2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
クリニカル・プラットフォーム株式会社記者発表会(全1記事)
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鐘江康一郎氏(以下、鐘江):私の簡単な自己紹介になりますが、最初は経営コンサルタントの会社におりまして、そのあとIT、そして営業系の畑をずっと歩んでまいりました。その後、10年ほど、医療機関に勤めておりまして、そこで感じたことが今回の事業に至ったというわけです。
医療機関で働いてまいりますと、やはり一番目についたところが、いかに現場で行われる業務に効率の悪いことが多いか。そういうことを非常に痛感しておりました。
この中で特に思ったことが、例えば電子カルテが入っていたとしても、問診票が紙で残っているとか、患者さんに紙に書いてもらった問診票をまた転記して、入力をするとか、あるいはスキャナーで取り込んで保存するとか、そういった作業が発生しております。
また患者さんに対していろいろ検査の説明をするシーンというのがあるんですけれども、実際に私が見た実例としましては、1人に対してじっくり15分くらい検査の説明をするケースがあります。
その時に使う資料は紙で16ページくらいの長い資料を使って患者さんに説明をします。その同じ作業を1日に6回も1人の看護師さんが行う。何でこんなに無駄があるんだろうというのをすごく感じておりました。
また看護師さんだけではなく事務のほうも、かなりの非効率な作業がありまして、これは実は私がやってた作業なんですけれども、経営分析の資料を作る際にいろいろなところからデータを集めてきて、それをExcelに落とし込んでいって、Excelでわーっと作業して1日かけて資料ができあがる。こんなものも自動化できたらいいのになと常々感じながら仕事をしていました。
もともと私自身がITのバックグラウンドがありましたものですから、これはITの力で何とか解決できるんじゃないかと日々考えながら仕事をしておりました。
私が仕事をしていた聖路加病院ですとか、アメリカにいたときのSwedish Medical Centerですとか、そういう大きな病院は人もいますし、専任のIT担当者がいたり、あとは投資をしようと思えばお金も十分あります。
ただ、ことクリニックに関していいますと、ITのスタッフを雇えるかというと、それは無理ですし、例えば経営の担当者を雇えるかというと、それもなかなか難しい状況にあります。
それにあたって、先立つお金もなかなかたくさんはない。それを院長先生が自らされるのかということになると、そんなことしてる時間もない。例えば、「経営分析、先生されてますか?」って質問したことがあるんですけど、「いや、そんな時間ないよ」って皆さん答えるんですね。
ということで、なかなかクリニックでもIT化は難しい状況にいままではありました。実際にITのインフラをクリニックで作っていくうえで、基盤になるのが電子カルテになると思います。
電子カルテのいまの時点でのクリニックでの導入率を調べてみますと、こちら2013年、ちょっと古いデータになりますが、当時で27パーセントが電子カルテを導入、7割以上が未導入ということになっていました。
おそらく今の時点で2016年のこの時点でも、ちょうど3割にいったかなというくらいではないかと考えられております。
実はこの30パーセントという数字なんですけれども、諸外国と比べてみますと、このようになっておりまして、上からスウェーデン、デンマーク、イギリス、オランダに至りましては100パーセント、クリニックで電子カルテが導入されております。
もちろん国の政策というのが全然違うので、一概に比べるものではないのかもしれませんが、やはりかなりヨーロッパを中心に電子カルテが促進されております。日本はずっと下りまして、一番下になっています。
病院であっても31パーセント、クリニックで27パーセントと、そのくらいの電子カルテの導入率という状況になっております。
これはなぜなのかですけれども、それを調査をした資料が次にありまして、メドピアさんが2013年だと思うのですが、「電子カルテを入れない理由は何ですか?」という質問をポスティングで調査をされました。
そのデータによりますと、一番の最大の理由はコスト、高いと。41パーセントで、やはり価格面での導入コスト、こういうランニングコストが最大の障害になっていることが調査からわかります。
そこで我々がこの状況を何とか変えていきたいと、クリニックの皆さんに軽い負担でIT化への投資をしていただきたいという思いがありまして、この会社を作りました。そして今回ご紹介させていただくのが、こちらの「Clipla」になります。
