2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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佐俣アンリ氏(以下、佐俣):よろしくお願いします。まずはお二人の自己紹介からいきましょうか。中俣さんからお願いします。
中俣博之氏(以下、中俣):中俣と申します。今はLITALICOという会社の取締役として、経営に携わっております。
LITALICOというのは障害を持った方々、精神障害だとか身体障害といった方々の就労支援をするような事業をやっていたり、あとは障害を持った子どもたちのための幼児教室をやっていたり、子どもたちにプログラミングとかロボットとかクリエイティブな教育を届ける施設をやっていたりというような、リアルのことを強みとしている会社になります。
元々は2008年、いま守屋さんがいるDeNAに入って、丸6年くらい働きました。いろいろやりましたね。趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)というシニア向けSNSの立ち上げをやったりとか、マーケティングでテレビCMを作ったりとか、あとは人事ですね。採用をやっていたり、社長室時代は守屋さんと一緒に海外の戦略、海外支社での経営企画みたいなのをやったりとか。
最後はゲームの事業部をひとつ見させていただいて、ゲームを作ってました。そういう形で、今年からLITALICOという会社に入っていろいろやってます。よろしくお願いします。
佐俣:今は何歳ですか?
中俣:30歳になりました。(佐俣氏と)一緒。
佐俣:同い年ですね。
守屋彰人氏(以下、守屋):同い年なんですね。
佐俣:そうなんです。で、転職したのが29歳の年。
中俣:この7月とかですね。入って本当に5ヶ月とか半年とか、それくらいですね。
佐俣:どちらかというとDeNAのほうが全然長い。
中俣:全然長いですね。
佐俣:じゃあ、そこらへんを根掘り葉掘り(笑)。
中俣:葉掘りくらいでお願いします(笑)。
佐俣:はい(笑)。じゃあ守屋さん、お願いします。
守屋:守屋と申します。今、DeNAでeコマース事業の責任者をやっています。eコマース事業というのは、DeNAが1999年に創業してからの古くからの事業、数多くの事業を背負っているんです。例えば「ビッダーズ」という名前で知られていますけども、楽天さんがやっているようなオンラインのショッピングモールだったりだとか、あとは「モバオク」というオークションビジネスだったり。
他にもオンラインの旅行事業「エアーリンク」という会社だったり、決済代行の「ペイジェント」という会社だったり、「BtoB market」という卸のオンラインサービスだったり、それこそ中俣さんが以前立ち上げられた趣味人倶楽部の事業だったり、数多くの事業がeコマース事業本部の中に入ってまして、そこの責任者をやっています。
私が大学を卒業して一番最初の会社に入ったのが2003年でして、最初はソニーに入ったんですけど、ホームオーディオの経営企画・商品企画をやった後にソニーエリクソンのスウェーデン本社に行って。今度はアプリケーションとかサービスの企画として、ロケーションベーストサービスだったり、NFC(Near Field Communication)だったり、そういった新規事業を担当してました。
日本に帰ってきてからXperiaとかも担当したんですけど。その後にA.T.カーニーというコンサルに行って、2010年の9月にDeNAに入ったと。社長室に入って、当時はモバゲーが国内でトップを争うような形で非常に成長してまして、「さあこれからグローバルだ」というタイミングで。
今でも懐かしいのが、入社して1週間経たないくらいのときに南場(智子)から「韓国に行ってこい」と言われて。まだ会社の中身もそんなにわかってない状態で韓国に行って、サムスンエレクトロニクスのプリインストールの交渉をしたり。
そういうことから始まり、社長室を経て今度はアメリカのngmocoという子会社を買収して、そこのアライアンスの責任者として米国に1年近くくらい行ってまして、帰ってきて今度はゲームの戦略担当と。そして今はeコマースという形で、転々としている感じですね。
佐俣:なるほど。めちゃくちゃたくさんの仕事をやった感じですか? 社内で仕事人というか、「こういうめんどくさいものがあるからやっとけ」みたいな、難しいものがあるからパスみたいな感じなんですか。
守屋:どうですかね。周りの社員が自分のことをどう見てるかはわからないですけど、自分としてはバリューが出せることなら何でも引き受けて、精一杯やって、少しでもユーザをワクワクさせたいなと。そういうような思いは強くありますね。
佐俣:なるほど。
中俣:実際、難しい課題とかだと、論点整理をバババッとしてくるんで、なんかモヤッとしたのは守屋さんに投げるみたいな(笑)。そういうのは当時からありましたね。
佐俣:お二人が一緒に仕事してたのは、社長室配属の時ですか?
守屋:そうですね。
中俣:ただ守屋さんは割とアメリカ側、僕は韓国側とかでロケーションも現地だったりするんで、たまに日本に帰ってきて席が前で「元気?」「アメリカどう?」みたいな。
佐俣:ちょっとかっこいいですね、それ。グローバル企業感がして良い。
守屋:当時の社長室というのが、全世界、各地のエグゼキューションをサポートするような戦略部隊という位置付けだったんですね。ですのでメンバーが……そのときどれくらいいたっけ?
中俣:5~6人?
