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パネルディスカッション「最新技術潮流とビジネス活用を徹底議論!」(全3記事)

マイクロソフト澤氏らが語る、時間と距離の問題を一気に解決するVR/ARビジネスの可能性

2018年6月20日、クライス&カンパニーが主催する「Google,Microsoftの戦略にみるテクノロジーの新潮流とビジネスへの活用を徹底議論!」が開催されました。本セッションでは、澤円氏、藤井彰人氏、及川卓也氏が、事業・ビジネスの視点から、GoogleとMicrosoftの新技術動向をどのように応用・活用すべきかを具体的に掘り下げていきます。今回は、変化のスピードが速い現代において、失敗をしたときの対応の仕方や、時間と距離の問題を一気に解決するVR/ARビジネスの可能性などについて語りました。

Buildで展開される最新のMicrosoftテクノロジー

及川卓也氏(以下、及川):今回のBuildで(発表されていたのは)、たしかエッジがコンテナで展開できるんですよね。これは実はすごいんじゃないかなと思っています。

先ほどのホワイトボックスでネットワークもソフトウェア化しているというSDx(Software-Defined anything/ソフトウェア定義)的な話は、コンテナの世界をKubernetesでやるというのは、その世界でIoTのデバイスまで全部やってしまうんですね。

だから、ネットワークが今後いろいろ変化していったとしても、そこがKubernetesでコントロールできるならば、「これはエッジじゃなくてクラウド側で」「ここは今、帯域がこの状態だから、エッジ側に持っていって」ということが、全部制御できるようになるような世界ですよね。

澤円氏(以下、澤):そうですね。実際にBuildの中でも、Azure IoT Edgeというものでデモをしながら、DJIのドローンを使って実際に見せるんです。それで、その中にAIが組み込まれているという。そこらへんが全部一気通貫になっているんですよ。

当然、その中にクラウドネイティブになっているものがあります。いわゆる人が見て何かをやっているわけではなく、それ(ドローン)が勝手に動いていって、自立的にそういったデータのやりとりまで行う時代になってきたわけですね。

及川:なるほど、わかりました。

藤井彰人氏(以下、藤井):エッジ側もきっと多段になると思うんですね。コンテナの動くモジュールも、今は全部クラウド側に入っちゃってますけど、それがMECとかモバイルの基地局みたいなレベルのエッジもあれば、それこそゲートウェイ的な部分のエッジ、IoTデバイス側での本当のエッジのところもある。そういった多段のかたちになって分散していくのかなと思いますね。

及川:フォグ(コンピューティング)というのは、その中間層みたいなことを言っているイメージなんですよね。

藤井:たぶんね。そうですね。

経営層の隣でコードを書いて遊びたい

及川:このIoTの話題もそうですし、触れていなかったVR/AR/MRとか、開発系も含めて、会場からのご質問を伺いたいと思います。

ここからは、前半に登壇していただいた井上さんと東さんにも質問があれば出ていただくかたちにしたいなと思います。でしたら会場の方、何かご質問があればぜひ拾いたいんですけど、いかがでしょうか。

:(誰も)手を上げてくれないと及川さんが指すの?

(会場笑)

(客席挙手)

及川:はい、じゃあお願いします。

:素晴らしい。ファーストペンギンは本当に素晴らしいですね。

質問者1:私はもともとエンジニアだったんですけれど、今の会社では経営企画(の部門)に入っています。何がしたいかというと、経営層の横でコード書いて遊んでるということをしたいなと思っているんです。

KDDIさんとかMicrosoftさんには、経営層の近くで(エンジニアが)遊んでいられるような事例や、それに関するインスピレーションが与えられるような事例はあったりするんでしょうか。

:うち(Microsoft)にエバンジェリストの西脇(資哲)というのがいるんですが、まさに彼なんかはそれに近い立場じゃないかなと思います。彼は端的にいうと、社長がキーノートなどでしゃべったあとで、それを受けてデモをやったり、技術的な話をしたりする人間なんですね。

