2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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千葉功太郎氏(以下、千葉):次は、呉社長にDJIのお話を聞きたいと思います。よろしくお願いいたします。
呉韜氏(以下、呉):DJIの呉と申します。よろしくお願いします。ちなみに、DJIという会社をご存知の方、挙手していただけますか?
(会場挙手)
呉:ありがとうございます。では、少しディープな話いきます。まずDJIという会社は、実はドローン以外にもいろんな製品を製造しています。
その原点となったのはラジコンです。2007年に、ラジコンのシングルローターのヘリコプターの制御装置をベンチャーで作って売り始めました。
当時日本は最大のマーケットの1つで、アメリカに次ぐ第2のマーケットでした。それを売ったあと、なかなか数は出なかったんですけど、非常にユニークな商品として評価されていました。
そして2006、2007年から、携帯・スマホの技術が前進しまして、それによってGPS、電池、バッテリー、モーター含めて、小型化の技術が大量にできて、さらにコストダウンもできました。それを機にマルチコプター、ドローンの一種なんですけど、複数のプロペラが付いているものを1回作ってみました。
アメリカ人は、それを持って、カメラを付けて写真を撮って、シェアするようになりました。YouTubeがいかに浸透したかということになります。それを機に、ジンバルというカメラ安定化装置を開発して、今のPhantomを2012年辺りに出荷し始めました。
同時にカメラも自社で開発して、より小型化を進めるために、バッテリー、モーター、さまざまなものを、日本の会社と協力し合って、約3分の1くらいのパーツは、今、日本の会社から供給しています。それによって、アジアチームとしてグローバルに展開をしています。
単にドローンだけじゃなくて、映像器機すべて、画像転送ジンバルなども作っています。そして最近は、このOSMO(オズモ)という手ブレが発生しないような、アクションカムを発表して、日本でも1ヶ月に1,000台くらい出荷しています。
実はDJIのオフィスは日本に3つあります。東京に2つ、お台場にはマーケティングとセールスオフィスがあります。品川に開発センターもあります。
ドローンに関する日本の精密技術を活用して、さらなる新しい商品を作るための拠点になっています。神戸にはアフターサービスセンターがありますので、一部の開発から販売まで日本で行っております。
千葉:日本はどういう市場なんですか?
呉:日本は市場規模としてはそんなに大きくはありません。
千葉:そうですか。
呉:スマホの普及、あとはシェアという考え方によって、日本での普及は遅れています。日本は特殊で、BtoBが先行していますね。
千葉:そうですね。
呉:ほとんどは企業で使っています。一般ユーザーは特に飛ばす場所もないので、遅れていると思います。DJI自体は、グローバルのコンシューマードローンのマーケットで約70パーセントのシェアを取っています。
千葉:すごいですね。
呉:アメリカの連邦航空局(FAA)、商業用ドローンの申請の中でも70パーセントはDJIの商品が商業用で登録されています。非常に高いシェアを持っています。
会社も急激に成長していまして、毎回本社に行くと「誰?」みたいな人がいっぱいいる状況です。今4000人くらいの規模になっています。日本では今年は50人規模。来年は100人規模で成長していこうと思っています。
千葉:4000人のうち、技術者・エンジニアはどれくらいなんですか?
呉:エンジニアは1500人くらい。
千葉:多いですね。
呉:非常に開発を重視する、珍しい中国企業ですね。アメリカでも開発センターは持っています。アメリカの優秀なソフトウェアエンジニアを使って、さっきのIoT関連のモノ、ロボティックスIoT関連のモノも開発しています。
ドローンについても少し紹介したいと思います。ドローンはモーターがあって、プロペラがあって、それを制御するアンプがついています。
そのコアになるのがコントローラーで、気圧センサー、GPS、ビジョンセンサーを活用して、ドローンを空中で安定させるような制御を行うコントローラーがコアです。
DJIはそのコントローラーをコア技術として、さまざまなドローンに活用しています。こういうPhantomとInspire以外の大型機にも、ほとんどDJIのコントローラーを活用しています。
それを補助するような機能としては、自動飛行させる機能とか、画像を転送する機能、そしてブラックボックスなどの飛行データを記録する機能などを搭載していて、1つの飛行のプラットフォームとして提供しています。
そしてこのプラットフォームを使う、あくまでも飛ぶようなものになりますので、それにつけるセンサー、通信によってさっきのIoTの話になります。
そしてさまざまなセンサーをつけられますので、センサーを吸収したビッグデータを活用することによって新しい価値を提供できます。さらに、実はロボットをつけたりすることも多いので、ロボティックス分野での活用も期待されています。
千葉:なるほど。
呉:まとめると、携帯は人間の時間軸を埋めた道具であって、このドローンはおそらく将来三次元の空間を埋める道具になってくると思います。
ですので、農業、建設、スポーツ。例えば、日本のラグビーチームはInspire 1を使っています。それを使ってフォーメーションをチェックしたりすることができます。
もちろん救済救援もふくめて、さまざまな分野で空中のツールとして活用しています。そして日本の法律もようやく明日(12月10日)整備されますので、来年の8月まで、さらに法律の中身を更新していって、ドローンの最先端の国を目指して、国を挙げて、総理の発言もあったので、本当に急ピッチで進めていることは感じております。
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