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#119 「食べられないをなくす」"お菓子屋スタートアップ"の物語/株式会社TREASURE IN STOMACH 代表取締役 柴田愛里沙さん・OASIS FUND 代表パートナー 橋田一秀さん(全4記事)

【スタートアップ】「ケーキ屋に投資するの?」から変わった瞬間 ビジョンと市場で見えた“ヴィーガン×グルテンフリー事業”の勝ち筋

【3行要約】
・食のアレルギーに対応するスイーツ事業が、個人事業から株式会社へと 変化し、VCからの投資を受けるまでの道のりが語られています。
・北海道発のヴィーガン・グルテンフリースイーツ企業の柴田氏は 「本能的な判断」でスタートアップの道を選び、事業拡大を目指しました。
・投資家の橋田氏は「市場の大きさ」と「製品の品質」を評価ポイントとし、食のスタートアップが投資獲得に必要な要素を具体的に示しています。

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「スタートアップ化」は自然な流れだった

稲荷田和也氏(以下、稲荷田):「そのまま経営する」でもぜんぜんいい話なのかなって思ったりもします。そこから、VCを入れて、いわゆるスタートアップっぽくなっていくって、相当な意思決定だと思うのですが、そもそもどこからその発想が来たんでしょうか? きっかけみたいなところって、どうですか?

柴田愛里沙氏(以下、柴田):私の中では自然な流れでそっちに行ったんですけれど。私1人がやっていても駄目だと思ったのと、ちゃんと会社として事業を広げていくという考え方じゃないと、創業した時の思いである「食べられないものがある人も、普通に暮らせる世の中にする」をかなえられないなって思ったんですよね。

なので株式会社にしたのも、一番効率がいいと思ったのが理由です。お金も何もない私が、社会で戦っていくためには攻撃力を付ける必要があって(笑)。だから株式会社にしようと。

スタートアップっぽい動きをしていって、仲間を増やして、事業としてちゃんと確立できるようにしないと、会社にブランド力がないと、この市場が社会でマーケットとしてきちんと成立しているというところをなかなか見いだしてもらえないし、ずっとこのジャンルに光が当たらないままだから、とにかく光を当てるということをしたくて、株式会社にして、スタートアップというところに足を踏み入れようとなりましたね。

稲荷田:それは誰かの入れ知恵じゃなく、能動的に見つけたんですか?

柴田:そうですね。私、ビジネス書とか本当に読まないので(笑)。そこはロジカルじゃないんですよ。あんまり論理的な考えじゃなくて、けっこう本能で「そっちだ!」みたいな感じでいっちゃいましたね(笑)。

稲荷田:へぇ。最初、個人投資家、エンジェル投資家を数名入れつつ、北海道でたぶん唯一なんですかね、VCをやられていらっしゃる、POLAR SHORTCUTの大久保(徳彦)さん。POLARさんから調達をされている。

柴田:はい、そうです。

稲荷田:最初に相談しに行った時のリアクションとか、VC目線とかでもあると思うんですけど、どんな感じだったんですか?

柴田:北海道が好きで、北海道で仕事をしている起業家のコミュニティがあって、私もそこに入っていたんです。そこで「もう、1人じゃ事業を進めるのは無理だな。事業推進とかPMやってくれる方、いませんか?」と言ったら、大久保さんが「僕、東京から帰ってきたばっかりで、ぜんぜんやれます」って手を挙げてくださったんです。彼がVCをやっていなかった頃なんですよ。

稲荷田:あっ、そういうつながりでやっているんですね。

柴田:最初、1年ぐらい業務委託で一緒に仕事をさせていただきました。私の駄目なところを全部知り尽くした上で、1年が経ったタイミングで「実はもう仕事を一緒にできなくなりました」って言われたんです。

困るじゃないですか。「えっ?」って戸惑うじゃないですか。そうしたら「実はVC立ち上げたんです」って言われて、「はっ?」ってなるじゃないですか。「出資したいです」って言われて(笑)。

稲荷田:えー。すごっ。

柴田:そうなんですよ。そういう流れですね(笑)。

橋田氏が惹かれた理由は「ビジョンの強さと市場の大きさ」

稲荷田:橋田さんが出会われたのはいつぐらいなんですか?

