2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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國光宏尚氏以下、國光:みなさんこんにちは、gumiの國光宏尚です。
今日はVRで僕らやっていることと、その後VRの現状、そしてARについて語れたらいいなと思っています。
僕らはモバイルのゲーム会社で、国内のヒットタイトルがけっこうあって、海外でもそれなりにヒットしています。
モバイルのゲームは副社長に任せて。今僕は専らモバイルの動画とVRとARをやっています。VRに関しては大きく3つのことをやっています。1つはインキュベーション、もう1つはアメリカでの投資ファンド、あとはVRのゲームの開発をやっています。
インキュベーションは、東京でやっているTokyo VR Startupsと、韓国のSeoul VR Startupsと、あと北欧のNordic VR Startupsって感じなんですけど。
ここは基本、まだアイディアしかないような会社に、初期の500万から1,000万円ぐらいの資金を出して、あとは場所だったり、機材だったり、メンターを用意して、合計6ヶ月間のプログラムをやって、6カ月目の時にデモデイを開いて、そこに投資家の方とかメディアの方とか、あとは大きい会社の方に来ていただいて、それでよければそのあとの資金を調達して、次のステージに行くという形式のものです。
これは去年の1月に東京でスタートしました。一昨年、VRを始めようと思った時に、いろんな会社探してみたんですけど、まじめに会社としてやっているところはほとんどありませんでした。それに比べてアメリカでは、アイディアがある人が、ドンドンお金を集めて起業していくって感じだったんで、その状況は変える必要があるかな、と感じて始めました。
1期は合計5社で、うち4社が資金調達を終えて次のステージに行っています。2社がゲームで1社がハシラスさんのハードと連携したロケーションベースのゲーム。そしてInstaVRというのはツールですね、だれでも簡単にVRのアプリが作れるツールです。
2期も今年の3月に終わりまして、合計4社でした。この4社もほとんど資金調達を終えているので、合計10社中9社が次のステージに行けています。なのでなかなかVR・ARが盛り上がってきたのかなと。
ちょうど1番上のホロアイズが先日1.5億円の資金調達を発表したんですけども、これは医療系のVRです。GATARIはコミュニケーション系です。COVERというVR型のSHOWROOMって感じのサービスだったりだとか、ジョリーグッドは映像系。これはテレビ局などにハイエンドの360度動画を撮るためのソリューションを提供している会社です。という感じでわりとバラエティーに富んだかたちになっているんじゃないかと。
そして今まさに第3期が始まっています。第3期はちょっと趣向を変えて最初の2ヶ月間は10社を選定して、2ヶ月の間で5社に絞って、そこから4カ月間のプログラムをやっていくというかたちになっています。
おもしろいのは、その合計10社中4社がARをやる会社で、今まではVR先行だったんですけど、ここにきてARもかなり動きが出始めてきているのを感じています。また日本が成功してきたので、韓国のYJM Gamesというゲーム会社さんと一緒にSeoul VR Startupsというものも立ち上げました。
これも今年の5月に1期のデモデイが終わって合計4社、そして今まさに、第2期が始まっているところって感じです。韓国の場合だと4社中3社がロケーションベース、要するにネットカフェのVR版みたいな、VRカフェがらみという感じで出てきているのは、わりと国の特徴なのかなって思っています。
なので僕らのパートナーのYJM Gamesも、年内にVRカフェを韓国に100店舗作って、来年中には300店舗まで広げていくという感じとか、特に韓国とか中国はインターネットカフェをそのままVRに置き換えていこう、みたいな動きが活発だと感じています。
加えてちょうど今年に、ノルディスクフィルムとか、エグモントとか向こうのメディアコングロマリットと一緒にNordic VR Startupsを立ち上げました。これは北欧全域をカバーするというところで、今まさに1期がスタートしていって、今年の年末のデモデイに向けて進んでいるかたちになってます。
とはいえVRやARの本当の最先端のテクノロジーは、シリコンバレーとかサンフランシスコにあるので、The Venture Reality Fundというファンドをローカルのパートナー、マルコとティパタットと一緒に作っています。
これは50億円くらいのファンドで、シード・アーリーステージに出資するところになっています。たぶんみなさんVRとかARをウォッチしていたら、こういうVRランドスケープを見たことがある人もけっこういると思います。
これは僕らがずっとやってきたところをマッピングしています。
これは「VRIndustry Landscape」と検索すると出てくるので、もしどういう会社があるのか見たければこれを調べて、時間がある時に1社1社見ていけば、だいたいどういう感じか゚わかってくるんじゃないかと思っています。