iPad Proですけれども、こちらでブラウザで実際の「Clipla」の画面を開いています。このように後ろにも展示をさせていただいておりますが、パソコン、タブレット問わずブラウザであれば簡単にお使いいただける、こういった電子カルテを今回発表させていただきたいと思います。
簡単に紹介の動画を用意いたしましたので、まずこちらをご覧いただきたいと思います。
(動画再生)
進化するクラウド電子カルテ「Clipla」。紙カルテの保管場所や探す手間、持ち運びにくさに問題を感じていませんか。クラウド電子カルテ、Cliplaがこれらの問題を解決します。
パソコンはもちろん、タブレットにも対応、クラウドだからインターネット環境があれば、いつでもどこでも利用できます。Cliplaの使い方はとてもシンプル。直感的なインターフェイスで誰でも簡単に操作できます。
スマートフォンで撮影した画像もカルテと一緒に保存が可能。その他にも便利な機能が沢山。新しい機能もどんどん追加されていきます。初期費用は0円。月額9800円からご利用いただけます。
もう訪問先に重いカルテを持ち運ぶ必要はありません。患者さんにより良い医療をお届けするために、皆さまのお役に立ちたい。進化するクラウド電子カルテ、Clipla。
鐘江:簡単ですけれども、こういった電子カルテを提供したいと思っています。簡単にもう一度特徴をおさらいしますと、一番目、ブラウザで使用可能ということでIDとパスワードを入力していただきますと、もうその場ですぐにお使いいただけます。
実際ベータ版のご利用のご依頼をいただいて、最短ではその1時間後くらいにIDを発行いたしますので、本当に使いたいと思ったときにすぐに使えるサービスになっております。
それからいま後ろでご覧になっていただけますけれども、UIも非常にシンプルになっています。私が友人のドクターに見せてもらった他社の電子カルテのマニュアルがあるんですけれども、こちらのPDFで1000ページございました。
その方にも「順を追って読みますか?」って言ったら、「いや、見てない」とおっしゃってまして、1000ページものマニュアルが必要なものは、やはりユーザーの使い勝手がよろしくないと我々は考えておりますので、必要最低限の操作マニュアルで、できればやっていきたいと考えています。
それから3つめは費用になりますが、初期費用は基本的に0円です。月額の固定料金ということで、どれだけ使っていただいても、何人で使っていただいても追加で料金をいただくつもりはございません。
それから4番目、クラウド上の「ORCA」について。「ORCA」という言葉がなかなか耳慣れない方もたくさんいらっしゃると思いますので、のちほどこちらについては詳しくご説明をいたします。
5番目はクラウドサービス全般について言えることですけれども、どんどんと新しい機能が追加されていきます。おそらくFacebookなどされてる方がいらっしゃると思いますが、つい最近も「いいね」ボタンのバリエーションが増えまして、「超いいね」みたいなボタンが最近増えましたね。ああいった形で、気付くとユーザーさんが意識しなくても、新しい機能がどんどん増えていく。そんな電子カルテを目指しています。
簡単な比較表をご用意いたしました。左側に院内設置型の従来の電子カルテ、右側に我々も含めたクラウド型の電子カルテということで比較をしております。
もちろん細かいことをいろいろ言い出すと、ここはバツじゃないんじゃないかとか、いろいろご意見はあろうかと思いますが、一般的にこのような理解でいいかなという形での比較表をご用意いたしました。
それからランニングコスト、こちらはクラウド型のほうがかなり有利かなと考えています。セキュリティについては、クラウド型についていろいろと心配される方もいらっしゃるのですが、これは比較のポイントをどこに置くかだと思っています。
例えば紙のカルテは火事になってしまえば焼けてしまいますし、院内設置型の電子カルテであっても、例えば盗難ですとか、災害ですとか、そういったものには非常に弱くなっています。
クラウドはネットワーク上にあるので、火事と地震とかには十分強いということになります。もちろんどちらも内部の方が意図的にデータを盗むことについては同じ条件でございます。
その他、ずっと下がりますけれども、サポートについても院内設置型の良いところは代理店契約をされていて、代理店の方を呼べばすぐ来る。こういったサービスを売りにされてるところがありますが、もちろんその分別途コストがかかります。
我々はそういった現場に赴いてのサポートはなかなか難しいですけれども、それを補って余りあるオンラインでのサービスを充実していきたいと考えています。
先ほどの「ORCA」の話なんですけれども、「ORCA」というのは医療機関が診療報酬、例えば何かの治療行為を行ったときに、それに対して収入が得られるのですけれども。
その収入を計算するためのコンピューターのソフトがあります。それを一般的に「レセプトソフト」と呼んでおりますが、そのレセプトソフトの1つが「ORCA」と呼ばれているものです。
