2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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南壮一郎氏(以下、南):最後に簡単に私自身のご紹介もさせていただきたいと思います。次のスライドをお願いします。
僕らは管理職やグローバル人材の、30、40代を中心にしたプロフェッショナル人材に特化したプラットフォーム、ビズリーチをこれまで展開してきましたが、昨年から20代向けのキャリアトレックという新しいサービスを開始し、1年で4,000社にご契約いただいていまして、どちらかというとキャリアトレックが、より拡大基調になっております。
同時に、創業2年目にルクサというセレクト・アウトレット型のECサイトをビズリーチ内で創業して、それを分社化したので、同時に2つのスタートアップをやっております。次に、人数の推移のページをお願いします。
会社を始めて5年半なんですが、現在約500名弱の2つの組織をやっています。非常によく聞かれるのが、何でそんな人数増やすのかと。楽天さんが小売会社ではなくインターネット会社だとよく例えて言うんですが、僕らも営業会社ではなく、インターネットカンパニーなんです。
あくまでも採用のプラットフォームの事業会社ですし、従業員の3分の1はエンジニアやデザイナーですので、何でそんなに人を増やす必要があるのか、よく聞かれるのです。
採用のコツは、今の話で鈴木さんや曽山さんからたくさん出たので、僕はもう、なぜ増やすのかというところだけを最初答えたいと思います。僕がベンチャー企業をやったのは、簡単なんです。
世の中をやっぱり変えたい、世の中に大きなインパクトを与えたい。前職が楽天イーグルスというプロ野球チームをやっていたものですから、それより面白いことをやらないと、次の仕事はやりがいがないということで。
より大きく社会にインパクトを与えたいということだけを追い求めて、起業の道を選んだんですが、僕の中で大きいインパクトを与えている会社って、例えばトヨタ自動車ですとか、さっき出たGoogleさんもそうですし、日清食品さんも、ドコモさんも大きい会社です。ソニーさんも。そういう会社の従業員数が、100人、200人、500人かっていうと、そうではないんです。
今言ったような、世の中に大きいインパクトを与えている会社は、みんな数千人、もっと言うと数万人、十数万人の会社ばかり。であるならば、要は世の中に大きいインパクトを与える、本当に大きいインパクトを与えるには、従業員数は必要十分条件で。
最低でも数千人、数万人、十数万人の組織がないといけないというのが、本当に必要十分条件であるならば、いかに早くそこに辿り着くのか、いかにそういう組織を維持できるような事業を、走りながら考えて、考えながら走って作るのかというのが、今この5年間半で2社で500人まで組織を引っ張って来れた、大きなドライバーになっていたのかなと。
これはもう創業時から会社の仲間にずっと言い続けたことで、さっき曽山さんのお話にもありましたけれど、全員が採用担当となって、組織の拡大を楽しんでいくということが、採用を引っ張っていく。精神論ですけれども、一番重要な理念だと、こういうふうに個人的には思います。
私の話をここで終わらせていただいて、いくつか質問が出ていたので、それでは、まずは、東後さんのインターンの話から。いろんな規定により、今年からおそらく新卒が変わってきて、よりインターンシップが、新卒採用において、非常に比重が大きくなってくると思うんですが、まず曽山さんに聞いてみましょうか。せっかくなので。
東後:そうですね。ぜひ。うちで言うと、インターンシップが今だいたい10人以上、80人中の10人以上なので、かなりの比率いるんですけれども、彼らには今、かなり実務に入ってもらって、その中でベンチャーの醍醐味だったりだとか、そういうものを実感してもらいながら、すごい今成長してくれていると思います。
それ以外に何かすごく特別なことをしているかというと、そういうわけではなくて、それを見守りながら、適宜にフィードバックをするといったようなやり方をやっているんですけれども、サイバーエージェントさんは、すごく積極的にいろいろなインターンシップのプログラムをやられている印象があるので、その辺りの工夫とかを教えていただきたいなと。
曽山哲人氏(以下、曽山):インターンですと、今のお話だと、就業型のインターンシップですよね。まさにオフィスの中に入ってやる。私たちは、どちらかというと最初インターン始めたのは、よく大企業が言っている、5日間、何かプログラムをやろうとか、グループワークをやろうっていうインターンが実際は多いんです。数としては。
