2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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藤田功博氏(以下、藤田):IVS 2014 FALL KYOTO Launch Padで第2位に入賞されましたPopSlideを運営しておられますYOYOホールディングスの深田洋輔様にお越しいただきました。おめでとうございます。
深田洋輔氏(以下、深田):ありがとうございます。
藤田:まずは、率直な今のお気持ちを。
深田:むちゃくちゃ悔しいですね。今日に向けてかなり練習もしてきたりだとか、いろいろ考えることもあって当然本気を出してきたんですけども。最後まで名前が呼ばれなくて、2位で呼ばれた時にはちょっと「あぁ、ちょっと足りなかったか……」っていう。
藤田:じゃあ、絶対優勝という意気込みで。
深田:そうですね。私たちの会社はメンバー全員フィリピンのマニラにいることもあって、彼らに「優勝を持って帰るぞ!」と言っていた手前、2位だったのでフィリピン帰れるのかな……と思ってます。
藤田:もしかしたら、スタッフもフィリピンからUstreamの中継を見て応援してたんですかね?
深田:そうですね。そうだといいなと思ってます。
藤田:では、サービスの内容を改めて聞かせていただくのと、先ほど会社のこともお話しいただきましたが、そちらのご説明もお願いいたします。
深田:私たちは新興国のAndroid携帯向けにロックスクリーンの広告を流しているアプリを展開しております。新興国の皆さん、みんなプリペイド携帯を使っているんですね。
9割以上プリペイドなんですけど、みんなその残高が足りなくってインターネット使えないと。そういったものを我々が全部リワードという形で無料でユーザーの人に配っている。Androidのユーザーたちがみんなインターネットにつながっていないものを、我々がどんどんオンラインにしていく、そういうようなサービスを展開しています。
藤田:プロダクトはいつ頃にリリースされたんですか?
深田:今はフィリピンだけでやってるんですけど、8月の中頃に公開しました。
藤田:このプロダクトを出すために起業されたんですか?
深田:いえ。結構紆余曲折みたいなのもありまして。元々ブラウザだったりとかガラケーでもできるような、全デバイスに対応したサービスをフィリピン・インドネシア・タイで展開していたんです。
ただ、我々も新興国でずっと生活してるんですが、この1、2年の間に携帯の使われ方がどんどん変わっていったんですね。
具体的には、Androidって昔、新興国じゃ全然使われてなかったんです。スマートフォンが非常に高いから、彼らにとっては少し贅沢品だったんですよね。
でも、今はみんな簡単に買えてしまうぐらい安いものがどんどん出回っていってることもあって、もうみんなAndroidを持ち始めた。これ、マーケットが変わることを意味するんで「これはアカンわ」と。
既存のサービスは伸びてはいたんですけど、もっと今後来るであろうという市場に早めに変えていかないとダメだねってところで、ブラウザ版のサービスからAndroidへ一気にシフトしたというのが、今年の夏ぐらいに決めたことですね。
藤田:Launch Padに出た動機って、PRのため?
深田:そうですね。海外で事業していることもありまして、ユーザー様だったりクライアント様だったり、仕事で関わる方って全然日本と関係なくて、正直最初出る目的ってなかったんですよね。ただ、応募した理由は大きく2つあって、1つは同じように東南アジアで頑張る仲間たちをもっと増やしたいなっていう。
フィリピン以外にも、ベトナムだったりインドネシアだったりタイだったりシンガポールだったり、日本人はいろんなところでスタートアップやってるんですけど、まだまだ少ないなと。
もっともっと日本人は日本を見るだけじゃなくって、海外で勝負をしていかないといけないんですけど、海外志向の人がいたとしても、彼らはアメリカに行くって言うんですけど、そうじゃないだろうと。
今のメインストリームって絶対東南アジアなんで、そこに対して1人でも2人でも、もっともっと同志たちを呼び込むことをやっていきたい。東南アジアの魅力をもっとスタートアップの関係者の人々に伝えていきたいなというふうに思っていたのが大きな目的です。
もう1つは、今かなり採用に力を入れてることもあって。海外で働きたいなって思ってるエンジニアの方って結構いると思うんですよね。そういう人々に対して、「海外で働く」って選択肢はそんなに難しくないんだよと。
私たちもそういうものをいろんな方に伝えていきたいと思って、今回IVS出させていただいたっていう背景がありました。
藤田:Launch Padのことはすでに知っておられたんですか?
深田:そうですね。何でですかね? 知らない人っておそらくあんまりいないんじゃないですかね? これだけ過去のトラックレコードっていったらアレですけども、参加者の方々の実績だったりだとか、かなりその後著名になっているのかなという事もありまして。
私もフィリピンからUstreamでLaunch Pad観ていたので、だいぶ前から知っていました。
藤田:実際予選に出られてさまざまなフィードバック―ここ変えたほうがいいとか、こうしたほうがいいって、IVPの面々からあったかと思うんですが、どういう内容でしたか?