「遊んでる」と言うと殴られると思うんですけれど、(彼は)遊んでいるわけではなくて、最新のものや、とにかくいろんなものをわかりやすい形で表現をする仕事をしています。もう1つの役割は、社長なり経営層が別のところでドヤ顔ができる状態をつくってあげるというのが大事かなと思います。

その人がちょっとスマホか何かでちゃちゃっとデモを見せて、経営者たちの集まりの中で「おおっ、すごいですね!」と言われると、これはすごい成功体験になるんですね。そうすれば、どれだけ遊んでいても怒られることはありません。

「もっとおもしろいものをくれ」と絶対に言ってくると思います。だから、経営層にドヤ顔をさせるために、27パーセントくらいの時間を使って、あとの73パーセントは好きなことをやればいいかなと思います。

質問者1:ありがとうございます。実名まであげていただいて(笑)。

藤井:経営企画みたいなことをされているのであれば、もうまっとうな、外に出てなにかプロダクトを売るような社長なのかしら?

質問者1:そうですね。一応社長は完全に営業畑の人で、逆に……。

藤井:なにかモノを売ってる会社?

質問者1:モノは売っていなくて、電子書籍の流通をやっている会社です。

藤井:それだったら、明確にデータアナリストみたいなところを見せつけるのが、今のトレンドじゃないかなあと思います。経営企画の人は、どちらかというと経営方法論みたいなところで育ってきてるから、そこにデータの解析のリアルタイムさを見せつけるのは、非常にいいんじゃないかなと思います。遊んでいたらクビになりますよね。

(会場笑)

質問者1:良い意味で遊んでいるというか(笑)。

藤井:ぜひ、データで遊んでみるとおもしろいのかなと、私なんかは思いますね。

質問者1:アクセスできるデータがまだ少ないので、そこを集めてくるところから……。

:ハッキングしちゃって。

(会場笑)

及川:Microsoftのセキュリティ担当者から(笑)。

質問者1:さすが(笑)。ありがとうございます。

ジョブ・ディスクリプションなくして責任の所在はない

及川:他はいかがでしょうか。たくさん手が挙がってくれると嬉しいです。そのまんなかの方。もう1回手を上げていただいてよろしいですか。

質問者2:今日はお話ありがとうございました。エッジ側を含めて、とても可能性が広がっているなかで、そのアーキテクチャを誰が考えたらいいのか、全体の責任を誰がとったらいいのかが非常に複雑になってきて、すべてができるオールマイティの人がなかなかいない気がしています。

先ほどシリコンバレーでは、数時間単位でいろんな人たちが(仕事に)コミットする、というお話がありましたけれども、どうやって責任をとる人を決めて、どうやって異なるスペシャリティのある人をつなぎ合わせて、責任がとれるようにしていけばいいのか。それについて、みなさんがどうお考えになられてるのかをお伺いできればと思います。

:じゃあ先に僕から。これは2つの考え方があると思うんです。例えばちょっと大きい企業で、責任の所在を明確にしないと経営そのものが信用されなくなる、というのであれば、これは実はまったく違う観点です。

僕があちこちで働き方改革の話をするときに、必ず言っている話なんですけど、ジョブ・ディスクリプションがない会社は圧倒的に多いんですよね。

僕から言わせると、そもそも「誰が責任をとるのか」じゃなくて、「責任範囲を明確に定義してないのに、そんなこと言う資格はそもそもないでしょ」なんですよ。「先にジョブ・ディスクリプションを作ってからにしなさいよ」なんですよね。

そのうえで、新しいことをやる時に誰が責任をとるのかを語るべきであって、それ以前に、社員の責任の所在もはっきりしてないのに、何かの行動に対してだけ「責任をとれ」というのはおかしいと思うんですね。そうなっていると、おそらくはイノベーションなんて永遠に起きないですし、前に進むことも基本的にないと思うんですよ。

もしそういった大企業や、ある程度の組織体ができている企業が、ジョブ・ディスクリプションがなくてそう言っているんだったら、まずは「全力でジョブ・ディスクリプションを作りなさい」ということなんですね。それがまず1つ。

