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注目若手経営者が語る成長企業の組織作り、経営者の仕事(全5記事)

「会社員より楽しくて…」 注目アラサー経営者たちに聞く、あなたが起業した理由

アラサーの若手経営者たちのなかでも注目を集めるウォンテッドリー仲暁子氏、LITALICO長谷川敦弥氏、じげん平尾丈氏、スポットライト柴田陽氏がIVSに登壇。サイバーエージェント藤田晋氏をモデレーターに、起業へ踏み切った経緯について語りました。(IVS 2014 Fallより)

大学2年生で起業の道へ スポットライト柴田氏

藤田晋氏(以下、藤田):お集まりいただいた皆様、どうもありがとうございます。隣の(会場でやっている)セッションAが、スマートニュースとかメルカリとか(旬の会社がやってるので)、つまんない話をしてるとあっという間に人がいなくなる恐れがありますので(笑)、集中して臨みたいと思います。

とはいっても、さすがIVSだけあって非常に面白いメンバーを今日は揃えてくれまして。皆さんご存知だと思いますけど、シリアルアントレプレナー(連続起業家、ここではスポットライトの柴田陽氏)、ドリコム・リクルートの合弁(会社)を、MBOした起業家(平尾丈氏)。(次に)社会起業家(LITALICOの長谷川氏)。そして、注目の女性起業家(ウォンテッドリーの仲暁子氏)と。

そして全員アラサー。アラサー4人とアラフォーの僕が、今日はお送りさせていただきます。まず、ご存知ない方もいるかもしれないので、簡単に1人ずつ自己紹介をしていってください。じゃあ柴田さんからいきましょう。

柴田陽氏(以下、柴田):わたくし、スポットライトという会社をやっております柴田と申します。よろしくお願いします。今、藤田さんからシリアルアントレプレナーというご紹介をいただいたんですけれども、2005年、大学2年生のときに藤田さんの『渋谷ではたらく社長の告白』を読んであこがれて、起業の道に入りました。

その頃はSEOの会社を作って……今でもその会社はあるんですけれども、それをやっていて。ただ、あまりに起業が楽しくって、このままだとろくな社会人になれないんじゃないかという危機感を覚えて、修行をしようと思ってマッキンゼーに入社しました。

3年間くらい働いていたんですけれども、やっぱり起業は面白いなと改めて思ったのと、あとは大企業といろいろインタラクションする中で、起業家だから、スタートアップだからこそできる部分があるんじゃないかと思って、またスタートアップの世界に戻ってまいりました。

今やってるサービスが、「スマポ」「楽天チェック」という2つなんですけども、いわゆるオンラインとオフライン(を繋げる)サービスで、「来店するとポイントが貯まります」というものをやっています。この分野では、先行してやることで市場で一番大きな会社になっています。

昨年、楽天株式会社に買収をしていただきまして、今は楽天グループの完全子会社という形で、会社を次なる成長フェーズに押し上げていく段階でございます。本日はよろしくお願いいたします。

(会場拍手)

MBOから上場 じげん平尾氏

藤田:じゃあ平尾さんお願いします。

平尾:皆さんこんにちは! 次元を超える事業家集団、じげん代表の「友情・愛情・平尾丈」です。

藤田:……ややウケくらいです(笑)。

平尾:ややウケくらいですね。藤田さんには事前に「言うな」と言われていたにもかかわらず、言ってしまいまして申し訳ございません。

わたくし、元々は柴田さんと同じで学生起業家で、学生時代はまさに藤田さんの追っかけでした。ここの中でも追っかけ率はナンバーワンだと思いますけども、起業家の方を「どうやったら起業できるんですか?」とか言いながらいろんなところまで追い回して、プライベートにまで入りこみたいと思いながらもなかなか入れなかったという経験を持っております。

