
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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前刀:時間もう少しあるので、会場の方々からちょっと。
司会:では皆さまぜひ、ご質問のある方いらっしゃいましたら挙手をいただければと思います。
質問者1:現在大学4年です。今も新しい会社作られて、以前もやられてるというところで、スタートアップをやる上で以前やられたことを踏まえて、今難しいなと感じるところがあればお伺いしたいです。
前刀:このライブドアっていう会社、今リアルディアっていう会社をやっているわけなんですが、一番大きな違いは、前回は最初から思い切り出資してもらったことですね。
今回はまだそういうフェーズにいってないというか、出資は受けていないです。自己資本と仲間の少しの資本でやっているっていうことなんですが、この大きな違いは……。
これ自分の経験なんで誰しもに当てはまると思わないですけど、バンと大きくお金を出してしまうと、それはやっぱりオーナーシップはベンチャーキャピタル、いわゆる株主が持つんですよ。
取締役会でぶつかったときには必ず「我々が株主なんだから、我々の言うことを聞け」という、またわけのわかんないアメリカ人が言うわけですよ。
日本のことを知らないくせにと思いながらも、実はさらに1つの苦い経験として『スティーブ・ジョブズ』っていう映画ご覧になったことある方もいらっしゃいますよね。
スティーブが取締役会で辞めさせられるシーンを覚えていらっしゃる方もいるかと思うんですが、ああいうことを実は僕、経験したんですよ。
アメリカのベンチャーキャピタルが筆頭株主だったので「ライブドアの社長をアメリカ人にしたいから、お前はもう会長でいい」と言って、取締役会で1回棚上げをされました。
でも結局それはうまくいかなくて、新しく社長になった彼に辞めてもらって僕が社長に返り咲いたというのがあるんです。
やはり自分が本当にやりたいってことがある場合は、ある程度の自分たちが発言力であったりオーナーシップをきちっと取れるまでは、これは僕の私見なんですけど、お金は外から入れない方針で今は、やっているというのが一番大きな違いです。
ですから「オーナーシップを持てるかどうか」っていうところの違いは、これから先々スタートアップを考えるんだったら、ちょっと考慮しててもいいかなと思います。
佐藤:私(会社を)1個しかやってないんで何とも言えないんですが(笑)、ただ昔、メタップスっていうプロダクトを開発する前、イーファクターっていう社名で会社をやっていて、そのときの経営方針と今の会社の経営方針っていうのは間逆なんですよね。実際は会社2個作ったようなものなのかなと思ってます。
当時は自己資金だけで会社立ち上げて、ものすごく小さく立ち上げて、ちゃんと自分たちで稼げる力がついてきたあとに、大きめな勝負するっていうことをしました。
やっぱりテレアポにしても営業にしても、プログラミングにしてもデザインに関しても、基礎がわからないとそもそもメンバーにも教えられないですし、どっちがいいかっていう意思決定もできないので。
基礎体力みたいなものをつけるべきだなと思って学生から起業して、3年間くらいは丁稚奉公じゃないですけど、自分自身でゼロから、ある程度黒字化できるところまではやらなきゃいけないなと思ってましたね。
あまり外部資金はそのとき入れてなくて、3~4年くらいから自信がついたあとからガッと勝負をしましたね。
司会:よろしいでしょうか? では続きまして、ご質問のある方、挙手をお願いいたします。
質問者2:質問が2つありまして、1つ目が、前刀さんいろんなキャリアを歩まれてると思うんですけども、これまで何を重視してキャリアを築かれてきて、その中で価値感がどう変わっていったのかっていう部分と。
2つ目が、これまでの仕事人生の中で、もっとも失敗したなと思うことがあれば、お聞かせください。
前刀:さきほど言いましたけど、自分が情熱を燃やして仕事できるかどうかっていうことで、いろんなキャリアを積んでいくと、そのヘッドハンターから声がかかったりすることはあるんですが、僕はBtoCのビジネスが大好きなので、そこに固執はしてます。それが大好きだってことに。
あるとき、ヘッドハンターが「BtoBなんだけど、興味はないかもしれないけど年俸ベースで6000万円は堅いから」とか言われて「いやいや、金の問題じゃない」って断ったんです。
アップルは自分が大好きなブランドだったから、それを日本で立て直しをしていくということに情熱を燃やすことができたんです。