守屋:5~6人くらいかな。ほとんどが海外出張でいなくて、みんなが揃うタイミングがほとんどないっていう。
佐俣:じゃあみんな帰ってきて「あの国はどうだ」みたいな。
中俣:1回くらいありましたね、全員揃ったの、みたいな。1日だけ揃うみたいな。
守屋:その後「飲みに行こう」みたいな、そういう感じですね。
佐俣:なるほど。そういうかっこいい仕事をしていたんですね。今はDeNAに4年?
守屋:丸4年経って5年目ですね。
佐俣:年齢的には?
守屋:34歳です。
佐俣:ありがとうございます。どこから聞きましょうかね。
中俣:テーマ?
佐俣:どこからやりましょうか。
中俣:働くとは何か? じゃなくて?(笑)
佐俣:じゃあ、まず……お二人ともいくつか会社を選ばれてるんで、そもそもどういう経緯でこの会社に入って、なんで今の仕事をしてるのかみたいなところを掘っていきましょうか。特に二人とも共通でDeNAというインターネット業界の偉大な会社にいるんで、そこを厚めにぜひ。
中俣:僕は経験した会社はDeNAしかないんですけど、就活のときに、まさに今LITALICOでやってることを将来やりたいと強く思ってたんですね。
佐俣:それは学生のときから?
中俣:そうですね。障害を持った方々の支援というか、サポートをするための人生をやりたいって決めてたんですけど、いきなりその分野に行っても、よくある「一人で終わる」可能性が……。
佐俣:一般的にだとNPO(の領域)……。
中俣:そうそう。福祉施設とかはどちらかというとそういうプロセスで、既存の枠組みの中での最大化しかできないじゃないですか。新しい産業とか新しいモデルの提言となるとそれなりに力が必要だと思ってたので、就活のときは本当にもう、めちゃくちゃ力が付けられる産業に行きたいって思ってたんですね。
ロジックを組むと、成長産業か重厚長大かでいうと成長のほうがいいし、優秀な人の密度が濃いか薄いかでいったら濃いほうがいいし、若手が活躍してるファクトがあるかないかでいったらあるほうがいいし。そういう二進法を積み上げていったときに、当時の僕は選択肢がDeNAしかなかったんですね。
当時はまだ100人超えたくらいのタイミングで、「南場さん」がいたり「守安(功)さん」がいたり面接で出る人がみんなすごいし、成長してるし、入らない理由を探すほうがむずいな、みたいな。
佐俣:ちなみに、学生の頃はネットベンチャーを受けたりしたのか、それとも商社とかも見ていたのですか?
中俣:全産業を見てましたね。
佐俣:じゃあ(DeNA以外を)受けてみたりして。
中俣:全産業の中での……産業単位だとしたら、A商社とB商社もそんな変わらへんなと思ってたんで。時間も有限なので、各産業の中でのすごそうなところとかを受けていて。
当時の僕は「DeNAはインターネットのベンチャー企業」っていうクラスタリングで、そこからいくつか受けた中で、DeNAは選考を受けていて唯一モチベーションが毎回上がるみたいな感じだったので「入ろう」と思って決めた感じですね。
佐俣:なるほど。
中俣:それでDeNAに決めて、30歳のタイミングで元々の志があるので今の事業にコミットして。
佐俣:言い方は難しいですけど、極論だとDeNAは修行というか、最終的にやりたい事業に近いことができるように勉強するために来たというか。
中俣:それはそうっちゃそうなんですけど、経営陣とかにも「将来こういうことやりたい」っていう気持ちはずっとアピールしてて。それでもDeNAの中ではプロフェッショナルとしてやりたいという気持ちがあったので、先の希望とかは一回頭のなかから排除して、ずっとAs DeNAマンとして生きてきたっていう感じですね。
佐俣:どういうタイミングで、そろそろLITALICOをやってみようと思ったんですか。
中俣:僕はすごくDeNAが好きで、すごく良い会社……。
佐俣:思うんですけど、先ほども控室で話聞いて、お二人ともDeNAのことを本当に好きなんだなって感じたんですね。
守屋:大好きですね。
中俣:大好きですね。DeNAの社長をやりたいってずっと思ってたんですよね。
佐俣:それいいですね。でも守安さんもそういうことおっしゃってましたよね。社長をやりたくて、「社長やるか」って聞かれたら「やります」って。
中俣:僕も、当時の役員とかには「いつになったら俺は役員になるんだ」とずっと言ってたんで。それくらいすごく好きなんで、「(このままだと)居続けるな」って思っちゃったんですね。どっかで自分が決めなきゃいけない。いつ行こうかなと思って……区切りとしては「30歳」とか、「自分の立ち上げたビジネスもひとつ形になったし」とか、いい区切りだったのでこのタイミングかなと思って。
守屋:戻ってきてもらってもいいけどね(笑)。
中俣:(笑)。
佐俣:これで衝動的に戻ったら、歴史的な瞬間だった(笑)。なるほどね。そういうときに、本来やりたかったことからしたら今のLITALICOがピッタリだなっていう。
中俣:ピッタリっていうか、それ以外になかった。DeNAのときみたいな感じですね。
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