
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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岩瀬大輔氏(以下、岩瀬):次に、小澤さんです。みなさんご存知な方とそうじゃない方がいらっしゃると思うんですけど、「ベンチャー界の兄貴」と呼ばれていまして、彼が投資して応援している会社がたくさん大成功しています。
もともとご自身が起業家で、楽天に会社を売却したところから始まっているんですが、小澤さん、なにかおもしろい話をしてください(笑)。
小澤隆生氏(以下、小澤):一応私、佐藤(航陽)さんの学部の先輩ということがわかりましたね。早稲田の法学部に入って、在学中にIT、インターネットテクノロジーに出会ってかれこれ20年です。みなさんの年齢ぐらいITをやっているんです。
もともとは法学部で、やっぱり秋葉原に行って、パソコン買ってきたらぜんぜんわかんなくって……まあ、そういうスタートです(笑)。
テクノロジーが好きで入った世界じゃないですね。「この技術を使うとなんかできんじゃねーの」というよりかは、世の中が「テクノロジーを使ったほうがいい」と言っていたので、「あ、そっかあ」と思ってやってきました。
20年間なにをやってきたかというと、今はヤフーですけど、その前は楽天、あとは自分の会社です。インターネットテクノロジーを使うと、こんなにいい世の中になって、商売も儲かるという、この繰り返しです。
プロ野球チームをやっていたときも、今はクリーニング屋さんもお弁当屋さんもやっていますけども、既存の事業にITをくっつけると。岩瀬さんの保険屋さんもそうだと思います。
昔は保険って、今もそうですけど、日本生命さんとか、職場に女性が勝手に入りこんで。女性ですよ、女性。なぜか女性ですよね、あれね。
女性の営業の方が一生懸命保険を売って、飴をあげたりするから保険買ってくれみたいな、むちゃくちゃな営業をやっていたわけですよ。
みなさん絶対知らないと思うけど、それで保険が売れていた時代があるし、実は今もそうやって売れているんだから。
でも、そんなの変じゃないですか。ちゃんと比べて、自分の健康状態だったり、いくらもらえるのかというのをちゃんと調べて。そのためにヤフーやGoogleができあがってます。それを保険に特化すると、岩瀬さんの会社だったり、僕がやっているお弁当屋さんだったり。
基本的にはインターネットテクノロジーを使うと、こんなことができるという1つが情報収集だったり、それによる比較だったり。
あとは情報発信。YouTubeだったり、今まで考えられなかったような動画の送信ができるようになったわけだから。昔はテレビ局しかできなかったんだから。
そういうインターネットテクノロジーを使うことによって、テクノロジーっていっぱいあって、僕が関わっているのがインターネットで、わかるのはインターネットだけですけれども。
そういったことによって、世の中をよくすることができて、かつ、そこからお金がもらえるようになっちゃったもんだから。楽しくて楽しくて20年間やっています。
まだまだこのテクノロジーというのは、インターネットだけにとどまらず、上手に使うと、世の中がよくなってお金が稼げるようになって、そのお金を使って、またよりよい世の中が作れるようになるので、絶対無視しちゃいけないよ、ということを法学部の私が語っているということでございます(笑)。
岩瀬:ありがとうございます。小澤さんは、いろんなサービスを直接ローンチされたり、投資家として若者を応援してローンチしたりしているんですけど。
1つみなさんの身近なところでいうと、楽天球団を作ったときの、事実上の責任者みたいな感じなんですね。
当時、楽天が球団を作るということ自体、すごく画期的というか、「本当にうまくいくの?」というところから始めたんですけど。
そこにテクノロジーも関わっていたというイメージがあまりなかったんですけど、ちょっと小話として、楽天球団の立ち上げをテクノロジーを交えながら、みなさんとシェアしていただいていいですか?