今年はだいたい予定では、秋冬も含めると、たぶん800人ぐらいの方にインターンに参加していただくんですけれども、それはどちらかというとやっぱり5日間とかで。
例えばiPhoneのアプリを作ってみようとか、グループワークで法人のお客様に対してマーケティングの提案をしてみようとかっていう、リアルなものをやっているのがほとんどで、就業型っていうのは、同じような人数で決して多くはないんです。
エンジニアとして入ってもらって、同じ社内のオフィスのツール全部使ってもらって、実際にアメーバの技術開発に一緒に携わってもらうというところをやっています。そこで私たちが就業型のインターンシップで大事にしているところは、面談です。
それは何かというと、基本的にはトレーナーを付けて、トレーナーは業務上のサポートを現場でやりますけれども。人事メンバーが、例えば月に1回とか2か月に1回面談をして、今どんな仕事をしているのかとか、あるいは、どういうことをやっていきたいと思ったかとか。
将来サイバーエージェントで、どんな理想が膨らんだかとかっていうものを聞き出してあげて、逆に普段やってみて。
現場ってやっぱりきついこともあるので、「困っていることはどんなことか」とか、あとは「入ってみて、ギャップっていいところと悪いところ、どっちあった?」っていうところを聞き出すっていうことを書き出させてあげることで、より信頼関係が強くなるので。
それが1つあるのと、あともう1個あるのは、人数がまだこれから伸びるので、ちょっと環境変わっちゃうかもしれませんが、私たちの場合は、結構内定者、アルバイトとかインターンシップは、どんどんジョブローテーションをさせています。
いろんな業務をいい意味で見てもらって、そうするとサイバーエージェント全体が見えたり、アメーバってこういうふうなモデルでできているんだとかっていうのを感じられるので、会社全体がわかるような配置っていうのも、1つ工夫にしているところです。そのぐらいです。
東後:ジョブローテーションとかっていうのは、インターン生の希望でやっていますか?
曽山:両方です。基本的には、その部署に入ってそのまま、本当にはまって、めっちゃおもしろいって感じだったら、そのまま残しちゃうことも結構多いんですけれども。いろいろ面談している中で、やっぱりあの部署も見てみたいとか、特に私たち事業が50とかあるので、この別の会社に行ってみたいとか、結構多いんです。
なので、何か食いかじっちゃうような感じになると、当然お互いやりにくいので、一定の結果とか期間を出したうえで、本人の希望を聞いて、受け入れ側でもニーズがあれば行くっていうことで、ジョブローテーションの数は多い方だと思います。
鈴木健氏(以下、鈴木):インターン経由で実際に採用は多いですか?
曽山:多いです。むしろインターン経由での、結果的にインターンを受けてもらって、その後選考フローに乗ってもらって、短い選考フローで見えていますから。
で、内定を出すんですけれども、インターン経由での採用っていうのの比率の目標まで決めて、それを毎年どんどん上げていこうっていうふうにやっています。
南:うちで実施して面白かったのは、3、4年前にインターンで働いていた子が、一旦大手企業に就職して、その後に最近戻ってきたことです。4~5年経つとそういうことが起こってくるんだなと。特に会社の規模がまだ小さい時にはそういうのが結構ありました。
次は、曽山さんもいくつか質問があったので、もしよろしければ1つ、2つ。
曽山:小野さんにぜひお伺いしたいんですけれど、やっぱりネット業界、テクノロジー業界っていうことでもいいと思うんですけれども、IoTの分野でもいいですし、何かそういう求人のニーズとか、どういう職種とか、トレンドとか、上手く使えている会社とか、何かその辺の大きな感じのトレンドを教えていただければなと思います。
小野壮彦氏(以下、小野):ネットに限らずテクノロジー業界全般で、特にここ日本でってことで考えると、やっぱり国際化とかグローバルって話が、意外と会社のフェーズが早い段階の企業様から出てきていることかもしれません。
曽山:確かに。
小野:具体的にどういう話が多いかっていうと、M&Aを実際に仕掛けるのはたぶん先だと思うと。ただ、そういうチャンスがきた時に対応できる組織を前倒しして作っておきたいとか、あとは実際にユーザーベースとしては海外にもう行っていますとか、売れていますとか。
ただその中で、外国人の人もジュニアな人は雇い始めました。だけど、そこのボスは日本人であるべきなのか、外国人であるべきなのか、その辺りをどうしたいか。
あと、海外をどうガバナンスをかけていくか。そのガバナンスをかけられる人材が、本社側のほうに欲しいみたいな、そういう話が、ここ3年ぐらいで急速に増えています。
曽山:なるほど。海外の法人と日本企業とで言うと、どっちが多いとかってあるんですか?
