お知らせ
お知らせ
CLOSE

#117 コミューン株式会社 代表取締役CEO 高田優哉氏(全5記事)

原動力は「善良な市民が損をする社会への怒り」 コミューン株式会社CEO・高田優哉氏が起業に至るまでの道のり [1/2]

【3行要約】
・コミューン株式会社 代表取締役CEO 高田優哉氏は、家庭環境などの影響から、「社会を変える」という強い意志を培ってきました。
・東大での学びや国際機関でインターンの経験を経て、現在では55億円の資金調達に成功する企業を創業。
・「信頼起点経営」という理念のもと、企業と顧客・従業員をつなぐコミュニティプラットフォームを通じて、組織変革に挑戦しています。

「信頼起点経営」を実現するプラットフォームの開発・提供

稲荷田和也氏(以下、稲荷田):声で届ける起業家の物語『Startup Now』。MCのおいなりです。本日のゲストは、コミューン株式会社代表取締役CEOの高田優哉さんです。コミューンさんは、ビジョン「あらゆる組織とひとが融け合う未来をつくる」を掲げ、コミュニティサクセスプラットフォーム「Commune」および「信頼起点経営」を実現するプラットフォームの開発、提供をされていらっしゃるスタートアップです。

2025年の9月、シリーズCラウンドにおいて、総額55億円の資金調達を発表されたばかりとなります。高田さん、よろしくお願いします。

高田優哉氏(以下、高田):お願いします。

稲荷田:ご出演いただいた経緯ですが、コミューンで広報されていらっしゃる方と個人的に接点がありまして。そこで情報提供をしていただきながら、プレスリリースが輩出された翌日とかに、かなりタイムリーに撮らせていただいて、ありがとうございます。

高田:ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。

稲荷田:僕自身がコミュニティ領域に非常に関心がありまして。そして何より僕は新卒で(入社した会社が)SanSanだったんですけども、SanSanの卒業生のネクストキャリアとしてコミューンさんが大人気でございまして。

高田:いえいえ(笑)。本当に数名……。

稲荷田:片手で収まらないぐらいいるのが実態なのかなと思っております。なので、その実態が非常に気になっていて、(お話の機会を)設定させていただきました。前編では高田さんの人生の物語を紐といていきたいなと思っております。

ビジョンは「あらゆる組織とひとが融け合う未来をつくる」

稲荷田:まずは事業について、1、2分程度で簡単に教えていただけますでしょうか?

高田:ありがとうございます。あらためまして、コミューンの代表をしております、高田と申します。よろしくお願いいたします。先ほども説明いただきましたけれども、我々は「あらゆる組織とひとが融け合う未来をつくる」といったビジョンを掲げています。

BtoB、企業向けのサービスを提供していて、提案しているものとしては、信頼起点経営というものです。企業がお客さまや従業員に対して誠実に向き合って、信頼を獲得する。信頼を勝ち取る。そして、その信頼を事業、企業の成長につなげる。まぁ、金に変えるっていうところですよね。

「このプロセスをちゃんとできるようにする」っていうことを、我々は信頼起点経営と定義していまして、その実現ができるためのプラットフォーム、ソフトウェアの提供と、それからサポートの部分の両方をご提供しているというのが、我々のビジネスの簡単なご説明でございます。

これまで創業から柱というかたちで提供してきているのが、コミュニティサクセスプラットフォームの「Commune」というものでございます。企業が簡単にコミュニティが作れて、事業の成長につながるようなかたちで、効果的に運用ができるというソフトウェアでございます。

稲荷田:ありがとうございます。

お客さまコミュニティの活用方法

稲荷田:企業がコミュニティを運営するって、場合によってはパッとイメージがつきづらい方もいらっしゃるんじゃないかなと思ったりもするんですけど。これはどういった領域で使われるようなものなんですか?

高田:ありがとうございます。顧客コミュニティと、それから従業員コミュニティと、そしてパートナーコミュニティのような、大きく3つぐらいコミュニティの属性があります。

お客さまコミュニティの場合ですと、お客さまの力を経営とか事業の成長により活かすために作る。お客さまとの双方向のコミュニケーションができる基盤を作るというのが、そのコミュニティのコンセプトというか役割です。

例えば「お客さまの声を活かして、新しい製品の開発をしましょう」とか。直近ですと、絶品かっぱえびせんの新しいフレーバーが、コミュニティの中にいらっしゃるイチ消費者の方、生活者の方々の意見を元に作られています。

そういったことをやろうとした時の、お客さまコミュニケーションの基盤としてCommuneが使われていたり。あるいは、コミュニティの中でテクニカルな製品とか。例えば今Podcastをさせていただいていて(いますが)、そのマイク。「マイクの集音が難しくてどうしよう」とか「編集の部分って、どうやったらいいんだろう?」とか、そういう悩みがたくさんあらわれると思うんですね。

