2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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岡島悦子氏(以下、岡島):出澤さん、お待たせしました。LINEさんはこの非連続の成長みたいなものを考えていくときに、もともとはハンゲームからずっときてるわけなので。
出澤剛氏(以下、出澤):実はもともとハンゲームから始まって、2009年にNAVERまとめという、NAVERのサービスが始まって。
私はもともとライブドアの事件後の社長をやってましたけれども、ライブドアがジョインして、その後LINEが始まってみたいなことで。
分社した関係で、売上のグラフは2013年からしか出していないんですけども、その前でいうとかなりデコボコしていて。
ハンゲームも一時期すごく調子良かったんですけど、DeNAさんグリーさんが出てこられて、厳しい状況になって。
そういう意味では長い間やっていて、本当に大変な時期を今越えてきてるという感じです。
岡島:経営としては「非連続でやろう」っていうときには、いつも何を考えてらっしゃる感じなんですか?
出澤:本当にいろいろあった会社なんで、特徴的なのが「ビジョンみたいなのを決めない」っていうのは、最近森川(亮)さんも本書いて言ってるんですけど、それを徹底してやっています。
例えば今、LINEが勢いがあるので、そうすると「LINEを使って世界中の人々のコミュニケーションを豊かにする」とか言いたくなるんですけど、そうするとLINE以外のものが生まれづらくなるっていうのがあって。
そういう意味ではビジョンとか大きなミッションつくったりして、それが自分たちを強くするよりは、型にはめてしまう可能性が高いんじゃないかと思っています。
そういうのは昔からずっと、気をつけてやっているのはあるかもしれないです。
岡島:この辺は悩みどころですよね? 逆に川邊さんにも伺いたいんですけど、いつも登壇してくださるGMOさんとかは、ビジョンもミッションもすごくはっきりされていて。
今、出澤さんに伺うと……DeNAさんも比較的そうですよね? あんまりガチガチにビジョンや理念を決めない。
守安功氏(以下、守安):うちの場合は一応、「Delight and Impact the World」っていうものを掲げていて、多くの人に喜んでもらう、多くのインパクトを与えるって。何の事業でもいいんですよね。
岡島:世界平和みたいなのでもいいってことですか?
守安:それはみんなそういくよねっていうだけなんで。あんまり事業を制約するようなビジョンは入れてないですよ。
ウチはもともとビッダーズで最初会社をつくって、その時はオークションサービスだったんで、一応「循環型社会の貢献」とかを書いてたんですね。
それに縛られてたら、絶対Mobageなんかできなくて、あえてみんなそれを気にしなかったんですけど。それも含めて事業を制約するようなビジョンはつくらないようにしてます。
岡島:これはきっと、会場にいらっしゃる方々もすごい迷うんじゃないかなって思うんです。
一方の方々は「やっぱり理念みたいなものがないと人が集まらないよね」って。しかも「ビジョンをクリアにして『どこに行くぞ』と言わないとダメだよね」と。
一方では「ノービジョン、ノービジネスプラン、ノー組織」みたいな、シンプルに考える。
守安:森川さんの本(『シンプルに考える』)、まさにそう書いてありましたね。
岡島:ちょっと混乱されるんじゃないかなと思うんですけど。
出澤:でも、会社の状況でだいぶ変わると思ってまして。私、ライブドア事件があってそのあと再建するときは一生懸命、その前の先代の時代はかなりシンプルにやっていたんで。
ああいう事件があって、社員の不満もかなり溜まっていて、もっと丁寧によく教科書に書いてあるような感じで経営しようということでやってみて、ビジョン決めて人事制度もきっちりみたいなことをやって。
それは「再建」という意味ではすごくうまく機能したんですけれども、再建がうまくいって、「これから次のステップにどういこうか」というフェーズでいうと、結果的には制度に縛られる組織になってしまっていたという反省点があって。
それでいうと、会社の置かれているステージによって揺れ動いていく、スパイラルアップしてくものだとは思います。
岡島:ノービジョンとはおっしゃっても、おそらく戦略はおありで。今足元で考えてらっしゃる、LINEを伸ばしていくっていうところでいうと、どんなことを考えてらっしゃるのかも教えていただいていいですか?
