2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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荒木:次にスマートニュースなんですけれども、スマートニュースってまさに言語を扱うコンテンツで、ああいうタイル型レイアウトで結構見出しとかも短くコンパクトにまとめるところにすごく細かい労力を割かれたと思うんですけど、あれが英語になっちゃうと、結構全体が崩れたんだと思うんですけど、その辺りどうしたんですか?
鈴木:そうですね。今言った部分っていうのは、日本語を形態素解析していて、どの位置で折り返すと読みやすいかっていうところを判定しているんですけども、英語の場合だとそもそもスペースがあるので。
荒木:そうですね。
鈴木:やる必要がなくてかえって楽なんですよね。
荒木:あー、なるほど。
鈴木:一方で、日本の場合だと日本語じゃないですか。英語対応するといった時には、今度、イギリスのニュース、フィリピンのニュース、インドのニュースも全部拾ってきちゃうわけですよ。
US版をつくるというと、逆に、このニュースは本当にアメリカ人向けなのかと。例えばフィリピンのニュース、インドのニュースがどんどんあがってきちゃうと、それはアメリカ人には面白くないと感じることもあるわけなので、そういうのをちゃんと判定するところの裏側の基盤っていうのを作るのには、かなり時間をかけてやりました。
荒木:なるほど。
鈴木:読者にとってどのコンテンツが面白いかを各国ごとに判定する、っていうところを入れるという基盤の開発をしています。
さらに、ユーザインタフェースの部分についても、さっき山田さんがドン・キホーテって言っていましたけども、比較的スマートニュースってシンプルなデザインなんですけども、やっぱり若干日本人っていうのは、ごちゃっしたギュッと詰まったデザインが好きなんです。
けれども、アメリカ人はすごくクリーンなデザインが好きなので、そこを改善しなきゃいけないと。それもユーザーテストをやってわかったわけですね。で、アメリカに進出するにあたってCEO2人だけがアメリカに行っているとよくないなと思って、社員全員がアメリカで一週間合宿しに行ったんですよ。その時にユーザーテストもやりました。
そのあとに、FlipboardのiPhone版のデザイナーをやっていた、クレイグ・モドと知り会って、彼にデザインディレクションしてもらいながら、ユニバーサルなグローバルで通用するデザインを、日米同じバージョンとしてSmartNews 2.0ということで日米同時に出しました。
かつ、日米同時にデザインが変わるというだけではなくて、今スマートニュースをインストールされている方は設定画面からUSエディションを選べば、日本にいてもアメリカのニュースが見られるし、逆にアメリカにいる日本人が日本のニュースを読むこともできると、そういう形の製品にしました。
荒木:なるほど。では最後に各社から、皆さまそれぞれのやり方でグローバル展開というのをしてきたわけですけれども、その中で感じた、あるいは学んだ、日本のスマホ企業にとってグローバル展開する時にはどういうものが課題になるのか。
そしてまたそれをどう乗り越えていくべきなのかっていうところを、ご自身の会社にとって、またここにいらっしゃる皆さんに向けてのメッセージを含めて、こうやっていくぜ、っていうお話をしていただければなと思います。じゃあ池谷さんからお願いします。
池谷:そうですね、弊社もそうですけど、皆さんすごく海外で、グリーさんも何年もかけて……。さっき質問しようかなと思ったんですけど、グリーさんは今海外事業はないとして、ゼロから海外事業を立ち上げるとしたらどうやってやるのかなって。さっき違うやり方するかもしれないとおっしゃっていたんで、それくらい最初の想像と違うんですよね。
気軽な思いでいくんだけど、やっぱり全然違くって、スマートニュースさんもたぶん課題をお抱えだし、メルカリもたぶん抱えているし、CocoPPaもたぶん、CocoPPaはそういう面ではヒットしちゃったから一番大正解な可能性ありますけど。
(会場笑)