人生の、まさに時間は限られているので、せっかくの仕事するんだったら情熱を燃やして自分が打ち込んでいけるっていう仕事じゃないと、それはうまくいかないなっていうことです。それはもう変わらずずっと、自分の選択をするときの評価基準にしてます。
一番大きな失敗は言うまでもないですね、やはりライブドアの失敗です。
確かに、世界最大のワールドコムっていう通信会社が経営破綻するっていうのは、言ってみれば日本でNTTがつぶれるみたいな話で、まさかっていう状態ではありましたが、やはりそこで会社を続けて、存続してなんぼっていうところがありますから。
そういったところを予見しながらリスクヘッジをとっていくことができなかった、経営者としての未熟さには本当につらい思いをしました。
いわゆる債権者のところで、会社が民事再生をするって言ったときに、あるときはすごまれまして「そこに自分の自宅の住所を書いていけ」と言われてちょっと怖い思いをしたりとか。
また別のところで関西電力系の通信会社との取引もあって、さすがにもう東京でいろんな処理をしなきゃいけなかったので、電話でお詫びをしました。
そのときに言われたのは「前刀さんのところには、誠意を持って今までよくやっていただいたので、こういった民事再生っていうこともあります」っていうとこで、むしろ「頑張ってください」という励ましのお言葉をいただいて、そのときは電話を切った瞬間に、社長室でものすごい勢いで涙があふれてきましたね。そういう意味では本当にありがたい言葉だったんです。
そのときに実は、表向きには頑張ってやっていたんですけど、体がやっぱり変調をきたすわけですよ。初めてだったんですけど湿疹が出てひどい状態になったりとか。
そんな思いもしながら、でも懲りない性格なんで、それでこうやってまた新たなチャレンジをしてるわけなんですが、最大の失敗はやはり経営者としての甘さがそこにあったというのが、人生においての、特にビジネスにおいては最大の失敗でした。
質問者3:ざっくりとした質問になってしまうんですけども「自分自身を突き動かしている欲は、結局のところこれが一番大きいみたいなのがあれば教えてほしいのと。
あともう1つ「こんな感情に囚われてしまったときは、自分が絶対失敗してしまう」みたいなのあればお教え願いたいです。よろしくお願いします。
前刀:たとえばこの瞬間、ベンチャー経営者として捉えた場合。今、この瞬間です。おそらく僕の100倍くらい佐藤さんすごいんですよ。
なぜならすごくビジネスを多くつくっている。僕は再チャレンジとはいえ、まだまだ非常に小さな状態がある。
ただそういうときに自分の……先ほど皆さんに「無限の可能性がある」ってメッセージを最後出したんですけれど、人生はこのままで終わっちゃうとおもしろくないでしょ?
僕はたとえば、このまま、ある日突然僕が、今日ここでこの瞬間死んじゃったらメチャクチャ悔いを残して、死にきれないというような状態になっちゃうんで。
「絶対まだまだいろんな楽しいことチャレンジしてやろう」っていう気持ちが自分を突き動かしているし、あきらめずにいられるからどんどんチャレンジをしていけるっていうのがあります。
もう1個質問、何でしたっけ?(笑)
質問者3:今のに加えて質問していいですか? 「人生が短いんだ」っていう危機感って、何が起因してそう思わせてるみたいなのってありますか?
前刀:短いとはいえ、実は僕ほんの2~3年前「俺の人生まだまだこれからなんだよ、大器晩成なんだ」って言ったら「そんな50を過ぎて何を言ってるんですか」って言われて「何言ってるんだよ、人生これからだよ」と言いました。
ここにいる皆さんも、絶対100歳まで生きますよ。多分100歳くらいまで生きちゃうんですよ。そうすると、僕の場合においては人生半分しか生きていないから、これからだと思える。
短いと言っている意味は「無駄な時間を過ごすのがもったいないから、短いと思ったほうがいい」っていうことです。
ウダウダと、たとえば会社のサラリーマンとかやっていて、愚痴るんだったらさっさと辞めちゃったほうがいい。時間がもったいないから。
上にバカな上司がいるんだったら、そんな奴もう早くいなくなっちゃえばいいって思ってても、なかなかそういう人に限って長くいるので、自分が環境変えて辞めちゃったほうがいいと思いますよ。
常に「自分にとって本当に心が燃やせるか」。楽しめる選択をどんどんしていったほうがいいので、人生は短いと思っていたほうがいいということです。老い先短いってことじゃないですから。まだまだ生きます(笑)。もう1個何でしたっけ?
