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挑戦する人生を楽しもう!(全6記事)

左右別の靴下をセットで販売ー起業家が語る、学生時代の面白い稼ぎ方

参加者の学生たちが登壇者にQ&Aを行うIVSワークショップ。「誰も思いつかないようなお金の稼ぎ方」「人前でおもしろい話をするには」などの質問に、じげん・平尾丈氏、プロフェッショナル・コネクター・勝屋久氏、KLab・真田哲弥氏、ヤフー・小澤隆生氏、セプテーニ・佐藤光紀氏の5人が回答しました。(編集部注:2019年4月25日、登壇者の発言に誤りがあったため本文を一部修正)

誰も思いつかないようなお金の稼ぎ方

小野裕史氏(以下、小野):そろそろ次の質問にいきたいと思いますが、まだ質問していない方。

質問者11:関西学院大学の○○です。質問なんですけど「決断」について聞きたいです。先ほどから、何かするっていう時には「死なへんねんからやれ」っていう感じやったのかなと思うんですけど。やめる時について、どういう決断をされるのかなぁということを聞いてみたいです。

小野:はい。ありがとうございます。もう1人、後ろのほうで先にマイク持ってた方。

質問者12:大阪工業大学の○○です。学生の頃に、変わっていたとかおもしろいとか、誰も思いつかないようなお金の稼ぎ方とかをされていたらそういうのを知りたいなと思っていて、お願いします。

小野:おもしろい質問ですね。「誰も思いつかないようなお金の稼ぎ方」ですね。もう1人ぐらいお願いします。

質問者13:神戸大学の○○と申します。前のセッションで、朝倉さんはふとした出会いで自分がのめり込むものがあったらすごいそこを突き詰めていくって感じだったんですけど、皆さんは経営者にめっちゃなりたくてなろうとしたのか、それとも気付いたら経営者になってたのかっていうのをちょっとお聞きしたいです。

小野:はい。なんで経営者になったのかというきっかけですね。ありがとうございます。この3つ。じゃあどこからいきましょうか。「やめる時の決断」っていう話、あとは「学生時代の考えもしなかったおもしろい稼ぎ方」っていうのもありましたし。

左右別の靴下をセットで販売

平尾丈氏(以下、平尾):じゃあ、考えもつかない稼ぎ方という話で。今はすごい事業モデルオタク、起業オタクだと思うんですけども、やっぱり当時はすごい苦手だったんですよね。

「量質転換」っていう学生時代に発明したのがあるんですけど、コップに水を注いで、あふれるまではわかんないけど、あふれたらずっとあふれてるみたいな構造の、非連続なことがあったので、そういったことをよく量産してたんですけど。

ある日、孫さんのお話を聞く機会があったのですが、彼は必ず1日時間を決めて事業アイデアを考えて、藤田田(でん)さんにぶつける時間を取っていらっしゃったそうです。

それを聞いて僕も「もっと頑張らなあかん」っていうことで「自分は1日3つ絶対出すぞ」ということでやってました。毎日3つ出して、ビジネスアイデア集みたいなのができて、今もやってます。

そんな中でアイスの時もそうだったんですけど、やっぱり原価、最初の仕入れるところが本当にキツいので、皆さんが捨てているものに注目したんですね。

自分は当時ファッションとかがすごい好きだったので、靴下みたいに2個あると価値が出るものに注目しました。1個だと価値がないから「1個余ってる靴下ください」っていう。ひたすら靴下を大量に収集して、それをセットにして売る。

小野:ちなみにいくらぐらい儲かったんですか?

平尾:たぶん半分ぐらい飲んで使ってしまったんですけども、数千万円ぐらいは靴下で儲かったので、まだいけるんじゃないかなと勝手ながら思ってます。

当時のキャッチコピーは「アシンメトリーな靴下を、皆さんに」みたいな感じで、アシンメトリーファッションを流行らせようとしてた時があったんですよね。

「左だけ赤でいきましょう」とか「右だけ黒でいきましょう」とかですね。ビジネスマン向けソックスとルーズソックスみたいなのをセットで提案したりだとか……。

でもインターネットってすごいですね。ほしい方がいるんですよね。「そのセットカッコいい!」みたいな方がいらっしゃいましたね。

小野:なかなか思いつきそうにないですね。光紀さん何かありますか?