出澤:大きくいうと3つくらいリソースを分けて考えていて。
1つは既存のLINEをちゃんと伸ばしていく部分と、あとはそのLINEの上で乗ってくる、今すでに走ってるサービス群をちゃんと伸ばしていく部分と、まったく新しいものをやる部分。
リソース的にも、頭の考え方的にもこの3つのリソースに分けてやってるっていう感じです。
まったく新しいことは、完全にLINEじゃないもの、LINEブランドじゃないものをもう始めていて。
さっき舛田(淳)も紹介してましたけど、最大200人まで同時に音声通話できる「Popcorn Buzz」というアプリだったりとか。
写真アプリは完全にLINEブランドを外して、「aillis(アイリス)」とか「B612」という形でやってるんですけど、そのほうが逆に海外では流行るんじゃないかとか、そういうことも含めていろいろ新しいことは積極的にやっていて、やらないと次がないっていう危機感が常にある感じです。
岡島:そういう意味では、LINEのシェアを海外でもどんどん伸ばしていってシェアナンバーワンになる。WhatsAppとかを抜くみたいなことも含めておやりになった上で、そのプラットフォームを使うと。
それから全然違う、今お話があった破壊的なものと、別々に仕込んでいくっていう感じですかね?
出澤:はい、そうです。
岡島:なるほど、まずはシェアナンバーワンという。
出澤:そうですね、LINEに限っていうと、海外でシェアを。
岡島:すごいですよね、5億6千万ユーザーって半端ないなと。
出澤:それ登録ユーザーだったんで、今はMAUに変更していて。(2015年)3月末時点でいうと2億500万MAUっていうところです。(注:2015年6月時点での最新MAUは、2億1,100万人)
LINEについていうと、海外ユーザーを増やしていくところでシェアをとらないとまったく意味がないので、シェアを1つでも多くの国でとっていくということと、あとはその上でプラットフォームサービスをやっていくということで。
今日も(LINE)MUSIC出ましたけども、コンテンツだったり、あとは先ほど別のセッションの川鍋(一朗)社長と一緒にタクシー配車サービスを展開したりとか、そういうことやってます。
川邊健太郎氏(以下、川邊):今週でしたっけ? 出澤社長が外国人記者クラブで記者会見をされていて、「今後検索やポータルサイトの利用は減っていくだろう」っていうお話をされていたっていう記事を読んだんですけれども。
そういう会議でどんな話をされていたかを聞きたいし、僕もぜひ参加させてもらいたいなと。
それは当然、日本だとヤフーをある程度は意識して下さってるんでしょうけど、一方であの記事見て、ヤフーも文句あるだろうなと。
でも一方で、親がNAVERじゃないですか? だから自分たちを破壊するっていうことも多分議論してるんだろうなと思って、こういう会議……。
出澤:実感値としてはどうですか? 検索が下がるんじゃないかとか、変わっていくんじゃないかっていうのは。
川邊:変化するっていうのはあると思います。Googleにもその危機感はあるし、我々にもあるし、そういうこと話し合っている会議にぜひ参加したいなあと。どんなこと話してるんですか?
出澤:それでいうと親会社が韓国でナンバーワンの検索ポータルなので、そこの彼らの危機感というのもすごいあって。
それで今NAVERはNAVERで、スマートフォンアプリをバンバンつくっていて、そこでいうと完全にインターネットの情報の流れがスマートフォンになって変わるというのは間違いない事実なので、そこはもうそうだよねという前提で「何が我々としては入れるんだろう?」と。
川邊:「ヤフーを倒してやろうぜ」っていって議論してるのか、親会社ムカつくから、NAVERみたいなポータルサイト倒すにはこうやってやったほうがいいんじゃないかって言って……。
出澤:「Yahoo!ニュース」を倒そうっていう話はいつも。
川邊:もう、勘弁して下さいよ!(笑)
(会場笑)
岡島:本音出てきましたね、いい感じです(笑)。
川邊:そうですね、IVSですから。
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