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市場価値を上げる20代エンジニアのキャリアの突き抜け方!(全3記事)

半端じゃない読書量で、最新技術をキャッチアップせよ CTOが語る、20代が身につけるべき習慣

2017年11月16日、株式会社ネットジンザイバンクが20代エンジニアのキャリアを考えるイベントを主催しました。登壇者は株式会社Kaizen PlatformCTO渡部拓也氏、株式会社プレイド取締役CTO柴山直樹氏、株式会社ネットジンザイバンクヒューマンキャピタリスト兼技術開発責任者の戸村憲史氏です。まったく出自の違う3名のCTOは、どのようにしてエンジニアとしてのキャリアを積んできたのでしょうか。それぞれの20代の学びを振り返ります。

注目すべきスタートアップの現役CTOたち

司会者:ご来場ありがとうございます。今日は「注目スタートアップ現役CTOが語る~市場価値を上げる20代エンジニアのキャリアの突き抜け方!」ということで、比較的20代前半ですとか、20代後半のみなさまにご来場いただいているかなと思っております。

小さいコミュニティではありますが、密の濃い情報を提供させていただきたいなと思い、こちらの会を開かせていただいております。

では、さっそくみなさまにご登壇いただいてお話しいただければと思いますので、どうぞ拍手でお迎えください。

(会場拍手)

司会者:最初に自己紹介をお願いします。

渡部拓也氏(以下、渡部):Kaizen PlatformでCTOをやっている渡部と申します。

前職はスマートニュースという会社でプロダクトの開発と開発の責任者をやって、その前はグリーという会社で事業責任者兼開発者責任者。だいたい事業側やプロダクト側と併せて開発も見る、というキャリアをやってきました。

Kaizenには昨年(2016年)10月にジョインして、Kaizenでは2代目のCTOとして、1年間ぐらいプラットフォームの開発だったりとか、ちょっといろいろ枠を広げて、ここでも事業の責任者を兼務したり、エンジニアっぽいこととエンジニアっぽくないことをやっています。よろしくお願いします。

柴山直樹氏(以下、柴山):プレイドのCTOの柴山です。今回、20代の方へのお話が中心という感じなんですかね? 僕自身、20代はほとんどエンジニアとしては過ごしていなくて。大学にいたのがけっこう長かったので、全部で9年ぐらいは大学にずっといた感じで、脳科学やったり、ロボティクスやったり、最近流行りの機械学習などをいろいろやって。

最終的にそこを辞めて、一度研究室の先輩の方がやっている、ちょっと伸びてるベンチャーで経営とエンジニアリングを学ばさせていただいて、その1年後ぐらいにプレイドというところで元楽天の人と一緒にエンジニアとして始めたという感じです。そんな感じでやっています。よろしくお願いします。

戸村憲史氏(以下、戸村):ネットジンザイバンクの戸村と申します。自分はCTOではないのですが、基本的にエンジニアは自分1人しかいないので、責任者としてやらせてもらっています。これから開発組織を作っていく感じになっています。

自分はもともと新卒でSIerに入って、いろいろな大きい業務サービスを作っていて、そのあとコールセンターをクラウドで提供するサービス、ちょっと前にAmazonが出したようなものをずっと作っていました。サービスを作っていくなかで、「どうせだったら自分で作りたいな」と思って、ietty(イエッティ)という不動産系の会社にジョインしました。

そこからいろいろやりながら、だいたい採用は全部やって、開発も全部やってみたいなことをやっていまして、今はネットジンザイバンクという会社でエンジニアの転職支援プラス開発をやらせてもらっています。今日はモデレーターをやらせていただきますので、よろしくお願いします。

柴山:よろしくお願いします。

渡部:よろしくお願いします。

戸村:さっそくですが、まずお二人に今の役割と、実際に20代をどのような感じで過ごされたのか。どういうことを学んでこられたのかをお聞きできればなと思います。では、柴山さんから。

脳科学からロボット、さらには機械学習を研究した20代

柴山:自己紹介で若干省いて話しちゃったんですけど、今はCTOというかたちでやっています。会社自体は60名ぐらいですけど、半分ぐらいがエンジニアです。

そこで基本的にはプレイヤーとして普通にコーディングしながら、会社自体はけっこうプレイヤー文化というか、実際にフロントでコーディング書いてる人の発想力を活かしていこうという考え方でやっているので、僕自身もマネジメントというよりは、プレイヤーとしてガンガンやると。

ただ雰囲気づくりですとか、組織づくりですとか、あとはどちらかというと経営側の話が多いんですけど、そちら側をメインにやっています。

先ほども言ったんですけど、20代はずっと大学にいたので、その間はずっと論文を読むのが僕のライフワーク的な……いまだにそうなんですけど、アドレナリンがとにかく出るというところで、ずっとそういう20代を過ごしてきました。ただ飽きてくるところがあるので、飽きてきて実地に出てきたという感じです。

戸村:ちなみに論文はどういった論文を?

