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#109 StoryHub株式会社 代表取締役CEO 田島将太 氏(全4記事)

AI編集が“メディアに取材されるのを待つ”時代を変える 企業の情報発信を加速させる「StoryHub」の可能性 [1/2]

【3行要約】
・StoryHub株式会社 代表取締役CEOの田島将太氏は「価値あるストーリーを共創するハブになる」というミッションを掲げ、AI編集ツール「StoryHub」を提供しています。
・StoryHubアドバイザーの深津貴之氏は、AIの進化が進むほど「使いこなすための仕組み」を持つプラットフォームの価値が高まると指摘しました。
・田島氏はStoryHubが提供するサービスについて、編集ツールだけではなく、さらなるバリューチェーン拡大を目指していくと語りました。

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1万倍のコンテンツを出すことも夢じゃない

稲荷田和也氏(以下、稲荷田):先ほどの深津さんの話とも共通すると思いますが、AIに見つけてもらうためのコンテンツとか、そういった工夫もあるんですか?

深津貴之氏(以下、深津):工夫としては、いい記事をいっぱい作るのが、一番ストレートですよね。

稲荷田・田島将太氏(以下、田島):へー。

深津:あとは、それをAIが集めやすい場所に集めやすい形式で置いておくとか。

稲荷田:いい記事かどうかも、AIが判断してクローリングするんですか?

深津:基本的にはAIが学習をする手前で品質チェックが入ります。なので、少なくとも品質チェックにパスする程度にはいい記事にしておくほうが望ましいかなとは(思います)。加えて、いい記事を一定数出すことも(望ましいです)。

稲荷田:StoryHubさんとしても、AIアシスタントを使うことによって質も高めていきます。また、そもそも企業さんはみんな、「コンテンツを本当はもっと出せるはずなのに出せていないよね」みたいな課題感もあって、そこもアシストしていきたいという思いなんですか?

田島:そうですね。たぶん潜在的なコンテンツの数でいったら簡単に1万倍ぐらいにはできると思うんですよね。「まだまだ埋もれているものがとても多いな」と思っています。そういったものを気軽な気持ちで作り始めて、しっかりクオリティを高められるようにしていきたいと思っています。

プロサッカークラブでの活用事例

稲荷田:「StoryHub」を使う企業さんでいくと、どういうコンテンツが作りたくて「手伝ってほしい」となるんですか?

田島:これは本当に企業によってさまざまです。オウンドメディアをすでにやっているところであれば、今までの延長でもっと伝えたいテーマを深掘りすることもあります。ちょっと特殊な事例かもしれないんですけど、とあるプロサッカークラブの広報の方が使ってくれています。

メディアの取材を待っているとなかなか選手へのインタビューを出す機会が少ない(そうです)。あと、「今、この瞬間が一番熱いタイミングだから聞いたほうがいいのに」とか「もっと突っ込んだことを聞いてもいいのに」と広報の方がもどかしく思っていることが今までにけっこうあったらしいんです。

それをもう(広報)自らが聞くことで選手のおもしろいコンテンツを出していったり、そのサッカークラブのスポンサー企業へのインタビューを出していったりしました。それによって、ファンとのエンゲージメントを作るだけじゃなくて、選手間のコミュニケーションを活性化させたり、スポンサーとの関係性を強化させたりして、いろんな方面でコンテンツが活躍しているという話を聞きました。

コンテンツ制作に必要な機能を集約

稲荷田:今の話でいくと、例えばメディアがまず取り上げてくれないという問題もあります。そもそもインタビューの項目を作ったり、インタビューをしに行ったり、文字起こして記事を作ったりするのも大変です。結果的にコンテンツが少なくなっちゃっているところをまるっとカバーできるサービスになっているということなんですかね?

田島
:そうですね。

稲荷田
:なるほど。例えばChatGPTや「Claude」を自分でそれなりに使いこなせる方だったら、「そもそも要らないんじゃないの?」みたいな(疑問が浮かぶかもしれません)。これを使われている企業さんは、そもそもAIを使っていない方々なのか、使っている方々なんだけど、もっと(さまざまな用途で)使えるのか。そのあたりを教えてもらえますか?

田島:そうですね。プロダクトとしてはコンテンツ作りのワークフローを一気通貫でサポートしています。これは「StoryHub」を使わずとも、やろうと思えばできると思います。

けれども、「文字起こしツールはこれを使って、ライティングはこれを使って、レビューはこれを使って」と、ツールを何個も使い分けなければいけません。あとは、いいタイトルを作るためのコツみたいなものが、僕たちのプロダクトの中には組み込まれています。なので、誰が使っても一定のクオリティが出せるという点で、同じことをやるのであれば「StoryHub」を使ったほうがはるかに楽ができます。

しかも1人だけじゃなくてチームでノウハウを共有できます。なので、AIの専門家にならずとも1次情報にアクセスできる環境さえあれば、誰もがみんないいコンテンツが一定作れるのは大きな利点かなと。なので、今までChatGPTで書いていた人も乗り換えてくださることもありますね。

AIの進化はむしろ追い風になる可能性

稲荷田:深津さんは、このあたりは「AIが民主化されていったら、誰でも(StoryHubさんのプロダクトと同じようなことができるAIが)使えるようになる」(と考えている)のか、「それでもStoryHubさんは生き残り続ける」(と考えている)のかについて、教えてもらえますか?

深津:これはすごくシンプルなアナロジーで説明できる気がします。基本的には生成AIや言語モデルの性能は上がり続けます。なので、どんどん頭がよくなるし、できることが増えていく。なので、基盤モデルでも単純にいい文章を書く文章力やリサーチ力は増えていくのが原則ルールになります。

ただ、おもしろいところというかポイントになるのは、「基盤モデルがめちゃくちゃ頭がよくなった時にどうなるか?」ということです。「StoryHub」は、その基盤モデルを採用して搭載するわけですよね。そうすると結局、どんなに基盤モデルが進化しても、「素の基盤モデル」VS「『StoryHub』のシステム上でいろんなデータや手続きが効率化されるツールを使いこなす基盤モデル」の戦いになります。

なので、基本的にはそういったプラットフォームに乗っかったものは、うまく設計をすれば優位性が保てると思いますね。イメージとしては、人で例えたほうがわかりやすいです。めちゃくちゃ頭がいい人が生まれたとして、めちゃくちゃ頭がいい人にはパソコンや電卓が要らないかというと、そんなことはありません。

「めちゃくちゃ頭がいい人」VS「メモとパソコンと電卓とインターネットを与えられためちゃくちゃ頭がいい人」だったら、後者のほうが絶対にパフォーマンスが良くなるはずなんですよね。

なので、「StoryHub」が(基盤モデルが進化する)タイミングで価値が失われないようにデータベースや機能実装をしっかりしていくならば、むしろ基盤モデルの性能が上がれば上がるほど、基盤モデルを使いこなす周辺セット群を提供できる分だけ強みを出せると考えられるのではないかとは思いますかね。

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