「ORCA」は日本医師会が開発をしたものでして、オープンソースになっております。ですので、いろんな会社さんが「ORCA」を元にした新しいレセプトソフトを作って販売されたりしています。
レセプトソフトに関して言いますと、2015年に電子請求が義務化されました。それまでは紙で提出することが許されていたのですが、それが電子化が義務になりましたので、いま日本中のクリニック、約10万件ございますが、そちらのほとんどすべてでレセプトソフトが使用されてる状況になります。
「ORCA」の利用状況がどのくらいかと申しますと、いま全国で約1万5000の施設で使用がされている状況です。他の8万件余りは別のレセプトソフトを使ってるんですけれども、そのレセプトソフトが「ORCA」に載せ替えるのは常に行われてるところですので、そんなに難しいことではないです。
「ORCA」を使うとどんな良いことがあるのかということもついでにご説明しておきますと、紙カルテの場合、ドクターがまず紙のカルテに記入します。その記入した内容に基づいて医療事務の方がORCAにデータを入力する作業ですね。
先ほど私が冒頭のほうで申し上げた非効率な業務の1つになると思うんですけれども、紙カルテからの転記というものが発生します。
今回我々がご提供するCliplaとORCAのセットになりますと、Cliplaで入れていただいた内容がそのままORCAのほうに引き継がれます。ですので、そこの手入力という作業がまったくいらなくなりますので、業務が随分スリム化されて、特に患者さんの会計待ちの時間が短くなることが期待されます。
もちろんこれは他の電子カルテでも同じことが言えるんですけれども、それをすべてクラウド上で我々がご提供するサービスになっております。
実際に画面をご覧になっていただきたいと思います。
まず先ほどもご説明いたしましたが、Cliplaはすべてブラウザがベースになっておりますので、URLを入れていただいて開く画面で、ログインをしていただきます。ログインは三点認証でクリニックのIDと、クリニックの中のユーザーのIDとパスワードの3つを入れていただきます。
ログインをいたしますと、こちらが受付の画面になっております。左側から診察待ちの患者さんの列、左から二番目が診察中の患者さん、それから真ん中が診察ではないんですけれども、検査中ですとか処置中ですとか、そういった患者さん。
次が会計待ちの患者さん。一番右が会計終了の患者さん。どの患者さんがいまどういうステータスにあるのかを、各スタッフが共有できる画面になっています。
このカードはいまここに表示されてますけれども、ブラウザで移動させることもできますので、自由に動かすことが可能になっております。
ここで1つご説明したいのが、「Webチェックイン」というサービスを我々は提供しています。何かといいますと、受付に患者さんが並ぶときなんですけれども、基本的には患者さんが受診に来られて、例えばタナカさんのお名前をWebで検索をして、お名前を確認してチェックインをすると次の順番に並ぶんですが、その行為を患者さんが自らスマートフォンやパソコンを使って行うという機能です。
イメージ的にはこのような感じになりまして、患者さんが我々がご提供する患者さん専用のURLにアクセスをいたします。そうしますと、この受付のところに接続をいたします。そしていま受付で何人待っているかという情報をお返しいたします。
例えば「Cliplaクリニックに受付します」とやると、「いま10人待っています、どうしますか? ここに受付しますか?」「じゃあ受付します、イエス」とやると、「あなたが11番目の列になりました」という情報が返されます。
ですので患者さんは11人、1人5分として50分とか、そのくらい後にクリニックに訪問すればすぐに診察を受けられます。そこまでの時間をクリニックで待つ必要がないというシステムになっております。
もしかすると回転寿司屋さんとか、そういったサービスをお使いになった方もいらっしゃるかもしれませんが、イメージ的にはレストランなどの外食店舗の列に並ぶ機能と同じだと覚えていただければと思います。
画面のイメージはこんな感じで、患者さんの診察券番号とお名前を入れていただくと、該当するクリニックにチェックインできる機能になっております。
続きまして実際のカルテの画面になりますけれども、この状態だと文字がつぶれて見づらいですが、実物はのちほどぜひ後ろでご覧になっていただければと思います。
簡単に説明いたしますと、左側が過去のカルテですとか、その患者さんの属性といいますか、情報をサマリーして表示するページになっています。真ん中がその当日のカルテを編集するパネル、右側がよく使うお薬とか、よく使う病名とか、そういったよく使うものを登録しておくブックマークのようなもの。こちらをオーダーパネルと呼んでいます。例えばこのお薬をクリックすると、その薬が処方されるイメージです。