佐藤光紀氏(以下、佐藤):お金の稼ぎ方?

小野:じゃあ「お金の稼ぎ方」のテーマでいきましょうか。

「忘却力」「鈍感力」「スルー力」が重要

佐藤:さっきの別の質問で「仕事の中で心がけてること」みたいなのがあって、今聞きながら感じたんですけど、もしここにいる皆さんが我々の受け答えを見て「なんかこの人たち、ちょっと変わってるな」と思ったとしたら違う点っていうのがちょっとあって。

それがたぶん仕事で心がけてる点に近いなと思うんですけど。あのね、人の話聞かないんですよ。聞いてないですよね? 明らかに。

小野:今日これを見れば、だいたい皆さんわかっていただけるんじゃないかと。

佐藤:「人の話を聞くな」とかそういうことじゃなくて、3つポイントがあって。1つは「忘却力」。いろんなことを忘れるんですよね。どんどん忘れていっちゃうので、だから新しいことがどんどんできるんですよ。

逆に言うと、忘れないとなかなかできないですね。ずーっと覚えてるとなかなか大変なんで、ほとんどのことは忘れちゃうんですよね、で、新しいことを覚えていくっていう。忘却する力ね。

あと2つ目が「鈍感力」。こうやって質問されるじゃない。質問、半分ぐらい聞いてないですよね。そこからインスパイアされて、自分が何を言いたいかっていうことだけをこの場で考えてるんですよ。

だから投げられたボールをまっすぐそっちに返すつもりがそもそもないんですよ。だからあんまり敏感に「誰かに何か言われた」とか気にしちゃうと、ストレス溜まっちゃうんですよね。

ストレス溜まるといいパフォーマンスが出ないから、あえて鈍感に、受け答えないということを、わりと仕事で成果上げるために僕は気をつけていますね。で、3つ目は「スルー力」。

これもそうですよね。全然受け取らない。ボールをポーンてしたらそのまま向こうに行っちゃう。で、捕りたいなと思ったボールだけを捕るっていう、スルーする力。

「忘却」「鈍感」「スルー」だいたいその逆をやっちゃうんですよ、みんな。敏感になって、いつまでも忘れられなくて、スルーできずにキャッチして傷つくみたいな。

このパターンがいちばんつらくなっちゃって、パフォーマンスが上がりにくくなるんですよね。ここにいる人たちは、意図的にじゃなくて、自然とたぶんそれをしてると思うんですよ。

だから皆さん、もしかしたら「俺の質問はこういう意図でしたのに、全然こいつら答えてくれないな……」と思ってる人が大半だと思うんですけど、それで、いいんです!

(会場笑)

佐藤:それでいいんです。それが当たり前なんです。そうすると今度はさっき小澤さんが言ったみたいに、質問力が上がってくるんですよ。「どうやったらこいつらがキャッチしたくなるようなボール投げられるかな?」っていう風に考え出して、球のスピードと制球力が上がっていくんですよ。つまり、皆さんにとっての成長の機会だっていうことですね。

(会場拍手)

小野:ありがとうございます。今の鈍感力、忘却力で何の質問だったかすっかり忘れてしまいましたけれども。

1日1つビジネスモデルを書く

真田哲弥氏(以下、真田):稼ぎ方ね。(平尾さんと)よく似てるなぁと思うんですけど、僕も20代の頃は1日1つビジネスモデルを書くっていうのをやってました。10年ぐらい前にビジネスモデルを考えて、タダでブログで公開してました。

今でもブログ残ってて、学生さんがやりやすいビジネスアイデアがたくさん書いてありますから「真田哲弥 ブログ ビジネスアイデア」かなんかでググってもらうと、僕が当時1日1個、ではないですけど1週間に1個ぐらいブログに上げていたので、だいぶ参考になると思います。

ビジネスモデルを生み出す簡単な方法論は、置き換える、くっつける、結合する、分離する、2つに割る……っていう、そういう解説もいっぱい書いてますから、1回それ読んでください。あと、何でしたっけ? 決断?