新規事業に必要なのは早めに失敗して修正すること

:そうではなくて、もうちょっと新規事業的なものだったり、それこそスタートアップなどの実験的なものであれば、責任なんてものはとらなくていいと思います。失敗したら賞賛し、祝福をするくらいのカルチャーをつくることが大事かなと思います。その代わり、早めに失敗することです。

致命傷をいきなりくらうんじゃなくて、早めに失敗してすぐに修正できる。そういった流れ、サイクルでやっていくこと。責任をとるとなると、場合によっては犯人探しになるんですよね。そんな暇はないんです。そんな人を探している場合ではなくて、早く前に進むためには何をすればいいのかを考えておかなきゃいけない。

そのためには、責任をとる云々という話ではないんです。僕はオーナーシップという考え方でよく言っているんですけれども、「誰がこれのオーナーなんだっけ」というふうに言えば、必然的にその人は、誰から言われるでもなく責任をもって行動するはずなんですね。

そうしたら、「あ、これ失敗した、ごめんやり直す」。それでいいと思うんですね。それだけで次のステップに行けばいい。それが2つあります。

藤井:僕も澤さんの後半の考えと一緒です。失敗をできるだけ早くして修正して、正しい方向に結びつけていく。ムービングターゲットを追えるようにする。正しいことをしようとするから失敗するわけです。

とくにそういうイノベーションを目指しているところに関しては、それ(正しいこと)が変わっていくというふうに考えたほうがいいと思うんですよね。

私もKDDIで一番びっくりしたのは、企画開発部だったんです。アジャイルデベロップメントの仕組みがなかったんですよ。だからまずそれをつくるところから始めました。それで、そこのある流派でスクラムやって、POがこのプロダクトの責任を負う。スプリントをきっちり2週間でまわして、その度にみんなで評価をして、次はどっちの方向に進んでいくのかを決める。

アーキテクトの話はまたちょっと別かもしれないですけどね。そのアーキテクトがどこを目指しているのかをみんなで議論していれば、「誰から何を学べばいいのか」も明確になってくるので、それでムービングターゲットを追えるようにして前に進んでいけばいいのかなと思います。

メンバーシップ雇用の中ではテクノロジーは磨かれない

及川:ジョブ・ディスクリプションの話というのはそのとおりです。たぶん、日本企業はずっとやっていなかったことなんですよね。日本企業の雇用モデルはメンバーシップ雇用と言われていて、その人の職種・役割を定義しないまま採用し、かつ、その役割がなくなってもあなたの雇用は守りますから、ということをやっていました。

なので、やはり澤さんの言うとおりだと思うんですよ。それを変えていかないといけないなと思います。失敗を許されるような組織と、職種・役割を明確にしていくところの両方をやっていくことが、もしかしたらこういったテクノロジーを活用する組織において、必要なことなのかなと思いますね。

:そうすると、本当にスキルを持っている人が、テクノロジーを磨いていくところに集中できると思うんですよね。いつ営業にすっとばされるかわからないという今の状態になると、そのカッティングエッジの技術にものすごくコミットするにはやりづらいんじゃないかなと思っています。そこを救う意味でも、ちょっと意味があるかなと思いますね。

及川:(質問者の方が)期待されている回答とは違うところですが、そのアーキテクチャ設計が難しいというところは、私の期待を込めて言うと、Microsoftさんなりがテクノロジーで解決できるといいと思うんですよ。

要は、少し小さい開発であるならば、設計をIDEに落とせば、ある程度スケルトンコードを吐き出すというところはもう全然できてるじゃないですか。

ただ、少し大きいところのレベルで、さっき言った「5Gがあります、何があります」というところのネットワークの話なども入るような大きなシステムの場合、ここは、リスクのところは担保しなければならない。

SLA(Service Level Agreement)を入れたり、もしくは制約条件となるベンダーリスクも、世間の評判みたいなものを学習してくれるところまで取り入れられるならば、今はGitHubのところのコードをベースにしてインテリコードができるくらいだから、不可能じゃないと思うんですよね。

そうすると、ある程度こんなアーキテクチャにいった場合、「こういうリスクがあります」「こういった時にこういうリスクがあります」というようなところまでサジェストできる未来は、なんだかMicrosoftさんならできそうだなと思うんですよね。