その他の機能としましては、ここに「Do」と書いたボタンがあるんですけれども、Doというのは医療の世界で「Do処方」とかそういう言い方をするんですけれども、「前回の内容と同じものを今回もするよ」と。
よく継続的にかかられてる患者さんが同じお薬を処方されたりすると思うんですけれども、そういった方用のボタンになっておりまして、ここを押すと、今回の例で言うと、このお薬がすべて今日の処方としてコピーされます。こういった機能になっております。これを置くことで、ドクターの手間を省く目的があります。
それからもう1つ、クラウドならではのサービスになるんですけれども、先ほど動画でもご紹介しましたが、スマートフォンで撮影した内容を直接カルテにアップロードすることができます。
「スマホアップロード」と呼ばれる機能があります。具体的にはこうやってスマホで写真を撮ります。スマホの中に患者さんの名前が書いてありますけれども、スマホにログインするときに自分のID、パスワードでログインしますと、電子カルテとCliplaと連動しますので、ここで「どこの欄に写真をアップロードしますか?」を選んでいただいて、アップロードするとその内容がそのままカルテに貼り付けされます。
これがクラウド型ならではの利点の1つだと思います。通常ですとデジカメで撮ってパソコンに取り込んでファイルを選んでアップロードすると思いますけれども、これは数クリックで画像をその場でアップロード、電子カルテと同期することができます。
続きましてセキュリティ面の話になりますけれども、こちらは通常のクラウドのサービスと同等とお考えいただければとよろしいかと思います。暗号化とか、バックアップとか、不正アクセス対策とかは十分に配慮して設計、実施しておりますので、ご安心いただければと思います。
続きまして料金のお話なんですが、我々2種類の料金体系をご用意しております。1つ目がライトプランで、電子カルテ単体でのご利用をされる方向けのプランになります。右側がベーシックプランで、電子カルテとさきほどご紹介したORCAのセットになっております。どちらも初期費用については0円でございます。
月払いの料金ですとライトプランが9800円、ベーシックプランが2万9800円。こういった価格体系になっております。そして年額の一括払いの前払いいただくと、ディスカウントがありまして1年のご利用を10か月分の料金でご利用いただけます。
無料トライアル。導入してから最大60日間、正確には申し込み月を含むと最大2か月間になりますが、無料トライアルをご提供しております。
その間にいろいろと検証していただいたり、設定をしていただいたりして、実際の診療に使っていただけることを考えております。
以上が今回正式にリリースをしましたクラウド電子カルテ「Clipla」のご紹介になります。この後は少しこの先の事業計画の話をしたうえで、今日のお話を終わりたいと思います。
我々がスローガンとして掲げてますのが、最初にお話し申し上げた通り、いかに医療現場の効率をよくしていくか、その結果、医療の質を上げていくところに主眼を置いています。
ですので、キーワードとしては「Better Quality with Less」。英語で表現しておりますけれども、質の良い医療をできるだけ少ない労力で提供する体制を作っていくことが我々の会社のミッションになります。
今回は電子カルテの発表になりましたけれども、電子カルテ単体のビジネスをずっとやりたいわけではありません。我々がもっと周辺のことも含めてやってきたいということをこれから話していきたいと思います。
私は、クリニックの院長先生というのは、院長であり経営者だと思っています。ということは電子カルテは経営支援システムに繋がらなければいけない、と考えます。具体的にどんなことか。
次のスライドになりますけれども、今回ご紹介したクラウド電子カルテ「Clipla」とORCAのセットですが、そのデータを使って、もっといろいろなことができるだろうと考えています。
例えば会計のところにデータを送ることで、手間のかかる会計業務。どの先生に聞いても「もう面倒くさいから税理士さんに丸投げだよ」とか、「自分で会計ソフトに手打ちをしてます」とか「奥さんがやってます」とか。そういった方がいらっしゃるんですけれども、その辺もデータを会計ソフトに送ることで自動化し、負担低減できるのではないかと考えています。
また受発注、在庫管理ですとか、物の管理についても、いろいろなデータをもとに自動管理できるようになればと考えています。「SCM」、サプライチェーンマネジメントの略になりますが、こういったこともデータを使って自動化できるのではないか、しかもクラウドでできるのではないかと考えてます。