橋田一秀氏(以下、橋田):2024年の秋だと思います。起業家からの紹介で「北海道でヴィーガン・グルテンフリーのスイーツを作っている起業家がいて、なかなか資金調達が大変だ」みたいなノリで紹介をいただきました。

実は出会う前は「ケーキ屋さんか。北海道のケーキ屋さんに投資をする可能性はあるんだろうか?」って思っていたんです。

稲荷田:そうですよね。なんならもう、ほぼ(可能性は)ないだろうなぐらいで最初は会ってはいる。

柴田:ですよね(笑)。

橋田:でも、とても信頼している起業家の紹介だったのと、ピッチコンテストで優勝しているというところもあって、「じゃあ、お話ししましょう」ということで。最初、オンラインで1週間話したと思うんですけど……。

柴田:そうですね。

橋田:めっちゃいい会社じゃねぇかって思ったんですよね。

(一同笑)

稲荷田:何がそんなに?

橋田:いくつか要素はあるんです。僕は愛里沙さんって呼ばせてもらっているんですけど、愛里沙さんが10分だか15分だか、僕にオンラインでピッチするじゃないですか。ピッチを聴いて受けた印象としては、説明がわかりやすいなと。

今までそういう、ケーキ屋さんとか食のスタートアップに、ほぼ投資したことがなかったので。

稲荷田:そうですよね。

橋田:「あっ、なるほど、こういうふうにやっているのか」と思ったのと、あとは、目指しているビジョンがめっちゃ良かったんですよね。「誰でも何でも食べられる世の中を作る」っていうところがすごく好きです。

さらに……最初の印象ですよ。最初の印象は「北海道で、ヴィーガン・グルテンフリー? 市場小さそう」と思っていたんですけど、狙っている市場がすごく大きいというか、日本でのヴィーガン・グルテンフリーに加えて、いわゆるイスラム圏、ハラルのスイーツというところも目指していると。

それを本当にやろうとしているというところで、「あぁ、確かにアップサイドはめちゃくちゃありそうだな。そこにたどり着くための道のりはまあまあ大変そうだが、思っていたよりもそれを本気で目指しているチャレンジャーが、他に日本からいるのか?」と考えた時に、「そんなに多くはないだろうな」って思ったんです。

そして、もうすでに物も作っているというところで、「これは、おもしろい会社かもしれない」と思って……今でも覚えているんですけど、1時間終わった後に、僕、即、次のアポを取っていたと思うんですよ。

柴田:はい、そうですね。

橋田:いろんな起業家と会う中で、正直、そんなにないんです。たぶんその時は、僕に次のアポが入っていたので、「聞きたいことがあり過ぎて時間が足りないので……来週の同じ時間に1時間取っていいですか?」って言いました。

柴田:そうでしたね。

橋田:すごく聞きたいことがあり過ぎて。僕がわからないことも多いというのもあったんですけど、聞いていてすごく興味が湧いてきたというか、「もっと聞きたいな」と最初の1時間で思ったので、次の1時間もお話しして。

今これ収録している目の前に、スイーツが置いてあるんですけど、やはり物を食べてみないと最終的にはわからんというので、「じゃあ、何種類か送っていただけますか?」と言ったらゴソッと10種類ぐらい送って……。

柴田:はい、全力で送りました。

橋田:全力で送っていただいて(笑)。それをOASISの冷凍庫や冷蔵庫に入れておいて、毎日1種類ずつぐらい食べていたんですよ。僕だけじゃなくて、OASISのスタッフや、来ている方も。ちょうど今、3時台に収録していますけど、「あっ、ちょっとケーキを入荷したので食べませんか?」みたいな感じで。

(一同笑)

橋田:普通に起業家の方とか関係者の方とか……その瞬間その場にいる人にケーキをお皿に入れてお出ししたり。クッキーの日やスコーンの日もあるんですけど、1種類ずつ、「じゃあ、今日スコーンです」って出して、食べてもらっていたんですよ。

僕はもちろん、「あっ、これはおいしいな」と思って食べていたんですけど、僕だけじゃなくて周りの人間にも食べてもらっていました。実は「ヴィーガン・グルテンフリーです」とか、あまり言わずに出していたんですけど、「あっ、いいですね」という感想がすごく多くて。

甘ったるい感じがあまりしないですよね。リスナーの方に味のイメージを伝えるのはめちゃくちゃ大変なんですけど。

(一同笑)

柴田:難しい(笑)。

橋田:テレビを観ながら、食レポってすごいなっていつも思っているんですけど(笑)。素材の味を活かしているんだけど、別に味が薄いというわけでもない。しっかり味がする、おいしいスイーツなんだなというのは、自分で食べてみてすごく実感しました。10種類どれを食べても本当にハズレがなくて、これはすごいなと。

そのあたりから「あっ、これは本当に投資したほうがいいな」と思って、またその後、東京にも来てもらったりして、投資に至ったという感じです。

稲荷田:ありがとうございます。本当に商品の魅力、スイーツのおいしさというところだったんですね。

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