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MIXIにM&Aしたラブグラフ創業と退任までの物語/あんみつ(株式会社MILY Founder & CEO)(全4記事)

【スタートアップ】なぜ「幸せをつくるサービス」は支持されたのか ラブグラフがMIXIグループ入りするまでの軌跡 [1/2]

【3行要約】
・「便利さ」を競うアプリが溢れる中、あえて非効率な「幸せ」を追求する。その一見甘いビジョンこそが、百戦錬磨の投資家を動かし、東証プライム企業とのM&Aを引き寄せた真の勝因でした。
・MILY代表のあんみつ氏は、リクルートの内定を捨ててラブグラフに賭けた決断や、コロナ禍で売上が激減する中、卒業式を失った学生向けの「逆転バズ」で窮地を脱した舞台裏を語ります。
・2年間の資本業務提携を経てMIXIグループ入りを果たしたプロセスには、単なる数字以上の信頼構築がありました。

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便利さではなく幸せをつくるサービスに投資家が共感した

稲荷田和也氏(以下、稲荷田):当時で言うと、それこそソフトウェアというかアプリとか、そういうサービスもちらほら出てきている頃なんじゃないかなと思うんですけど。

村田あつみ氏(以下、あんみつ):あぁ、そうですよね、はい。

稲荷田:言ってしまえばたぶん、カメラマンを束ねてみたいな(サービスは、その頃にトレンドだったテクノロジーを前面に押し出したサービスではないですよね)?

あんみつ:そうですね。なんで投資してくれたんですかね?

稲荷田:(笑)。

あんみつ:だから、検討してくれた会社もあれば投資していただけなかった会社もあるんです。けれども、初めに投資していただいた千葉(功太郎)さんに「世の中に何かを便利にするサービスはたくさんあるけど、人を幸せにするサービスはあんまりないから、ラブグラフはやっていく使命があるよ」と言ってもらったんです。

稲荷田:へぇ。

あんみつ:「誰かを幸せにするようなサービスは少ないから、ぜひ君たちはこれをやったほうがいい」と……ビジョン共感ですよね。

その時はトラクションや売上もぜんぜん出ていなかったんです。でも、(成長の)兆しはあったと思います。たぶん写真撮影は今だけじゃなくてずっと残っていくカルチャーです。もし先見の明があった投資家さんであれば、カップルだけじゃなくて家族とかにも展開していけるんじゃないかとかも見据えて長期で投資してくれたのかもしれないですね。


リクルートかラブグラフか 今しかできないほうを選んだ

稲荷田:なるほど。でも、その状態で一定のまとまったお金が入ってくるわけじゃないですか。

あんみつ:はい。

稲荷田:使い方もわからなかったでしょう?

あんみつ:わからなかったです。

稲荷田:(笑)。

あんみつ:わからなくて、一応自転車操業的には黒字というかキャッシュは入ってきていたんです。なので、「資金調達をしなくてよくない?」となっちゃって、途中で1回断ったりもしたんです。けれども、(投資家の方から)「投資をさせてほしい」と強く言っていただいて、「うーん、じゃあ……」みたいな感じでしていただいたんですけど(笑)。

稲荷田:(笑)。

あんみつ:結果的には自分が……そう言えばそもそもなんですけど、私は1回、リクルートに入社しているんです。

稲荷田:確かに。

あんみつ:今話したような(ラブグラフの活動をしている)間に就活も同時にやっていたんです。そしてリクルートに入社して、並行してラブグラフの資金調達の話が始まっちゃって、どうしようっていう感じだったんです。

やはり親の願いもあって大企業にせっかく入ったので、感覚として2年ぐらいはいるだろうなと。リクルートにもそう伝えてはいたんです。けれども、投資家の方に「え、君はリクルートに行っているの? 資金調達してスタートアップをやるんだったらフルコミじゃないと駄目だよ」と言われて、「まぁ、そうだよな」と思ったので(笑)。

稲荷田:(笑)。

あんみつ:リクルートを辞めるかラブグラフを辞めるかを選択しないといけなくなってしまったんです。そうなった時に、リクルートには同期にすごく優秀な人が多くて、SHEの福田恵里ちゃんや「つくりおき.jp」の(前島)恵君、IVRyの奥西(亮賀)君とか、今となってはすごく活躍されている起業家が……。

稲荷田:いっぱいいますね。

あんみつ:はい。当時から同期はすごくみんな優秀だったんですよ。なので、私がいなくてもぜんぜんリクルートは回るなと思ったんです。それと、もしどうしても「もう1回入れてください」という(状況に)なれば、また後にリクルートに入れていただけるように面接に行ったらいいなと思いました。なので、今しかできないほうはラブグラフだなと思ってリクルートを辞める決断をしたんですよ。

