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#109 StoryHub株式会社 代表取締役CEO 田島将太 氏(全4記事)

AIは先生ではなく仕事の相棒 AI編集ツール「StoryHub」代表が語る“1次情報を活かす”サービス設計 [2/2]

シリコンバレーでインターンを経験し、コンサルへ入社

田島:大学を卒業してから3、4ヶ月ぐらいは、サンノゼやシリコンバレーでしばらくエンジニアのインターンをして、夏には(日本に)帰ってきて、7月にそのコンサルティング会社に入りました。

スマートニュースの知り合いが「うちに来ない?」と誘ってくれたので、そのコンサルティング会社の研修を受けながら、スマートニュースの面接を同時に進めていました。研修が終わったと同時に「辞めます」と言って、スマートニュースに入ってしまったんです。

稲荷田:そうなんですね。

田島:なので、実質1社目がスマートニュースですね。

稲荷田:ありがとうございます。じゃあ、ちょっと順を追って聞きたいんですけど、東京に通学をしていたのは、よっぽど行きたい学校があったということなんですか?

田島:そうですね。高校は開成高校なんですけど、自分が行ける中で一番いい高校に行こうと思った時に、せっかく非常に良いところに通ったので、そのまま通ってみようかなと。ただ、開成高校って意外と朝が早くて、始業(時間)が8時10分からなんですよ。

稲荷田:早いですね。

田島:早くないですか(笑)?

稲荷田:それは通学できるんですか?

田島:高崎線という在来線で通っていると、ちょっと朝、とても早起きしなきゃいけなかったんです。なので、3年間もたないなと思いまして、「高校時代は塾に行かないから、新幹線で通わせてくれ」と親に頼みました。それで、毎朝6時には起きて、そのまま家を出て、ぎりぎり8時10分に間に合う、みたいな生活を送っていました。

上京で知った情報格差

稲荷田:すごい。これはたぶん後の起業の話にも少し紐づくかもしれませんが、ちょっと別のインタビューを拝見していて、埼玉から都心に通学をして、すごく情報格差を感じられたみたいな話がありました。そのあたりを少し教えていただけますか?

田島:そうですね。これはちっちゃい話ではあるんですけど、高校に入学して最初にびっくりしたのが、なぜかクラスのみんながもう知り合い同士なんですよ。「あれ?」と思ってよく聞いてみると、やはり東京だと非常に難関の塾に通って受験する人が多いので、早稲田アカデミー勢やSAPIX勢(同士)で知り合いがいるんですよね。

でも、僕の地元はそういう、いわゆる都内(にあるような)難関(大学受験のための)塾がなかったので、「僕だけ誰も知り合いがいないな。入学する前からすでに教育レベルってけっこう違っていたんだな」とショックを受けたりとか。

あと、これは学業ではなくて趣味の分野でも、やはり都内のほうがアクセスできるコンテンツの量が多いなとすごく思ったんですよね。私の場合だと、家の近くにあったちっちゃい本屋さんが好きでよく通っていたんですけど、そこに置いてある本が、自分がよく触れるコンテンツの倉庫だったんです。

けれども、やはり都内となると、本屋という1点だけを取っても、規模が数十倍、数百倍レベルで違います。アクセスできる映画館や劇場の数も桁違いです。そういう触れる文化の違いがすごく大きいなと思っていましたね。

東大で幅広い分野を学ぶ

稲荷田:孤独感もあるし情報量もぜんぜん違うから、ちょっとある意味、最初は焦る気持ちもあったんですかね?

田島:シンプルに戸惑ったのが一番大きかったですかね。

稲荷田:なるほど。大学は学部でいくと、どこに入られたんですか?

田島:学部は教養学部でしたね。東大だと(1、2年生の間の)前期(課程)は教養学部なんです。一応、僕はそこの中だと理系に入ったんです。

大学3年生から、法学部や農学部など、本格的な進学先に学部が分かれていくんです。けれども(僕は)そこでも教養学部という、他の大学だとあまりないかもしれない、理系と文系の融合みたいな学部に通っていました。

稲荷田:「教養」とは、具体的にはどういう領域なんですか?

田島:教養学部は何でもありですね。理系と文系の中間のような、従来はなかなか専門の学部として取り扱ってこなかった領域がメインになっていました。具体的には、例えば私が行っていたところは認知科学系でした。なので、私はマーシャル・マクルーハンみたいなメディア論も勉強しました。

稲荷田:そうだったんですね。

田島:あとは情報工学でプログラミングを勉強しましたし、けっこうそういった海のものとも山のものともつかない、いろんな学問が集まっているような場所でしたね。

“コンテンツがすごく好きだった”

稲荷田:そのタイミングでメディア系を専攻されたのは、どういう理由というか興味関心があって選択されたんですか?

