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IoTロボティクスの先にある世界(全4記事)

“ぶっ飛んだ人間”をいかに育てるか IoTロボティクス分野の未来の課題 

2015年6月12日に開催されたIVS 2015 Springの本セッションに、メディアアーティスト・落合陽一氏、アスラテック・吉崎渉氏、ORSO・坂本義親氏、セーフィー・佐渡島隆平氏が登壇。モデレーターを務めるインフィニティ・ベンチャーズLLP・小野裕史氏の進行で「IoTロボティクスの先にある世界」をテーマにディスカッションをしました。本パートでは、IoTとロボティクス分野の将来の課題について、ハードウェアとソフトウェアの両面で強いビジョンを持った人材育成の必要性が語られました。また、最後には15年後、20年後のを見据える登壇者たちからメッセージが贈られました。

Safieのソフトウェア入れたカメラにできること

小野裕史氏(以下、小野):先ほど登壇したばっかりで、急遽また連れて来られて申し訳ないのですが、佐渡島さん。出すものは出し尽くしたはずなんですが、まだネタが?

佐渡島隆平氏(以下、佐渡島):そうですね、この流れはむちゃくちゃ難しいというか(笑)。吉崎さんの思想にはすごく共感できる部分があって、私たちもカメラは作らずにカメラのソフトウェアをみんなが使っていくことで、いろんなカメラのスタイルが生まれて映像が進化していくだろうと考えているんですね。

知らない方もいらっしゃると思うので、我々の技術を簡単にご紹介させていただければと思います。我々はカメラのメーカーに対して、Safieソフトウェアモジュールを配って、カメラのメーカーさんが我々のソフトウェアを入れていただくと、映像管理がクラウド化されると。

そしてクラウド側からいろんな制御ができます。簡単にご紹介しますと、こういうちっちゃいカメラを置いておくと、一気にクラウドにカメラがつながって、過去でも現在でも簡単に見直すことができるんですね。

画像処理の技術なり音声の処理の技術でイベントを自動的に取っていって、人が来たりすると教えてくれるような、そういうアルゴリズムやサービスを作っています。

さっきのLaunch Padで本当に私どもがやりたいことというところまでは紹介できなかったので、簡単にご紹介させていただきます。

我々のソフトウェアモジュールって、結局カメラに入ると全部がブロードキャストもできるし、安全な経路でその人が見たいところだけ見るということもできるんです。これって結構おもしろいなと思っていて。

例えば、みなさんがお持ちの普通のハンディカムに我々の技術が入ると、カチャッとオンにした瞬間、その瞬間に世界に完全にブロードキャストされているということが今すぐにでも作れるんですね。

さっきのロボットの話でも、女の子のロボットが踊るのと、メカらしいロボットが踊るのではやっぱりみなさん受け取る感じが全然違うというのは、映像の世界も同じだと思っています。

例えば戦場にあるカメラって、ものすごい緊張感があると思うんですよね。戦場にあるカメラをカチャッてやった瞬間全てがブロードキャストされているという世界ができれば、報道のあり方も多少変わるだろうと思います。

一方、家のペットを見ているカメラ。猫を見ているカメラは本当にただ癒やされるだけなんですが、でもやっていることは基本的には同じなんですね。カメラの置き場所によって人の感情というのはかなり変わってくるので、あらゆるモジュールに対して映像のデータが集まってくることによって、いろんなことができるんだなということが私たちの会社のコアにしていきたいポイントです。

ドライブレコーダーであれば、渋滞やお天気の情報をリアルタイムにどんどん更新もできるでしょうし、それと何かロボットが我々の映像のプラットフォームに対して組み合わさっていくと、もっともっと世の中が楽しくなるというか、おもしろくできるんだろうなぁというのは感じています。

1つのメーカーとか1つの考え方に帰着せずに、いろんなものがつながりあう世界があって、その中で我々はたまたま「見える」という価値をやっている。それがまさに私たちのやりたいことなんです。だから(やりたいことは)セキュリティだっていうことではないので。

さっき吉崎さんにその話をしたら、「それ、わかります」みたいな感じでリクルーティングされて、急に登壇することになったんですけれども。

吉崎渉氏(以下、吉崎):よくわかります。

IoTにおけるソフトウェアの重要性

小野:佐渡島さんに登壇していただいたのはIoTつながりというのもあるんですが、吉崎さんがおもしろいねってお話ししてたのは、吉崎さんも佐渡島さんも、ハードに絡むことをやっていながら別にハードを作っているというわけでは必ずしもないわけですよね?

佐渡島:はい。

吉崎:(坂本さんも)ドローン作られてるわけじゃないんですよね?