柴山:脳科学をずっとやってたんですけど、それこそ最近階層型のディープラーニングなどがあったと思うんですけど、始まり的には99年ぐらい、僕自身が始めたのも2000何年なんですけど、そのぐらいにも1回流行りはしていて、そこらへんをやりながら、「そこで脳をずっといじくってもあんまりおもしろくないよね」というところでロボット系のところに行きました。

ロボット系の研究はスイスにいい研究室があったので、そちら側でちょっとやっていて。ただロボット系ってアップデートするのにけっこうロボットを作らなきゃいけないし、新しくするのにまた壊して作り直さなきゃいけないので、けっこうフィードバックループが悪いというところで、そのときちょうど数学的なところから入っている機械学習がけっこう伸びてきていたので、そちら側の研究に移って、ずっとやってきた感じです。

その流れで分散システムというところが話に出てきて、機械学習系でも分散しながらどうするかみたいな話があって、そこをずっとやってきて、そのまま仕事に活かし始めた、みたいなノリです。

文系エンジニアの20代はハードワークに費やされた

戸村:ありがとうございます。渡部さん、お願いします。

渡部:今の役割は、完全にマネジメントに時間を使っています。Kaizen Platformというのはプラットフォームを提供する会社なんですけど、今後の3ヶ年計画とか、中期経営計画を作ったりして。

やっぱりモノを作っても、ちゃんとお客さんに使ってもらわないといけないと考えると、 僕は「プロダクトデリバリー」と呼んでいるんですけど、どのように売っていこうとか、どのように運用しよう、ということをちゃんと考えないといけません。そういうことをやらないと結局、エンジニアが作ったものが使われないとみんなハッピーじゃないので、そういうことを整備していきましょうと。

今、うちの会社は創業5期目なんですけど、4年半ぐらいやっているとソフトウェアの事業も組織もリファクタリングが必要になるんですよね。そうすると、みんながより気持ちよく働けるために組織のリファクタリングをしようという感じで、より経営目線から会社づくり、組織づくりに多く時間を使うようになっています。

だんだんエンジニアのチームが自立して、マネージャーも自立してきたので、日々のところはなるべくそこに任せつつ、なにかコンフリクトが起きると呼ばれるという感じでやっています。なので、基本的には事業や経営、組織のところに一番時間を使っているかなと思っています。

僕が職業エンジニアになったのは……27歳ぐらいだったのかな? 僕は文系の出身で普通に新卒で超大手通信会社に入ったんですけど半年で辞めて、そのあと(入ったのは)個人事業主みたいな社員3人の、もうベンチャーじゃなくて零細企業です。広告代理店さんの孫請け曾孫請けみたいな感じで、街中でやったりするイベントの技術的なサポートをする小さな会社でやっていました。

「なんでもやります」という感じで超ブラックに働いていて、「このままじゃいかん」と思って、エンジニアリングのスキルあったので、ちゃんとエンジニアをやろうということで、本当にみなさんが想像するようなエンジニアの仕事を始めたのが26、27歳ぐらいです。

そのあと29歳ぐらいでグリーという会社に入って、グリーではずっと現場のエンジニアをやっていました。4年在籍して、後半の2年ぐらいから「マネジメントやれ」みたいに言われて、事業やマネジメントをやるようになりました。20代はそんな感じです。

プログラミングの出発点

戸村:プログラムを書き始めたのって(いつごろ)?