田島:なんでですかね。明確に「これがやりたい」というのが決まっていたわけではないんです。なんとなく自分の興味に正直に進んでいったら、自然とそうなっていった感じですね。

たぶんもともと、先ほど本屋の話もしましたけど、特に小説もすごく好きでしたし、コンテンツがすごく好きだったんですよね。なので、自分が好きなものをそのまま学問にしているところとなってくると、そのままそうなってきたのかなと。

稲荷田:これ、場合によっては言語化が難しいかもしれないんですけど、なぜ昔から小説が好きだったんですか?

田島:なんでだったんですかね(笑)。

稲荷田:僕はそんなに小説をたくさん読んでいなかったんですよ。でも、好きな方々って本当に何冊も読んでいたりするし、好きな著者さんもいたりするじゃないですか。そのあたりってどうですか?

田島:そうですね。僕の場合は、違う自分の人生をもう1回追体験できるというか、そういった新しい可能性を開いてくれるところがすごく好きでした。なので、小説の中でも、純文学的な小説も読みますし、エンタメ推理小説も読みますし、昔はファンタジーをすごくたくさん読んでいましたね。そういった新しい可能性や違う世界線を追体験するのが、僕にとっての一番の小説の楽しみ方だったかなと。

大学生活でさまざまなコンテンツに触れる

稲荷田:なるほど。「小説とかコンテンツが」とおっしゃっていたということは、小説(だけ)じゃなくて他のコンテンツ系もけっこう幅広くお好きなんですか?

田島:そうですね。中学生ぐらいまでは、やはり小説がメインだったんです。けれども高校に入って、いろんな友人と触れて、漫画や映画を見たりして、触れるコンテンツの幅はかなり広がってきたかなと思います。大学の時は演劇をたくさん見ていましたね。

稲荷田:大人ですね(笑)。

田島:東大の駒場(地区)キャンパスに、「駒場小劇場」という東大の演劇サークルの人が公演している専用の劇場があって、しょっちゅう見に行きました。駒場って、演劇の街で小劇場がすごくたくさんある下北沢と、すごく近いんです。それと、僕自身が大学の時にマジックサークルに入っていまして。

稲荷田:マジック。手品ということですね。

田島:手品ですね。手品の中でも、舞台の上でやるような手品というよりかは、クロースアップと呼ばれるような、対面で行うマジックを中心にやっていました。それで、下北沢の劇場を借りて、友だちと一緒にマジックのショーを主催して公演したりしました。当時はラーメンズや小林賢太郎が特に好きだったんですけど、けっこう演劇方面には興味を持っていましたね。

手品と認知科学の共通点

稲荷田:周りで手品をやっている人はぜんぜんいないんですけど、でも確かにあれってすごくおもしろいものだなと思っています。「なんで始めたのか?」とか「何に熱中していたのか?」みたいなところはどうですか?

田島:そうですね。(手品を)始めたのは、確か高校の頃に横浜の大道芸を見て「おもしろいな」と思ったのが直接のきっかけなんです。でも、実際にやってみると、手品って人間の認知の仕組みを利用した細かい動きが多いんですよね。

もちろん、手品的なテクニックもそうなんですけど、どの位置に手を置くと人間がより注目するか(というミスディレクションと呼ばれるテクニックがあります)。顔の周りは(観客の注目が)強い位置で、他は弱い位置として、何か仕掛けをする時には弱い位置に手を持ってきて、注目させたい時には強い位置に手を持ってくる(というものです)。

そういった細かいテクニックをどんどん見ていくと、それもすごく認知科学と相性が良くてですね。

稲荷田:へぇ。確かにそんな感じはしますね。

田島:マジシャンって認知科学や心理学が好きな人がすごく多いので、興味の方向性がけっこう近かったのかなという気がします。

稲荷田:いいですね。大人になってから手品を披露されることはありますか?

田島:大人になってからは見るほうが多いですけど、たまに友人に見せたりします。

稲荷田:見てみたいなと思いました。

田島:でも、手品を最初に見せてしまうと、手品をする人だと思われてしまうので(笑)。

稲荷田:(笑)。ブランディングが難しいですね。

田島:なので、最初は見せないようにしています(笑)。

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