小澤:すごく基本的な部分で使ったことと、ちゃんと事業で活用したことと2つあります。基本的に事業の立ち上げ、新しいことをやろうというのは、サークルを作るときでも、みなさんが人生の選択として新しいことをやるときでも、情報収集をしないと失敗しちゃうわけですよね。
それはそうです。物を一番安く買おうと思ったら、それを売っている価格、売っている人を全部調べて、安いところから選べばいい。インターネットにはそのための情報がたくさん転がっているから、調べやすくなる。
だって昔は電話帳で電話していたんだよ。信じられないけど、そうだったんだから! インターネットなかったんだから! 携帯もなかったんだから!
そういう時代から比較すると、なにか事業を立ち上げるときの情報収集というのが、ものすごくしやすくなっています。
しかも、グローバルで情報が転がっているので、例えば「球団を作りましょう」と言ったときに、みなさんが大学をお受けになるときに赤本や参考書を見たように、僕も「プロ野球チームの作り方ないかな?」と思ったわけですよ。
(会場笑)
小澤:だってそうでしょ。みなさん就職活動されているかもしれないけど、そういう就職の勉強、先輩に話を聞きたいと思うじゃない。それが一番早道だから。
でも、プロ野球作ったことがある人は、1954年にできた高橋ユニオンズが最後で、全員死んでいるんですよ。
でも、世界に事例を広げていくと、そういう事例がいっぱいあるし、まず調査という意味では、テクノロジーというのは本当に便利になりました。会わずに聞けるし。それがもう非常にベーシックな話。
プラスアルファで、今度は事業の話になってくる。もういろんなところで作っているんですけど、例えばビジネスの重要な点として、スタジアムって約2万人入るんです。
2万人入るんだけど、その2万人をどうやって呼ぶか。仙台の人口は100万人。60試合あるんです。みなさんイベントやられたことある? 例えば、今日はG1カレッジがやっているでしょ。これは200人か300人来ているんだけど、毎回2万人呼んで、しかも3日間、同じコンテンツが続くんですよ、楽天VS西武って。
(会場笑)
小澤:考えたくもないでしょ!(笑)。しかも、1000万人都市じゃないんだよ。100万人しか住んでなくて、野球見る人、たぶん20〜30万人しかいなくて、その10パーセントを3回やって、1週間休んだらもう3回やるんですよ。これを最初に認識したときに、「まずいぞ、これ」と。
「じゃあ、どうするんだ?」といったときに、当然テレビコマーシャルをやったり、新聞やったりというのが、いわゆるテクノロジー使わないマス広告というやつ。
これをやっていたら、いくらやっても金が追いつかない。それで、まず最初にやろうと思ったのが、「2万人誰が来ているんだ?」というのを把握しようと。
それはテクノロジーの活用をします。みなさん携帯を持っていらしたし、メールアドレスの登録をいかにしていただくかという手段と交えて、とにかく今日来ている2万人、それで1週間後、その2万人にどう情報伝達するか。これもテクノロジー。
このテクノロジーがなかったとしたら、毎回テレビコマーシャルとかやっているけど、それは無理よと。お金が持たないから。
とにかく1回につき2万人、1回につき2万人、1回につき2万人とやると、20万人ぐらいのお客さまの母数ができあがって、これに対して情報発信がほぼ無料のインターネットを使って、しっかり活用していく。
それで、「年10回見に来る人」と「年2回しか見に来ない人」って顧客属性を分けて、それぞれに対して分析していくと。
年間に4回見に来ると、そのあとバーッと加速度的に上がるというから、とにかく4回まで見せようということで、3回目と4回目の間にはものすごいインセンティブというか、クーポンをあげたり、試合のボールをあげたりするわけ。
そういうのをテクノロジーでグルグル回してくと、我々にとって本当に大事なお客さまと、「まあまあ、いいや」というお客さまに分かれてくる(笑)。
(会場笑)
小澤:そういう今までまったくわからなかったことを、しっかりわかるようにしてやりました。
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