小野:これはたぶんエグゼクティブサーチ業界全体って話と、うちの会社って話とちょっと別かなと思うんですけど。
曽山:なるほど。
小野:うちの会社で言うと、今シリコンバレー、もしくはアジア系もそうなんですけれども、日本に進出したい企業さんのお手伝いがIT系の中でだいたい半分。半分ぐらいは日本企業さんで、2つですね、その今経営陣をアップグレードしたいっていう、そもそもその経営陣のレベルアップみたいな話。
曽山:はい。
小野:もう1つは外に行きたいっていう話が多いです。日本は。
曽山:なるほど。海外の場合は、その立ち上げの支社長とかいうところが多いですか?
小野:そうですね。カントリーマネージャー。
曽山:カントリーマネージャー。日本企業のアップグレードって職種は何になるんですか? COOとかになるんですか?
小野:あまりCOOってないですね。
曽山:ない。どういうのが多いですか?
小野:やっぱり、たぶんフェーズで言うと、IPO前後ぐらいのイメージで考えていただくと、1つただアキレス腱的にボトルネックになりがちなところっていうのは、やっぱり管理の周り。
曽山:管理の周り。
小野:だからまあ、CFO的なところですよね。
曽山:CFO。
小野:そこの職責がベンシャー時代と質的に大きく変わってくるので、IR等を含めたマネージメントができるCFOが欲しいケース。
曽山:なるほど。
小野:あとは、そもそもその事業が多角化してきて、例えばIPO前後ぐらいになってくると、事業が1本柱から2本柱になりますみたいな時に、その2本目の事業を、ちゃんと管轄できる、ゼネラルなマネージメントができる人っていうふうになってくると、だいたいミニ社長みたいな、将来社長ができそうな器の人材が欲しいですみたいなケースっていうのは多いかもしれないです。
曽山:なるほど。技術幹部系っていうのはあるんですか。
小野:それはもう慢性的にあって。
曽山:ずっとあるんですね。やっぱり。
小野:ぶっちゃけちゃうと、あまり仕事としてソリューションを出しづらい領域でして、CTOとか、あとエンジニア系のニーズはいつもいただくんですけれど、正直たぶん御社のほうがよく皆さんご存知ですよと。その方々を、やっぱり知らない人を見つけるっていうことがほぼないぐらい、人が足りないんです。
曽山:なるほど。
小野:需給がもう圧倒的に、供給が足りないので、我々よりも直接のネットワークでやられるか、ビズリーチさん使ってくださいみたいな。
曽山:なるほど。ビズリーチさん。なるほど。わかりました。ありがとうございます。
南:すいません。ありがとうございます。エゴンゼンダーさんにまで言っていただけるとは光栄です。今、結構キーワードに技術者、エンジニアという話があったんですが、先ほど鈴木さんの話で、僕らにとってエンジニアがアスリートだと。
エンジニアが作っている会社だということをおっしゃっていたのですが、エンジニアの採用で注力してやっていることは何かありますか?
鈴木:そうですね。ありますね。エンジニアの採用こそエージェント経由っていうのは本当に少なくて、よりエンジニア同士のネットワークが重要になるんです。
なので、やっぱりそのエンジニア1人ひとりに、その採用の意識を高めてもらうというのと、手伝ってもらうっていうのは、すごくやっていて。
例えばいろんな学会とか研究会で発表してもらい、だんだん認知を上げてもらうとか、あとは月に1回パーティーをやっているんです。これ実はビズリーチさんから聞いたのを真似しているだけなんですけれど(笑)。
南:ありがとうございます(笑)。
鈴木:パーティーやって、そこで軽くカジュアルにエンジニアの人たちとかも集まってもらって、そこで仲良くなってっていうような形とかをやっています。
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