2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
スタートアップ・ピッチ3 スマートエデュケーション(全1記事)
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山際健太氏(以下、山際):こんにちは。スマートエデュケーションの山際です。私たちは、「世界中の子どもたちのいきる力を育てたい」というビジョンを掲げているスタートアップです。
私は、大学院の修士2年から当社でインターンをしています。そして、昨年新卒第1号社員として入社しまして、現在国内事業責任者を担当しています。当社の事業についてご紹介します。こちらの写真をご覧ください。
みなさん、幼稚園や保育園のときに教室の壁に絵が飾られていたのを覚えていますか? これは、クラスで見せ合いっこをするというコンセプトだと思うのですが、私たちはインターネットを使えば、より多くの子どもたち、世界中の子どもたちが、お絵かきを見せ合いっこできると考えて新しい教材を作りました。そのデモをやります。
これは「らくがキッズ」というアプリです。海外では「Gocco Doodle」という名前で世界中に配信しています。まず、このアプリでは子どもの発想の手助けになるような下絵を提供しています。ちょい足しすると完成するといったテーマです。
実際に、お絵描きをしてみたいと思います。例えば、雨の筆を選ぶと雨の音がします。色もいろんな色があって、自由にお絵描きをすることができます。
ただ、ここまでだったら、普通の紙に描いたお絵描きでも同じものが描けると思います。では、なぜアプリにしたのかということの1つがこちらです。
子どもって、絵を描くときにストーリーを描いてしまうんですね。朝起きて、ご飯を食べて出かけました。それが重なって、絵が見づらくなってしまう。でも、これを見ると、お父さんお母さんは子どもがどんな思いで絵を描いたのか、その思いを知ることができます。そして、もう1つがこちらです。
これ、走っている車に見えませんか? こんなふうに、よりクリエイティブな表現ができる、そんなアプリです。
そして、お絵描きをした自分の顔を写真に撮ります。画家になっちゃいました。これは世界中で出しているアプリなので、自分の国を選びます。
そして投稿すると、実はこの中がSNSになっています。この左上の絵が僕の描いた絵です。また、世界中の子どもたちがどんな絵を描いているのかを瞬時に見ることができます。例えば、アルゼンチンの子が描いたこの絵がいいなと思ったらハートをつけてあげます。
そしてハートを順に並べてみるとこんな感じになるんですね。例えば、アメリカの子どもが車を燃やしちゃっていたりとか、そういう国民性みたいなものが感じられます。
(会場笑)
あとは車が主体なんですけど、人の顔にしてくれている子がいたりとか、こんなようなアプリです。私はインターネットのすばらしさとは、世界がつながることだと思っていて、それを小さな子どもでも体感できる、そんなアプリになっています。では、もう一枚写真をご覧ください。
みなさん、幼稚園の頃に粘土遊びってしたと思います。私たちは粘土遊びというのは創造力を育てるすばらしいものであると思っています。ただ、今の時代というのはITというものを使って、もっと創造力を育む教育ができるのではないか、そう考えてこのアプリを作りました。
こちらは動物園のアプリです。好きな動物を選んで、エサを食べさせてあげることができます。
ただバナナを食べるだけではなくて、このようにバナナ柄のゾウさんになっちゃうんですね。これを見た子どもたちは、「このゾウさんに何をしてもいいんだ」ということがわかって、こちらのコーナーで自由にゾウさんの体にお絵描きができるというアプリになっています。
例えば、こんなふうに鼻を塗りつぶしてしまったりとか、柄もいろんな柄を用意しているので好きな柄を選んで塗ったりということができます。そして、できたゾウさんをお立ち台の上に乗せて、右下のカメラボタンを押します。
すると、実はこの写真がギャラリーに保存されるんですが、できたゾウさんだけでなく、このゾウさんの展開図が保存されるんです。
これをハサミとのりを使ってできるものが、こちらです。
(会場拍手)
ありがとうございます。こんなふうに、自分が描いたオリジナルのゾウさんが立体的なゾウさんになるというものです。
私たちは、ITはあくまでも道具だと思っています。ハサミとのりと同じように道具なんですが、21世紀を生きる子どもたちの道具です。これを使うことによって、10人10色の個性を伸ばす教育を行っています。