:十分可能ですね。とくに、うちの会社の場合だと、GitHubの前にLinkedInを買収してるんですよね。LinkedInというのは人材データベースそのものなので、スキルセットを数値化して、分析の対象にすることができる。これは別に個人情報をいじるとかいう話じゃなくて、もうちょっとビッグデータ的な観点での話です。

そうなると、その人の動きや働きと、さっきおっしゃっていたようなテクノロジーによる何かの解決方法をリンクさせることは、現実的にできるんじゃないかなと思いますね。

及川:Microsoft Graphの拡張みたいなかたちですね。

:そうですね。まさにそういうことですね。

今後のVR/ARビジネスの可能性

及川:あと1問くらい(時間が)とれるかなと思うんですけど、じゃあ前の方。

質問者3:今日は話題には上がらなかったんですけれども、VR/ARについて、今後ビジネスという意味ではどういった可能性があるかをちょっとお聞きしたいなと思います。

例えば、最近だとエンターテインメントとしてビデオを見るということなどで使われています。けれども、それだとあまり面白味がないですし、発展性もない。そこらへんをどういうふうに可能性として感じられているのかについて、ちょっとお聞かせ願えればと思っております。

:じゃあ、せっかくこれ(VRゴーグル)持ってきてるし、僕が答えましょうかね。これはBuildで発表されたものなんですけれど、最近、VRゴーグル用にできてきたメジャーなものを2つ(ご紹介します)。Microsoftリモートアシストというものと、Microsoftレイアウトというものです。

この(Microsoft)リモートアシストというのはまさに、リモートでアシストするものなので、遠隔地にいる人と同じ風景を見ながら、こうやって操作するといいですよ、というのをアシストしていく。そういうアーキテクチャが完全に組み込まれているんですね。

もともとできないことではなかったのですが、それがさらに洗練されてきて、アプリケーションの1つのかたちとしてリリースされました。そうすると、絶対に人間が変えることのできない2つのパラメーターである、時間と距離の問題を一気に解決できるんです。

距離が離れていても(いいし)、なおかつ時間も合わせなくていいんですよね。(時間が)ずれていたとしても、同じ風景の中で「こういう操作をすればいいんだよ」という実演をして、あとで別の人がそれ(VRゴーグル)で同じ風景を見ながら、ここのネジをこうやって締めるんだね、ということが見られたりする。それで時間と距離(の問題)は解決です。

あと、(もう1つのMicrosoft)レイアウトというもの。例えば、大型の機械をレイアウトすると考えた時に、モックアップをつくることはすごく大変なんですね。工場の中のでっかい機械をつくるのは大変です。

それをホログラフィックでやって、こことここにこうやって機械を置いた時に動線はこうなるから安全である、といったことが簡単にできる。それも、リアルな3D(データ)さえあればいい。

これは、CADデータですぐできます。すぐできると言うとちょっと語弊がありますけれども、データとしては存在しているわけなので、それを置くだけでも十分です。そうなると、大きなコストダウンと、人間が今まで負っていたリスクをすごく小さくできるわけですよね。

例えば機械を運ぶことになったら、当然事故のリスクも伴うわけなので、それを抑えることもできるかなと思います。(藤井さんに)バトンタッチ。

VR/ARを使えば三次元の中でCADデザインができる

藤井:僕はビジネスサイドのことをやってきているのであれですけど、とくにVR/ARで注目しているのは3DのCADですね。

:CADね。

藤井:モックアップや二次元のパネルを使って、こんな三次元コントローラーを使って作業したりデザインするのはおかしいですよね。だから、明確にその3Dの世界の中に入ってデザインするという方法論が出てくるだろうなと思います。

あともう1つは、どストレートにGoogle Lensがすげえなと思っています。すごくビジネスのニオイがしますね。「このカバンいいな」と思って、友達の(持っているカバンの)ところに(Google Lensを)ビッて向けたら、それで買えるわけじゃないですか。これちょっとすげえなと思っています。

