
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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佐俣アンリ氏(以下、佐俣):IVS特別番組「ベンチャーリパブリックの今」ということで、お伺いしていければと思います。ベンチャーリパブリック代表取締役社長の柴田さん、お願いします!
柴田啓氏(以下、柴田):よろしくお願いします。
佐俣:初めに柴田さんのプロフィール、会社でどんなことをされてきたか、今はどんなことをされているかというのをお伺いできればと思います。
柴田:はい。株式会社ベンチャーリパブリックの柴田です。よろしくお願いします。ウチは、今の時点では「Travel.jp」という旅行サイトを国内で運営しています。
もともと創業は2001年にさかのぼりまして……。さっきも話したんですけど「ベンチャーリパブリック」という名前は「ベンチャーキャピタル」と間違えられるんですけども。
佐俣:確かに(笑)。
柴田:全然ベンチャーキャピタルではなくて、事業会社です(笑)。創業してからはこの「Travel.jp」というサイトを運営するとともに、以前は「coneco.net」というショッピングの検索サイトを運営していました。ちょうど2年前から旅行事業に集中して運営をしてきていて、今に至ります。
また、さっきのセッションじゃないですけど「資本市場と向き合う」という意味では、上場したり、Management Buyout(MBO)によって非上場化したり、いろんなイベントがありました。
14年もやってるとたくさんのことがありまして(笑)、この30分でお伝えできるかどうかわかりませんけど、今日は頑張ってお話しします。
佐俣:よろしくお願いします。創業のあたりから伺いたいんですけど、もともと商社にお勤めだったんですよね。2001年って、IVSにいらしているようなネット系の企業の中でも比較的早い時期だと思うんですけど、どういう経緯で起業されたんですか?
柴田:きっかけは……96年から98年にかけて、アメリカのハーバードビジネススクールに留学してたんです。そのとき、まさしくドットコムバブルの絶頂期でして。簡単に言うとおおいに感化されて(笑)。
「これは何かおもしろいことができそうだ」ということで。たまたまそのときに取った授業で、「Amazonのケーススタディ」だとかそういうのが毎日あってですね。
佐俣:ゴールドラッシュのど真ん中ですね。
柴田:今じゃ考えられないんですけど、当時はAmazonのジェフ・ベゾスがちゃんとクラスルームに来て、一緒に議論するみたいなことがあったんです。めちゃめちゃ熱いときだった。
佐俣:超豪華な。なるほど。
柴田:で、日本に戻って。ちょうど98年から99年、2000年にかけてネット市場がおかしくなっていくんですけど。
要は、ファーストムーバーかファーストムーバーじゃないかという意味では、アメリカは97年から98年くらいではもうファーストムーバーがかなり出揃ってたんですね。
「アメリカで今から事業をやっても厳しいだろうな」と思って、日本のほうが若干遅れてたのでそのほうが可能性があるんじゃないかということで、日本で何かできないかと考えた。それが向こうに留学してたときだったんですね。それがきっかけです。
佐俣:それで日本に戻られて、起業されて。一番初めのサービスはどういうものですか?
柴田:一番最初は「coneco.net」の前身のサイトがあってですね。そのサイトを運営している個人のエンジニアを見つけて、その人を静岡まで訪ねていって(笑)。最初はその人を口説き落とすところから始まったという。それがもともとなんです。
佐俣:(笑)。
柴田:一番最初に「coneco.net」を立ち上げて、そのあとすぐに今の「Travel.jp」を立ち上げた。
佐俣:そこからは2つの事業を伸ばしていったと。
柴田:そうですね。ショッピングとトラベルという意味では、eコマースというところに大きな可能性があるかなと思ったので。事業分野で見たらショッピングが一番大きいよね、次に大きいのは旅行だよね、ということで。
佐俣:なるほど。大きい順に攻めようと。
柴田:大きい順に(笑)。セオリー通りというところですね。案の定ものすごく大きな業界で、2つを全部やり続けるのは大変だったので今に至るみたいなこともあるんですけど。
佐俣:それで事業を伸ばされて、マザーズに上場されたんですね。
柴田:いや、当時はJASDAQの前、NASDAQ(ジャパン)の後の……えっとね、ヘラクレスに上場したんです。
佐俣:いろいろ懐かしくなりますね(笑)。
柴田:ヘラクレスなんて聞かないですもんね、今。知ってる人がいないかもしれない(笑)。
佐俣:会社経営をしていく中でいろんなことが起きると思うんですけど、一番大変だった時期ってどういう悩みがありましたか?