現状の当社の事業としましては、知育アプリの企画開発を行っておりまして、Google Play/App Storeで教育カテゴリーシェアナンバー1を獲得しております。トップシェアということで、「アンパンマン」や「ドラえもん」といった人気キャラとコラボすることも増えています。
ユーザー数も順調に拡大しておりまして、現在1300万ダウンロード、海外だけでも400万ダウンロードいただいています。
こちらは私の名刺なんですけど、裏にビジョン、ミッション、SMART EDUCATION WAYという行動指針を載せています。
今は知育アプリの開発を主にやっているんですが、それだけの会社ではありません。私たちのミッションは「その時代で最高の手段を用いて、子どもたちに多くのチャンスを提供すること」です。
今、ハードウェア事業の開発も進めていますし、将来、もしかしたら教育用のロボットを作ったり、幼稚園や保育園を作ったりといったこともあるかもしれません。世界中の子どもたちの生きる力を育てるために、教育に変革を起こし続けていきたいと思います。
ここで、スマートエデュケーションがどうやって生まれたのか、そして、どうして教育にコミットする会社になったのかというところを代表の池谷からお話します。
池谷大吾氏(以下、池谷):みなさん、こんにちは。代表の池谷です。僕は代表なんですけど、今日は別にゾウを持ちにきたわけではなくて(笑)。
健太くんはうちにインターンで入ってきて、新卒で入って、まさに新卒からベンチャーに入ったというタイプなんですけれど、僕は対照的で、35歳で起業しました。それまでは普通にサラリーマンをやっていたので、少し違った経緯が(あって)、みなさんの参考になればと(思って)お話したいんですけど。
僕、ちょうどキリよく2000年に大学院を卒業して、日本ヒューレットパッカード、みなさんご存知の通り世界名だたるコンピュータメーカーに入って、5年くらい頑張るんですね。ただ、5年後にサイバーエージェントグループに行っちゃうんですけど。
大企業ってすばらしいし、今でも感謝しているんですけど、こういった抜擢ってないんですよね。僕は、4年、5年で仕事ができるようになると、段々年功序列なことが見えてきて、やりたいことをそのままやらせてもらえないなと。
今日は実を言うと、彼は(山際氏を指し)「僕にやらせろ」と、「ゾウを持て」と(笑)。「ゾウを持て」って俺はどんな仕事をすればいいんだって話なんですけど。でも、それくらい僕らって抜擢ができるわけです。彼は能力があって、国内事業の責任者で、彼はうちの売上の95パーセントもコミットしているわけです。彼、たった2年目です、2年目。
「(大企業では)こんなこともできないのか」と僕は苦悩して、だったらと、メガベンチャーと言われるサイバーエージェントに入りました。藤田さんは僕とそんなに年が変わらないのに、上場までしてすばらしいということで、約10年くらいサイバーエージェントグループで頑張って役員にまでなりました。
ただ、最終的に思ったのは、自分自身が藤田さんみたいになるためには、自分が起業するしかない。サイバーエージェントはたくさん子会社を作るので、僕はその子会社の社長をやっていたんですけど、やっぱり自分の感覚、自分の持ち物という感覚がなくって。なので、思いを込めて35歳でスマートエデュケーションを起業したというわけです。
でも、僕は当時家族がいたんです。今でももちろん、「いたんです」じゃなくて、「いるんです」。これ、すごいのわかります? (家族の身長が)右肩上がりな感じですよね。うちの業績と全く同じなんですけど(笑)。
(会場笑)
家族でこういう写真はなかなかとれないですよ。これは去年の写真なんですけど、今は長男は妻を抜こうとしていて。これね、頭の上にマトリョーシカがあるんですよ。僕、何の話をしているんですかね(笑)。うちでマトリョーシカができるんじゃないかと、これたまたま揃ったんですよ。今日はこの写真をみなさんに自慢しに来た、これだけなんですけど(笑)。
やっぱり、起業するのって大変で、僕は突然会社辞めて起業したので、義理のお父さんから電話かかってくるんですよね。「なんで君はサイバーエージェントグループの役員をやめるんだ」みたいな。すごく年収がいいのが、0円になりますから。
ただ、お父さんに言ったのは「起業というのは、もうぜんぜん特別なことではないんだ」と。「アメリカのほうでは起業して失敗したって給料もらってる人いるし、僕も別に借金して起業するわけじゃないんだ」と。
