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#111 株式会社穴熊 代表取締役 西村成城氏(全4記事)

リアルタイム“文字通話”の「Jiffcy」が広がる理由 口コミ導線とAndroid解禁、投資家が見た次の一手

【3行要約】
・テキスト通話アプリ「Jiffcy」は新たなコミュニケーションツールとして注目されていますが、マネタイズ戦略や世代間の普及に課題があります。
・西村成城氏は「対面を超えるコミュニケーション」を目指し、ユーザー獲得を優先してAndroid版をリリース。NTTドコモ・ベンチャーズも支援。
・日本市場での口コミ拡大と海外展開を並行して進める同社は、画像・動画機能の実装を予定し、人類のコミュニケーション発展に貢献したい人材を求めています。

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世代を超えて届くプロダクト戦略

稲荷田和也氏(以下、稲荷田):僕は、「Jiffcy」を新しいコミュニケーションツールとして他のツールに代替していく。仮にそれが今、若い世代に一番使われているとすると、彼らが大人になった時に、それが社会的に当たり前になっていくよね、みたいなストーリーだと思っていたんですよ。

ただ、今の話でいくと、年次が高い方々のことを諦めているわけではないというか、そこにも何らかソリューションが出し得るんじゃなかろうかと思われているんですか?

西村成城氏(以下、西村):はい、そうですね。テキスト通話というものの延長線上という考えと、コミュニケーションの可能性を解放するために取り組む「Jiffcy」という考え方があります。テキスト通話の延長線上だと、時間をかけて人々が老いていくことで浸透するという感じのアプローチになると思いますが、テキスト通話以外の価値って、たぶんまだまだ提供できると思っていて、そこをけっこうアグレッシブに取り組んでいっています。

稲荷田:じゃあ今後も、新機能なのか新サービスなのか、そういった展開もあるということですね。

西村:そうですね。

対面の“次”をつくる余地

稲荷田:ありがとうございます。また戻っちゃうんですが、先ほどのテレパシーの話って、対面でのコミュニケーションが最上位だとした時に、「電話だと体験を失われているよね。それを上げて対面に近づけよう」という話じゃなくて、対面を超えるような何かが「テレパシー」というイメージなんですか?

西村:そうですね。例えば、対面だと話しにくいけど、メッセージだと伝えられることもありますよね。それが対面が理想的じゃないという理由です。なので、対面のコミュニケーションはまだまだ介入する余地があると思いますし、リモートのコミュニケーションも、まだまだ介入する余地があると思っています。

稲荷田:ありがとうございます。あと、次におうかがいしたいのが、いわゆる今、かなり多くの方々に使っていただいている状況が作れてきていて、もっと増やしていくという話では当然あると思います。

とはいえtoCサービスの場合、マネタイズがすごく難しいんじゃないかと、よく言われると思っています。そのあたりはどう考えているんでしょうか?

西村:前提として、マネタイズはけっこうユーザーが増えてからしようと思っているんです。なので、ユーザー獲得にかなり注力していくという戦略で考えています。後々マネタイズはしていくことになりますが、そこでスタンプ課金みたいなものだったり、あとは広告がメインになります。

マネタイズは後からついてくる

稲荷田:ありがとうございます。投資家の目線でみた時に、やはり早めにマネタイズしてほしいみたいなところも、場合によってはあるんじゃないかなと思っていますが、どんなふうに捉えていらっしゃるか、三好さん、教えていただけますか。

三好大介氏(以下、三好):そうですね。基本的には、西村さんと一緒で、このサービスの一番大事なポイントは、多くのユーザーが使っている状態になることです。多くの人が使っていれば、お金に変える方法は、先ほど言われたスタンプ、広告、企業さんに提供するなどを含めて、いろいろな方法があると思っています。

なので、少なくとも現段階においては、そこは考えなくていいから、とにかくより多くの人に使ってもらえるサービスを目指そうと(話しています)。将来的にユーザーが増えれば、お金はついてくるんじゃないかなと今は思っています。

稲荷田:ちなみに、NTTドコモ・ベンチャーズさん的には、電話というツールが、すでにインフラ化しているわけじゃないですか。そういうカンパニーという前提があった時に、「Jiffcy」が、新しいコミュニケーションツールとして普及していくところで、ノウハウを提供したりとか、コラボレーションの余地とか、そういうのもお考えですか?

三好:そうですね。現時点で具体的に「このかたちで進めましょう」という話をしているわけではないものの、将来的にできたらいいなというレベルでは考えています。

グローバルと日本、二正面の攻め

稲荷田:ご一緒していく中で、見つけていくということですね。今マネタイズの話もいただきましたが、今後の展望というところで明確にある路線でいくと、かなりグローバルのユーザーも増えてる中でアメリカ責任者の方を募集していたりするわけですが、グローバル展開していくんですか?

