#117 コミューン株式会社 代表取締役CEO 高田優哉氏(全5記事)
ビジネスは経済性の部分で社会を良くする役割を持っている 働く上で重要な「自己価値の実感」の重要性 [2/2]
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吉田松陰の人生と照らし合わせ「ヤバい、あと3年しかない」
稲荷田:そこから起業を意識し始めたとか、踏み込んだっていう、そこの原点といいますか。そこは、どんな感じなんですか?
高田:そうですね。BCGに入る前から「起業しよう」というのは決めていて。
稲荷田:あぁ、そうなんですね。
高田:はい。ただ「何するの?」っていう。起業っていっても「どんなアイデアで何をするの?」っていうところが、自分の中で決まっていなかった。それから、自分は奨学金を返したかったんですよ。それはやはり人からもらったものなので、返さないと気持ち悪いし、次の世代に対しての責任があると思っていたので、そこは筋を通したいと思っていて。
起業してからなかなかお金が回らなくなったりとかして、それができなくなったらちょっと嫌だなというのもあったので。「返し終わるまではいよう」と決めていたという、この2つで。
たまたまそれが4年間という期間だったんですけれども、奨学金も返し終わって、自分の中では、次のチャレンジを早くしないといけないなとすごく思っていて。
私は特に吉田松陰が好きで。私が退職した時って26歳とか、27歳ぐらいなんですけど、吉田松陰の人生を考えると「ヤバい、あと3年しかない」と思って。「マジで時間ないじゃん」みたいな感じで思って、早く挑戦しなきゃいけないっていう、すごく焦りみたいなものも含めてあって。それで、2018年の初めに(BCGを)卒業するって決めて。
自信を持ってやれることとしてサプリメント事業を開始
高田:最初は自分たちが知っていることとか、課題があると確信しているものしか自信を持ってやれないかなと思っていて。となった時に、我々がやっていたのはDtoCのサプリメントの事業なんですけど。私自身が前職のコンサルティングをやっている時に、たまたまその領域、サプリメントとか、健康食品とか、そういった領域を知る機会が何回かあって。
かつ日本だけじゃなくて、アメリカとか、中国とかという、サプリメントが比較的社会に普及しているというか、浸透している国の状況を見ていく中で、日本ってもっと伸びしろがあるんじゃないかと。
しかもその伸びしろっていうのが、サプリメントの場合、私は本当に意味があると思っていて。未病のタイミングで自分の健康管理をすることが、何か病気になってからそれを改善するよりも遥かにコストが低いというのは、みんなわかっていることじゃないですか。毎日歯磨きしたほうが、全部虫歯になってから全部治療するより、絶対にコストが安いっていうのは、みんなわかっていることなので。
国にとってもいいし、それぞれの人にとってもいいことだなって思えていたので、そのサプリメントの通販を始めたというのが、起業のきっかけです。
なぜサプリメント事業をクローズしたのか
稲荷田:今のを聞くとすごく想いもあって続きそうな気はしますけど。続かなかったというところと、今度は急にコミューンさんでコミュニティ領域でビジネスされると思うんですけど、そのあたり(の流れ)も教えていただいてもいいですか?
高田:ありがとうございます。サプリメントの通販事業は、だいたい100人ぐらいのサブスク会員の方がいらっしゃるタイミングで閉じるっていう意思決定をしたんですけども、その意思決定をしたのは、自分たちの人生をかけて伸ばしたいと思えるか、やりたいと思えるかっていう点で「YESと言い切れなかったから」っていうのがあります。
やはり物が絡むので、お金がちょっと必要で。「これ以上の規模でやるなら、エクイティファイナンスをやらないともう無理だ」という状況だったんですけど。エクイティファイナンスをやるっていうことは、この事業をやり続けるということだと思って。それで社内で会話とかをした時に「これはちょっとわかんないね」と。「わからないんだったら、やめたほうがいい」というので、閉じるっていう意思決定をしました。
企業と顧客との断絶を感じた経験から、コミュニティに注目
高田:ただ、せっかくがんばってやっていたので、「何か次に活かせることがなかったのか」っていう振り返りをしていた中で、100名しかお客さまがいない。学校とかって、今、学年で何百人とかじゃないですか。それで全員の名前も知っていて、どういう人で、趣味は何かとかも知っていて、話しかけようと思ったら話しかけられるぐらいに、100人ってめちゃくちゃ少ないんですけど。
その100人しかいないのに、その人たちがどこの誰で、なぜ興味を持って我々のサプリメントを買ってくれて、今に至るまで続けてくれていて。あるいは昨月止めてしまった理由は何でとか、お客さまのことがぜんぜんわからなかったし、お客さんの力を借りられなかったんですよね。
製品もやはり未熟だったので、もっと良くしたかった。あとは、できれば友だち紹介とか、「SNSとかでいいこと言ってくれないかな」とか「レビューを書いてくれたらうれしいな」とか、いろいろあると思うんですよ。
稲荷田:そうですね。
高田:それらもうまく促進することもできなかったですし、仮にやってくれたとしても気づく術もなかったりとか。あとは報いる手段もないんですよね。企業とお客さんってすごく関係性が歪というか。
2018年、2019年にもなって、まだこんなに距離や断絶、垣根があるんだっていうことを当時感じて、それをテクノロジーの力で解決することができたら、いろいろな会社、そして、そのユーザーさんの両者の役に立てるんじゃないかなっていうことで、コミューンの原点はそこから始まったという感じです。
稲荷田:同級生同士とかだったらわかっても、生徒と先生だとぜんぜん価値観が違うように。
高田:そうですね。
稲荷田:ビジネスでも同じようになっていて、そこの垣根も融かしていきたいみたいなところで、コミュニティに注目されたってことですね。
高田:そうですね。
稲荷田:ありがとうございます。じゃあ前編はここまでとさせていただきまして、後編では投資家のファーストライト・キャピタル株式会社 代表取締役、マネージングパートナーの岩澤脩さんをお招きもしつつ、コミューンさんの魅力に迫っていきたいと思います。高田さん、そしてお聞きいただいたあなたも、ありがとうございました。
高田:ありがとうございました。
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