質問者3:もう1つが、こんな感情に囚われてしまったときに失敗してしまう。
前刀:1つ言えるのは、瞬間的な、短期的な快楽というか、たとえばビジネスの交渉をしていたとして、カチーンときたときにガーッと言い返したら気持ちいいかもしれないけども、本当の真のゴール、本質的に求めたいゴールがあるんだったら、そこは冷静になるっていうことを心がけてるんで。
頭にきたときほどスッと心を落ち着かせるっていうことを、僕はビジネスの上では心がけています。あまりカーッと、瞬間的な快楽を追求して爆発させないっていうのがいいと思います。
質問者4:今僕の中で1つ大きなチャレンジをしていて、インドネシアのほうで社内ベンチャーみたいな形で立ち上げをやっているんですけれども。
そういった大きなチャレンジをするとか、大きな環境の変化を持っていくときに、お二人が気をつけようと心がけていることであったりとか、不安になったときに、それを払拭するために何かおこなっていることとかあったら、教えていただければと思います。よろしくお願いします。
前刀:佐藤さん、どうぞ。
佐藤:そうですね「死なないよね」っていうのが一番ですかね。事業を失敗したとしても命までは取られないので。取られる国もありますけども。
現状でいう東南アジアとか日本に関しては、リスクっていうのが決まっていて、マイナスになることはそこまで大きなダメージじゃないので。
むしろ歳をとっていってエネルギーが減っていって、もうやる気も起こらないっていう状態になってしまうのが怖くてしょうがなかったんで、私はとりあえず前のめり、前に倒れるっていうことを考えてましたね。
逆にいうと他のことを考えないようにしましたね。「何がリスクでどうなるか」みたいなことはいったんやめといて、今のタイミングに集中しようっていうことをずーっと続けていたら、成果が出てきて「なるようになったなっていうような印象ですかね。
逆にリスクがこうあってって頭で深く考え過ぎてしまったものは、不思議にあまりうまくいかなかったですね。
質問者4:ありがとうございます。
前刀:仮に、大きなチャレンジをしたときに、たとえば社内ベンチャーを失敗したとしましょう。そんな程度で会社はつぶれないわけだ。
その失敗で会社をつぶせるくらいのプロジェクトを今この瞬間任されてたとしたならば、すごいことなんで、それは会社のお金で何か新しいチャレンジをするんだったら思いっきりやったほうがいいと思うし。
それはうまくいったこともあればきっと失敗するっていうことも、あとで振り返ればあると思うんですけど、全部絶対自分の肥やしになる。糧になるので、もう恐れずにどんどんチャレンジしちゃったほうがいいっていうことです。
よく言われてるベンチャー経営者の資質の中で、いろんなことよく言われるんですが、本当に深刻に思い悩んでしまって、僕は実は何人か知ってる人で、自分の命を絶っちゃった人もやっぱりいるんですよ。
そういう中にあって、求められる資質の1つに「いい加減であること」っていうのがあるんだよね。
ある程度、いい加減じゃないとやってられないです。正直言ってね。真剣に全部、もう本当紆余曲折あったときの波乱万丈って言ってますけども、おそらく普通の、何が普通かというと難しいんですけども、ある程度抜けてるっていうかいい加減じゃないと。
よく言ってるんですけど、普通に考えたら俺ね「少なくとも何回か自殺してるな」みたいな状況に実際は陥ってるんです。
こんなこと表立っては言いませんけれども、でもそういうことが自分もある。そういう経験があるからこそタフにもなれるし、そのあといろんなことをチャレンジしていくっていう意味でも、それがすごく力になるから思いっきりやったらいいと思います。
質問者4:ありがとうございます。
司会:最後に前刀さんと佐藤さんのほうから皆さまにメッセージをいただければと思います。「キャリアを考えるにあたって」ということでメッセージいただけますでしょうか?
佐藤:私キャリアがないんで、アドバイスが難しいんですよね。ただリスクを扱うのは自分でもすごくうまいかなと思っていまして、あんまりあれこれ頭で考えないほうがいいなとは思っています。
なので、やりたいこととか、情熱を燃やせるって思ったらそのタイミングで足を出してみるっていうのが、一番のアドバイスかなと、そういうふうに思ってはいます。どうですか、前刀さん?
前刀:僕、プレゼンの中でも言ったんですけども、あえて言いますね(笑)。グローバルな人材っていうか、グローバルで通用するようになりたいと思ったら「英語が上手になること」っていうのは誰でも言うと思うんで、そんなことじゃなくて「自分の考えを持つこと」です。
自分の考えをしっかり持つこと。そしてそれを人に言えるようになることで、これによって、仕事の中でもいろいろな道が切り開かれていくと思うので、しっかり自分ならではの。
人がどう言ってるかなんてどうでもいいです。「自分がどう思うのか、どう考えるかっていうのをしっかり持ってください」っていうのがメッセージです。
司会:ありがとうございました。皆さまどうぞ大きな拍手でお送りくださいませ。
(会場拍手)
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