2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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小野裕史氏(以下、小野):ちなみに吉崎さんは過去3度Launch Padに登壇いただいて、先ほどデータを調べたところ、3回出場のうち2回優勝して、1回は準優勝でしたよね? そのうち1回は同率1位。そういう非常に輝かしい成績を持っていて、まだ29歳。
吉崎渉氏(以下、吉崎):そうですね、完全に発掘していただいた感じだと思っております。
小野:いえいえ。僕が初めて会ったのはIPA未踏人材発掘プロジェクトで、こんなとんでもない人にはぜひ来てもらいたいということで。当時はまだインターネットのイの字もまったく関係なかったんですけど、IoTという文脈も含めて今ようやく時代が追いついて、インターネットの世界とつながる仕事も増えてきたのではないかなと思います。
吉崎:初めてIVSに参加させていただいた時のあのアウェー感が忘れられないですね(笑)。
小野:吉崎さんもそうなんですが、先ほどお話しいただいた落合さんはさらにぶっ飛んでいて、アクチュエーター、関節とかがなくても物理的に物自体を動かしてしまうというとんでもないことを……。インフラというか、そういう場の仕組み自体を作っているのかなぁと僕は理解していて。
吉崎さんは今後たくさん出てくるであろうロボットについて、どういうロボットであろうと、それをOSという観点で誰もが簡単に操作できるとか自由に動かすインフラを作っているという理解でいるんですけれども。
落合陽一氏(以下、落合):はい、僕もそう思います。
小野:ありがとうございます。
吉崎:ある意味で(落合さんは)対極なのかもしれないなと思いつつ、これはもう両輪として発展していってほしいとも思っていますので。やっぱり見ててワクワクしますよね、場を改造するというところは。
小野:落合さんから見た吉崎さん、もしくは吉崎さんから見た落合さんの研究というのは、それぞれどんなふうに映っているのでしょうか? もともと交流もあったということですが、そのあたりをぜひお話いただきたいなと思うんですが。落合さんは今のプレゼンをご覧になってどうですか?
落合:もともと吉崎さんは僕の未踏の先輩なんですよ。2個上か3個上なんですけど、先輩としてすごいなぁと思いながらいつも見ています。
吉崎さんのいいところは、ハードウェア屋さんってソフトウェアセンスがない人が多いんですけど、吉崎さんはソフトウェアのセンスがあるから、どういうものをコピーしたり、どういうものとどういうものを連結させたらユーザビリティが上がるかという部分でハードウェア屋にない才能を持っていて、そこがすごいかっこいいなぁと思っています。
小野:確かにそうですね。やっていることは、ソフトウェアのところをやっているわけですよね? ハードウェアのことも理解しながら。
吉崎:ソフトウェアにかなり閉じたところをやると見せかけて、ハードウェアでいろんなことをされているすばらしい方がたくさんいるので、そことつなげようという、まさにおっしゃる通りのところを目指しているというのがありますね。だいぶ褒められて気恥ずかしいところがあるんですが(笑)。
逆に私から見ると、落合さんがされていることというのは「物をつなぐ」というところじゃなくて、まず「新しいものを作リ出す」というところで、世界的に驚きを与えているという部分がすばらしいなと思うのと、その中でもいくつかはやっぱりロボットと連携できるんじゃないかという。
空間だけの改造じゃなくて、空間も改造する、物も改造してロボット化する、そこでいろんなシナジーが出てくるんじゃないかなというところも非常に注目していますね。
落合:今年はじゃあコラボで何か作りましょう!
吉崎:いいですね。
小野:これは楽しみなコラボレーションですね。じゃあ次回、もしくはその次のLaunch Padあたりにぜひ出していただければと、期待しております。
落合:火星探査船ぐらいは軽く作りますよ(笑)。
吉崎:(笑)。あとはドローンと映像配信もきますかね?
