2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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伊藤ようすけ氏:じゃあ、今まで勤めてた比較的大きな会社を辞めて、したみちオフィスで実際働こうと。
今井美穂氏(以下、今井):そうですね。当時は親ともほとんどケンカもしたことないような箱入り娘な感じだったので、転職先が占い会社だとなったときに、もう親は大反対。でも、私のやりたい気持ちが先行しちゃって、半分家出しました。自分の車に布団だけ詰めて(笑)。
伊藤:確かにちょっと怪しいよね。
今井:そうなんですよね。一見怪しいんですけど、実は占いと牛タン屋をやっていまして、そういうとちょっと怪しさは消えるかもしれないんですけど。
何で占いと牛タンだったかというと、前の代表が13年前に新潟市に居酒屋をオープンさせまして、それが牛タン屋だったんですよね。
前の代表が何をやりたかったかっていうと、地域と人をまず元気にしたいって思う人だったんですよ。分厚い牛タンはまだ新潟で全然食べられない時期だったので、それをあえて持ってくればと。
伊藤:食べられない時期ってどういうことですか?
今井:食べられない時期というか、牛タンを出している飲食店がなかったんですよ。今もほとんどないんですけども。なので、新しいグルメを持ってくれば地域活性化の一歩になるだろうと。
今井:それで、ただの牛タン屋じゃつまらないということで、知り合いの占い師をその牛タン屋に常駐させて、占いをしながら牛タンを食べられるというおもしろいコンセプトのお店をオープンしまして。
伊藤:それ、新潟の町の真ん中にあったの?
今井:そうですね、中央区なので。居酒屋の名前が漢字で「舌道」っていうんですけど、牛タンのタンでベロっていう漢字と占いでその人の道しるべをつくるってことで舌道っていう居酒屋名でやってました。
やっぱり占いって人を元気にするものなんですよね。悩みを聞いてその人を元気にするっていうものなので、占いに来るお客さんがだんだん増えてきてしまって。
伊藤:牛タンを食べに来るんじゃなくて、占いをする人が増えてきたの?
今井:はい。「これは、新潟で占いがエンターテインメントな事業になるんじゃないか」と踏んで。そこからしたみちオフィスっていう会社にして。
今は新潟県内の商業施設の中に占いの店舗を持ったりとか、あと企業さんとタイアップして占いのエンターテインメントのイベントをやったりとかっていう感じでやってるような会社が、二十歳までだったんですけども。
伊藤:なるほど。怪しさ消えたかな。
今井:大丈夫ですかね。
伊藤:いや、どうだろう。
今井:おもしろい会社です。
伊藤:おもしろい会社なのね。その会社に入るのがすごく反対をされたんだけれども、自分のやっぱりここの働いている人たちを見て、当時の社長さんの話を聞いて「この会社で働いてみたい」っていう気持ちが止められなくなっちゃったのね。それで、実際入ってみて?
今井:入って何をするかっていうと……何もないわけですよね。私が占い師になれるわけでもないし、牛タン屋っていうのもあれだったので。その当時固定給もなかったんですよ。
「自分で仕事をつくるところから始めろ」ってなったので、私の起業家としての第一歩はその二十歳で入ったときだったんですけど。
何をやろうかってなったときに、先ほどの新潟をもっと知ってもらいたいとか、新潟の女の子たちのために何かやりたいっていうのが結びついて。
「じゃあ私はこれをやります」と言って立ち上げたのが「したみちオフィスの中に芸能事業部をつくります」と。ちょっときれいに聞こえちゃいますけど。っていうのも当時は新潟にほとんどタレントさんがいなかったんです。
有名なアナウンサーさんとかラジオパーソナリティーさんは多いんだけれども、若い子で地元でプロとしてやってくっていう子がほとんどいなかったんですよね。
それもやっぱり新潟の女の子たちがそういうのを目指せない原因の1つかなと思って。
まずは私が先頭を切ってその役目になりたいということで、タレント業も並行してやっていこうってなって……新潟ではファッションモデルで食べていけないという現状もあったんですけども。
伊藤:そうだよね。なかなか仕事がないよね。
今井:当時は本当になかったので、私が地域を盛り上げたいという思いを加えると、仕事をつくっていく上でやっぱりそこがミソだったんですよね。
それで新潟で地域活性化モデルっていう、ちょっと当時はよくわからない名前をとりあえず言いまくったんですね。
いろんな企業の方とか観光協会さんとかに「私はこれから地域活性化モデルとして新潟を盛り上げるために頑張ります」って話しに行ったんですけど「地域を盛り上げるって何ですか?」って言われたときに……。
伊藤:普通そう言うよね。
今井:私が考えたのは、1人じゃできないのでガールズ集団をつくろうと思ったんです。仲間を集めようって言って「新潟ガールズ集団 Lily & Marry's」っていうチームをつくってみたんですね。
伊藤:何でLily & Marry'sっていうんですか?
