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#116 株式会社GROWTH VERSE 代表取締役会長 兼 CTO 南野 充則 氏(全4記事)

CTOからいきなりCEO就任で学んだ「意思決定」の難しさ 共同創業者との「経営方針のズレ」がきっかけに [1/2]

【3行要約】
・多くの企業がAI導入を検討するも、具体的な成果指標や経営判断の難しさに直面しているのが現状です。
・GROWTH VERSE代表の南野充則氏は「AIは単なる手段であり、データを活用し具体的な売上向上という成果を示すことが重要」と指摘します。
・AIを活用した企業成長が注目される中、具体的なROI提示と意思決定の
スピードが成功の鍵となっていることが明らかになっています。

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溝口勇児氏との経営方針のズレ


稲荷田和也氏(以下、稲荷田):先ほどの話にもう一度戻らせていただきたいんですけど。2019年の末ぐらいに、溝口(勇児)さんが退任されていらっしゃるんですかね?

南野充則氏(以下、南野):はい。

稲荷田:これは退任といいますか、引き継ぎがなぜ行われたのかとか、どういうかたちでバトンタッチされたのかみたいなところも、よかったら教えてもらえますか?

南野:これは経営方針のズレというか。溝口さんはもっと投資して、さらに掘って、もっとスピードを上げて大きくしたい。一方で、取締役会とかで議論している中で、これ以上踏むとけっこう会社の資金繰りも倒産リスクもすごく高い。なので、一回赤字を削ろうというのと、この2派に(分かれました)。

2個の議論が対立して、結局議論した結果、溝口さんも「じゃあ、それやったら俺はもう降りる」というので、取締役会でも「じゃあ、赤字を削る方針で」となって。そこで溝口さんが降りたので、バトンタッチが起こったみたいな感じですね。

稲荷田:とはいえ、おそらく溝口さんのキャラクターしかり、影響力はすごく大きかったりもしますけれども。そこで代表にバトンタッチする中での重荷じゃないですけど、そんなところはどう感じられていらっしゃったのか。あと、まさにコロナのタイミングと被っていると思うのですが、そのあたりは大変じゃなかったですか?

南野:結論はめちゃくちゃ大変でしたけど(笑)。まぁ、重荷もすごいですし。そもそも170億円ぐらい集めているので、代わった時に僕が株主に挨拶回りをしたんですけど、けっこう厳しい言葉もいっぱいかけられました。さらに赤字もすごく多かったので「その赤字をどう削って、どう黒転させるのか」みたいなところで、けっこういろんな強い意思決定が必要な場面が多くて。

もともと僕はCTOだったんですけど、いきなりCEOになって「すごい意思決定をしなきゃアカンねんな」みたいなことを……。そんなにCEO経験もないのに、いきなりめちゃくちゃ厳しいCEOの仕事をしなきゃアカンみたいな(笑)。すごく大変だったんですよ。

いきなりCTOからCEOに

稲荷田:(CTOの経験と)ぜんぜん違ったんですか?

南野:そうですね。やはりCTOの時は、もちろん事業成長のことも考えるんですけど、どちらかというと「こういう技術で、こうアプリを作ったら、これだけ伸びるんじゃないか」みたいなことをずっと考えたりとか。

どうエンジニアを束ねて、効率を上げてアウトプットを出していくかとか。あとは事業サイドとすり合わせして「この納期で作っていこう」みたいなのをマネジメントしていくのが主なロールではあるので。

一方でCEOは、「会社全体の方針をどうしていくのか」とか、「じゃあ、赤字を削る時にどこから削っていくのか」とか。「今月の注力ポイントは何なのか」みたいなところで、全部決めていかないといけない。そういうのは、最初はすごく「こんなことをしてたんや」という感じでしたね。

稲荷田:そこからバトンタッチをされて、何年ぐらい経営されたんですか?

南野:3年半から4年ぐらいやりましたね。

稲荷田:振り返ってみると、いかがでしたか?

南野:振り返ると、次やったらもっとうまくやれると思っています。もし最初からその経験を持ってCTOをやっていたら、CTOとしてよりグロースさせられたなという感覚もありますし。やはりCEOとしてのいろんな意思決定をもっと速く決められたなと思っていて。

やはり、決めるって勇気がいるので。その時に「これで合っているのかな?」と悩む時期とかもあるんですよね。でも物事は何か意思決定をしてアクションを起こさないと進まないんですよ。寝ていたら何かが勝手にうまくいくことはないので。その時においては、やはり「その時は弱かったな」とは思いますけどね。

稲荷田:そしてFiNCさんを退任されて、まさに今のGROWTH VERSEさんでのチャレンジというところにステージが変わっていくと思うんですけど。再起業というより、まさに参画みたいな感じなのかなとお見受けしているんですけど、このあたりも教えていただけますか?

南野:僕としてはAIをもっと使っていきたいし、AIをもっと推進するようなことをしたいなと思っていたんですよね。それでGROWTH VERSEはそのデータをたくさん持っているところが1つの僕の興味ポイントでした。やはりAIを作るのは、データがあったほうが絶対に有利なんですよ。

その時にGROWTH VERSEは、そもそも大企業のお客さんをけっこう持っていて、データもたくさん持っていたので、そこにAIを搭載すれば、お客さんにもっと成果を返せる。結局日本はディープラーニング協会とかもやっていますけど、大企業がもっとAIを使いこなせないと、日本全体の価値が上がらないんですよね。

これが少子高齢化になって人手不足という中で、やはりAIで事業がうまくいったユースケースを日本がいっぱい生み出していかないといけない。でも結局、大企業は何をやったらいいのか悩んだり、各々が進めているのであまりうまくいかないという時に、僕たちがそこの1個の柱になれるんじゃないかなと思って、GROWTH VERSEに参画したといったところですかね。

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