【3行要約】
・価値あるコンテンツ制作には1次情報と人間の編集眼が不可欠。StoryHubはAIの生産性と人間の審美眼を組み合わせた新しいアプローチを提案します。
・StoryHub株式会社 代表取締役CEOの田島将太氏は「価値あるストーリーを共創するハブになる」というミッションを掲げ、2.2億円の資金調達を発表。導入企業もメディア企業から一般企業へと拡大中です。
・田島氏はStoryHubについて“1次情報を重視し人間の編集方針とAIの生成力を組み合わせるツール”と説明します。
2.2億円の資金調達を発表
稲荷田和也氏(以下、稲荷田):声で届ける起業家の物語『Startup Now』。MCのおいなりです。本日のゲストは、StoryHub株式会社代表取締役CEO、田島将太さんです。
StoryHubさんは、オールインワンAI編集アシスタント「StoryHub」を提供されているスタートアップでして、2025年7月にシリーズAラウンドで2.2億円の資金調達を発表されたばかりとなります。田島さん、よろしくお願いします。
田島将太氏(以下、田島):よろしくお願いします。
稲荷田:今回、田島さんは、(StoryHubの)広報・PR担当の方から、「ぜひ、いかがでしょう?」とご相談をいただきまして、そこでご出演いただいたという背景になります。サービスの内容も後ほど触れると思いますけど、個人的にもとても気になる、ある意味(私も)ユーザーにもなり得るサービスなのかなと思いまして、そういう目線でもお話を聞きたいなと思っています。
前編では、田島さんの人生の物語をひもといていきたいと思っております。まずは事業について、1分程度で教えていただけますでしょうか?
田島:あらためて、「価値あるストーリーを共創するハブになる」ということをミッションに活動している、StoryHub株式会社の田島です。手掛けている事業も会社名と同じ「StoryHub」というオールインワンのAI編集アシスタントを提供しております。
StoryHubはコンテンツを作るためのツールです。AIのサポートを受けながら、企画から仕上げまで一気通貫でサポートして、理想の記事、あるいは自分たちのブランドらしい記事を作れるAI編集アシスタントです。
人間の編集と、AIのコンテンツ生成力を組み合わせる
田島:StoryHubの特徴なんですが、私たちの思想というかコンセプトとして、人々が情報価値を感じるコンテンツを作るためには、取材やリサーチで集めた生の情報、(つまり)1次情報が重要だと考えています。なので、AIに「記事を書いて」と丸投げするのではなくて、人間の編集方針とAIによる生産性向上をうまく組み合わせたツールとなっています。
具体的には、理想の成果物に合わせたテンプレートがあります。取材して集めた音声や動画、PDFなどを放り込んで、そのテンプレートを起動させるだけで記事のドラフトが作れて、そこから校正・校閲やタイトル提案まで全部やってくれるというサービスとなっています。
稲荷田:ありがとうございます。(StoryHubを使われている企業さんは)、最初の頃は特にメディア系の会社さんが多かったイメージがありますけど、今使われている企業さんは(それ以外の業界にも)けっこう広がってきているんですか?
田島:そうですね。やはり最初は、日頃からコンテンツを作っているテレビ局や出版社、新聞社の方を中心に広がってきていたのですが、最近は広報の方や、自社でオウンドメディアを運営しているメディアではない企業の方が、どんどん使ってくれるようになっていますね。
汎用AIとの違い
稲荷田:ありがとうございます。これは後編でもまたお聞きすることになっちゃいそうですけれども、(StoryHubは)「AIアシスタントとしてあえて(機能を)切り分けている」とお伝えしているところについて、もう一段深く(ご説明)いただきたいです。
それこそ(Chat)GPTとかClaudeに読み込ませれば、それなりに記事を作れると思うんですけど、そうじゃない理由を、まず簡単に教えていただけますか?
田島:そうですね。コンテンツとして特にテキストの記事を作ると聞いて最初にイメージすることって、やはり(文章を)執筆するというライティング作業だと思います。ただ、実際にふだんコンテンツを作っていたり、ストーリーを発信していたりすると気づくのが、一番大事なのはその前後なんじゃないかと(いうことです)。
どれだけいい企画を立てられるか。どれだけいいリサーチ取材ができるか。作ったものをいかにブラッシュアップして100点に近づけられるか。そういった審美眼(を持って企画や取材)、レビューすることなのかなと思っています。
コンテンツ制作を導くパートナー
田島:ただ、そういったコンテンツを作る前後の工程を含めたワークフローを、ふだんコンテンツを作っていない人がやろうとするのはかなり難しくて、どうすればいいかわからないということもあります。なので、そういったライティングの前後までをプロダクトレベルでサポートすることで、StoryHubを使ったら強制的にいいコンテンツが作れちゃう、みたいなことが必要なのかなと思っております。
そういったコンテンツを作るというドメインに特化したサービスって、チャット系の汎用型サービスだとなかなか実現できないので、そこは自分たちで切り出して開発・運営していこうとしています。
稲荷田:じゃあ、プロフェッショナルな方々からしたら、自分の手がもう1本生えたかのようなアシスタントパートナーとなる。(また、)これから文章を書いていく、(コンテンツ作りに)慣れていない方々だったら、(StoryHubによって)引かれた補助線に沿って自分が手を動かせばうまくできるんですね。
田島:そうですね。なので、よく「Google先生」とか、人はAIのことを「先生」と呼びがちなんですけど、どっちかというとアシスタントやパートナーとして、一緒に編集作業に付き添ってくれるイメージですね。
新幹線で1時間以上かけて通学した高校時代
稲荷田:ありがとうございます。続きまして、ぜひ田島さんの幼少期や学生時代、ご経歴を中心とした自己紹介を、また1~2分程度でお聞かせいただけますでしょうか?
田島:私は生まれが埼玉県の本庄市です。関東ではあるんですけど、東京まで電車で2時間ぐらい、新幹線を使っても1時間かかります。そういった埼玉県の一番端っこというか、斜め対角線上にある町で生まれ育ちました。実は高校(生になった時)から、東京の高校に新幹線通学をしていました。
稲荷田:新幹線通学? すごいね。
田島:ドア・ツー・ドアで1時間半ぐらいですかね。新幹線で東京の高校に通って、大学はそのまま東京大学に進学しました。
大学の時、僕はあんまり就活をしたくなかったんです。とあるITコンサルティング会社から内定をいただいたんですが、実はそのコンサルティング(会社に入社した)1年目のタイミングであらためて就活して、(次の就職先を)ちゃんと探そうと思っていたんですよね。なので、(ITコンサルティングに内定をもらってから)1週間ぐらいで自分の就職先を決めてしまったんです。
稲荷田:おー、早い。