今井:Lilyってユリの花っていう意味なんです。新潟県はユリの生産量もすごい高いんですけど、ユリって女性らしいとか華麗で清楚なイメージがあるっていうのでユリって入れたいよね。Lilyっていう響きもいいよねっていうのと。
Marryの結婚っていう意味を男女をつなげるのではなくて、私たち女性団体がいろんなものをつなげるパイプ役になりたいなと。
例えば企業さんとお客さん、企業さん同士とか、行政と市民の間に立ってつなげるような役割になりたいなってことでLily & Marry'sっていいんじゃないかなっていう意味で。
伊藤:これはどこで募集したの?
今井:当時は私のブログとかTwitterで「新潟でこういう活動をしていきます」と。
まずは女の子たちにわかりやすい形が必要だったんですよね。なので、最初に新潟で小っちゃいファッションショーをやりたいと。
当時ほとんどなかったので、私が主催するファッションショーつくってみたいと言って、ファッションショーに出てくれる女の子を募集したんですよっていう体で。
実はその時につながるのが、この番組にも出ていただいたシュガーの清水社長に「私、新潟でファッションショーやりたくて」って言ってアポを取らせていただいて。
「うちのドレス、いくらでも持ってっていいよ」っていうのでつながって。本当ファッションショーっていっても規模は小さくて、最初はそんな高級なステージを立てるお金もなかったので。
ビールケースをたくさん積んで、その上にベニヤ板とちょっと高そうに見える赤いカーペットを敷いて、そこを歩いてみるっていう。でも300人ぐらいお客さんが来てくれて。
伊藤:その募集をして、何人ぐらいの人がLily & Marry'sに入りたいってなったの?
今井:1回目のときは私を含めて4人しかいませんでした。それがだんだん大きくなってきて、今は約80名になりました。
伊藤:80名いるんだ。それの構成っていうのは?
今井:私が25歳なのでその前後も多いんですけども、小学校の2、3年生から40代のお母さんまでいて。幅広い構成になっています。
本当に一般の女の子なので、みんな学生だったり。空いた時間に私たちの活動に参加してくれているって感じです。
伊藤:新潟ガールズ集団Lily&Marry'sっていうのは、地域活性化を目的として集まった集団なんだよね。今、具体的には何をやってるの?
今井:まずは「新潟にカリスマ女子を増やしていこう」っていうのを目標にしてたんですけども。カリスマ女子ってただきれい、かわいいだけじゃダメだと思っていて。
企画力、発信力、コミュニケーション能力がある女の子、そこに美貌もついてきたら完璧だと思うんですけど。
そういう女の子を新潟から輩出していけばおもしろいんじゃないかっていうことで、このリリマリという場所をその能力を勉強する社会勉強の場にしようということで。
きらびやかなイベントというよりは、地域コラボ女子会っていいまして。まず盛り上げたいっていう女の子たちが新潟のいいところを知らないと意味がないよねっていうことで。
大きなメジャーなスポットじゃなくてもいいんですけど、小さな商店街のこの店舗と何かやったらおもしろいんじゃないかとかいうのを自分たちでまずアイデア出しをして、企画書に書いてそれを企業さんに提案しに行って、実際イベントをやってみようっていうものを月1でやっているって感じです。
伊藤:勉強会を始めたんじゃなくて?