そうなったらリクルート分ぐらいは自分の人件費が必要なので、こまげには「資金調達したお金でまず私たちの人件費を払おう」と(話し合って決めました)。「私たちプラス、エンジニアの分を払おう」となったのが本当に初めの使い道ですね。

テレビ露出を追い風に、まずはカップル撮影で広がった

稲荷田:そして、じゃあそこで調達をしながら、どんな感じで伸びていくんですか? ぜんぜん想像がつかなくて。

あんみつ:けっこう当時はTwitterをみんな使っていたので、基本的にはTwitterでバズって、それを見てくれた人がまた依頼してくれて、ちょっとずつ伸びていったんです。けれども大きかったのは、すごく初めのほうはテレビにけっこう出ていたことです。

稲荷田:メディアに取材されていた? へぇ。

あんみつ:そうです。2、3ヶ月に1本は『めざましテレビ』や『ノンストップ!』とかに取材していただいていました。「(テレビに)出て、また知っていただく」みたいなのを初めの2年ぐらいは繰り返していました。なので、そういう意味ではちょっと話題性があるようなサービスだったおかげで、オーガニックで伸びていった。

家族領域への拡張が会社の死線を越える決断になった

あんみつ:ものすごくありがたい局面だったんですけど、一方で初めにおっしゃっていただいたように、カップル市場ってぜんぜん(規模が)ないんです。なのでカップル撮影って、(市場規模自体に)上限がある中で、成長率が低くて(売上が)伸びない。なのでもっと伸ばしていく必要があるため、3年目ぐらいの時に家族領域にも広げるという大きな決断がありました。

稲荷田:でも逆に、2年ぐらいはカップル(撮影)でやり続けていて……。

あんみつ:そうですね。「カップルでどうにかやっていけないか」ということでやっていたんです。けれども、このままだとカメラマンの雇用も守れないし、そもそも会社の存続も怪しい。資金調達も追加でできないっていう感じでした。

市場規模自体も大きく考える必要があったので、そういった意味で家族向けにある種のピボットをしました。ちょっとそこからしばらくは、300パーセント成長しました。

稲荷田:すごい。

あんみつ:なので、いったん死線はくぐり抜けた感がちょっとありました。


世界中の愛をカタチにという解釈を広げていった

稲荷田:今はもうファミリーも含めてされているのがわかった上で聞くと、自然に拡張されただけだなと思うんですけど、けっこう大きな決断だったんですね。

あんみつ:まぁ、そうですよね。特にカメラマンさんが、カップル撮影とか愛を撮影するみたいなところに共感して集まってくれていたので、「お金のために家族もやるんでしょう?」みたいなニュアンスの意見もあったんです。

でも、「違うんだよ」と。「ラブグラフは『世界中の愛をカタチに』というコンセプトで、愛はカップルだけじゃないよね。家族も愛だし、例えば会社や仲間と撮る写真も愛だし、そういうふうに愛の解釈を広げていこうよ」みたいな話をさせてもらって、納得してもらって、やっとカテゴリーをちょっと広げられたっていう感じです。

稲荷田:へぇ。非常にロジカルに説得した感じはあったんですけど、もうそれでけっこう受け入れられたっていう感じなんですか?

あんみつ:Zoomをしたり、実際に会って話したりとかは本当にけっこうしましたね。

稲荷田:コミュニケーションの方法としては、非常に密にやっていったところがポイントだったんですね。

あんみつ:そうですね、はい。

M&Aではなく資本業務提携から始まったMIXIとの関係

稲荷田:へぇ。たぶんそこから調達も重ねながら、「M&Aとかってあるのかな?」という話が出始めた時は、どんな感じだったんですか?

あんみつ:資金調達した頃は起業家として未熟だったので、あんまりイグジットがどうとかは本当にわかっていないまま(事業を)していました。無知だったからこそできたというのもあったんですけど、そう思うと、(あの頃は)無知でした。なので、上場やM&A(をすべき)なのかがあんまりわかっていなかったんです。

けれども、「写真撮影だけだったら、市場規模としても上場するのはちょっとどうだろう。アッパー(リミット)もあるから他の事業もしないといけないよね」みたいな話はしていました。その中で、「シナジーがある会社があれば一緒になるのもいいよね」みたいなことは(話し合っていました)。

3年目ぐらいからはシリーズを重ねるごとにやはり投資家の方からも聞かれる中で意識するようにはなっていました。そして、シリーズAやBの頃には、グループ入りさせていただけるかもしれない会社から資金調達できないかと、リストアップはしていましたね。

稲荷田:結果的に、まずは資本提携というか出資のところから入っていって。

あんみつ:そうです。

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