
2025.02.18
AIが「嘘のデータ」を返してしまう アルペンが生成AI導入で味わった失敗と、その教訓
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小林雅氏(以下、小林):では、先ほどもありました、「動画」についてみなさんに聞きたいと思います。山田さんからいきますか?
山田進太郎氏(以下、山田):スマートニュースの動画広告の取り組みをちょっと聞いてみたいです。
鈴木健氏(以下、鈴木):僕は広告はあまり詳しくないんですけれども(笑)。動画広告というのをやっていて。どういう広告かというと、スマートニュースをスワイプしてペラペラめくりますよね? すると、画面の上部で動画広告の再生が自動で始まるんですけど、かなり見ちゃうんですね。
どういう広告主さんが出しているかというと、ディズニーさん、Googleさん、P&Gさんといった外資の大手であったり。みずほ銀行さん、サントリーさんなどのナショナルクライアントに出してもらっています。
動画広告ですけど、やっぱりクリエイティブのクオリティーが高いんです。テレビCMをもとにつくっているので、映画のトレーラーとか2分くらいあっても最後まで見ちゃうんですよね。ググッと引き込まれて、つい視聴してしまう体験がかなりあります。
「1個1個の動画がどう再生されるか」というのも、UX的にかなりこだわってつくっているので、視聴感がすごく出るようになっています。
山田:モバイルならではの特徴って何かあるんですか?
鈴木:やっぱり回線が遅かったりすることもあるので、しっかりキャッシュや圧縮をするということと、「音の問題」というのもあります。PCでもいきなり再生するのはどうかと思うんですが、特にスマホだと最初は音を出さずに再生しています。
それで、タップすると音が出るようにしたりとか、再生が止まった後に触るとランディングページに送れるようにしたり。ある種、パフォーマンス型の広告と同様の効果もハイブリットで出せるような工夫をしています。
山田:じゃあ、音がなくてもわかりやすい動画にしたりとか。
鈴木:そうですね。字幕を付けてもらったりしているんですが、やっぱり映像のパワーってすごくて、引き込まれるんですよね。動画広告をやったことによって、「スマートニュースも動画をもっと頑張らないとな」という気持ちになったくらい、広告のクリエイティブの力って大きいなと思いましたね。
舛田淳氏(以下、舛田):宮﨑さんもそうですし、私も「動画元年だ」とか言ってたりするんですけど。何でみんな「動画、動画」って言ってるんですかね? あとは動画と言っても広いので、動画の中で何が一番スマホにとってアツいですか?
宮﨑:個人的な感覚としても、データとしてもそうなんですが。去年から圧倒的にスマホでの動画の消費時間が伸びているじゃないですか? 予測では来年も大きく伸びると出ていますし、インフィードで再生できるというのもでかいと思います。
回線が速くなって、インフィード再生の環境が整ってきているんですけど、一方でテキストと写真中心のサービスが多くて、スマホで動画を楽しめるチャンネルというかアプリがまだ足りていないんですよ。
ですので、これから動画のサービスはもっと出てくるべきだし、価値ある動画を消費できるチャンネルが圧倒的に足りてないので、そこを我々が提供していきます。
他方では、「動画を効率よく出稿したい」という広告主も増えていて、今は広告在庫としても需給のバランスが悪いんですよね。
ちなみに、広告の動画でアツい領域というのは「ゲーム」だと思っているんですけど、他にも海外だとコスメのジャンルで「YouTuberが特定ブランドと契約して稼ぐ」というケースも出てきていますし。
動画広告もトゥルービューでという形、インフィード再生でタイムライン上で消費される形、あとはYouTuberや実況主などインフルエンサーに乗っかる形と。いろいろ出てくるかなと思います。
小林:ちなみに舛田さんは、なんで「動画元年」って言ったんですか?
