイヤーといわれている領域で、日本のサービスはほぼ存在しない状態になってしまっていますから、非常に厳しいですね。その象徴みたいなものが、インスタも当然そうなんですが、もう1個が次のTik Tokですよね。
渋谷:これ、ヤバいですね。直近をApp Apeで見ていても、一番ビックリするやつで。
1ヶ月のアクティブユーザー数がMAUですね。ネタとしてですが、先月1ヶ月のMonthly Active Userを今週、要は先週1週間のWAU、Weekly Activeが上回っているんですよ。
だから、先月1ヶ月間で1回でも使った人よりも、先週使った人のほうが多いというユーザーの増えのバランスがヤバいなと思って(笑)。そういうサービスはあまりないので。
新田:見たことがないですね。確か16年から17年のユーザー数の伸びが……MUかな、77倍とかで、たぶん今もっと記録を更新している可能性が高いですよね。
渋谷:これはすごいです。
新田:社名が次々変わるんですが、最初、ByteDanceという名前の、中国最大のニュースポータルを運営する会社が、リップシンクと呼ばれる15秒の……音楽に合わせて動画を撮るというUSで先行したサービスを後から中国で出して。musical.lyを買収して、大変なことになっているサービスですね。
渋谷:エンタメで、若者向けで、ユーザーは(ゲームも)すごく時間を取られるじゃないですか。コンシューマー向けのいわゆるゲーム視点だと、どのように見ているんですか?
尾崎:そうですね。時間は限られているので、今まではどっちかというと、ゲームに対してゲームで対抗みたいな部分だったところが、こういったエンタメ系全般的なアプリとがどんどん増えて、その中で時間を増やしているので、けっこう大変だと思いますね。
新田:これはすごい取っていますよね。
渋谷:絶対取っていますよ。データをうちのダッシュボードで見ると、1日の平均起動回数が30回を超えているんですよ。
新田:ですよね。
渋谷:「意味わかんないな」と思って(笑)。「何のゲームだよ」みたいな。
新田:あと、LINE。NAVERが韓国から来て、mixiも含め、SNSフィールドを全部制圧されてしまいましたが、その勢いを感じて。(Tik Tokは)完全に中国なんですが、マーケティング上、日本の若い子から見てぜんぜん違和感がないので、たぶん日本のサービスとしか思っていなくて。
別にそこ自体は、どちらでもいいかもしれないですが、また日本発ではないところに、完全にコミュニケーションレイヤーを持っていかれたのは間違いなくて。ただでさえ米国と韓国できていたのに、中国まで全部かっさらうと、もうto Cのコンシューマーレイヤーは全部海外になってしまうので。わかりやすく持っていかれていますね(笑)。持っていかれている最中ですね(笑)。
ただ今回LINEさんも参加されて、日本でのそういったやり方みたいなところも触れていただくというかたちで。
新田:最後ですが、「顧客を“捕え続ける”ためにはどうすればいいのか? コンテンツ戦略最前線」というかたちで、セガゲームスさんにご登壇いただいて、虎の子というか、普段聞けないレベルで、裏話を明かしていただくと。
渋谷:オフレコなんでしたっけ?
