【3行要約】・「役に立たない自分には価値がない」という強迫観念を捨てた時、キャリアはもっと自由になります。10年の経営を離れた起業家が、育児を通じて見つけた「何もしなくてもそこにいていい」という全肯定の境地とは。
・MILY代表のあんみつ氏は、自身の育児体験から「拡張家族」の必要性を痛感し、ポッドキャストや起業家支援「ANTS」を始動。さらに投資家として、かつて自分が救われた「伴走の力」を次世代に還元する新たな挑戦を語ります。
・正解のない「仕事と家庭のバランス」に正解を求めるのではなく、自分だけのスタイルをどう貫くか。家族を「最強のチームメイト」に変え、等身大の自分で社会に価値を届ける、しなやかな生存戦略を学びましょう。
前回の記事はこちら ポッドキャストを起点に事業の可能性も探り始めている
稲荷田和也氏(以下、稲荷田):それをいろいろと組み合わせたら事業にもなっていきそうですけど、もう本当にそれを届けるソリューションとしてポッドキャストを選んだ感じなんですね。
村田あつみ氏(以下、あんみつ):そうですね。まず、(そのために)やっていますね(笑)。
稲荷田:その先の構想として描き始めているものもあるんですか?
あんみつ:アイデアが何かあったら教えてほしい(笑)。
稲荷田:(笑)。
あんみつ:だから、このポッドキャストもすごく参考にさせていただいています。
稲荷田:いやいや、ありがとうございます。
あんみつ:その先ですよね。今はそういった『ご近所ラジオ』のリスナーの方とリアルに会う接点として、公開収録みたいなイベントをしたりしています。
稲荷田:けっこうしっかりいろんなスポンサーさんと協力者さんがいらっしゃるイベントをね。
あんみつ:そうですね、ご協力いただいてやっています。そこではママにニーズがあるプロダクトのPRとかはしているんですけど、そういったところから事業が何か生まれればいいなという段階ですね。
起業家支援プロジェクト「ANTS」でママ向け事業も後押し
あんみつ:あとは、私が別でやっている「ANTS」という起業したい人を支援するプロジェクトがあるんです。『ご近所ラジオ』のイベントで、ママ向けのサービスを立ち上げた起業家の卵の子たちが出展して、実際にママたちにそのサービスを届けるというのをやっていたりしています。
なので、そういうママ世代にサービスやプロダクトを届けたい起業家と、実際の育児をがんばっているママやパパをつなげる感じの循環ができれば一番理想かなとは思っています。
稲荷田:ANTSはもともとちょっとやっていたんですか? いつぐらいから具体的に?
あんみつ:2025年の夏から始めています。0期生は10名ぐらいのメンバーでやっていましたね。
稲荷田:それは別に特に家族領域に絞っているものとかでもなく?
あんみつ:そうですね、絞ってはいなかったんですけど、私の発信を見て申し込んでくれたので、やはりおのずと子育て領域向けのものが半分ぐらいあります。
稲荷田:へぇ。めちゃめちゃおもしろいですね。
あんみつ:なので、「そうなんだよな、ちょうどそれが欲しかったんだよな」みたいな事業を立ち上げている人もいました。(また、)家で工作ができる親子向けの製作キットのサブスクをやろうとしている人もいました。あとは、発達支援じゃないですけど、自宅での子どもと親の関わり方を訪問して教えてくれるサービスなど、いろいろありますね。
稲荷田:すごい。これから楽しみですね。
あんみつ:そうですね。
スタートアップ投資の領域における次の挑戦
稲荷田:あと、noteを拝見していると、それこそ「VCも手伝い始めた」みたいな記載もチラッと拝見したんですけど。
あんみつ:そうなんですよ。
稲荷田:あれはどういうことですか(笑)?
あんみつ:(笑)。自分はこまげと一緒にスタートアップを10年やってきました。それは、才能がある人と一緒に何かをやったり、伴走させていただいたり、そういったものをどんどん広げていったりすることが結局好きだからなんだろうなと、自分を振り返ってみて思いました。
その中で「じゃあ(次に)それをやれる場所ってどこだろう?」っていうので、ベンチャーキャピタル(だと思いました)。自分も会社を経営する中ですごくサポートしていただいていたので興味があったんです。(ベンチャーキャピタルの関係者に)ちょっと話したら関われることになって、今はスタートアップ投資の領域でちょっと始めています(笑)。
稲荷田:ただ単に支援先を手伝うだけじゃなくて、投資にも関わるんですか?
あんみつ:そうですね。まだ入ったところなんですけど、自分が今これからやろうとしているのは、投資と(ハンズオンです)。ラブグラフもけっこう投資家の方がハンズオンで入ってがっつりコミットしてくれていた期間に、さっきの300パーセント成長が来ているんですよ。
だから、自分たちの力では成し遂げられなかった成長を投資家の方の力で成し遂げることができたっていう、もう強烈な体験があるんです。なので、そういうことをもし投資先にも提供することができたら一番本望ではあります。なので、投資はもちろんですしハンズオンで関わらせていただくとかもできればうれしいなと思っています。資金調達したい人がいたら、ぜひ(笑)。
今の働き方は育児に合わせて自由度高く設計
稲荷田:(笑)。ジャンルやフェーズとかはあるんですか?
あんみつ:VC自体はもうフェーズを問わずシードから上場株、レイターまでやっています。でも私が取り扱うのはたぶんシリーズBぐらいまでかなとは思っています。シードの「これから売上を作りにいくよ」ぐらいのフェーズもそうですし、シリーズA、Bでイグジットに向けてがんばっていくようなフェーズとかで、もし何かお話があればぜひという感じです。
稲荷田:え、めっちゃ忙しくないですか(笑)?
あんみつ:(笑)。ぜんぜんめっちゃ忙しいっていう真実が。
稲荷田:ラジオやメディア発信に関連するものも含めて、イベントもやりつつ、ANTSで起業家プログラムみたいなことも個人で運営されています。(また、)投資家、加えてたぶんその先のブランド顧問みたいな動きも……投資先のブランド顧問だけじゃないところであんみつさんが持っているところもたぶんあると思っています。
あんみつ:そうですね。
稲荷田:どうしているんですか(笑)?
あんみつ:(笑)。でも、働き方が自由というか、自分のカスタマイズ性が高いという意味では、すごく今は育児とフィットするかたちで時間を使えています。
稲荷田:うまくいっているというか、無理がないっていう感じ?
あんみつ:いい感じにはできてきています。
稲荷田:へぇ、すごい。
あんみつ:できてきているんですけど、このままいくと忙しくなりそうなので、また何かを大きく切らないといけないかもしれないですね。
稲荷田:どれも切り捨てづらそうですね。
あんみつ:(笑)。ですね。どれも楽しいから。自分が役に立てるフェーズが終わったプロジェクトとかはまた(誰かに)引き継いでもらってもいいかもしれないですし、それは常に見極めながらですよね。