稲荷田:ありますね。

高田:ただ、メーカーさんがすべてのお客さんに完璧に対応できるかというと、なかなか難しかったりとかするというところで、お客さま同士で課題解決をしていただく。ある種のカスタマーサポートとか、カスタマーサクセスをリプレイスするようなかたちで、お客さまの力を借りる。こういったことも、コミュニティの1つの使われ方かなと思っています。

従業員コミュニティの活用方法

高田:従業員のところであれば、従業員間で知見の共有をする。例えば、店舗がたくさんあるビジネスモデルとかだと、店舗間の知見共有って実はぜんぜんなされていなかったりとか、エリアマネージャーの方がめちゃくちゃがんばることによって成立していたり。

あと、社長は本社にいて、その社長はやはりすごい想いを持っているんだけれど、店舗の方と社長が遠すぎて、そもそも誰かもわかっていないみたいなことも正直あったりするんですよね。そこって、やはり双方向性がある対話の場所、「フラットな対話の場所がないと、ビジョンの共有だったりエンゲージメントの向上だったりってできないよね」っていうことで、従業員コミュニティのインフラとしてCommuneが活用されているというかたちです。

稲荷田:ありがとうございます。「コミュニティ」って聞くと、まさにその絶品かっぱえびせん(の例)で言われるような、CtoCの商材が多いんじゃないかなと思っていたんですけど。かなり幅広くあるんだなということが、今よくわかりました。このあたりの深掘りは後編で入れさせていただくのがいいかなと思っております。

社会を良くしたい気持ちから国連を目指す

稲荷田:前編では、高田さんのここまでの歩みを重点的におうかがいしたいなと思っておりまして、ここからはグッと高田さんのお話をさせてください。

高田:はい、お願いします。

稲荷田:高田さんの幼少期とか、学生時代とか、ないしはご経歴とかを中心とした自己紹介をいただきつつ、深掘りもさせていただきたいなと思うんですけど。ザッといただいてもよいでしょうか?

高田:ありがとうございます。私は岩手県の沿岸にある野田村っていうところで生まれ育ちました。ピンとこない方、『あまちゃん』っていうドラマがあったと思うんですけど。その『あまちゃん』のロケ地が久慈市という市なんですけど。ドラマを見た方は「めっちゃ田舎だな」と思ったと思うんですけど、あれの隣にある、もっと田舎の村です。

稲荷田:はい(笑)。

高田:「今時、村ってまだあるんだ」みたいな感じなんですけど(笑)。まぁ、そこで生まれ育ちまして。小学校も、中学校も野田小学校、野田中学校というかたちで、野田村で過ごしておりました。高校に入る前の中学生のタイミングで、「自分の人生をどうしていこうかな」と考えた時に、「社会を良くすることに使いたいな」と思って。

大人になるといろいろな選択肢があるし、いろいろな貢献の仕方があるなっていうイメージがあるんですが、当時はやはりぜんぜん世の中のことをわかっていなかったので。「社会を良くする」、しかもすごく大きな規模で良くするっていうのは「国連(に行くしかない)だろ!」って思って。それで岩手県の中で唯一、英語とフランス語の勉強ができる公立高校に進学するために、野田村を離れて盛岡のほうに行って。

大学は東京大学に進学して、農業経済専攻で、農学部を卒業しています。在学中にOECD(Organisation for Economic Co-operation and Development)という国際機関でインターンをしてたんですけれども、そのインターンの経験の中で、自分が志していたものと、できる仕事というか国際機関の役割っていうのが、ちょっとズレがあるなと思いまして。「自分は、この環境を選ぶべきじゃない」「ベストな環境じゃないかな」と思って、ビジネスの道、起業の道を志すようになりました。

ボストンコンサルティンググループ入社以降の動き

高田:ただ当然「起業するといっても何をするの?」って話があったり、あとは家庭環境的に奨学金とかをすごく借りていたようなかたちだったので、それらを返さなきゃいけないというのもあって、お金がもらえてビジネスの修行ができる場所にまずは行かなきゃということで、新卒で前職のボストンコンサルティンググループという会社に日本で入りました。

日本だけでなくて、例えば中国の上海であったり、アメリカのロサンゼルスであったり、シンガポールとか、いろいろなチャンスをいただいて。コンサルティングに従事したあとに、名前が変わっているんですけど、2018年にこのコミューン株式会社の前身となるDayone株式会社を橋本(翔太)さんと共同創業して、今に至るまでCEOをやっているというかたちでございます。

稲荷田:ありがとうございます。滑らかな自己紹介すぎて聞き入ってしまったんですけれども。気になるところがたくさんあったので、1つずつ追って聞かせてください。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

すでに会員の方はこちらからログイン

または

名刺アプリ「Eightをご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!

スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ

名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は

デジタル名刺で
ログインまたは会員登録

ボタンをタップするだけで

すぐに記事が読めます!

次ページ: 「善良な市民が損をする」状況への怒り

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

    新着イベント

      ログミーBusinessに
      記事掲載しませんか?

      イベント・インタビュー・対談 etc.

      “編集しない編集”で、
      スピーカーの「意図をそのまま」お届け!