尾崎:そうですね。
渋谷:(笑)。
新田:そうですね。私からイントロダクションで、当然セガゲームスさんの社名を知らない方はいらっしゃらないと思うんですが、本当に、歴史は相当長いですよね。60年?(笑)。
尾崎:そうですね。
新田:コンソール機からコンシューマーの仕掛けの中で、オンラインのゲームのフィールドでもかなりヒット作を出されているというところで。直近だと、この作品が国内の希望というか、非常にコンシューマーを捕えているんですよね。
渋谷:はい、これはすごいですね。
尾崎:700万ダウンロード突破というところで、最近出たタイトルでは、すごくスピード感を持って成長しているタイトルです。ノンIPでこれだけのスピードでダウンロードが進むことはなかなかないんですが。
実際に顧客の時間をどれだけネットに増やすかというところで、TwitterをはじめとしたSNSを活用したり、オフラインで強みを持たれている企業さんとコラボレーションを積極的にやられたりというところで。
セガで言うと、アーケードゲームやゲームセンターというところで、リアルな顧客接点もあるにはあるんですが、どうしてもデジタルが主戦場になっていく中で、オフラインが弱かったりするので、そこはいろんな企業さんとコラボレーションしながらやっている、という感じですね。
新田:渋谷さんのApp Apeのパネルを見ても、パズドラ、モンスト以来の伸びを示している。
渋谷:ゲームではずっとなかったんですよ。もちろん、ユーザー数というレベルでちょこちょことあったんですが、レビューを見ても、伸び率を見ても、たぶんパズドラ、モンスト以来ですよね。そんな感じになるのではという波が。
新田:そうですね。仕掛けというところでは。App Store、Google Playでは、企業アプリもこういったコンシューマー課金アプリも並ぶという中で、そのへんの仕掛け方などを今日お話しいただけると。リテンションだったりとか、このあたりですよね。
尾崎:はい。『コトダマン』については、後ほどのセッションで、どういうかたちで運用しているかをお話しできればと思っています。
セガゲームスでは、ゲームをつくっているというのはみなさんご存知の部分もあると思うんですが、ソーシャルゲームのWebベースの時はゲームの開発費がだいたい5,000万から7,000万ぐらいだったんですが、ここ最近の開発でいうと、5億から10億にもなっていまして。
新田:10億。
尾崎:けっこう初期投資が大きいというところで。
渋谷:10億……。
(会場笑)
尾崎:顧客獲得の厳しさがすごくありまして。あと継続率ですね。多くのユーザーの方に長い時間遊んでいただきたいという部分もあって、継続利用についても、今は力を入れていますと。
尾崎:時間も限られてはいるので、感動体験というか、ユーザーにコンテンツ体験をいかに提供するかというノウハウのようなものも、多少は持っているだろうというところで、デジタルマーケティングビジネスを展開しているという状況になっています。
新田:さらにそのトラフィックをアドネットワークとして活かす、ということもやられていると。
尾崎:そうですね。あとは、マガジンポケット。講談社さまのプロダクトですが、こちらはゲームというところを活かしたかたちで、セガではサポートをさせていただいています。
東急電鉄さまの取り組みの部分ですが、オフピーク通勤で、ゲームのアイテムをフックにした取り組みとして、お手伝いができないかというところで、このような取り組みをやらせていただいています。
あと、セガとランサーズさんで合弁会社を2年前につくりまして。ゲームの企画ノウハウを活かした企業の課題解決をしていこうというところで、企業さんと直接かなりガチでやりとりしていきながら、プロダクトをつくっていったり、マーケティング施策をつくっていったり、といったことをやっています。
新田:だいぶセガさんのイメージとも違うというか。
尾崎:そうですね。最初は「セガでこんなことやってんのか?」というようなこととか(笑)。
渋谷:僕もビックリしました(笑)。
尾崎:最近少しずつ浸透はしてきていると。
新田:コンシューマーで培ってきたものをそちら側に還流していこうというか。パズドラもモンストもそうですが、実際、かなり企業コラボとか。
もちろんこの会場にいらっしゃるみなさまの中で、ご一緒に取り組まれたケースももしかしたらあるかもしれないんですが、どこにコンシューマーがいるかというのを考えながら、オンライン上だけじゃないところから取るというのを相当仕掛けていたりする中で、こういったビジネスも生まれてきたという感じですよね。
尾崎:そうですね。
新田:プログラムの紹介と、私どもの主催会社のご紹介を兼ねた、オープニングセッションというかたちでやらせていただきましたが、ここからは、それぞれテーマごとに分かれて、掘り下げるかたちで、プログラムを進行させていただければと思います。
夜には懇親会、ネットワーキングパーティもご用意していますので、少し時間はありますが、よろしければそちらもぜひご参加いただければと思います。
また、個別でも、なにか気になることがあれば、ぜひご連絡いただければと思いますので、本日はこれよりプログラムにお付き合いいただけますよう、よろしくお願いいたします。
司会者:ありがとうございました。それでは、以上でオープニングセッション「デジタル時代の顧客はどこにいるのか?」を終了いたします。ありがとうございました。
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