渡部:プログラムはなんだかんだ大学生のときに書いてたんです。ただ、当然プロフェッショナルなかたちではなくて、当時はどちらかというと「動けばいい」的な感じでJavaを書いていました。

大学3年生ぐらいですかね。文系の大学ではあったんですけど、ゼミで「産学共同で一緒になにかやろう」みたいな。手弁当でコードを書きにいくということをやっていたのが初めです。

柴山:あるある。

戸村:(笑)。

渡部:そんな感じです(笑)。

戸村:自分の話もちょっとだけさせてもらうと、自分はさっき話したように、エンジニア組織を作りながら、みたいな感じです。それこそ最初は営業の組織だったので、メールでやりとりをして、Excelで人やデータを管理するみたいな世界になっていました。

このままだと「将来、人工知能とかやりたいよね」みたいに言ってるけど、「Excelでデータ管理してる会社で、人工知能はまだちょっと先が長すぎるな」みたいな感じになりそうだったので、そういうデータを貯めるためにいろいろと社内システムを整備して、Slackを入れてという感じで、少しずつエンジニアっぽい組織を作り始めています。

あとはエンジニアの転職だったらエンジニアが話したほうが、「ここの会社はここの技術をこう使っているからここが合うんじゃない?」という話ができるので、そのようなところでエンジニアの転職支援をしています。

20代はSIerだったんですけど、「いつか起業的なことをしたい」と思っていたので、できるかぎりいろんなサービスというかいろんなシステムに触れるようにしていました。

「このシステム、誰かやりたいやついる?」ということがあったら絶対に手を挙げて、ドキュメントからなにから全部見尽くして全部やるとか、いろいろな先輩から運用ノウハウをできるかぎり聞いて、「いつか全部1人でできるように」ということを常に考えながら作ってました。

最新技術をキャッチアップせよ

戸村:続いて、「今の20代が身につけたほうがいいスキル」について、何かあればお願いします。

渡部:技術はどんどん変わっていくと思うので、「俺の時代はアセンブラから入ったもんだ」みたいなことを言う老害のおじさんもいるんですけど、そういうことはあまり気にしないで、どちらかというとやっぱり勉強というか、自分で学習する癖をつけるのが僕は一番かなと思っています。

今、うちの会社で若手を含めて見ているんですけど、何か変わらなきゃいけないとか、自分の役割が増えますというときに、もちろんベースになる知識・スキルも大事なんですけど、新しく習得しなければいけないものってその都度どんどん増えてくるじゃないかですか。そのときに勉強をしたり本を読むことが習慣づいている人のほうが、明らかにキャッチアップするスピードが早いんですよね。

新しい知識でも、仕事でとりあえずやってみるというところしか知らないと、その積んだ経験分しかいけないんですけど、知識があるとそこは時短できるし、すごい伸びが早いなと思っています。なので業務が忙しいと思うんですけど、そのなかでも何か本を読んだり、勉強する習慣をつけておくといいかなと思っています。

僕が26、27歳でエンジニアになったとき、とりあえず自己流でコードを書いていたので、そのときの先輩に超ボロクソに言われてたんです。「お前の書くコードクソだ」「入力のチェックが甘い」とか言われて、「なにくそ」と思って直したんですけど。

そのときに言われたことを今でもすごい覚えていて、「一流のエンジニアの読書量って半端じゃないよ」という話をされていて、「いい本をたくさん読んで知識を身に付けないといいエンジニアになれないよ」と言われたんですね。

読書をする習慣の重要性

渡部:そこから約10年ぐらい、本を読む習慣がすごいついてきたなと思って、その10年で読んだ本(の知識)を現場のなかで、要は今そこの引き出しを使いながら仕事をしていると思うので、本を読んだり学習する習慣があるといいなと思いました。

柴山:何かしらユニークなスキル、というのが20代(で身に付ける必要があること)なんですかね。わからないですけど。その後に活きるところなり。本当にエンジニアっていろんなところで活きるスキルがいっぱいあると思うので。

例えばフロントのところとか、マネジメントのところとか、あとは雰囲気づくりとか、ちょっと飛んでますけど、何か自分の色を伸ばしていけるとリプレイスされない人になる、ということがけっこう重要かなという気はします。

なので、何でもいいと思うんです。ウチのエンジニアでも、スキルはそこまでじゃないですけど、異様に幅広く見れる人とか、僕はSIer出身の人ですごくいいなと思っているのは、とくに中小(企業)でブラックでものすごくがんばっていた人は「やりきり力」みたいなものがついていると思うんです。そういう自分の今の環境や自分の性格、特性をガンガン活かしていくのはけっこういいんじゃないかなと思います。

そのなかで、とくにおすすめなのは、メンタルの話でいうと、今いるチームがどうやったらよく活きるかという目線で働くということが1つ。

もう1つは、低レイヤーのところを触れる環境にいる場合はそこをやっておくと。Web系だと意外と触ってなかったりすることがあると思うので、そのように自分の環境に合わせてスキルを伸ばしていくのがいいんじゃないかなと思います。

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