小野:坂本さんもそうですもんね、ドローン自体を作っているんじゃなくて、それを使っていかにビジネスを作るかという……ちょっと言えないのがもったいないところですけども。

佐渡島:我々の会社はソニーにいたメンバーが多くて、ハードにはハードの価値があると思うんですけども、やっぱり今って物が本当にありふれてしまっていると思います。

例えばGoProが作った価値って、カメラそのものが主ではなくて、やっぱりサーフィンしてる映像があんなふうに生々しく見えるとか、ドローンで空撮が簡単にできる事が今の社会において価値のある事だと思うので、「ハードウェアそのものの価値より映像活用」のほうがおもしろいんじゃないかなと感じています。

小野:本当にIoTって言うと、もうバスワードみたいになっていますけど、そこら辺にすでにあるものをいかにインターネットにつなげるか、そのインターフェースとしてまさにEdisonみたいなチップというのは必要になってくるかもしれませんけども。あくまで使い方の提案というのがもっとも重要なのかなという感じを受けますね。

吉崎:結局すごく使いやすいプラットフォームが出てきた瞬間に、「あとはもうソフトだけだ」って言えるような時期が来ると思うので。そういう意味では3Dプリンタとかもそうですけど、データとソフトさえあればっていうレベルまでハードが進化したというのももちろんあって、やっとソフトの重要性が出てきたのかなと思いますね。

佐渡島:おっしゃる通りだと思います。

小野:マルチコプターの世界も、もともとラジコンヘリみたいなものはあったんですけど、難しすぎたというのがありますよね。極端な話、今はスマホでも操作できる。ロボットもそうですけど、簡単に誰もが動かせるようになったというところは普及という部分では非常に大きな意味を果たしているように思うんですけどね。

坂本義親氏(以下、坂本):僕より全然吉崎さんのほうがお詳しいと思うんですけども、結局スマホの進化とともに部品が安く小さくなってコモディティ化したっていうのがあると思います。DJIさんが作られているPHANTOMという機体は、本当にすごい練習をしなくても、たぶんだいたいの人が飛ばせる。

特に今回発売されたPHANTOM3に関しては、ビジョンポジショニング(下方を向いた専用カメラによって飛行を安定させる装置)や、超音波センサーによるサポートで、いわゆる素人の人でも簡単に飛ばせるところがすごい。あと個人レベルでも手が出せる値段という部分の2つの部分が普及の後押しになってきましたね。

テクノロジー業界の人材の底上げについて

小野:最後のセッションなので、思いっきり未来について語るということで……落合さんはまだつながっていますか? つながりましたね。では、10年後、20年後にどういう未来になるかみたいなところをぜひみなさんに自由に語っていただければと思います。

落合さんが考えてる10年後、20年後ってどんな世界になっているのか、そのあたりの落合さんの頭の中の未来図を聞いてみたいんですけれども。今ちなみにどちらですか? 空港の中ですか?

落合:今は移動中です。エンジニアのフィジクスセンスのなさ、物理センスのなさをどうやって開発プラットフォームが吸収するかっていう問題だと思うんですよね。

小野:物理センスですか……? なるべく素人にもわかりやすいようにお願いします(笑)。

吉崎:これは、物理的なところで出てくるすごく難しい問題をソフトウェアが解決するのは難しいので、どうにかシステムで吸収してあげられないかなぁっていう話かなと思うんですけども。

落合:その通りです。合ってます。

吉崎:よかったです(笑)。

小野:すばらしい翻訳です。さすが、わかり合える同士ですね(笑)。

落合:最初に開発プラットフォームがどうやって変わっていくかというのは、ビジネスでやっているものもそうだし、どんどんARドローンとかが制御可能になっているけど。その後に、どうやってそれを駆使した才能がもう1回そのプラットフォームをうまく使うか、そういう人たちをどうやって育てていけるかの問題な気がしています。

小野:……吉崎さん、解説をお願いします(笑)。

吉崎:ここはたぶん新しい概念だと思うんですけども……。おそらくはそういうことができる人間をどうやって育てていけるかというところですよね? そこの部分はまだ解決されていないので、落合さんが解決していかれる課題なんだろうなと思いますね。

小野:僕が初めて吉崎さんに会ったとき、また落合さんに初めて会ったときに感じたことは、20代でこういうぶっ飛んでる方がいるというのは、ものすごく楽しみに感じたというか。でもそういう人ってなかなか量産できないと思うんですよね(笑)。

だからこそ誰でも簡単にできるようなインフラだとか、それを仕組み化するという落合さんの研究とかがあるのかなと思うんですけれども。その人材の面の課題って、ロボットの分野に関して言うと吉崎さんはどう見ていますか?