小野:やめる時の決断の話ですね。

真田:日本語で「決断」と「判断」ってよく似てるけど、全く別の用語で「判断」というのは分析ですよね。「決断」はそれを決めること。ですので、決める前には必ず判断が必要なんですよね。

やめる決断ってできない人が世の中すっごい多くて、やっぱり難しいんですよ。やめる決断をするには、1つは定期的にやめる決断をすべきかどうかっていうことをポーリングしておくことが必要で、そうすると早めにやめる決断をすることができます。

で「今やめるべきではないか?」って思った時に、今決断しないことのリスクは何か、今決断しないことと、今決断することを比べて、今決断しないことの問題は何かというのを常に考える。

利益が出てる間に事業を撤退する

真田:決断するための資料データがあまりにも少ない時は、決断しないほうがいいこともあります。仮説としてこれ以上悪化した時、これ以上回復した時の違いっていうのも考えます。

そういう風にちゃんと分析をやっていくと、決断しやすくなりますね、判断ができるんで。で、損切りができるかどうかって(いうのが大事で)、損切りしたくないからズルズルいくわけですよね。

僕はできるだけ利益が出てる間に事業は撤退するということを決めるタイプで、だいたい僕が撤退した事業は利益が出てるうちに撤退してます。

利益が出てない時の撤退、これはもう簡単ですよね、損切りすればいいだけですから。あと、僕はよく若い事業家の皆さんには「損切り撤退するには練習があります。株をやればいいです」と言ってます。

自分にとって痛いぐらいの金額、人によって、学生だったら10万円でも痛いでしょうし、社会人でサラリーマンだったら1000万ぐらいで株をやる。1つの銘柄というか、分散させずにまとめて1000万円の株取引をすると、撤退の意思判断のトレーニングができます。これは……。

小野:つまるところ、勝屋さんと私を除いてみんな上場企業の社長ですので、どれか買ってみて場数を踏んでみればわかってくるんじゃないかということで。

(会場笑)

小野:ちょっと答えられてない質問あるかもしれませんが、残り時間もわずかになってきたので、これこそは私聞いてみたいというのがあれば、まだ質問していない方優先で。

質問者14:関西大学の○○です。僕は物事がうまくいかなかった時に結構おかしくなっちゃうんですけど、物事がうまくいかない時におかしくならないコツとか、精神的にやられないためのコツとかを教えていただければ……。

小野:ちなみにおかしくなるというのは、ど、どうなるんですか?

質問者14:例えば、小っちゃい頃だとゲームのデータ消されたら壁に穴開けたりだとか、恋人とうまくいかんかったら発狂して走ったりとか……。

(会場笑)

小野:そういうのをしないためにはどうしたらいいかと。はい、では続きまして。

質問者15:友だちと喋ってる時とかはおもしろい話ができるんですけど、人前でユニークな話をするのって、どういうことを心がけたらできるようになりますか?

真田:小澤さんに聞くしかないですね。

小野:そうですね、後で小澤さんが話をしてくれると思いますが。じゃあもう1人、どうぞ。

質問者16:立命館大学の○○と言います。皆さんずっと「チャンスを逃すな」的なことを結構おっしゃってたんですけど、僕たちがそういった機会を逃さないために、何か心がけるべきヒントみたいなものがあればいいなと思って。皆さんが機会を逃さないために心がけていることを、何かあれば教えていただきたいです。

小澤:今のいい質問。これでまとめましょう。

期待値を適切にコントロールする

小野:じゃあ1つ目。「発狂しないためにはどうしたらいいか」っていう質問がありましたけど。

小澤:病院行け! 病院! 明らかにおかしい。

(会場笑)

佐藤:それって「うまくいくはずだ」と思ってるってことですか? でも、世の中ってほとんどのことはうまくいかないですから。さっき言ってましたよね。新しい取り組みの確率論で言うと、失敗の確率のほうが高いんですよね。

それは日常生活でも全く一緒で、うまくいかないことを前提に期待値を設定して、適切にコントロールするということ。

つまり、ゲームのデータでも彼女でもいいんですけど、あなたが80%ぐらいで期待値を持っているとしたら、それを1回2割までドーンと下げましょう。

そうすると、例えばその彼女とのやりとりが50%のパフォーマンスだとすると、2割まで期待値を下げられていれば、30%プラスなんですよ。

逆に8割の結果だろうと思ってそれが成功だと思っていると、マイナス30%になっちゃうんですよ。これは起こってる事象は50%で一緒なんだけども、事前にどれぐらいがゴールかって設定してるその差にすぎないんですよね。