舛田:「勢いで」と言いたいところですが……やっぱりスマホが普及して、回線の速度がここまで上がったというのが一番ですよね。みんな動画が嫌いではないですから。当然、テキストと画像だけの表現よりも目が止まりますし、コンテンツ提供側は見てもらわないとしょうがないので、そういった環境が生まれてきていると。
なおかつ、成功事例が出てきていることもあって。YouTubeさんが頑張ったというのもあるんですが、YouTuberなども出てきて、エコシステムができ始めているんです。
それで、このエコシステムが広がるのか、広がらないのか。スマホ最適化でどう生きるかというのもあるでしょうし。宮﨑さんもおっしゃっていた、ジャンルを広げられるかどうか、というのもあると思います。
アメリカでの事例を見ると「ファッション」と言う人たちもいるんですが、ゲームと比べるとまだマーケットが小さいんですよね。
見るユーザーの対象にもよるでしょうし、YouTubeなどのコンテンツとの相性もあると思いますが。ファッションが動画に合うか合わないかというのは、今まさに日本や世界でやっていると思うんです。そういった取り組みが重なってきたのが今ですし。
あとは、サブスクリプションでの動画サービス。Huluさんとか、巨人Netflixも日本に来ますけど、そこがどうなるか。そして、ツイキャスさんのようなコンシュマーの動画メディアも伸びてきていると。表現として、プロもアマも広告主さんも動画が出せる状況なので、ユーザーとのマッチングもこれから強くなっていくと思いますね。
山田:僕の感覚だと、動画をメディアと考えたときに「新聞とか、ラジオとか、テレビが出てきたときと、同じことが起きるんじゃないか?」という期待感があるんですよ。
Webって今まではテキストと画像中心だったけど、次に動画の世界になったらまた爆発的に発展するんじゃないかと。ゲームでいうと、もともとPSPなどのコンソールがありましたけど、スマホになって桁が変わったじゃないですか?
1つのゲームで月に100億売り上げられます、みたいな。たぶん動画もスマホに合った物をつくったところが、プラットフォームかコンテンツかわからないけど、とんでもないことになると思うんですね。だから、そこをみんな狙っている状態なのかなと僕は思ってますけどね。
小林:その辺はどうですか? 鈴木さん。
鈴木:やっぱり大きいですよね。総務省のデータとかを見ても、メディアの接触時間に対するテレビの割合って圧倒的に大きいんですよね。
インターネットが一般の人たちに使われるようになったのは、ブラウザがあって、マーク・アンドリーセンが1993年にIMGタグを入れて、そのおかげでテキストだけじゃなくて写真も出せるようになった。
すると、急速に「雑誌的な表現」ができるようになったんですね。最初にインターネット上で大きくイノベーションが起きたのは、雑誌的なコンテンツだったわけです。
それが、90年代後半から2000年代に新聞のような、より速報性の高いものになってきたと。そういう中でテレビで流れる「動画」はやっぱり圧倒的なパワーがあって、日本人は毎日平均で4時間くらいテレビを見ているような状況だったわけです。
それで1ヵ月くらい前に総務省から出た(情報通信)白書を見たんですが、すごいおもしろくて。「日本人が1週間何をしているのか?」という時間のグラフがあるんです。それを見ると、基本的に寝ているか、職場にいるか、家にいるかしかないんですよね。
それを見ると、スマートニュースがヒットする通勤時間というのは、すごく細いラインなんです。それで「家の中で何をやってるの?」というと、みんなテレビを見てるんですよ。
スマホで動画というインパクトは、すごい大きくて「動画のビジネスはどこが勝つか」という話ではなく、ストリーミング、アーカイブ、UGC、映画の視聴、それぞれのドメインで大きなプレイヤーが出てくると思うんですね。
「どれか」というよりは「全張り」する戦略が正しいんじゃないかと思います。そうすると会社のリソースを分散しちゃうのかな、というところもあるんですが。でも、左側の2社(LINE、サイバーエージェント)は全張りできる規模があるわけですね。
スマートニュースとかメルカリは数十人とかの規模でやっているから、張れるのは1個や2個っていう世界じゃないですか? だから、メルカリも新規事業をやるみたいだけど、何をやるのか気になるんですよね。進太郎は何をやるんですか?
小林:何をやるんですか? 動画ですか?
山田:僕は、動画は絶対おもしろいと思ってるんですけど。メルカリのサービスとして考えると「シェアリングエコノミー」に行ったほうが良いと思っているので、そういうプランニングをしている感じですね。
なので、動画は「どこが勝つのかな?」みたいな感じで見てるんですけど、動きが見えずらかったので、ちょっと聞いてみたんです。
小林:ちなみに、進太郎的にはどこが有力馬なんですか?
山田:有力馬ですか? 僕は「ツイキャス」みたいな動画のプラットフォームがおもしろいんじゃないかと見ていますね。LINEやサイバーエージェントもやられるようですし、ツイッターもやっているというところで、その中でどこが勝つのか注目していますね。
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