西村:そうですね。日本の市場というのもけっこう重視しています。と言うのも、周りの人が使っていれば使うんですけど、周りの人が使っていないことが使わない理由になるというのがあって。

今一番多いのは日本のユーザーなんですね。なので、日本のユーザーをきちんと獲得しいきつつ、アメリカで本当に可能性があるのかも、きちんと検証していきたいなというのがあって、両方進めています。

成長エンジンは口コミ導線とショート動画

稲荷田:国内のユーザーをもっと爆増させるみたいなところもあると思います。そこで今注力している分野はありますか?

西村:国内だと、あくまで口コミで広げるとか、友だちと一緒に使い始めるという導線を、いかに整備できるかを重視しています。なので、口コミで入る人の割合をかなり科学していっている状態です。

ただ、種となるユーザーが必要なんですが、口コミで離れたコミュニティの人が最初にやり始める理由として、ショート動画でバズらせるみたいなことはやっています。

稲荷田:それは今もやられているし、より強化していくところなんですね。

西村:はい、そうですね。

稲荷田:じゃあ例えば、SNSだったりTikTokが強い方々にも、採用という面では来てほしかったりするということですか?

西村:もちろんあります。

Android版の初速とユーザーの反応

稲荷田:いいですね。あと、確か前編の事業紹介で、Android版がリリースされたとさらっとおっしゃっていましたが、これはかなり待望の機能だったんですよね。

西村:そうですね。かなり求められていて、7月30日にリリースしました。

稲荷田:ホヤホヤ。昨日ですね。

西村:はい。

稲荷田:これは初速といいますか、肌感はどうですか?

西村:Android版リリースの初速はかなり良くて、やはり「待ってました」とか、「え、好き」みたいな、コメントがめちゃくちゃ届いています。リリースして日に日にAndroidユーザーが増えていっている状態です。

稲荷田:Android以外に、「これは、優先順位が高いな」と定めている新機能はありますか?

西村:もうすぐスタンプ機能がつきます。あとは、画像や動画を踏まえたコミュニケーション機能がつく予定ですが、これは三好さんにはまだ話していませんね。

稲荷田:それを聞いて、三好さんどうですか? 

三好:ユーザーが使ってもらえるサービスを作ることが大事なので、私が求めるよりは、まずユーザーが求めるものを作っていただければと思います。

エンジニア中心にポジション拡大中

稲荷田:そんな感じで、かなりいろいろな機能も開発されているので、採用ポジションを見ていても、エンジニア関係のポジションがたくさん出ていますね、ここも1つの注力ということですね。

西村:はい。

稲荷田:まだまだ聞き足りないところではありますが、ぼちぼちお時間になってきました。西村さん、最後にここまで聞いてくださった方に、届けたいメッセージがありましたらお願いします。

西村:私たちがやっているのは「コミュニケーション領域への挑戦」なので、かなり難易度が高い挑戦だと思っています。ただ、人間が人間たる理由って、コミュニケーションをしているからじゃないですか。

なので、そこをより発展させるというのは難易度が高いですが、人類にとって意味があるし、それを成し遂げた時の自分の生きる意味が、これほど強いチャレンジはなかなかないと思っています。難易度の高いチャレンジをしたかったり、「人類に影響を及ぼしたい」みたいなことをしたい方は、絶賛いろいろなポジションで採用中なので、ご連絡いただけるとうれしいです。

稲荷田:確かに、昔の西村さんみたいに「なりたい職業がない」とか「いろいろ試してみたけど、どうもやる気が続かない」みたいな方は、やはり自分の身近じゃないことをやっている気がします。そういう意味では、コミュニケーションや対話というのは、誰しも自分のことなので、すごく良さそうですね。

西村:そうですね。自分にも影響するし、人類単位でも影響を与えられます。

投資家からのエール

稲荷田:ありがとうございます。最後に三好さんからも、西村さんに向けた応援のメッセージをいただけますか。

三好:西村さんも、コミュニケーションでいろいろと構想を話してくださいましたが、私たちもコミュニケーションのかたちを新しく作っていく会社なので、彼らと伴走しながら、より大きなサービスを作っていきたいなと思っています。

西村さんも当然、我々と一緒にがんばっていきますが、今日聞いている方々にもぜひ使っていただいて、応援していただければと思っています。よろしくお願いします。

稲荷田:新しいインフラを作っていただくというところで応援しています。概要欄に、穴熊さんや、NTTドコモ・ベンチャーズさんのリンクも記載しますので、気になる方はぜひご連絡してみてください。そして、この配信が気に入っていただいた方は、ぜひ番組のフォローや評価、SNSでの拡散をよろしくお願いします。

西村さん、三好さん、そしてお聞きいただいたあなたも、ありがとうございました。

西村:ありがとうございました。

三好:ありがとうございました。

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