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音声AI「Omakase AI」で日本と世界をぶち上げる起業家の物語/株式会社ZEALS 代表取締役 清水正大さん(全4記事)

【スタートアップ】「フロム・ジャパンで世界を取る」 日本の「おもてなし」を“勝ち筋”に変える音声AI戦略 [2/2]

2026年の巨大調達は「点」ではなく「一本のストーリー」で語る

清水:そして資金調達。実は2026年、僕たちは巨大な資金調達を計画しています。今準備を進めているんですけど、その資金調達においても、例えば「チャットボットをやっている会社がレストランを始めます」「食の会社になります」みたいに、ぜんぜん違うことをやるとなると、「どうつながっているんだっけ?」となると思うんですよね。

僕たちってずっと、おもてなし革命。人が持つ対話の力を機械に授けられたら、接客……もっと抽象的に言うと、人と機械との関係が変わると(思っています)。孤独な人が救われたり、意思決定に一歩踏み出せない人を支えることができたり。そういう本当の意味でのおもてなしや、すばらしい体験みたいなもの(を目指しています)。

今、インターネットが届けられているようで届けられていない体験を提供できる。絶対に産業革命と言われるようなものになるぐらいのものを作れると、2015年にロボットの開発をやっていたんですけど、そのロボットの事業は2015年に成功させられなかったんです。

そこからコミュニケーションの技術、コミュニケーションテクノロジーにフォーカスしてチャットボットの事業を作り、やっと、ちゃんと事業になってきたのが2016年以降です。そこからずっと、チャットボット、もっと抽象化すると、コミュニケーションテクノロジーに惚れ込んでやってきています。

チャットテキスト型の会話体験は、音声だったり、より人が自然に感じるコミュニケーションエクスペリエンスに必ず進化すると思ってやってきているので、チャットボットをやってきたからこそ作れている音声AI、Omakase AI。ある意味、これはつながっているんですよね。

「じゃあ、この音声AIが次、何に進化するんですか?」と言ったら、ロボットとかに進化していくわけですよね。チャネルが変わっているようで、本質のコミュニケーションテクノロジーそのものは、ずっと僕らの中では変わっていない。だから会社を「完全に違う会社です」「あまり関係ないです」みたいにしていくアプローチではなく、この幹があるからこそ作れているんです。

ただ、アメリカでやっている以上はアメリカの会社だし、アメリカで雇用もするし、アメリカでプロダクトも作る。それを通じて世界にも広げていく。そして次はロボットの時代が来る。10年前に夢見たロボットの時代が来ている。

そしたらロボットの事業にも展開するぞ、というかたちでやっていく。この全体のストーリーで僕たちは資金調達をするんです。

稲荷田:あぁ、そうなんですね。

清水:要はOmakaseだけで、とか、1プロダクトで、ではなくて、ZEALSも、Omakase AIも、もっと言うとこの先の「Omakase Robotics」も含めた、一連のすべてのストーリーを通じて資金調達をします。

会社は子会社で分かれているんだけど、1本のストーリーをちゃんと形にしていくこと。これらはつながっていて、でも非連続に成長していく可能性があるよね、ということを理解いただきながら投資家の方々にも応援いただく。これが僕たちはZEALSかなと思っています。


日本の「おもてなし」を宿した接客AIを展開していく

稲荷田:ありがとうございます。ZEALSさんおよびOmakase AIが、「こういう会社です」と説明をする時に使われているフレーズなどがあったら教えてください。

清水:接客AI。さすがにOmakaseを紹介する時は音声AIと言いますけど、「抽象化すると接客AIを作っています」と(説明をしています)。チャットでも音声でも、もっと言うとロボットでも、接客というあり方をアップデートしていきますと(お伝えしています)。

僕はアメリカに住んでいても、日本の接客、おもてなしは世界一だと心から思うわけですよ。そういうすばらしい接客体験、カルチャーを日本は持っているから、世界中の人が日本に来た時に、なんてリスペクトフルな体験、カスタマーサービスなんだ、接客なんだって感動するわけじゃないですか。

でも人手不足が着実に進んでいる。少子高齢化も止まらない。何もしなければ、このすばらしきカルチャーも次の世代につないでいけないかもしれない状況ではある。

そういう中で僕たちは、すばらしきカルチャーと、それをアップデートできるテクノロジーを融合させて、日本のすばらしいおもてなしを宿した接客AIを、日本、そして世界で展開していく。
ある時はチャット、ある時は音声、ある時はロボット、となっていくと思いますが、これを僕たちはやっているんです、というので、投資家の方々にも理解してもらっています。

進捗は「めちゃくちゃ楽しい」、10年前の夢が現実に近づいた

稲荷田:進捗度合いはどんな感じなんですか。SNSを見るだけでも、めちゃめちゃワクワクされているのを感じるんですけど。

清水:めちゃくちゃ楽しいですね。

稲荷田:(笑)。

清水:繰り返しになるんですが、10年前ロボットをやっていた時に夢見ていたような進化なんですよね。そもそも会話ができる。10年前って、「コミュニケーションロボット」という名前で「Pepper」とかが売られていたじゃないですか。

稲荷田:そうでしたね。

清水:あえて言います。コミュニケーションができなかったんですよ。(人間の言葉を)聞き取らないし、聞き取っている言葉も違うし、何をしゃべっているかわからない。ちょっと雑音があったらしゃべれない。要は、とてもコミュニケーションできる状態ではなかった。実態としては役に立たなかったわけですよね。

でも今は、ものすごく自然な音声会話が実現できる。これだけでも、僕らにとっては10年前に夢見ていたロボットの進化なんですよね。


ハードが「あり得ないほど安く」なり、社会実装が見えてきた

清水:しかもその上で、ハードウェアの進化がやばいんですよ。めちゃくちゃ安くなっている。昔、あのクオリティのロボットを提供しようと思ったら、そもそも技術的にもできなかったし、できたとしてもすさまじいコストだった。

それが、めちゃくちゃ安いお金で(買えるようになりました)。僕たちが2代目で買いましたと言っているBooster Roboticsの「Booster K1」というロボット、あのロボット、5,000ドルを切っているんですよ。

二足歩行でウニャウニャウニャってかわいく動いていて、普通にコミュニケーションのOSを組み込めるようなロボットが、5,000ドルを切っている。あり得ないようなコストの下がり方をしている。Unitree Roboticsの「Unitree G1」だって、一番安価なモデルで言ったら数百万円で買える。本当にあり得ないですよ。

だから、ハードのコストがちゃんと低価格化されている。(コストは)普及していくための1つのキーじゃないですか。車が「1台1億円です。でも便利です」と言われても、買えないですよね。

稲荷田:そうですね(笑)。

清水:数百万円になったから買えるわけじゃないですか。

稲荷田:はい。

清水:まずそれが実現されていっている。

モーション制御もOSSも進化し「今だ!」が重なった

清水:その上で、モーションコントロール、ロボットの行動を制御するためのソフトウェアの進化。これによってAIによる学習効率がアップされて、新しいOSSが生まれています。

ペンシルベニア大学のPhDたちが集まって作った「FALCON」を組み込めば、Simulation-to-Realのモーションコントロールをトレーニングできる仕組みを、すぐに使えるわけですよね。

音声側もやばいけど、その上でモーション、ロボットの行動を制御していく側にも進化が起こっていて、使えるものも増えている。どんどん組み合わせていける。しかもハードは安くなっている。となってくると、ロボットが社会実装できる可能性が今、生まれているんです。

とてつもないことが起こっていると思っていて、それがたまらなく、「今だ!」って思いますよね。


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