今井:勉強会なしで。
伊藤:勉強会なしで何を始めたの?
今井:コラボ女子会の一例を出すと、何か女子会っていうイメージ、みなさんどういう感じかわからないですけど。
伊藤:女子会っていうと何か女の子が3〜4人集まって日頃の不平不満を言い合いながら何となくストレスを解消するっていうのが……これ、おかしいですか?
今井:いや、私もよくやってました。でもそれってストレス解消にはなりますけど、あんまり意味がない感じが嫌なので。何か意義のある女子会をやっていきたいなっていうことで。
今井:例えば毎月イベントを企画する中で、春だと女の子たちが何をやりたいかっていうと。
イチゴ狩りをしたいっていう女の子がいたとします。でもイチゴ狩りっていうのは新潟県で1500円払えば、どこでも誰でもできちゃうわけですよね。
そうじゃなくて、私たちならではのイベントにしたいなっていうことで、この実は真っ赤なイチゴは越後姫っていうんですけども、新潟トップブランドのイチゴで。でも新潟県民は、当たりまえのようにこのいいイチゴを食べてるんですね。
この越後姫のおいしさの秘密とか、どうやってつくられているのかを知らないよね。まずこれを教えてもらう女子会にしたらどうかな。
伊藤:ちょっとわかってきた。
今井:ネットで検索してもあんまり意味がないと思ったので、現役の越後姫をつくっている新潟の農業女子、20代前半の女の子がいたんですけども、
伊藤:その子がリリマリのメンバーなの?
今井:メンバーではないんですけども、たまたま出会っていて。その子を呼んで講師にしてもらったらおもしろいんじゃないかなっていうことで。
伊藤:ああ。講師をやってもらって、その越後姫っていうイチゴについて教えてもらいながら女子会にしようということ?
今井:それも研修室でやったらまた意味がないっていうことで、これをカフェのイートインスペースでやらせていただいたんですけれども。
私たちもおいしさを知りながら売られているイチゴのスイーツを食べられるし、現役の農業女子も嫌味なくカフェに対して自分のつくっている越後姫のおいしさをPRできると。
食べて聞いて終わりじゃまた意味がないから、最後にディスカッションをメンバーでしてみよう。今聞いた越後姫のおいしさを、私たちだったらこういうスイーツにしてみたいなっていうところまでを考える女子会にしよう。
そうして生まれたのが、コラボ商品っていうか商品開発に結びついたんですけども。そのカフェは期間限定でいろんなスイーツに取り組んでいたので、「私たちはこういうイチゴのスイーツつくりたいです」って提案させていただいて、カフェとコラボで。
伊藤:越後姫を使って?
今井:そうなんです。越後姫はやっぱり果肉も大きくて柔らかくてジューシーで甘くてっていうのがあるので、なかなか長期出荷には向かないんですけども。
その甘さを引き立たせるために、アイスクリームはちょっとさっぱりめにしようとか、イチゴの食感もいろいろ変えて楽しみたいとか、
装飾もマカロンをハートにしたいねって言ってつくってみて。「これをSNSで期間限定で発売してます」って私たちが広告すると。
本当に小っちゃいんですけど、商品開発に結びついて、なおかつ無料で宣伝をしているっていう流れができて、女の子たちが学校とか一般企業の枠を外れてやる気だけで集まってきて、0から1をつくる作業をするっていう。
さっき言ったように、年代も職業もバラバラな女の子たちが集まってそういう作業をやってくっていうことが、若いうちの社会勉強になるんじゃないかなということで。女子会企画っていっても遊びでやってるわけではなくて。
伊藤:それは定期的にやってるの?
今井:やっぱり80人を一気に動かせないので、AKBさんみたいにチーム分けをしていて、リリマリAチーム、Bチーム、Cチーム、Dチームまであって、Aチームは来月の女子会企画ってだんだんローテーションさせてくんですね。
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