柴田:いっぱいあったんですけど……まず最初に大変だったのは、会社を立ち上げていきなりドットコムバブルが弾けて。
佐俣:2001年ですか。
柴田:2001年ですね。当時何が起きてたかっていうと、ドットコムバブルって実体がないままいろいろ進んでったんです。わかりやすく言うと、当時はブロードバンドどころか定額制のインターネットすらなかったわけですよね。
佐俣:……なるほど。
柴田:そうなんですよ。今は考えられないじゃないですか。でも2001年ってそういうときで。
佐俣:電話料金がずっとかかる。
柴田:そうです。そういう状況だったんです。そんな状況下で、eコマースなんてやるわけないじゃないですか。
佐俣:(商品を)探すほうがまずお金がかかるってことだったんですよね(笑)。
柴田:なので当たり前なんですけど、売り上げなんてバンバン上がるわけがない。その一方で、我々が参入する前に何社も立ち上がってて。その連中はいっぱいテレビCMをやったり、派手にお金を使いまくってたわけなんです。
ふたを開けてみたらそういう状況だから「これまずいな」と思って、しばらくおとなしくしてようと思ってたら、案の定売り上げが全然上がらない。
佐俣:他のサイトがということですか?
柴田:いや、自分たちのサイト。他も大変だったんでしょうけど僕らも本当に大変で、投資家のベンチャーキャピタルさんからは「何だこれは、売り上げがまったく上がらないのか」と。「街の八百屋のほうがよっぽど売り上げてるよ」と怒られたり。
佐俣:(笑)。
柴田:そういう暗黒の2年間がありました。利益を出すどころか、売り上げがほとんどないみたいな時期が最初に続いて。
最初はそれがやっぱり大変で、そのあとは株主との調整。さっきのセッションでもお話ししましたけど、僕らの会社ってバブルが弾けたあとにスタートしたんで、バリュエーションがほとんどつかなかったんです。
佐俣:なるほど。
柴田:だけどやろうと決めたんで、その代償はいわゆるオーナーシップがほとんどないこと。なので、株主との調整、資本政策といったところにものすごい時間と労力を使って。それがやっぱり大変でしたね。
佐俣:僕はベンチャーキャピタルなんですけど、聞くだけで胃が痛くなる(笑)。要は自分が進めたい方向を自分で決められないというか、調整しなきゃいけないわけですね。
柴田:そうですね。株主がいなくなっちゃう可能性とか、変わっちゃう可能性とかを常に考えていかなきゃいけない。安定株主がいてくれればまだいいんですけど、安定株主かどうかもわからない。例えばベンチャーキャピタルも、ファンドの償還期限があるから売らなきゃいけないとかあるじゃないですか。
それもそうだし、ベンチャーキャピタル以外も1社、三菱商事が持ってたんですけど、たまにニュースでもやりますけど、商社ってポートフォリオの入れ替えとかあるんですよね。
コア・非コアを見極めて、非コアはポートフォリオから外さなきゃいけないってことも当然出てくるわけだから、そういうことを全部見越しながらどうやって資本政策を組んでいくか、みたいな。本当に大変でしたね。
佐俣:そこから伸ばせたポイントっていうのは何でしたか?
柴田:まあ、時期が良かったというのはありますよね。さっき言ったブロードバンドすらなかったところから、ソフトバンクの孫さんが「ADSLだ」って言ってモデムを駅でバラまいて、ようやくブロードバンドが普及しはじめて。そのときからeコマースが徐々に出てきて、その流れに乗っていった。
旅行もそうですよね。インターネットと旅行の相性はものすごく良いので。目に見えないものなので、別に触らなくても買えるじゃないですか。それで伸びていったというところもありますよね。
もちろん市況だけじゃなくて、僕らはユーザーさんに提供できる価値とは何なのかを徹底的に追求して、それにこだわったということが大きいんじゃないかと思うんですよね。
佐俣:なるほど。それで上場されて、ベンチャーキャピタルなどもイグジットきて、非上場化して今は自分のオーナーシップで挑戦してるっていう感じですか。
柴田:そうですね。
佐俣:会社ってやっぱり歴史がありますね(笑)。
柴田:十数年って怖いですね、本当に(笑)。ベンチャーがやめなくなってきているのかもしれないけど。でも、IVSでも10年以上やっている会社っていらっしゃいますよね。
佐俣:クックパッドさんも15、16年くらいなんじゃないかな。アイスタイルさん、クックパッドさんとかはそれくらいの年次ですよね。
柴田:そうですね。
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