学生時代に2回起業しておりまして、その後競合先だったリクルートさんに入れていただいて。その中で、社内起業という形でこの会社に関わらせていただきまして、両社(ドリコム・リクルート)の株主の皆様に助けていただいたというか気持ちを汲んでいただいて、MBOをさせていただき今に至るという形でございます。何とか去年に上場することができました。

平尾:じげんという会社は事業家集団で頑張ってる会社なんですが、組織というところは構想段階から思想の段階も含めてかなり気をつかっています。生活機会の最大化に向けていろんなことをやっている会社でございます。

平尾:これはちょっと刺激的で、出すと反響が大きすぎていろんな叱咤激励をいただくんですが、やっぱり日本の起業家は規模が小さいと思っております。(なので)規模を拡大していく戦略をとってまして、時価は目標ではないんですが、規模感でいくとこのくらいまでいくぞという形で発表させていただいております。

平尾:今日またお話しできればと思うんですが、我々の会社では、管理者のいない動物園みたいな組織を掲げておりまして、100の事業を支える200の人事制度を作るぞという「ZIGExN ZOO」を……まあ、「ZOO」が200に似てるぞという形でございます。

平尾:いくつか社内制度を持ってきておりまして、現状では50いくつか、私も数えきれないくらいの数を運用しております。いっぱい作っていっぱい消して運用していくという形で経営しております。

平尾:今日はこのメンバーの中で一番いじられ担当になりたいと思っております。おそらくキラーパスが藤田さんから飛んでくるんじゃないかなと思っておりますので、何とか80年代生まれの起業家を盛り上げていきながら、私も頑張っていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

(会場拍手)

精神疾患をもつ子供の才能を活かす「LITALICO」

藤田:じゃあ長谷川さんお願いします。

長谷川敦弥氏(以下、長谷川):皆さんこんにちは。LITALICOの長谷川と申します。僕自身はLITALICOという会社を経営していますが、2008年に新卒でLITALICOに入社しました。入社して1年経ったくらいのとき、創業者が仙台市長選挙に出馬して、そのタイミングでバトンを受けたと。創業者は残念ながら落選してしまったんですけれども、新卒でいきなり100人の会社の社長になったというのが簡単な経歴です。

ウチの会社は、障害者の支援をずっとやってきてます。メインの事業は精神障害者の方の就労支援なんですね。ウチの会社の場合、事業を説明しないとよくわからないのでちゃんと説明させていただくと、うつ病の方とか統合失調症の方とか……統合失調症って幻聴が聴こえたりとか幻覚が見えたりする病気なんですけども、そういう方々を累計1万人くらい就労支援してきたというのが歴史です。

札幌から沖縄まで職業訓練所みたいなものがあって、そこで障害者の方が半年間くらい職業訓練を受けて、就職をしていくと。そういうことをやってきたんですね。

ウチの会社のビジョンとして「どういうふうにすれば障害というものを社会からなくせるのか」ということをテーマに取り組んできたんですけども、僕は自分が支援者として現場に入っている中で、精神疾患の方にインタビューしたんですね。「そもそもなんで精神疾患になったの」「いつ病気になったの」ということをひとりひとりインタビューしていくと、非常に多いパターンというのが、幼少期の頃からの失敗体験の積み重ねなんですね。

勉強がずっとできなくて、日本の(教育システムの)中で学年だけ上がってしまうのでクラスでもバカにされ続けたりとか、親からもお兄ちゃんと比較して「お前はバカだ」と言われ続けたりとか。そういういろんなプレッシャーが溜まっていって、だいたい若年性で発症してるという方が多かったんですね。

そういう彼らが自信をなくして「精神障害者」としてくくられてるんですけども、彼らにとっての本当の障害は何だったのかと考えると、僕は彼らに合った教育というものが社会の側になかったということが、一番の障害だったんじゃないかという結論にたどり着きました。