池谷:一番いいパターンですよね。しかし真の成功できている、いわゆるマネタイズ含めて出来ているプレーヤーってまだそんなにいないと思っているんですよね。なのでやっぱり、真のマーケティングっていうか、何が正しいのかっていうのが誰も答えを出せていない。
そこが我々面白くて、誰がそこにたどり着くんだということだと思っているんで、課題というのは、正しいマーケティングが何なのかというのは僕の中で腹落ちはしてないということ。ただ、さっき言った通り地球は一つなわけで、スマートデバイスは世界中に広がっていく中で、国内で留まっていいわけがないですよね。
僕らは子供向け、日本は少子化ですからいずれ市場が小さくなってしまうし、ただ日本人が持っているそのテクノロジーであるとか情熱であるとかそういったカルチャーは必ず通用するものがあると思っているんで、やっぱりチャレンジを続けるしかないと思っています。
もうやらない理由はないっていうか、企業をやっている限り世界を目指さないっていう理由はどこかにあるのかというのが僕の中ではあって、こういった場でいろいろ情報収集しながら確度を上げていって、必ず誰かが成功しているといいなと思っているし、それを速やかに自分でもキャッチアップして成功させたいなと思っています。
荒木:ありがとうございます。じゃあ鈴木さん。
鈴木:そうですね、スマートニュースはまだまだ、グローバルで成功しているとは全然いえない状況で、アメリカでローンチしてまだ2か月で、それなりのユーザー数はついてはいるもののまだまだこれから成長していかなきゃいけないし、やらなきゃいけないということもあるということで課題がたくさんあるんですが、やっぱりプロダクトだと思います。
スマートニュースがアメリカで人を採用したりとか、チームを作れたのも結局そのプロダクトがいいと思ってくれたからなんですね。さっきのリッチはブルームバーグのガジェットコラムニストなんですよね。
荒木:はい。
鈴木:だからプロダクトに対するセンスがすごくあって、「これ日本語で何書いているかわかんないけどこのアプリは良いと思った」と言って、口説いてないけれど入ってくれたんですよ。
荒木:すごいですね。
鈴木:だからプロダクトが重要だと思うんですけれど、今のスマートニュースがプロダクトとして、本当に10億人までいけるかっていうと、全然イノベーションが足りない。もっとよくしなきゃいけない。
だから、プロダクトとしてのイノベーションをもっともっとやっていく必要がある。もっともっと自分たちの目線を上げなきゃいけないと思っています。
もう一つはビジョンで、日本以上にアメリカで活動するというのはビジョンが要求されます。とにかくビジョンをしっかり語らないと採用もできないし、ビジネスも進んでいかない。だからそこの部分が、特に日本人の起業家の方はビジョンを語るのが苦手な方が多いので、僕も下手くそな英語でビジョンを語るんですけど。
(会場笑)
鈴木:幸いにして僕、もともとそういうビジョンから入るタイプだったんで、そういうのはあんまり苦手ではないんですけども。そのプロダクトをとにかく目線をどんどん上げていくということと、ビジョンを語る。この2つじゃないかなと思います。
荒木:ありがとうございます。山田さん。
山田:そうですね、僕も全然まだ成功できている立場でもないので、課題っていうか、むしろ成功するために、一つ一つの問題全てをいかにクリアしていくかというステージだと思っています。やっていてすごい思ったのは、何かいろいろな先入観で話されることが多いんですね。
さっきの話ではないですけど、いい人なんか採れないよみたいな話とか、アメリカのVCって日本の会社に投資しないよとか、ただ実際話してみるとすごく関心を持ってくれたりしているし。
とにかく行って、こうじゃないかっていうのを試して、失敗して、軌道修正して、みたいなことをとにかく繰り返していくしかないかなっていう。
あらゆるプロダクトだろうがマーケティングだろうが、今までも数多くの失敗を2014年の4月からだけでもしてきているんですけど、いかに早く失敗して早くリカバリーして成功への方程式みたいなものを見つけて、バーッとやるかっていうところかな、っていうふうに僕は思っています。
荒木:頭でっかちにならない?