小野:という流れで、いったんお二人の発表が終わったところで、落合さんが来れないかもしれないというところで私のほうで急遽登壇をお願いしたORSOの坂本さんとセーフィーの佐度島さんにお話をお伺いしたいと思います。
佐渡島さんはさっきのLaunch Padで出すものを出し尽くしたというところがあるんですけども(笑)。その話はちょっと後で残すとして。
今はドローンというキーワード、マルチコプターとかも含めて言われてますけども。まだあんまり実はみなさん知らないと思うんですよね。着メロをやってゲームをやってる坂本さんが、実はドローンに関わっていることを。
今世界的にドローンの産業が急速に伸びている中で、まさにそこを支えるプラットフォームだったり、そのビジネスを下支えするようなビジネスをいろいろ考えていらっしゃるということをいろいろ聞いていたんですが、まだ言えない部分があるということですので、今見せられる範囲のところを坂本さんからお願いいたします。
坂本義親氏(以下、坂本):坂本です。ORSOという会社をやっております。ここ最近ドローンの話しかしてないので、「あいつはドローン屋なのか?」「ドローンを作ってるんじゃないか?」という話なんですが、ドローンは作っていません。
もともとは2001年にセルという会社を創業して、dwango.jpさんとか、あとはモバゲータウンの立ち上げ期のミニゲームとか、コンテンツという部分においてユーザー体験をデザインするというのをずっとやってきました。ORSOは2005年に創業して、2008年から本格的に事業を展開しております。
久しぶりに会社の説明をする気がするんですけど、クリエイティブ演出・企画・制作みたいなところをやっています。先ほど「必殺技・飛び道具が重要」という話が出たんですけど、ソーシャルゲームの中での必殺技・飛び道具というところを企画、開発している感じです。
あとはスタジオジブリさんのコンテンツ周り、それからトランスフォーマーのスマホゲームをDLEさんとタカラトミーさんとさせていただいておりまして、今日は(吉崎さんと)トランスフォーマーつながりでうれしいなぁという感じでございます。
いろいろこんなことはやっていますが、去年の7月からあるきっかけで……。うちにチーフドローンオペレーターの田中というのがいまして。名刺に「チーフドローンオペレーター」って書いてあるんですよ。
小野:ちなみに吉崎さんの肩書きは「チーフロボットクリエーター」というんですよね? 孫さんグループの中で。おもしろい肩書きがどんどん増えてきますよね。
坂本:その田中というのがもう14年の付き合いなんですけど、「ドローンを飛ばしたいから会社辞めたい」と。「すぐにでも始めたいので辞めていいか?」と言うので、「ちょっと1週間待ってくれないか」って言ったら、次の日会社を辞めてきちゃいまして。
これが最初のきっかけです(笑)。っていうので、DJIのPHANTOM2を最初3台か4台買いました。
小野:結構しますよね? 100万円ぐらい?
坂本:当時1台あたり13万円ぐらいでしたかね?
