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#116 株式会社GROWTH VERSE 代表取締役会長 兼 CTO 南野 充則 氏(全4記事)

CTOからいきなりCEO就任で学んだ「意思決定」の難しさ 共同創業者との「経営方針のズレ」がきっかけに [2/2]

GROWTH VERSEに参画した経緯

稲荷田:大手企業のビッグデータを持っていて、かつAIに強みがある会社は、当時はそこまで選択肢がなかったのかなという気はしつつ。とはいえ1社だけではなかったんじゃないかなと思います。

南野:あぁ、そうですね。

稲荷田:そのあたりはどうですか?

南野:それで言うと、GROWTH VERSEは親会社にミダスキャピタルというファンドがあるんですけど。グループにはGENDAさんとか、BuySellさんとかがいらっしゃって。ミダスキャピタルの代表の吉村(英毅)さんが、僕のサークルの先輩でして。

稲荷田:へー。

南野:その時に、「一緒にやろうよ」とか、「GROWTH VERSEは、おもしろいでしょ」みたいな話とか。ミダスキャピタルのやっていることに僕もすごく共感していて、「吉村さんは、すごくおもしろいことをしているな」と思っていたので。いろんな人に「一緒にやろう」と言われたんですけど、けっこう吉村さん一択で参画させてもらったという感じですね。

稲荷田:それで最初に入られたタイミングでは、ポジションでいくとどういう入り方をされたんですか?

南野:あ、でも最初から代表取締役で入ったかたちですね。

稲荷田:それは、すごい抜擢な気がしますけど、どういう背景だったんですか?

南野:もともとのGROWTH VERSEは、AIの人材が少なかったんですよね。そもそもAIのチームもまだなかったですし、AI案件が1、2個ぐらい走っていて、いいモデルができつつあるみたいなところだったんですよ。

なのでけっこうAIを進めていかないと、単純にそのマーケティングのSaaSをやっているだけだと、競合もSalesforceさんとか、トレジャーデータさんとか、KARTEさんとか、b→dashさんとか、もう強いので。

「もうぜんぜん浮上できないよね」みたいな話もしていて。だから会社としても「AIに振っていこう!」みたいなところもあったので、「それだったら代表がAIをわかっていたほうがいいよね」みたいなところで、代表取締役で入ったみたいな感じです。

稲荷田:先ほどミダスキャピタルさんの話もありましたけど、ミダスさんと、この前身の会社のスプリームシステムさんとの関わり方とかについてうかがえますか。

南野:ミダスキャピタルがスプリームシステムをM&Aしました。それが今のGROWTH VERSEになっています。だから経営株主がミダスキャピタルです。けっこううちの経営陣はミダスキャピタルのリファラルで紹介してもらって、今の共同代表の渡部(知博)もミダスのリファラルですし、CFOの諸冨(圭輔)もミダスのリファラルです。幹部系はだいたいミダスと一緒に採用できているような感じになっています。

社名に込めた想い

稲荷田:やはりその経営体制が刷新されていくタイミングで、社名もけっこう熟慮を重ねた中で変更されたのかなと思うんですけど。ここはどういう思いでGROWTH VERSEさんに定めたのかも、よかったら教えてもらえますか?

稲荷田:これは僕と代表の渡部が一緒に決めていったんですけど。まずは各々の思いというか、この会社をどうしていきたいか、どういう存在でありたいかみたいなのをすごく言語化しました。いっぱい書き出して、「これ、いいね」というのを2人でやりました。その時に、Salesforceでトップセールスをずっと張っていた人が、「Salesforceの時は分業体制がすごいので、お客さんに売っていく役割だった」と。

売っていった結果、そのお客さんが「うまくいったのか、うまくいっていないのか。あまり自分には見えないし、できれば自分が売ったお客さんには絶対に成功してほしい」と言うので。彼の(思い)を突き詰めていくと、「お客さんが自分と関わることによって成長していることが自分はうれしい」というのが、根底にありました。

僕も結局、AIを作るユースケースを日本で増やしていくには、やはりAIを使った成功体験をいろんな企業さんに提供することで、「やはりAIはすごい」「AIをちゃんと使ったら、うまくいくんだ」みたいなことができていくと思っていたんですよね。それで、「GROWTH」を1個のキーワードとして入れたいなというので、まずGROWTHが1個入りました。

「GROWTH〇〇にしよう」みたいなので、「GROWTH〇〇選手権」みたいなのをいっぱいやったんですけど(笑)。

稲荷田:選手権(笑)。

南野:その中で、VERSEはユニバースとか、広がりとか、そういう意味を持つんですよ。メタバースとかもあると思いますけど。なので「これって、無限に成長させられたらすごくいいよね」という思いから、GROWTH VERSEになったみたいな。そのような決め方をしていった感じです。

未上場の時からM&A戦略を打ち出す

稲荷田:なるほど。いっそのこと社名にAIを入れちゃうとかは、なかったんですか?

南野:AIは1個の手段だなと思っていまして。AIの次に量子コンピュータが来るかもしれないし、いろんなものがまた出てくるんですよね。AIはけっこう広義なので(社名に)付けてもいいなと思ったんですけど、「それは安易すぎる」というのが、たぶん2人の見解で。

でも「お客さんが成長することが僕らの求めていることで、別にAIを使わなくても成長するんだったら、それはそれでよしとしよう」というのでGROWTH VERSE。だからAIは入れなかったという話ですね。

稲荷田:ありがとうございます。M&A戦略が明確に打ち出され始めたのは、時期でいうといつぐらいになるんですか?

南野:M&Aは、基本ミダスキャピタルの必勝パターンではあるので、やはり未上場の時から「M&Aをしていこう」と。一方で、既存事業ではしっかり立ち上がっていたり、組織が脆弱な時にM&Aをすると大変なことになるんですよね。僕たちもAIMSTARを買って、AIMSTARにAIを搭載させたり、2021年からそのチーム作りをやっていました。

という時に、やはり2024年ぐらいに、やっと外で買ってきた会社をグロースさせるようなところも手掛けられるよねという体制になってきたので、2024年からM&Aを始めていった感じなんですけど。戦略自体は最初からもうAIとかでロールアップしていこう、SaaSをどんどんロールアップしていこうみたいなのは決めていたので。

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