2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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藤田功博氏(以下、藤田):IVS 2014 Fall KYOTO Launch Padで4位に入賞されました「KARTE」を運営しておられます、株式会社プレイドの倉橋健太さんにお越しいただきました。ありがとうございます。
倉橋健太氏(以下、倉橋):ありがとうございます。
藤田:まずは率直に今のお気持ちをお聞かせください。
倉橋:率直に申し上げると、悔しい。その一言に尽きるかなと思っています。
藤田:やっぱり、勝ちたかった?
倉橋:そうですね。僕だけでなく、応援してくれる人もそうだし会社のメンバー全員で1位を目指していたので、僕がそれを果たせなくてすごく悔しいなというのが正直な気持ちですね。
藤田:ありがとうございます。ではまず簡単にサービスの紹介をいただけますでしょうか。
倉橋:弊社は「ウェブ接客ツール」というところで開発を進めているんですが、現状はECのネットショップさんに限らず、今この瞬間サイト上にどういう方が来られていてどういう状況にあるのか、っていうのを全くわからずにサービスを提供している。
これが今のネットサービスのベースなのかなと思っていて、そこをリテラシーの低い企業様でも、人でも、簡単に把握して、その人たちに瞬間的にアクションを返せるような、そういうプロダクトを開発しています。
藤田:そういうプロダクトを開発しようと思ったきっかけはあるんですか?
倉橋:2つありまして、ビジネスと技術と両方なんですけれども、私が2005年から2011年の末ぐらいまで楽天におりまして、主にデータを活用してサイトの体験を人によって変えていくようなところのディレクションをやっていたんですね。ただなかなか、データを活用してお客様の環境を変えてあげるということが一般的なECの店舗様の方までは行き届いていない。
プラットフォーマーの方でしかそういうのは実装できていないのが現状で、プラットフォーマーもすごく力技でやっている部分があるんですね。なので、それをすごく簡単にできたらもっとクライアントさんもその先の消費者の方もハッピーになるよね、というのがまず1つです。
もう1つは技術的な側面で、弊社のCTOの柴山が機械学習とかその辺りの研究を博士でずっとやっていた人間で、今後解析系の技術がどういうふうに進んでいくのか、どういうインフラが必要になるのか、そういう2つの延長線上に今のKARTEがあるというところですね。
藤田:もともと会社を創業されたのはいつなんですか?
倉橋:2011年の10月ですね。
藤田:それから徐々にプロダクトを開発されて今に至る、と?
倉橋:最初はECの店舗様のコンサルティングをしたり、iOSのアプリを作ったり、どこに本腰を据えてやっていくのかというのを考えつついろいろやっていたんです。実は柴山とは起業した後に出会っていて、そこから今のKARTEの種になる部分を一緒に考えていったんですね。
藤田:Launch Padに出てみようと思われたきっかけ、動機というか、どうやって知られたんですか?
倉橋:先輩起業家さんたちが出て、そこを経てご活躍されているというのをソーシャルですとか人と会うときに感じていました。あと、弊社が半年ぐらい前に資金調達をしていた時にIVPの小野さんとお会いする機会があり、そこでIVSの魅力を教えていただいて、これはタイミング的にもいいかな、目指そう、ということでみんなでがんばりました。
藤田:今回は予選から書類審査、第一次審査も結構ハードルが高い激戦になったみたいですが、実際に出られてみてどういう印象でした?
倉橋:僕らは応募している側なので、激戦かどうかは全然わからないじゃないですか。激戦っぽいとは聞いてはいるけど、あまり気にしても仕方ないので、とにかく自分たちの魅力を本当に伝えるためにはどうすればいいのかを常に考えていました。
選考過程でいろいろIVPのみなさんからもアドバイスをいただいて、特に数字とか実績とか、みなさんが興味をそそられるようなところをもっともっと盛り込んだ方がいいとか。ちょっと優等生的になっちゃっていた部分もあったのですごく参考になったというか、自分たちを見つめ直すという意味ですごく良かったなと思っています。
藤田:今日はどんな精神状態というか、どういうことを考えて会場入りされていたんですか?
倉橋:プレゼンの心配とか人前で緊張してどうのっていうところより、まず起きられるかどうかですね(笑)。そこがいちばん心配で……。そこをクリアした時点で「今日はいけるな」っていう感じで挑めていました。
藤田:じゃあ前日もけっこう夜遅くまで練習されていたんですか?
倉橋:そうですね、あまり寝てないですね。
藤田:順番が回ってきて自分のプレゼンテーションがスタートする瞬間は、どういう気持ちでしたか?
倉橋:前職時代にも結構大きな箱でプレゼンをすることはあったので、緊張自体はほとんどなかったんですね。何より気になっていたのは、大勢の方にお聞きいただいていたので、その方たちがご興味を示してくれるのかどうかっていうのがいちばん気にしていたところです。話を進めるにつれてみなさんの顔がどんどんどんどん上がってきていたので、それはすごくうれしかったですね。
藤田:ご自分のプレゼンが終わられて、他の方がプレゼンされるのをどういう気持ちで聞いておられたんですか?