:今まで(「それどこで買ったの?」とか)話しかけなきゃいけなかったのが、もういらないんですもんね。

藤井:その目を持ってるわけなので、目を見てアクションをすることが非常に速くなる。そこをすごく注目しています。もちろん、人それぞれいろんな考え方があるとは思いますけれど、私は注目していますね。

及川:時間が限られてるのでもう端的に言うと、私の友人の会社で、そこ(VR/AR)でけっこうビジネス(チャンス)があると言ってたのは、社内教育ですね。いわゆるeラーニング的なやつです。実はVRである必要はないんだけれど、没入感があることから、VRでeラーニングをやっているところがあるんです。

あとは会社紹介で、グローバルで採用をする時に、例えば海外から日本の地方に来てもらう時に、そこはどんな街か、どんなオフィスかを見せる時にVRを活用している事例がありました。

自分のビジネスに合ったテクノロジーを選ぶ

及川:質問は以上といたしまして、最後にお二方にもいったんステージに上がっていただいて、一言ずつお言葉をいただきたいと思います。ちょっとお手数ですが、壇上に上がっていただけますでしょうか。東さんから一言、今日の感想をいただいてよろしいですか?

東賢氏(以下、東):いきなりこの全体で一言ですか?(笑)。

及川:さっきも無茶振りされてたので、たぶん無茶振りは慣れてるかと(笑)。

:難しいですね。

:これで流れができるから。

:ああ、ありがとうございます。

(一同笑)

:僕はBuildの参加者ということで、Microsoftの人間でもGoogleの人間でもない状態でここに出てきました。だんだんいろんなものが難しくなってきたな、と思っているんですよ。AIとか、Kubernetesとか、Dockerとかコンテナとか。やらなきゃいけないこと、覚えなきゃいけないことがすごく増えてきています。

そのなかで、先ほどもアーキテクトがいないことが問題とか、アーキテクチャのことが問題になっていますけれども、とりあえずそれをベストプラクティスで提示しているものもいっぱい出てきています。

なので、まずは使ってみて、自分のビジネスとのフィットとギャップをちゃんと見ることを素早くやっていくことが大事なのかなと思いました。

あと、私はUIが専門なんですけれど、最後にその細かい裏のことをやったうえで、UIみたいなことは最終的に残ると思っています。そういうこと(UI)も大事なんじゃないかなと再度思った、というのが今回いろんなことをリキャップ(recap/要約)していて思ったことでございます。

及川:ありがとうございます。

未知のものを試して、組み合わせて、学び続けること

井上章氏(以下、井上):非常に難しいお題をいただきましたが、最後に一言ということで。ちょっと昔の話をすると、私はもともとは完全にハードウェア屋さんだったんですね。音楽が好きだったので、アナログ回路設計でオーディオ機器とか作ってたりもしてたんです。

そこからDSPの信号処理で、アセンブラ言語とかを覚えていって、Z80とかをいじったりもしていて、そのあたりからだんだんソフトウェアっておもしろいなと(思うように)なって、この業界にどっぷり入って、今は完全にソフトウェアの開発者です。

今日も「LOVE to CODE」と書いてあるTシャツを着ていますけれど、本当にコードを書くのが好きという思いがずーっとあってですね。たぶん、みなさんも同じような状況にいらっしゃると思います。例えば、いろんな商品企画からしてもそうですし、ビジネスサイドのいろんなユースケースを考えて、どういったサービスを作っていくかというところもそうだと思います。

実際にそれをコードに落とし込むだけでなく、例えばアーキテクチャを考える中で、いかに効率よくアプリケーションを作って、サービスを作って展開していくかを考えることも全部同じだと思うんです。

すべてにおいて、モチベーションが非常に大事になると思うんですね。いろんなサービスがあって、どれを使っていいかわからない。でも、わからない中でそれを一つひとつ試して、組み合わせてやっていくことはすごく楽しいことだと思います。

今はAIもそうですけど、すごくイノベーティブなアプリケーションをつくる中で、みなさんがモチベーションを持っていることで、まだまだ楽しいことがいっぱいできると思います。そういったなかで今の状況をぜひ楽しんでいただけるといいかなあ、と思っております。