吉崎:いや、そこはIVSがやっているところが影響として大きいんじゃないかと……。

小野:IVSはインターネットの世界ではあるかもしれませんけども、ロボットっていうところはまだ正直ほとんど……。

吉崎:ぜひそういう場を作っていただきたいですが(笑)。

小野:吉崎さんに作ってもらいたいですね(笑)。

吉崎:それもいいですね。

小野:でも先ほどDARPAのチャレンジカップでも、今回もまた日本の研究室は3体出ていたと。初めてGoogleが買った日本の企業がシャフトさんですよね? シャフトさんもDARPAのプロジェクトに応募して。

階段を登ったりだとかドアノブを開けたりだとか、いわゆる原子炉の中でも動けるようなロボットづくりというコンテストで優勝した会社が、Googleが日本で初めて買った企業の第1号になったんですが。

それに追いつけという形で3つの研究室が今回また出てましたよね。そういった兆しはすごく頼もしいと感じています。吉崎さん視点ではどう感じていますか? ロボットの人材の底上げという意味では。

吉崎:すばらしいし、意義があることだと思っています。簡単に補足しておきますと、シャフトさんは2回目には確か参加されてなくて、今回、日本からは5チーム本戦に参加されていました。予選には出ず、本戦参加が決まったのも遅いタイミングだったこともあり、準備期間も短かったと思うんですが、みなさん健闘されていて、自分も手に汗握りながら中継を見ていました。

その結果、世界にどんな影響を与えられたかというと、「人型ロボットってまだできないことも多いんだなぁ」という、いい意味でロボットの現状をしっかり見せられたんだろうなというところと、あれだけの頭脳が本気を出したわけですから、やはり今後に寄せられる期待も大きいんだろうなと思っています。

小野:吉崎さんは15年後、20年後にどんな未来を妄想していますか?

未来のロボットは人型ではない?

吉崎:時間の関係もあるかもしれませんが1ページだけ……。いつも聞かれるので、今回は1枚スライドを用意してきました。「未来のロボットは人型?」これ、本当によく聞かれます。

将来的に、15年後に人型ロボットはいるのかいないのか? これ、非常に難しい問題です。本当に人型が最適なのかといったときに、「最適じゃないんじゃないの?」って思われる方いらっしゃいますかね? そうですよね、たくさんいらっしゃいますよね。そうなれば、「なんでお前ら人型を開発してるんだ」っていう話になると思うんですよ。

ここで私が思っていることを1枚の画像にしたのがこれです。みなさん、これ何に見えますか?

例えば高校生はこう言うんですね、「馬車」って。確かに馬車に見える。でもこれはみなさんもご存知の通り、自動車です。自動車は初期の頃、馬車にそっくりでした。なぜかと言えば、自動車とどうやって使い分ければいいかわからない中で、馬車に似ていれば馬車の代わりだってすぐわかるから。

馬車と形が違ったら車庫も変えなきゃいけない。馬車と同じ所を通りぬけられないといけないからタイヤも同じ形のほうがいい。当然互換性があるほうがメンテナンス性がいい。となれば、最初は馬車の代わりのものが馬車に似た形になるのは当たり前のことなんですよ。最終的に現在は今の自動車の形のほうが最適だよねっていうことでこの形になっています。

これからは電気自動車になっていくんですが、開発された電気自動車も未だにエンジンカーの形をしてますよね? これからは形が変わります。最初はエンジンの自動車の代わりなので、電気自動車はみんなあんな形をしているんですね。

だから我々は、何も考えないでロボットを作るならまず人型ということになります。そのうち腕が1本になるかもしれないけど、まず最初は2本腕で開発してもいいじゃんっていうところですね。

ドローンの飛行テストから得られるデータの用途

小野:非常にわかりやすいですね。一方で、映像系というところで坂本さんと佐渡島さんのお二方に急遽登壇いただいたんですけれども、新規事業で始められたORSOさんもそうですし、立ち上げたばかりのセーフィーさんもそうですけども、ビジネスの先というところでどんな未来を妄想しているか? というお話をぜひ聞いてみたいんですけれども。坂本さんはいかがですか?