どんどん増えてき過ぎたので、ヨーロッパのほうで切り分けただけでもこれだけ。
ちょうど1年前のグローバルのやつがだいたいこれくらいのサイズでした。なのでこの1年間ですさまじく会社が増えてきたと思っています。
さらにARのところも、とにかくすごい勢いで増えてきていて、ARを切り分けただけでもこれくらいになっています。今、合計18社に投資をしていまして、一応投資の領域でいくと、VR内でのコンテンツをつくりやすくするツールだったり、プラットフォームだったりだとか、そういうところを中心に投資しています。
ここのなかの1社で、Owlchemy Labsが、たぶん去年1番売れた『Job Simulator』というゲームで、売り上げがだいたい5億円くらいなんですけど、この会社がちょうどGoogleに買収されるなど、かなりいろんな動きが出てきています。
やはりアメリカにはアメリカのいいところ、日本には日本のいいとこ、韓国には韓国、ヨーロッパにはヨーロッパのいいところがあるので、世界中をネットワーク化していって、世界中でインキュベーション、投資、ミートアップだったりを連携させる感じで、みんなで一緒にVR・ARの業界を盛り上げていく、そういったエコシステムをつくっています。
ここからがVRの未来です。VRでわかりにくいと思われているのが、VR自体は2つの大きな違う顔を持っているというところです。1つは次世代型のエンターテーメント機器、なのでこれはプレイステーション4の次ですね。というところのハードデバイスって意味と。
もう1つは次世代型のネットワークデバイス、要するにスマホの次のデバイス。この2つの顔が両方あるのかなと。それで、次世代型のエンターテーメント機器としてのVRの可能性なんですけど、ここのところは実際にVRのゲームがどれくらい売れているのかというところですが、ちょうど去年2016年にSteamで1億円以上売れたゲームがすでに8本出ています。
PSVRは売り上げを発表していないんですけれども、そちらもあわせると、おそらく15本のゲームがすでに1億以上の売り上げをあげている。今までのゲーム、エンターテイメントの歴史を振り返ると、結局プレイステーション2も1.6億台、任天堂Wiiも1億台。
僕らも知っている事実でいくと、いままで見た事が無いすごい「ワオ!」っていう体験を作り出すと、お客さんは高いお金を払ってきたのは間違いない。これはずーっと繰り返されてきた歴史です。このなかで質の高いVRのゲームをやった人は全員感じたと思うんですけど、最初にVRを体験した時の「ワオ!」って、1番最初にWiiのゲームやった時よりもはるかに上だと思うんですね。
なので出てきた1年目の段階での驚きというところでは、今までのどんなゲームよりもはるかに高い。そういうものが出てきているということは、コンテンツでおもしろいものさえ作れば、お客さんがついてきてくれるのは間違いないのかなと。
というところでいくと、HTC Viveは去年42万台しか売れてないので、もしこれが任天堂のWiiと同じくらい売れるってなってくると、250倍だと。ってことは単純に1億かける250倍みたいなね……。そこまで簡単じゃないと思うんですけど、そのくらいお金が動き始めています。
ただ、そこにいくために乗り越えなきゃいけない壁は存在します。ハードが流行るために重要になってくるのは、ポイントは2つで、1つはキラーコンテンツ。もう1つはそこそこ安い価格のハード。
この2つが絶対必要になってくる。それで、今のハイエンドのVRの決定的な問題点ははっきりしていて、とにかく高い。これはハイエンドPCが必要なので、全部合わせると25万くらい。それで、コードが邪魔。しかも、センサーが必要だから部屋のスペースを取り過ぎる。この3つが決定的なボトルネックになっているのかなと思います。
ここもうみんなわかっていて、各社全部発表しているところなんですが、今年の年末にかけてセンサーレス、コードレスのスタンドアロン型HMD(ヘッドマウントディスプレイ)が、今年の年末くらいから一気に市場に出回ってきます。
この価格自体も、今マイクロソフトとASUSが提携しているHMDだと399ドルとか。これはノートPCとかが必要になってきちゃうから、まだ完璧じゃないですけど、そういうのが出て来たりとか。
あとGoogleとHTCがやろうとしているスタンドアロン型のハードは5万円の価格になってくる。今までのゲームハードの歴史ってすごくシンプルで、要するに5万円を超えた、500ドルを超えたハードは売れた事がない。だからプライスポイントは499ドル。これがプレイステーション4の最初の価格で、この値段になった時にククッと伸びてくる。
そして399ドルになった瞬間に一気に市場自体が立ち上がってくる。これは何回も家庭用で繰り返されてきたことです。なのでそのプライスポイントのところで、ほぼほぼ今年の年末にはハイエンドPCのいらない、普通のノートPCで動く399・499ドルのやつが出てくると。スタンドアロン型だけど、GoogleのDaydreamは残念ながらコントローラーが片手なんですよね、だからちょっと惜しいですね。
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