及川:はい、ありがとうございます。

藤井:はい。私は1つだけみなさんと違って、日本の企業のマネジメント層で、さっきからディスられる感じがちょっとありますよね。

(一同笑)

藤井:でも、別に日本の企業だろうがマネジメントだろうが、新しい世界をつくろうとして、チャレンジをして、最新のテクノロジーや活用できるものについて学び続けていれば、必ず何か新しいことができるのかなと思います。それが技術だろうが方法論だろうがなんでもいいんです。

「そのままでいいや」というやつが一番ダメだなと思うので、それこそ及川さんじゃないですけど、“Nothing ventured, Nothing gained” です。やっぱり、何かにチャレンジしないと何かを得られないですよ。自分の成長もそうです。

だから、自分の市場価値が上がっているのかを見る意味でも、こういった情報をちゃんとアンテナを張って仕入れてください。今だとネットで全部見られますからね。そして、成長してビジネスに結びつけてほしいなと思っています。

とにかく最先端のものに触り、人と情報交換をすること

及川:澤さんお願いします。

:僕、前職の話はほとんどしていなかったんですけど、COBOLのプログラマーだったんです。文系の大学を出てCOBOLのプログラマーになったので、ものすごいポンコツプログラマーでした。

ぜんぜんITのことがわからない状態でいたんですが、インターネット時代が僕に合わせてやってきてくれたので、ゼロリセットになって。それから、一応エンジニアの名前をつけた状態で仕事も続けることができたんですね。本当にラッキーなことに、最先端のものに触り続けられた。

エンジニアの能力としては、本当にポンコツなんですけど、ただ、最新のテクノロジーに触れるということに関しては、ずーっと恵まれた環境できているんですね。なので、今この瞬間に、ここにいらっしゃるみなさんはすごくラッキーだと思っています。

これだけいろんなスタックのもの、テクノロジーのいろんなレイヤーのものが、これだけ安く手に入る時代はないわけですよね。今までそんなことは存在していなかったんです。

これからは、ちょっと試したいと思うことがあったら、これだけの大企業のGoogleもAmazonもFacebookもMicrosoftも全部、昔なら何億円、何十億円、何千億円とかかったものが、下手すれば無料で、払うにしてもちょこっとのお金で試せるわけですね。

このチャンスを逃さない手はないなと思っているので、まず、なんでもいいからやる。触る、試すというのをやってもらって、まわりが触らなければ、もうどんどん触りなよ、もっとやってみなよ、ということを体験していくことがすごく大事かなと思います。

それをどんどん発信していくことはすごく大事です。あとはもう1つがコミュニティですね。みんなでなるべく情報交換をするような、人とのつながりをどんどん作っていくといいかなと思います。そういったハードとして、ここら辺の連中が役に立つのかなと思うんですね。

僕のことはちょっと引いてもいいんですけれど、ここら辺はぜひこき使って、どんどん情報をとってもらえるといいんじゃないかな。という乱暴な振りで次にいきたいと思います。ありがとうございます。

及川:登壇者のみなさん、どうもありがとうございます。今日は話し合ってみて、新しい技術がいろいろ出てきて大変だなと思う反面、基本(的に)はとても楽しい世界が広がっていると思っていただければいいなと思います。

そんななか、偶然、両方とも私の古巣であるMicrosoftもGoogleも本当に素晴らしい技術を出していますので、そこを楽しみながら学び、もしくはビジネスへの活用を考えていただければと思います。今回のイベントが、少しでもそのためのヒントになったらな、と思っております。

とくに後半、ちょっと私は仕事しなきゃいけないんですけれど、後半たまたま人材の話が多くなったと思います。そして、今回の主催でありますクライス&カンパニーという会社、もし転職を考える時は……。

(会場笑)

ご相談いただけますといいと思います。あとは私が今、技術系を一緒にやっていますので、とくに内製化を進めたいですとか、新しいテクノロジーで誰かリーダーを、というときには、どうか覚えておいていただき、ぜひともご相談いただければと思います。今日はどうもありがとうございました。

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