また「CRM」、カスタマーリレーションシップマネジメントになりますけれども、クリニックの場合は患者さんとのコミュニケーションになります。例えば患者さん用のオンライン画面を作って、そこで患者さんに対してカルテの内容を一部分開示していくことですとか、あるいはいろんなリマインダー、次の予約がいつ入ってますよとか、この薬をそろそろ飲む時間ですよとか、そういうリマインダーのクラウドでの管理というのができるのではないかと考えられます。
あとドクターからご要望いただいたものとしては、患者さんとの直接のやりとりをSNSっぽくできないか、そういう機能を作ってくれないか、というご要望もいただいております。これもやはりクラウドならではのサービスだと考えております。これもゆくゆくやっていきたい機能の1つです。
それから「BI」、ビジネスインテリジェンスと、「QI」、クォリティインプルーブメント、経営改善であったり、品質の管理であったり、こういったところもクラウド上で提供しているところはたくさんあります。これを我々はクリニックに対してご提供していきたいと考えています。
特に経営の面につきましては、さきほど院長先生は時間がないという話をしましたけれども、なかなか自分でデータを分析して、経営分析してやろうと思われても、それをする時間はないんですね。
そこの部分を我々がこの「Clipla」の中に入ってるデータを使って分析をすることで、もちろん中は見ませんけれども、分析をすることでお返ししてあげることができると考えています。
我々としてはこの「Clipla」をどうしていきたいかといいますと、クリニック向けのクラウドERPという形に発展させていきたいと考えております。
ERPというのはITの世界では一般的に使われてる用語なんですけれども、エンタープライズリソースプランニングという言葉の略語になります。
このようなERPとしての機能でクリニックの経営を良くしていきたい、診療を良くしていきたいという思いがありますし、クラウドならではの利用シーンもいくつかありまして、
先ほど動画の中でもありましたけれども、訪問診療ですね。いまは紙のカルテを持っていかれる、あるいは別のやり方があるのかもしれませんが、今回はタブレット1つ持っていけば、すぐにクリニックで使ってるカルテと同じものにアクセスすることが実現できますし、昨今話題になっております遠隔診療ですね。
こちらもいろんな定義があろうかと思いますが、患者さんが遠隔にいるっていうことは、お医者さんが1か所にいる必要がないんですね。もしかすると複数の場所にいるお医者さんが診察をする時代も来るかもしれません。そうすると、やはりこれもクラウドの電子カルテがないと、診察ができないと思っております。
それから地域医療支援ですね。医療施設に救急で運ばれてきた患者さんが、どんな薬を飲んでるのかわからないとか、どんな病気を過去にされたかもわからない、ということがありますので、そういったときにクラウド電子カルテ「Clipla」であれば、例えば大病院の方に地域の「Clipla」の閲覧権限を与えることで、すべての患者さんの状況を瞬時に把握することができるようになると思っております。
いま地域連携がいろいろなところで行われてますけれども、連携がうまくいかない最大のネックはクリニックのカルテが紙であると理解をしておりますので、そこにリーズナブルな電子カルテをご提供することで、地域連携に貢献できるのではないかと考えております。
最後に我々のベンチマークにしている会社を1つご紹介したいと思います。2005年に設立したアメリカ・サンフランシスコにあります「practice fusion」という会社が、同じくWebベースの電子カルテを提供をしています。
ただし彼らは無料でやっています。登録ユーザー数は11万人を超えています。もしかするといまはもう少し多いかもしれません。患者さんはその11万のユーザーが登録している病院の患者さんの数で8000万人。1日の参加数30万人、かなりの規模に拡大中のサービスになっております。
こんな会社がありまして、必ずしも同じ医療システムではないので、同じことが当てはまるとは限りませんが、こういった海外の事例を参考にしながら我々もビジネスを進めていきたいと考えております。
最後に目標を1つ掲げておしまいにしたいと思います。さきほど「practice fusion」が11万人のユーザーを得ると、10年かかってここまできたんですけれども、我々2020年まであと4、5年ありますが、できることなら2万5000ユーザー、1日あたり40万人くらいの患者さんをサポートできるシステムとして成長していきたいと考えております。
以上、簡単ではありますが、私どもの製品発表および今後の事業の方向性についてお話をさせていただきました。ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
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