僕は自分で一部資本金出してますけど。とは言え、「僕が万が一失敗しても、家族が働かなきゃいけないとかそんな大変なことになる時代じゃない」と、「そういう時代じゃないんだ、お父さん」と言って起業しました。
これから人生を歩む中で、いきなり起業とかベンチャーに行かれる方もいらっしゃいますし、僕みたいのもいると思うんですけど。僕は若いうちから、能力というのは年齢は関係ないと思っているので、こういうチャンスを獲れるのはいいのかなと思ってやっています。
ここから先は、マイクを返せということなので、インターンのすばらしさを彼からお話します。どうぞ。
山際:最後にスタートアップで働くということについて話したいと思います。私は、何かに挑戦したいと思っている人にとって、スタートアップはぴったりの環境なんじゃないかと思っています。
私はインターンのときに、冒頭でお話した「らくがキッズ」というアプリの立ち上げにディレクターとして参加しました。当社のアプリ開発は3人で行うことが多いです。ディレクター、デザイナー、エンジニアが各1人の最小限のチームです。
その中でディレクターという人が何をやるかということなんですけど、デザインとプログラミング以外の全てをやります。例えばここに出ているように、仕様を決めてエンジニアとデザイナーさんに動いてもらったりとか。
コンテンツを考えて、さっきの下絵みたいなことですね、データーベースの設定を行ってリリースしたりとか。リリース後に海外のレビューサイトにラブレターを送って掲載してもらって、世界でもダウンロードされるようにしたりとか……。
とにかくこのアプリがいろいろな人に届くためにできることを全てやる職種です。こうしたことをインターンでできるという裁量とやりがいは、スタートアップの良さかなと思います。現在も各職種でインターン生を採用しておりまして、インターン扱いされない環境で、裁量の大きな仕事を担当しています。
もう1つ、スタートアップで働くのは楽しいよということをお伝えしたいと思います。
これは私が昨年社内で開催した「肉体改造ラリー」というイベントなんですが、背景をお話すると私はインターンのとき、忙しくて深夜にご飯を食べることが多くて、人生で初めて太ってしまったんですね。ちょっとイケてないということで、自分が痩せたいということを社内のイベントにして、景品を社長のおごりにするという自由で楽しい社風になっています(笑)。
ルールが6週間で体重と体脂肪の減少率を競うというものなんですね。結構ガチで、月10万のプライベートジムに入会したメンバーがいて、彼がすごいトップに躍り出たんですね。私も主催者として負けるわけにいかないなということで。
右上のような、もうライザップみたいな糖質を完全に制限した食事にして、そうすると頭が働かなくなって仕事に支障をきたすんですが、体脂肪率を5パーセントほど減らして同点優勝に持ち込んで無事焼肉をおごってもらったよという話です(笑)。
(会場笑)
もうちょっと仕事に寄せた話にします。
こちらUnity Campというもので、各自で自分が考えたプロダクトを作るという開発合宿です。これはエンジニア、デザイナー中心にやっておりまして、4ヵ月に1回やっているんですが、前回は八丈島に行きました。
私も前回初めて参加して、自分でUnityを勉強して、作れるようになって、自分の企画を八丈島で作ってきました。すごい遊んでいるように見えるんですけど、あくまでも自然からインスピレーションを受けているところで、ここからすばらしいプロダクトを生み出しています。
次回はエンジニア、デザイナー、ディレクターの3人のチーム制でやろうと思っていて、実際リリースできるレベルのものを作ろうとみんな燃えています。
このようにスタートアップで働くというのはすごく楽しいですし、自分で考えて行動できる人にとってはとても成長できる環境だと思っています。私ももっと早くインターンを始めていればよかったなという思いがあるので、ぜひ何かに挑戦したいと思っている人は選択肢の1つにしてもらいたいなと思います。
そして、もしスマートエデュケーションに興味を持っていただいた人は、後ほどの懇親会に池谷も私も参加しますし、明日もインターンのブースを出させていただくのでお話しましょう。以上になります。ご静聴ありがとうございました。
(会場拍手)
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