坂本:僕らからすると、映像作品は副産物という位置づけで現時点ではテストを繰り返し行っています。先ほどの馬車とか電気自動車みたいなお話に近いと思うんですけど、実は今年の2月にあるところで講演させてもらったときに、同じことを言ったんです。

ある観光課や市役所に電話をしたとします。「ドローンというものをこういう場所で飛ばしたいんですけど……」と。その時期はドローンが新聞とかメディアに取り上げられていなかったので、「ドローンって何ですか?」と。「ドローンっていうのは4枚組の羽がついていて、飛ぶと蜂の大群のような音がして……」と説明したりして。

まず「何ですか、それ?」って言われるので、「すいません、映像をちょっと撮らせていただいてもよろしいですか?」って言い換えまして。そう言うのが正直一番伝わりやすくわかってもらえたんです。目的を達成するためには、違う言い方をしたほうが結局よかった。

僕らはやっぱりクリエイター魂が強くて、一生懸命映像を作っちゃうので飛行テストしている感が薄れて見えると思うんですけど、一番最初にしたいのはやっぱり情報の取得なんですね。例えば-10度で実際に飛ばせるのかどうか、あるいは30度ぐらいの暑いところで飛ぶのか飛ばないのか。

あるいは風もそうですよね。だいたい(風速)5〜7メートルだったら、飛ばす飛ばさないっていう話はもちろんあるんですけど、とはいえ安全っていうことを考えると僕らはやっぱり3~5メートルっていうところで風を読みながら飛ばしていたりする。

何が言いたいかというと、結局僕らとしては映像がどうというよりも、今はドローンを実際の場所で飛ばしてみてどのような挙動が起きるかどうかの検証をしている最中だというところなんですね。

最終的にどういう形でエンドユーザーさんに伝わるかといったときに、現在はテスト飛行させてもらえる口実として、動画自体は副産物でもいいんじゃないかっていう気持ちがあるので、これから先いろんな場所で飛ばしながら、データを収集して、何に使っていくことができるのか、どういうところで受け入れていただけるのかっていうのをサービスとして一つひとつ考えていくのが重要なのかなと思います。

小野:そういったデータは、まさに今日Launch Padに登壇されたSky Driveの中村さんがああいうのを実現していくのにおいても重要なデータになるかもしれませんし、Amazonがやろうとしている物流としてのマルチコプター活用というところでも重要なデータになるかもしれませんね。

坂本:そうなってもらえるとちょっと儲けられるんじゃないかなと思うんですけどね(笑)。

小野:期待しています。

坂本:ここ、笑うところです(笑)。

小野:ありがとうございます。佐渡島さん、いかがでしょうか?

Safieを導入した飲食チェーンの事例

佐渡島:さっきの吉崎さんの話がすごく共感できるんですが、僕たちもなぜSafieかというと、マーケットとの付き合い方という意味で、世の中から見たときに監視カメラってわかりやすいよねということで、Safieという形にスライスするというやり方をとっているんですね。

例えば我々が実際にこの製品を出してすごく反響があったりするのは、実は飲食業界だったりするんですね。ある1部上場の飲食チェーンに全部入れていただくという話があって、どう使うのか聞いてみたら、例えば金曜日の夜の居酒屋さんってあまりに混んでいて、揚げ物を揚げてる時間がすごい遅いんだと。それによって効率がすごく悪くなっていると。

そしたら1回全店で揚げ物をチェックしようっていうことで、厨房にカメラをつけてみようと。そうすることで結局何が起こるかという話なんですけど、セキュリティとかはまったく関係なくて、(人がチェックしに)行かなくていいということになるんですね。

行かなくていいということがどう作用するかというと、ただ行かなくていいだけじゃなくて、例えば300店舗あったら、一覧をパッと見て、本部の人が「ここいいじゃない」って言って、そのノウハウを動画にしてまた下の店舗に渡していくというような、そういうことができるんですね。

旧来の考え方で行くと、誰かがダメな店に行って「ここがダメなんだ、あそこがダメなんだ」みたいなところをいちいち改善のために言うんですけど、「いや、違うんですよ~」「私たちのやり方があるんですよ」みたいなどうでもいい押し問答みたいなのがあったんだと思うんです。

でもすごいいい店のデータをリアルタイムに下の店に見せて「どう思う?」って聞いたら、「すごいっすね、いいっすね。これやります」みたいな。行かなくてもいいし、すごく気づきがいっぱいあるんだと思っていて。現実問題として、みんな気づいてないことっていっぱいあるんですよね。我々だったら動画の世界だけでも、動画をただ見るだけでもむちゃくちゃあるんですよね。

だから、ただ見るんじゃなくて、やっぱり調理器具につながるとか、配膳ロボットとつながるとかっていうことが簡単にソフトウェアの世界ってできちゃうので、そここそが僕らが想像し得ないような未来っていうのが絶対あるんだろうなと。

