【3行要約】・積立決済サービス「Respo」は圧倒的マジョリティ層に支持され、カゴ落ち防止と高いロイヤルユーザー獲得に貢献しています。
・黍田龍平氏は「組み込み型決済」へのモデル進化や法対応の難しさを語りつつ、積立解約率1パーセント未満の高い継続率を実現。
・「金融のOSを作る」というビジョンを掲げ、銀行モデルのアップデートに挑戦する同社は、現状に満足していない人材との出会いを求めています。
前回の記事はこちら ユーザーは圧倒的にマジョリティ層だった
稲荷田和也氏(以下、稲荷田):僕らの周りとかだと、役員報酬を削っている経営者もいますけど、とはいえ欲しいものあったら、パッて買っちゃう人たちがほとんどな気がしています。それは予算的な話だけじゃなくて、気持ち的な部分も含めて。
そういうイメージででいると、さっきの話がすごく意外だと思っちゃったんですけど、初期のユーザーはなんでそんなに待ってくれたんでしょうか? 当時はどんなふうに捉えていたんですか?
黍田龍平氏(以下、黍田):まさにおっしゃるとおりで、それぞれの投資家と話をしていても、やはり「時間をお金で買う」というのがスタートアップだと思っているので、「なおさら合わないよな」「まったく別セグメントだな」というのは思っていました。
なので、そこは僕も信用し切れなかった部分でもあります。実際に使っている人って、スタートアップみたいな人じゃないと思っています。
稲荷田:1パーセント以下(笑)。
黍田:そう、正直1パーセント以下だと思っています。僕たちのサービスを使っている人ってやはり圧倒的にマジョリティ層なんですよね。
いわゆる年収400~500万円。奥さんがパートタイム・アルバイトで働いていて、世帯年収が500~600万円、良くて600~700万円ぐらいの方々で、「基本的には貯金します」という方々が使っています。「ポイ活を死ぬほどやっています」という方々なので、まったく(スタートアップとは)違いますね。
「人材派遣で働いてます」とか、いろんな方がいます。でも、スタートアップの人はぜんぜんいない。アーリーアダプター層では一定いたんですけど、(今は)いない感じです。
稲荷田:ご自身はN=1じゃないじゃないですか。想像し切れないじゃないですか。その溝はどうやって埋めていくんですか?
黍田:どのプロダクトでもやはりN=1になり切れないというのはあります。ユーザーの方とランチやカフェをすることがあるので、ひたすらユーザーに聞きまくる感じですね。本当に「ユーザーに聞く」一択でした。
提供モデルは組み込み型へ進化した
稲荷田:初期の立ち上がりの部分のお話を聞きましたが、(今は)リリースからは2年以上経っているというところで、「最近はこんな感じで進化しています」とか、あったら教えてください。
黍田:そうですね。おいなりさんと最初に会った時は、サービスリリースの時だったと思います。当時は、Respoでモールを運営しますというモデルで今も残ってはいるんですけど。
それ以外に今は組み込み型、いわゆる決済として埋め込んじゃいますみたいなところも、やっているので、プロダクトデリバリーの仕方がけっこう変わったというのが、まず大きい変化としてあると思います。
稲荷田:それは、ブランドさんからしたら導入しやすいんですか?
黍田:自社の中でも全部完結できて、データの統合とかもできるので、やりやすいっちゃやりやすいのかなという感じですね。
稲荷田:どちらかというと、ユーザーメリットでやったということですか?
黍田:そうですね。メーカーとしては、「自社ECのコンバージョンレートを改善したいよね」というところもあると思うので。うちとしても、モールで集客するよりも組み込んだほうが、集客コストを削減できるので、ベストだなというかたちで変えました。
稲荷田:マネタイズでいくと、ブランドさんからいわゆる決済手数料的なものをいただくんでしょうか。
黍田:おっしゃるとおりです。なので、消費者からはいただいていません。
稲荷田:(消費者からすると)むしろお得になるという話ですね。
黍田:そうですね。
稲荷田:じゃあブランドさんは、ある意味決済手数料を払ったり、お得になる分を一定担保する部分もあったとしても、なお使い続けるぐらいメリットがあるということなんですね。
黍田:そうですね。決済って、「入れて売上が減る」は基本的になくて、「入れたら囲えていなかった層を囲えるよね」みたいなところにメリットがあると思います。Amazon Payとかもそうなんですけど、みなさん多くのペイメント系を入れているので、基本的にデメリットはありません。
カゴ落ちを防ぎロイヤル顧客のリストを作る
稲荷田:Respoを入れると、どういうメリットがあるんですか? 囲い込めるユーザー層とか。
黍田:日本ってカゴ落ち・カート落ち大国で、カゴに入れてから8~9割の人が離脱するんです。
稲荷田:へぇ、そうなんですね。
黍田:僕もAmazonのカゴにずっと入っている本があるんですよ。金額を問わず、ずっとカゴに入れちゃっているだけ。
そういったところを、「積立だったら買うか」みたいな。僕、ケチなので2,000~3,000円の本でも「ちょっと高いな」とか思って、買わないことがあるんですよ。貯金をちょっとずつやって、「2~3ヶ月でお得に買えるなら買うか」みたいなところでそういった層を一定救えますよね。
一方で、貯金してまで買いたい人って、ブランド・メーカーからしたら、むっちゃロイヤルユーザーなんですよね。自社ECで、「公式LINEに登録してください。5パーセントクーポン券を渡します」とか、あると思うんですけど。
稲荷田:ありますね。
黍田:結局、公式LINEに登録してくれても、クーポンだけ取られてブロックや非通知にされてしまうという状況が発生しています。実際、僕もそういうのをやっちゃっているので。
稲荷田:わかります(笑)。なんかよぎりました。
黍田:結局、いいリストができていないというのがブランド側のペインとしてあるんです。そういったところで、うちはリスト数は少ないけれども、めちゃくちゃロイヤルユーザーのリストを提供できます。
よりクロスセル・アップセルを狙える施策で使えるリストの提供も補完してできるところがけっこう喜ばれています。積立を入り口に、よりいろんな価値をメーカー・導入先に届けているという感じです。