倉橋:やっぱり自分が発表するまではそこまで真剣にみなさんの発表を見れていたわけではなくて、自分の頭の中でリハーサルをしていたわけなんですけれども、終わってからは不思議と自分たちの後の人を応援する気持ちでずっと見ていましたね。
藤田:冒頭の質問と重複しますけれども、発表が終わった後、4位で呼ばれました。その瞬間に感じたことは?
倉橋:もう5位のところから「来るな来るな」とずっと祈り続けていたんですけど、結構早く来たので(笑)、ちょっとびっくりしたんですけど。今回1位にはなれなかったので、また1位を目指すチャンスというかモチベーションが僕も含めてみんなに生まれていると思うので、そこはポジティブに捉えてやっていきたいなというところです。
藤田:もともとプロダクト自体は少しずつ浸透していっているというか、プレゼンの中でも「こういうところで採用されています」というお話もされていたんですが、やっぱり手応えというのはあるんですか?
倉橋:そうですね。Webだからどうとかあまりそういうことではなくて、本来は小売もそうですし、サービスってお客様あっての話だと思うので、そこの部分をもう一度見つめ直して行ったケースに関しては数字が出ることがすごく多くて、そういう意味ではやりがいもありますし、Webをもっともっと豊かな体験にしていけるのかなと思っていて。進捗はまだまだ伸ばしていかなくてはいけないですけど、ワクワクしているタイミングですね。
藤田:今日舞台を降りられた後、すでにいろんな方と出会いがあった感じなんですか?
倉橋:いろんな方にお褒めいただいて、少しばかり傷が癒えたところですね(笑)。
藤田:それほどショックだったんですね。
倉橋:ショックといえばショックですが、ただ「凹む」という感じではなく、「もっともっとやれることがあったんじゃないのかな?」というのを探していたような感じです。
藤田:逆に、上位入賞した1位、2位、3位を見てどうですか? 納得感はあるのでしょうか、それとも「いや、これは」という気持ちなんでしょうか。
倉橋:うーん、まぁ両面やっぱりあるのかなと思っていて……。僕らはまだサービスのローンチを明確にはしていない、クローズドβで今の運用をしている部分もあるので、そういう意味ではもっともっと精度を高めて、今日は無理でしたけど、いつかはもっともっと上に行けたらいいかなという風には思っています。
藤田:先ほどと少し重複しますけれども、これからの展開とか、どういう風に導入していただけるような企業を開拓していくのか、戦略はありますか?
倉橋:はい。まだリアルタイムの解析をベースにしたプロダクトは、国内も海外もまだまだ少ないなという印象で、これまでのリアルタイムって、数分前とかそういうスパンなんですよね。ただ弊社の場合は本当に1秒以下、0コンマ数秒で全部終わらせるというような話なので、技術的にも製品的にもかなり新しいと思っています。
なので、例えばECのカートASPさん、カートシステムをご提供されている企業様とか、それから今日もご挨拶させていただいた広告代理店さんとか、いろいろな企業様と一緒に組みやすいポジショニングかなと思っています。なので、積極的に相互にWin-Winになれるようなアライアンスを組んでいきたいかなと思っています。
藤田:1個1個開拓するというより、ある程度ネットワークやコネクションを持っているようなところと提携したりということですね。じゃあ、もともとおられた楽天さんとかにも……?
倉橋:みなさんに言われます。ちょっと前職に関しては、タイミングを今見計らっているようなところですね。
藤田:なるほど。提案した時、お客さんの反応はどんな感じなんですか? やっぱり相当理解されて導入される企業さんが多いんですか?
倉橋:そもそもリアルタイムにお客様に対して何かを返していくようなマーケティングってWebだとまだないので、僕らもトライしている段階ですし、使っていただく企業様もトライしている段階です。なので、どういうのがベストプラクティスなのかっていうのを一緒に探しているような感じなんですね。
完全に理解してお使いいただくというよりは、ビジョンであったりだとか、今日の発表でもユーザーがガーッと流れているところがあったと思うんですが、あんな風に自分のお客様がもう目に見えて把握できるところ、そしてその瞬間に働きかけられるようなところ。その2つに特に反応いただくことが多いですね。
藤田:ありがとうございます。では最後にカメラに向かって、これから次回のLaunch Pad出場を目指す方にアドバイスというか、何か一言いただければと思います。
倉橋:はい。今回のLaunch Padへの応募、登壇は、これまでの自分たちを見つめ直すいい機会になったなと思っています。あと、チームが団結して強いチームになる1つのきっかけになるなという印象も感じているので、もう「出るか出ないか」ではなくて、基本的には「出る」1択でいいんじゃないかなと思っています。ぜひチャレンジしてください。
藤田:ありがとうございました。今回はIVS 2014 Fall KYOTO Launch Padにて第4位に入賞されました、株式会社プレイド「KARTE」を運営しておられます倉橋健太様にお越しいただきました。ありがとうございました。
倉橋:ありがとうございました。
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