それから、精神疾患の方を見ていると、めっちゃユニークな方が多いんですね。個性的だなと思える方がすごく多くて。僕らの立てた仮説は、「個性が顕著でユニークな子どもたちが、それを理解してもらえる環境が社会になくて困ってるんじゃないか」と。

それで3~4年前にLeafという発達障害の子どもも通える学習塾をつくりました。発達障害というのはADHDとかアスペルガーとか自閉症とか……たぶん、この会場もADHDの方が多そうな印象を持っていて(笑)。

ADHDは「注意欠陥多動症」といって、こういう場で話を聞くのが苦手な方はそういう傾向が強いですね。そういう発達障害の子の行き場がないということで、実際にLeafという事業をスタートしていったら、5000人くらいユニークな子どもが集まってきたんですね。学校の中でその個性を理解される環境がなくて、可能性をもっと伸ばせるのにもったいない子どもがいっぱいいて。

「Dくん」という子どもがいるんですけど、小学校1年なんですけどちっちゃいおっさんなんですね。僕が「Dくん!」って話しかけても「ええ、ええ」という返事しか返ってこないような子で。小学校1年の1週間だけ学校に行って「二度と学校には行かない」と決意して、今はフリースクールに通ってるんです。

Dくんに「何を勉強したいの?」って聞いたら「バッハを勉強したい」って言ってて、「バッハの何を勉強したいの?」って聞いたら「バッハが死ぬ直前に何を考えていたのか知りたい」って言うんですよ。

そういうすごく才能あふれる、将来の可能性を感じさせる子どもがいっぱいいるんですけど、今の学校教育って同じような子どもを大量生産する仕組みになってしまっているので、その中でどんどん自己肯定感を下げたり、元々持っている好奇心や創造性を奪われていってるんですね。

それが非常にもったいないということで、最近はプログラミング教育として「Qremo」という事業をスタートしました。発達障害の子どもは、興味・関心を持って熱中するとものすごく独創的な作品をつくるんですね。イライラ棒のすごく面白いゲームを作ってしまったりとか、面白いアプリを作ったりとか、3Dプリンターでものづくりするとか。

そういうことを最近は事業として展開していってます。僕らが異才、5000人の子どもを集めて気付いたことは、病院に入院している異才がいる一方で、社会で活躍してる人って異才もすごく多い。

この病院に行かなきゃいけなかった異才と、社会で活躍できてる異才の違いが何なのかということをリサーチしたんですね。そういう流れで藤田さんにも幼少期の頃のインタビューをさせていただいたんですけども、ひとつわかったことは、どこの子どももだいたい同じような学校に行ってるんですね。学校での違いはなかった。でも、違いは親だったんです。

親の教育が良かった結果、伸びている異才がいるということがわかってきたので、次の新しいチャレンジとしては、親向けの教育を日本の文化にできるようにしていきたいというのが、いま挑戦しようとしている事業になります。雑でしたが、以上です。

「Wantedly」の現況

藤田:ありがとうございます。じゃあ仲さん。

仲暁子氏(以下、仲):スライドにあるとおり学生のときに私も起業してるんですけど、それも藤田さんの本を読んでですね……(笑)。

藤田:ありがとうございます。

:「目的がなくても起業していい」みたいに書いてあったんで、そう信じて起業して、目的がなかったので途中で空中分解しまして。別に藤田さんのせいにするわけじゃないんですけど(笑)、起業って大変だなと思って社会人になりました。

:ただいろいろありまして、ものづくりが好きなのでものを作るということが中心になって、結果的に会社化した「Wantedly」というサービスをやっています。仕事で心躍る人を増やすというプロダクトだったりサービスだったりするんですけど、いま月間40万人くらいの方にご利用いただいています。今日お集まりの皆さんの中でも、結構使っていただいている方が多いのではないかと思っています。

:今、5000社くらい使っていただいている状況です。組織づくりに関しては、今はまだ30名くらいの小さな会社ではあるんですが、日々いろいろと試行錯誤しながらやっているところです。よろしくお願いします。

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