小野:合わせてそのぐらいですよね。
坂本:それにいわゆる伝送装置をつけたり、ジンバル(カメラのブレを安定させる装置)をつけたりとかいろんなものを……。アクションカメラのGoProも、シルバーとかブラックとかいろいろあるんですよ。そういうのをバンバンプレゼンされまして、「買ってくれ」と。それこそAmazonさんですよね、ウィッシュリストがめちゃめちゃ増えていって……。結構な金額のものをいろいろ買いながら、実証実験をしています。
新聞とかメディアでいろいろ取り上げられているのでご存知だと思うんですけど、正直いろんな場所で飛ばせなくなっているんですが、たぶんそうなるだろうというのは当初から織り込み済みでした。
いろんな場所を管理している方たちにお願いして、「無料でもいいから動画を撮らせてください」ということで、DJIのPHANTOM1だったりPHANTOM2だったりPHANTOM3だったり、あとはINSPIRE1だったりをいろんな場所、いろんな気温、いろんな条件の中で飛ばさせていただくということで、どういう時はこういう挙動になるとか、どう撮るとこういう画になるとか、この部品はこのくらいで壊れるとか、いわゆる情報収集を、この1年間1000フライトぐらいやらせていただいておりました。
例えば横浜ベイスターズさんにお願いをして「どうしても球場で飛ばさせてもらいたいんですけどいかがでしょうか?」という相談をしたり、僕が大分出身でして、観光というと最近「インバウンド」っていうことで、海外のお客さんが見る映像として「新視点」というと見栄えがいいんじゃないかというので、いろいろ撮らせていただいたり。
IVSの京都の会場にもなっているPlanDoSeeさんにお願いしたりとか。そういった形でいろいろ撮らせていただいています。こちらは公表できる範囲の話でございます。
我々は動画を撮ることが主目的ではなく、コンテンツ作りというところを目指していまして、最終的にユーザーさんがどう感じるかというところを考えた1つの方法としてドローンによる動画撮影があった、という見方です。
なので、ドローンの販売会社でもなければドローンを一から開発しているわけでもないんですけど、1つの方法としてどういう表現ができるかというところを追い求めた形で、今のMAXの作品が1個できたんじゃないかなというのがこの動画になります。
この動画の撮影の場所は水上(群馬県)です。もともとはアウトドアアパレルブランドをされている方がプロモーションビデオを撮りたいというのにうちのオペレーターの田中が同行させていただいて、うち側で撮影編集した動画になります。
小野:これはドローンを飛ばす人とカメラの人、それぞれ2人で操縦している形になるんですか?
坂本:だいたい映画とか特殊機材の方たちは「2オペ」といって、ドローンの機体を操縦する方と、カメラを操作する方2人で操作するんですが、うちのチーフドローンオペレーターの田中は1人で両方操作します。
小野:そうなんですか、すごいですね。
坂本:ありがとうございます。試行錯誤しながら、飛行テストと映像制作をがんばっています。それこそ昔制作していたdwango.jpの着メロを作っている時に似ている感覚があります。その場所の良さをスマホ動画の形でみてもらう場合、どうすれば感動体験がデザインできるか?
制作してるとクリエイターとしてコンテンツのクオリティーを追い求めてしまう。ちなみに、この映像作品は、なんか「へーすごいね~」って感じなんですけど、綺麗なものだけだとおもしろみやパッケージとしての幅が出ないので、やっぱりおもしろいキャッチーなものも作りたいと思ってまして。もうひとつ動画をご紹介します。
何となくわかると思うんですけど、ワカサギを釣りに行ったんです。下にGoProを自作で付けまして、湖に上向きで沈めています。だんだん糸を引き上げていくと実は……ドローンで釣っていると。ドローンでワカサギが釣れたらおもしろいんじゃないかと思って……。すいません、ノリでございます(笑)。
小野:この映像を撮りに行ったんですか? それともワカサギを釣りに行ったついでに撮ってやれみたいな?
坂本:いえ、これのために2日間かけてワカサギ待ちをして……。「ワカサギ待ち」ですよ、本当に(笑)。実のところ、ワカサギは1匹も釣れず、負けて帰ってきたっていう感じです。うちはこんな感じです。
(会場拍手)
小野:ありがとうございます。みなさんもいろんな形で、僕もいろいろとドローンの映像は見させていただいているんですけど、日本では最高峰のレベルに達しているんじゃないかなと。
映像のすばらしさはもちろんなんですが、巷でドローンはいろんな形で騒がれていますが、まさに坂本さんがおっしゃっていたように「こういう使い方があるんだ」というところを示していくだとか、今日はちょっと残念ながらまだ発表できないんですが、そのうち記者会見などで出すネタがあるみたいなのをちらっと聞いてますけども。
まさにドローンが広がっていく中で、それをどう実ビジネスとして、かつプラットフォームとして支えられるかみたいなことを今やられているということで、非常に楽しみでございます。ありがとうございました。
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