これは自分でコントロールできるんですよ。彼女の好意とかゲームのデータじゃなくて、自分でコントロールできるので、期待値を適切にコントロールするっていうこと。

ちょうどさっき起業家向けのセッションでも全く同じことを僕言いましたね。ということは、名だたる起業家の方でもあなたでも同じくらいの課題感ですので、自信を持って期待値をコントロールしていただければいいんじゃないかなと思います。

人前でおもしろい話をするには「場数を踏む」

小野:あと、走り続ければいずれ止まりますから。大丈夫だと思います。ということで2つ目の質問のほうにもいってみたいんですけど、これはもう小澤さん「人前でおもしろいことを言うには」僕もぜひ聞きたいので。

小澤:これはね、いいニュースがあります。友だちの前でおもしろいことが喋れるっていうことは、とにかくおもしろいんだよね、あなたは。

(会場笑)

小澤:人前でも友だちの前でもおもしろいことが喋れないっていう人が大半なんだから。まず内容に関しては問題がないということなんですよ。問題は、人前という、みんなが私のことを見てるっていう状況であがっちゃうということだけですからね。

これはね、場数です。僕は小学校2年生ぐらいの時にいろいろ考えて、自分は足も速くない、勉強も大してできない、でも何かで勝たなきゃならないって思った時に、どうやら人前では話せるみたいだと。

あんまり緊張しないし、人前で話して笑ってくれるとすごく楽しいっていうことに気付いたんです。先ほど真田さんがおっしゃった「好きなことを仕事にしなさい」ということ。僕は仕事だけじゃなくて、趣味でも、日常的にやることでも、好きなことだけをおやりになられたらいいと思います。

僕にとっては人前で話をするのはどうやら気持ちがいいと気付いたのね。小学校2年生の時にそれに気付いたら、それをやり続けるわけです。先生が「これ発表してください」とか、なんか「クラスの代表としてこれやってください」って言ったら「僕がやります」って。

好きだからね。スピーチとか人前で喋るっていうのは、単純に場数の問題っていうのがすごく大きいと思っています。数をこなせばこなすだけ慣れてくるんですよ。

数をこなせばこなしただけ失敗した時「あぁ、これなんで失敗だったのかなぁ、あんなこと言わなきゃよかったのに」って。今日だって思ってますよね「なんでいちばん最初に俺、大声あげたんだろう」って。

(会場笑)

小澤:だいたいお風呂に入ってる時かシャワー浴びてる時に反省するんだけども、その反省の回数が多くなって、次回からは「あんなに大声あげるのはやめよう」って思うわけ。

(会場笑)

手を挙げ続けた人と聞いてるだけの人の差は広がっていく

真田:ちょっと反論していいですか? G1サミットっていうイベントで石垣島に行ったんですよ。僕は息子を連れていって、息子がその会場内で「ものすごいおもしろい友達ができた!」って言うんですよ。

もう1日中バカなことをやって、ものすごいおもしろいんだと。息子がその友達連れてきて、僕の目の前でもこんな顔したりあんな顔したり本当にずっとバカなことやってるんですよ。

「誰ん家の子だろうね?」って思って「パパのとこへ行ってくれ」って言ったら、パパがこの人(小澤氏)だったんですよ。

(会場笑)

真田:だから場数じゃなくて、遺伝じゃないかなと思うわけですよ!

小澤:うちの子は、1歳の頃から何をしたら私が褒めるのかっていうのをずっとやり続けるわけですよね。それは教育です。要は、うちの子にはバカの英才教育をしてるんだけど……。

(会場笑)

小澤:何が言いたいかって言うと、小学校2年の時から手を挙げ続けて話してきた人と、聞いてるだけの人の差は、40年経ったらすごい差になってるわけ。

僕は何百回、何千回と話をしてるし、年齢はちょっと違うかもしれないけど、僕はあなたたちぐらいの時にはもう相当話をしてきてたからね。その差っていうのはある。

単純に、僕からあなたへのアドバイスは「場数を踏みなさい」。だってあなたはおもしろいんだから。おもしろいと自分で言い張ってるんだから(笑)。

(会場笑)

小澤:自信を持って場数を踏みなさい。以上です。

小野:ありがとうございます。拍手お願いします。

(会場拍手)

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