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#111 株式会社穴熊 代表取締役 西村成城氏(全4記事)

「声を出さずに電話する」プロダクトが生まれるまで “楽しさ”を追い続けた開発者の軌跡 [1/2]

【3行要約】
・「声を出さずに電話ができる」テキスト通話アプリ「Jiffcy」が急成長中。
・創業者の西村成城氏は子供時代に「冒険家」を夢見るも、起業という新たな冒険の道を選択。
・西村氏は「Jiffcyは対面会話に近い自然なコミュニケーションを実現」と語り、コミュニケーションツールの新たな可能性を示しています。

テキスト通話アプリ「Jiffcy」を提供するスタートアップ

稲荷田和也氏(以下、稲荷田):声で届ける起業家の物語、『Startup Now』。MCのおいなりです。本日のゲストは、株式会社穴熊(※取材当時 2025年9月1日より株式会社Jiffcyに社名変更)代表取締役、西村成城さんです。穴熊さんはテキスト通話のアプリ「Jiffcy」を提供しているスタートアップです。2025年7月、シリーズAラウンドの資金調達を発表されたばかりです。西村さん、よろしくお願いします。

西村成城氏(以下、西村):よろしくお願いします。

稲荷田:西村さんと僕の接点は、2023年12月ぐらいにさかのぼります。実は一時期、サイバーエージェント・キャピタルさんで投資先のPR支援などいろいろお手伝いをさせていただいていて、そのタイミングでお会いしました。

当時は、メディアにはギリギリ出ていないぐらいだったかなと思っています。僕もそのタイミングでデモを見せてもらって、「なんだこれは。新し過ぎる」と思ったのが正直な感想です。逆に言えば、可能性はすごく感じるけど、どうビジネス的にスケールしていくかは正直まだわからないなという感覚でいました。

ただ2024年になって、本当にあらゆるメディアにガンガン出ていらっしゃって、AppStoreとかでも上位を独占しているところをお見受けしています。ああもうすごいなというところで、今回あらためてお話を聞きたいなと思ってお招きをしたというのが背景です。

西村:ありがとうございます。

声を出さずに電話ができる「Jiffcy」

稲荷田:前編では西村さんの人生の物語そのものをひもといていきたいと考えています。まずは事業について、1分程度で教えていただけますか。

西村:テキスト通話アプリ、「Jiffcy」を提供しています。これはiPhoneとAndroid両方で使うことができるもので、声を出さずに電話をすることができます。

電話をかけて応答がある時、普通であれば「もしもし」という声が聞こえてくると思いますが、そうならずにトーク画面に移動します。トーク画面で入力された文字が1文字ずつ表示されます。

本当に電話しているかのような感じをテキストでできるものになっています。

稲荷田:ありがとうございます。最近だとTikTokとかもやられていて、実際にユーザー画面も配信されているかなと思います。1回見たほうが感覚知は早いかなと思います。とはいえ、電話以外のものでいうとどういうツールでのやりとりに体験が近いとか、例示されるものはあったりしますか?

西村:対面での会話が近いですね。メッセージングだと他人行儀な感じになる場合でも、「Jiffcy」を使うと普通に「笑」とか、「w」とかを送ったりして、めちゃくちゃフランクな感じで仲良くなれるというのが、対面のコミュニケーションにけっこう近いです。

“お化粧しない”コミュニケーション

稲荷田:メッセージツールだと、文章をちゃんと1回頭の中で整理して、加工したものを送っちゃうけれども、「Jiffcy」だとそのままがどんどん出てくるんですよね。

西村:そうですね。

稲荷田:あまりお化粧し過ぎないとか、そういう感じですか。

西村:そうです。文章だと、「よろしくお願いいたします」みたいな対面の言葉でわざわざ毎回付けないでしょみたいなものが付いたりするんですけど、「Jiffcy」の場合は相手が言っていることに対して「なるほど」とか「そうなんですね」みたいな、相槌のコミュニケーションがあります。

稲荷田:しかもリアルで話している時みたいに一定文脈が読めると、途中から重ねることもできたりするということですね?

西村:そうですね。

稲荷田:なるほど。このあたりはまた画面も別個見ていただきつつ、後編ではなぜこの事業なのかみたいなところも深くお聞きしたいと思います。それこそ電話との違いなどを、またおうかがいするシーンもあるかもしれませんが、いったん前編は他のところにフォーカスしますね。

社名とプロダクト名に込められた思い

稲荷田:事前に調べていておもしろかったのが、社名やサービス名です。それぞれに思いが込められていると思うのですが、社名は、これは「穴熊囲い」と言うんですかね。

西村:はい、そうです。

稲荷田:将棋のものでやられていて。よかったら教えてもらえますか?

西村:はい。将棋の穴熊囲いから来ています。別に私が将棋が強いとかいうわけじゃなくて、共同創業者の方が将棋めちゃくちゃ強いんです。それで社名を何にしようかという話をしてた時に、母音で始まる会社が投資家にとって投資対効果が高く見られるという論文がアメリカにあって、「絶対母音で始まるものにしよう」と思っていたんです。

稲荷田:へえ、母音。

西村:かつ、意味がすばらしいもの。カタカナのスタートアップが多いので、あえて漢字で重苦しい感じにしたらおもしろいんじゃない? というので、穴熊がドンピシャだった感じです。

稲荷田:なるほど。確かにめちゃめちゃインパクトがありますもんね。わからないゆえの魅力じゃないですけど、気になり過ぎちゃうというのはありますね。

あと「Jiffcy」も由来の部分がおしゃれだなと思いました。これもちょっと教えてもらえますか。

西村:はい。「Jiffcy」のJiff。J・i・f・f・c・yというのが、Jiffcyの文字なんですけど。

稲荷田:はい、文字列。

西村:J・i・f・f、Jiffというのがアメリカのスラングで、瞬間というふうに使われているんです。その瞬間の性質という意味で、性質を表す「cy」を付けて「Jiffcy」にしています。なので瞬間的なやつという感じになっています。

稲荷田:日本人からすると聞いたことがない単語だから、インパクトはあるけどちょっとわかりにくい部分も場合によってはあるかもしれませんが、逆に海外に行くと受け入れやすい単語だったりするんですか。

西村:いや、わかんないです。ふふふ(笑)。

稲荷田:あははは(笑)。

西村:でも、けっこうゴリ押しできるかなっていう。今までにある単語だったら、自分たちが与えた影響がわかんないと思うんですけど、Jiffcyは完全に造語なので、Jiffcyで検索すると、テキスト通話アプリ「Jiffcy」しか出ないんですね。

稲荷田:確かに。

西村:そこらへんのメリットもあるので、ゴリ押ししていこうと思っています。

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