2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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小林雅氏(以下、小林):たぶんみなさん、自分で起業したい人以外だとですね、だいたい就職したいなっていうランキングで、電通に行きたいとか、リクルートに行きたいとか、マッキンゼーに行きたい。
あと最近、銀行に行きたいって人は……、いたらごめんなさいですけど、あまりいないと思うんですけど。商社とかはね、たぶん今でも人気があると思うんですけど。
まあそういった中で修行しながら、やりたいことを社内で見つけ出したり、自分で作り出してるような方々です。
なので僕の質問よりかは、みなさんやりたいことがわかんないとか、思ってると思いますので、さっそくみなさんに質問してもらいたいと思うんですけど、どなたか悩みを相談したいって方、いらっしゃいますかね?
(会場挙手)
小林:じゃあ加藤さん、選んでいいですよ。ではお願いします。
質問者:同志社大学の○○と申します。自分は中国にすごい興味があって、過去留学したりインターンしていたんですけど、でも実際ビジネスってなるとあんまりイメージが浮かばなくて、なんかこう「ためる」っていうか。
将来機会が見つかったときに、そこで中国と関われればいいと思うんですけど、なんかため方っていうんですか。
なんか自分がいまやりたいけど、あんまりはっきりしないから、それをこう、なんていうのかな、いつか起こるときまでのモチベーションの持ち方を趙さんに聞きたいと思いました。
趙正美氏(以下、趙):はい。たしかに(私は)「ため」が長かったんで。たまに忘れるんですよね。なんかすごい難民のことがやりたいと思ってるんだけど、仕事が忙しかったりとかして、忘れたりしてまた思い出したりして。
情熱を保つ秘訣は、情報を定期的にインプットするのがいいと思います。私の場合は、難民の国連関係のニュースレターを登録して、月に1回は難民の記事を読んだりしてました。全く自分の仕事と関係ないんですけど、そういうことで情報を得ていたりとか。
それと、アンテナをすごく高くしておいて。周りの人に「私、すごい難民が好きなんですよ」みたいに言っとくと、人々も覚えていてくれる。私も代表の土井と久しぶりに再会したのは、あいだに紹介してくれた人がいて「難民好きって言ってたよね」と覚えていてくれたんです。
「こんなことやろうとしてる人いるんだけど、興味ある?」みたいな感じで、人の縁をつないでくれたりするんで、1人だけで思っていると周りの支援がなかったりするんですけど「僕、すごい中国とか好きなんですよー! 誰か中国関連の人がいたら紹介してください!」ってのべつ幕無しに人々に伝えておくと、思いもよらないところでそういう縁が来たりすると思います。
琴坂将広氏(以下、琴坂):全く同じだと思います。自分が中国に関心があったらそれを言い続けるっていうのがすごく重要かなと思ってまして、私も実践やってるときに研究に興味ありましたし、逆に研究やってるときに実践に興味がありました。
自分がどういう人間かっていうのを別のことをやっていても周りの人にどんどん伝えていくと、周りのほうからおもしろい話が来てくれる。
しかも、全然別のことやっててもそれが将来に役に立つと。
小林:そもそもね、あの、興味があるとか関心があるっていうのは、本当にそうなのかっていうのはあると思うんですよ。
例えば中国に興味があったけど、まあ、いるんですよね。たまに。行ったけど、だめだった、みたいな。
人に裏切られて最悪だったみたいな人みたいな。いるじゃないですか。そういうのって、試してみたほうがいいと思うんですよ。
将来やってみたいことは、20年後にやって後悔するよりかは、今のうちに仮説検証じゃないけど、やっといたほうがいいんじゃないかな。常にそういうふうに思ったことを常にやっていくっていうのはいいと思うんですよね。
インド行きたいっつったらインド行きゃあいいし。そういうふうにやっていったらいいんじゃないかな。
琴坂:やりたいっていうかちょっとずつやるっていうのが結構重要だと思います。私がコンサルやってたときも、本を書くプロジェクトに携わったりとか、社内の研究に携わったりとか、そうやって実践のなかで研究的なことをしてました。
実は影でもなんかやるというのがいいんじゃないでしょうか。中国に関わらなくても、ずっと中国行くとか、中国関係調べるとかいろいろやり続ければいいんじゃないかと。
小林:趙さんなんてね、3年間ボランティアやってて。5年間でしたっけ。そういうの、いいんじゃないですかね。答えになってますかね。
質問者:ありがとうございます。
加藤史子氏(以下、加藤):私も学生のとき、若いときって、人生を生き急ぐというか、自分はこれに興味があるから次の3年間でこれに取りかかりたいとか。
取りかからなきゃって気持ちが強いんですけど、今平均寿命で、女性だと80歳、男女ともに80前後まで生きるじゃないですか。あの、みなさんが大きくなる頃には、もうみなさん大人ですけど(笑)。
もっと伸びてると思うんですよ。なので、あきらめないで、ずっとしまっておいてもいいといいのかなって。
例えば20歳になって、30歳になって、40歳になって、全然中国と関わることをしていなかったとしても、もしかして50歳でその機会が来るかもしれないし、60歳でその機会が来るかもしれないので。
これはもう、中国との関わりをやめた! というのを決めなければいつまでもその機会は来ると思います。
小林:それ、いいですね。僕も40歳なんですけども、なんですかね。老後のことが心配になってきてですね。みなさん想像がつかないかもしれないですけども、俺はいったい60歳になって何をやってるんだろうっていう。
60歳でベンチャーキャピタルの仕事をしてるっていう想像がつかないんですよね。起業家ってどんどん若くなってるじゃないですか。
60歳のおっちゃんと一緒にやるか? というとですね、絶対やんないなって思うんですね。なんで、60歳でもできる仕事を今のうちからこつこつやっていこうみたいな。
ということで、今、勉強してますね。日々。またゼロから探す。
琴坂:全部忘れる必要はないですけど、ピボットする柔軟性は持っておいたほうがいいですね。私ももともと、研究では社会心理学をやりたかったんです。
ただ、自分の経験とか実績を考えると経営学のほうがよかった。中国は違うかもしれないけど、新興国もいいかもしれない。自分のこれまでを全部捨てるんじゃなくて、別方向で使うっていう。前向きな使い方をするのが一番いいですね。
趙:すごい。
小林:すごく実践的なアドバイスですね。すごく実践的な。たぶんね、中国もやがてやばくなっていくから、新興国がいいよ!