深田:日本人に伝えるって、実はこれまであんまりしたことがないんですね。東南アジアの「当たり前」は日本人の「当たり前」じゃないんで、いかにそれをシンプルに本質を伝えるか、すごく難しかったです。
最初、私のプレゼンが結構ムダに長かったというか。東南アジアの背景について説明をちゃんとしないと伝わらないよねと思って長くなってたんです。
でも(IVPの皆さんからのフィードバックで)要らないところをどんどん省いていって、本当に伝えなきゃいけないことはココだけだよね。
じゃあここにフォーカスしようといったようなイントロの部分や、あとは細かいところもたくさんあるんですけれど、ユーザーにとってどのぐらいこのサービスって求められているのかなとか。
そういうプロダクトのビフォーアフターの世界とかももっと伝えていったほうがいいよねとか、そういうフィードバックは毎回のようにいただきまして、それをどんどん反映させて。結果としてすごくいいものができたのかなと思っています。
藤田:いざ本番が今日(2014年12月4日)ということだったんですけど、何日前から日本に入られたんですか?
深田:日本に入ったのは、11月の最終週ぐらいですかね。Launch Padの最終面接が最後の週にあったので、その少し前に日本に戻っておりました。
藤田:会場入りされて発表を待つ間、どういうお気持ちだったんですか?
深田:実は今回のプレゼンをやるにあたって、結構前回の入賞者の方や、いろんな人に事前にプレゼンを観てもらったりしたんですね。
そうすると、皆さん、本当に口揃えて言うのは「直前までに絶対変わるよ」と。皆さんに「最後の最後で大きく伝えることが変わったりすることもあるから、ずっとそれだけ考えて見直して、最高のものを最後までこだわって作り続けろ」みたいなことを本当に言われたので。
ずっとこのストーリーラインでいいのかというのは、他の登壇者のプレゼン片耳で聞きながら片手でずっと作ってるみたいな感じでやっていました。
藤田:パーティーに出てる場合じゃないぞと。
深田:そうです。パーティーは、昨日は1回も出なかったです。出たかったんですけど。
藤田:冒頭でもお聞きしましたけど。いざプレゼンを終えて、結果発表って時に、やっぱりあの結果だとちょっとガックリ……?
深田:そうですね。優勝しなければ意味がないなといつも私は思っているんで。“Winner Takes All” って言葉あると思うんですよね。
当然入賞というものは非常にありがたいし、皆さんにこうやって知っていただけるということは大変光栄なんですけれども。
よく「日本で一番高い山なに?」って言うと、みんな富士山って答えられるんですよ。しかし「2番目に高い山は?」って言うと、答えられないんですよね。私はそれが全てだと思ってて、やっぱり1位にならないと意味がないという哲学を持ってるので、やっぱり非常に悔しいと思っています。
藤田:なるほど。2位で、さっきの喩えだと北岳になっちゃった、みたいな。
深田:そうですね。プロダクトをしっかり成長させて、実績で見返してやろうと思ってます。
藤田:わかりました。じゃ、今日プレゼンを終えて、いろんな方からフィードバックいただいたり、あるいは、このプレゼンの練習を通じて見えてきた未来というか、今後の展望について教えてください。
深田:まず、多くの人に「すごいよかった」って言ってもらえたことは嬉しかったです。プレゼン自体はすごく評価していただいたんで「よかったな」と思ってる一方で、やはりもっともっと東南アジアのことを日本人みんなに伝えていかないといけないなって思ったんですね。
やっぱりみんな、日本やアメリカばかり見てるんで、「アジア伸びてるよね、でもあんまり分かんない」とか、ちょっと「自分のこととは関係ないかな」っていうふうに言ってしまえる、ちょっとあんまり知らない世界だと思うんです。
それは、やはり向こうで起業している私たちが積極的に日本人にフィードバックをしていかなければ、そもそも興味も持ってもらえない。
でも、絶対におもしろいマーケットなんで、そこを積極的に伝えることによって、1人でも2人でも、この今、世界で一番熱く伸びている新興国のマーケットに挑戦者が出てきてくれたら、私としてもすっごい嬉しいなと。そういう気付きになったのはよかったです。
藤田:ありがとうございました。では、最後にカメラに向かって、次回以降のLaunch Padに出て優勝するぞ、と意気込んでおられる方にアドバイスというか、一言いただければと思います。どうぞ。
深田:(正面を向いて)お話の中でもあったんですけど、最初に最高のプレゼンを作って予選に申し込むんですよ。それにむっちゃダメ出しされて、次の2次面接までに反映させて、「これでもまだ問題あるんか」って完成度のプレゼンを出すんです。
で、またケチョンケチョンに言われて、最後まで私もずっとこれが最高だ! って思ったものを作り続けて、でもダメなものが常にあって、そこで磨いていく中で「実はこの事業の本質ってここじゃないかな?」とか気付きもあったりするんですね。
なので、そもそも参加すること自体、自分の事業の本質を見直すいいきっかけにもなるかなと思うので、まずは参加することが本当に大事かなと自分の経験を通じて感じました。ぜひ、頑張ってください!
藤田:ありがとうございました! IVS 2014 FALL KYOTO Launch Padで見事2位に入賞されましたPopSlideを運営しておられますYOYOホールディングスの深田洋輔様でした。ありがとうございました!
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