AWSなんかでもいろんなミドルウェアがあって、いろんなサードパーティーが入ってくるから逆にAWSをみんながどんどん使っていくということであって、その世界とすごく似てるのかなと思います。吉崎さんと話させていただくと、すごい刺激になりますし、そういう未来をみなさんと一緒に考えられる時代なんだなっていうのをすごく今感じています。

登壇者4人が描く理想の未来

小野:非常に具体的でわかりやすいです。ありがとうございます。では、最後みなさんにそれぞれ「俺はこんな未来を作るぜ」という意気込みも含めて一言メッセージをいただいて締めたいと思います。

じゃあ佐渡島さんから。すでに言ってしまった部分はあると思いますが、改めてお願いいたします。

佐渡島:そうですね。まだ我々スタートしたばっかりの会社なので、あんまりベラベラしゃべっても実現できるのかのほうがみなさん気になると思うので……。

まずは着実に、自分たちがやりたい世界に向かって、一つひとつみんなが見えることで安心できるということをしっかりとやっていきたいと思いますので、みなさんご協力をお願いします。つながる世界を創っていきたいです。

小野:ありがとうございます。急なご登壇ありがとうございました。では坂本さん、お願いします。

坂本:2つあって、1つは最近地方に行くことが多いんですよ。撮影先で地元の方たちとお話をさせてもらう中で、新しいひらめきがあったり、こんなところに困ってるんだなということに気がつくんですね。

これまでのただ単に会社の中だけで着メロを作ったり、Flashミニゲームや、ソーシャルゲームを作ったり、というときに比べると、外に出て会話して一緒に作りあげていける感覚がすごく楽しいなっていうのを実感した1年でした。

その中で、地方の中で「モノ」を一生懸命作っていらっしゃる研究者の方たちだったり、あるいはもう20年ネジについて一生懸命やってるんだぞ!っていう方たちとお会いしてお話をしたときに、一緒にユーザー体験をデザインして届けるみたいなことができるんだったらもっとやりたいなぁと。

僕らはそれこそソフトウェアを得意としているので、そういう部分で日の丸掲げて何かできるところがあるんだったらやりたいなという思いがあります。

僕たちはユーザー体験をデザインする制作会社として幅を広げたいという気持ちでやっていますので、一緒にやっていただける方がいましたら転職もお待ちしていますので、ぜひよろしくお願いしたいなと思います。

小野:ありがとうございます。じゃあ、吉崎さん。

吉崎:理想のロボットというところに関しては結構話してしまったところもあるので、逆にもう少し近いところでもう1つだけお伝えします。「向こう5年間はあんまりロボットがやるところを狭めないよ、何でもいいから作るよ」っていうところの「5年間」の意味は、実は東京オリンピックです。オリンピックに私が何かしたいっていうんじゃないです。

そうじゃなくて、「ロボットをたくさん試作したいんだったら、オリンピックまでしかデモンストレーション用の予算が出ないんじゃないですか?」っていうことなんですよね。

小野:現実的で非常にいい話ですね。

吉崎:非常に直近になってしまうんですが、これも重要な要素だと思います。せっかく日本に来た偶然っていうのをみなさんに利用していただくっていうのは全然ありだと思うので、それまではどれだけカオスになっても、いろんなロボットを広めるための努力っていうのをみんなでしていきませんか? っていうところを最後のメッセージにしたいなと思っております。

小野:吉崎さんは安倍首相に直接提言をするようなプロジェクトにも参加されてるわけですよね、ロボット分野について。

吉崎:そうですね。かなり短時間ですが(笑)。

小野:ありがとうございます。落合さん、いかがでしょうか。

落合:最後に言っておくこととしては、エンジニアが勉強しないといけない時間は伸びてると思うんですよね。この世界を対象にしたら、今までソフトの世界では動かなかったようなものがいっぱい出てくるんだけど、それをどうやって回収していくか。

つまり我々がプラットフォームを整備するかとか、そういう人材をどうやって育てるかっていうのは、まだ長い道のりなんですよ。インターネットシングスの物を扱うっていうことには極めてアーティスト的なセンスが必要で。

要はソフトウェアとハードウェアと強いビジョンがないと今はまず成功できない、当たり前のように仕事として働けるような世界を作っていくかっていうのが重要な観点かなと思っています。

僕は大学の教員というファーストキャリアを持っているので、そういう人材を育てていけたらなぁと思ってるんですが、そういうようなアカデミアも結構近い世界ですけど、そことやっていけるようなうまい組み合わせをぜひみなさまと考えていけたらなと思います。今日は回線の悪い中ありがとうございました。

小野:最後に落合さん含め、ここに登壇されているみなさんに大きな拍手で締めたいと思います。今日はありがとうございました。

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