東南アジアもちょっと古いかもしれないね。アフリカとかさ。やっぱ20年後とか見て、やっておいておいたほうがいいんじゃないですか。西へというのか東へというのか、人によって地球の見方が変わるけど、裏側ですね。
たくさんいきますよ。趙さんに指していただいて。趙さんいきましょうか。誰か質問は……。
質問者:学生社会起業家の○○と申します。琴坂さんに質問なんですが、起業コンサル研究者という、なんか逆のパターンを歩まれたと思うんですけど、コンサルティングっていうのが起業の役に立ったんだろうな思ったこととか、研究というのが起業に役に立ったということは今までありましたか。
琴坂:確かに普通と真逆なんですよ。普通欧米とか行くと博士(過程)までいって、その後コンサルとかいって、その後起業して、みたいですよね。私、全く逆なんですよ。何が役に立っただろうかって言われると、ゼロイチのところでは、コンサルティングはほぼ役立たなかったとおもいますね。
ただ、より大きな組織を作るということになったらある程度役立ったのかなって感じがします。つまり、第一にコンサルティングスキルだけではたぶん起業できない。
一方で、コンサルティングスキルがあると、ある一定以上の規模感になったときのアライアンスとか連絡とか組織作りとか、そういうのが見えやすくなって、プラスになったんじゃないかなと思いますね。
で、研究が役立つかという話なんですが、直接的にはゼロ。なんですが、起業家として、たとえば大企業の経営幹部と会うとき。自分の哲学というか自分の人間というものを伝えるときに使えたんじゃないかと思います。
それは、最終的に1億円とか10億円とか100億円とか1兆円とかいう投資になったときに、何が最終的にキーになるかというと、ちょっと小林さんの前でわたしが投資についていうのもどうかと思うんですけども(笑)。
おそらく人間でして。人間っていう深みを作るときに、研究っていうもの、それを通じて作った自分の世界観というのが役に立ったんじゃないかなって思いますね。
小林:結局、仕事って何に役に立つかって結局、因数分解じゃないけど、組織文化じゃないけど、そこで学ぶ意識とか、経験っていうのがひとつと、あとは人的なネットワーク。
そういったところが、なんだかんだいってそこなんですよね。
コンサルティングで、○○さんと出会って人生変わりましたとかね。そういうようなところが積み重なって変わっていくので。
極論すると、なんかの仕事が必ず何かの役には立つんだけど、立ち方っていうのは、何をもってやってるかによるってところですよね。
琴坂:確かに。今、小林さんがおっしゃったところで、ネットワークってすごく重要。先にマッキンゼーに行ってたら、世界中のマッキンゼーの人たちに遅れている状態から起業してたと思うんですよ。
全然違う展開ができたと思うんですよ。周りの人たち、みんなすごくて。で、その後いろんなことをやって、レバレッジできたと思いますね。
加藤:connecting the dotsって言葉があるじゃないですか。例えばスティーブ・ジョブズが学校を辞めて自由にカリグラフィーの授業を聞いてたら、Macの美しいフォントになったとか。
たぶんこう、おそらく人生に無駄なものはなくて、どの経験も必ずつながって生きるとは思うんですけど。
それをつなげた経験にするためには、その人自身にこういう世界をつくりたいとか、自分はこれが向いている人間なんだっていう、一本筋が通っていることが大事かなという気がしていて。
それさえ通っておけば、どんな経験とか人間関係も、それに生きるようにつながっていくんじゃないかなと感じています。
琴坂:こういうのってたぶんなんか中国に興味があるとか、コンサルにいきたい、とかそういうレベルの話じゃなくて、もっと哲学的な話ですよね。
加藤:そうですよね。自分の適性とか何に根本的に興味があるかとか、そういうことにつながる。
琴坂:僕は根源でいうと、世界を見たい、知りたい。それ以外にほぼない。それがあるから、中小企業のおっちゃんじゃなくてより世界的な会社。
より世界的な会社でも日本じゃなくて海外だったり。で、海外を見てからも今の世界じゃなくて未来の世界、過去の世界を知りたかったから研究をやっていたり。大切なのはそのぐらいのレベルなんじゃないかなと思います。
加藤:なんだろうと考えてて、私はたぶん、ベースが恩返しなんですよ。なんか今、若者に対していろいろやってるんですけど、それは自分がやっぱり高校を卒業して、SFCと、SFCで出会った友達と先生と。
あとリクルートに入って、18から25に受けた価値観とかに影響されて自分があるから、18から25の人に向けて、いろんな経験を提供したいっていう自分がいますし。
私の場合は、親が国家公務員だったので、言うたら、言うたれば、大人になるまでは税金で、血税で育てていただいたという気持ちがあるので。
なので、自分を育ててくれた日本国の活性化に少しでも寄与する仕事がしたいというのがベースにあると思います。恩返しっていう。
小林:素晴らしい。
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