山田:そうですね、やっぱり行ってわかることって相当あるかなと僕は思っていますね。
荒木:そうですね、はい。
山田:住んで、現地のサービスとかを使ったりとかは本当にすごい重要ですね。本当にあらゆるサービスがシリコンバレーで実験的に試されているんで、そういう中でこれは面白いとか、そういうエッセンスみたいものをいかに取り入れてトレンドに乗っていくか、みたいな感じかなって思っていますね。
荒木:ありがとうございます。じゃあ最後お願いします。
手嶋:僕は逆に、皆さん試行錯誤されているというのは同じですね。多少時間がかかると思うんですね。すぐ撤退しちゃったら成功しないし、いずれにしろここにいる方々は資金調達成功されたり、グリーさんもゲームが当たって、当社もいろんな他の事業が儲けてくれているから海外チャレンジできるというのがあって。
ちょっとやそっとじゃ「撤退しなきゃ」みたいなことにならない、日本での基盤がまず絶対条件かなと思ったんで、逆にスマホアプリでそれがある企業はもうすぐにでも何か始めたほうがいいですよね。チャレンジしたほうがいいかなと思います。
荒木:ありがとうございました。では時間がほんのちょっとだけありますので、会場から質問が1件か2件くらい受け付けられると思うんですけれども、質問ある方いらっしゃいますでしょうか?
質問者1:楽天の北川です。非常に勇気の出るお話で僕はすごく嬉しかったんですけども、ありがとうございます。もうちょっと生々しい感じで皆様の今抱えている大きなイシュー、グローバル展開する上においてここやばいんじゃないかと思っている話をいただけると嬉しいです。このイシューは絶対解決しないといけないな、と思っているような。
荒木:「俺が1番問題を抱えているはずだ!」と思う人、誰ですか?(笑)
山田:僕、個別の問題で言うと、プロダクトにおいてセントライズして作るべきか、そうでないべきかというところがあるかなと思っていて、例えば最近のトレンドとしてはFacebookにしても、Uberにしても、Airbnbにしても、ツイッターにしても、全部セントライズされて作っているんですね。
一つのプロダクトを作って、それをなるべくカスタマイズしない形で全世界にパブリッシュしていくというか、オペレーションを作っていくって形になっていて、このあいだグルーポンの人と会った時、グルーポンもいろんな会社を買ったんだけど、結局もうセントライズしてプロダクトを作って、それを現地の人に使ってもらっているっていう感じになっているんですね。
うちもそうするべきかっていうのは今すごくあって、しかも日本で作っているんで、日本で作り続けるのがいいのか、シリコンバレーにもエンジニアリング部隊を作って(プロダクトを)作るのがいいのか、その場合プロダクトをどうオーナーシップを仕切っていくのかとか、そこは結構難しい問題だなって思って考えています。
荒木:ちなみにグリーは、分散開発に挑戦して失敗しまして、やっぱりコミュニケーションってすごい重要、かつ一貫した哲学の元にプロダクトは隅から隅までデザインしなきゃいけないんで、やっぱり一つのプロダクト作るのは一つのチームなんだって思うんですよね。
ゲームとかは、このゲームはアメリカでとか、これは韓国でとかタイトル単位で分けられるからいいんですけど、メルカリみたいな共通プラットフォーム的なものを分散開発で成功させるには、かなり工夫が必要になりそうですね。
山田:はい。
荒木:感想でした。ということで、時間いっぱいとなってしまいましたので、こちらで終わりにさせていただきたいと思います。ということで各社それぞれの取り組みとか課題とか、それに対するどういう動きをしていったかみたいなことがそれぞれ違いがわかって、非常におもしろかったかなと思います。皆さんどうもありがとうございました。
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