#107 株式会社ヘンリー 代表取締役 逆瀬川光人氏(全4記事)
圧倒的な先行サービスにどう追いつくか? 後発名刺アプリをグロースさせた“後取り”の戦略 [2/2]
コピーリンクをコピー
ブックマーク記事をブックマーク ブックマークブックマーク解除
スマホ戦略の組織で掴んだ転機
逆瀬川:そうなんですよね。それを勉強しながらやっていたんですけど、僕は「これはどのぐらい勉強しなくちゃいけないんだろう?」と思っていたんです。たまたまちょうどその夏ぐらいに、「スマートフォンの戦略組織を作る」と、社内コンサルに近い部署が立ち上がったんです。
部内(のメンバー)ってわりと美大生(らしい)というか、熱中してやることは得意なんですけど、トップダウンでいろいろやるのはあんまり好きじゃないメンバーも多かったんです。僕は大学でフェアトレードサークルに加えて、体育会もやっていたんですけど。
稲荷田:体育会もやっていた?
逆瀬川:そうです。
稲荷田:(笑)。すごい。
逆瀬川:「体力もありそうで、ガッツがあるから大丈夫だろう」ということでアサインいただきました。そこからスマートフォンの戦略組織で1年ぐらい、本当に先輩の雑用じゃないですけど、手伝いをやっていました。相談自体が「そもそもスマートフォンサイトがない」とか「アプリケーションがないよ」みたいな話だったので、プロダクトサイドが多くて、そこからプロダクトマネージャーになっていった感じですね。
稲荷田:へぇ、すごい。しかも楽天の業務のかなり基幹の部分というか、根本ですよね。超重要な領域。
逆瀬川:そうですね。なので、当時入ったタイミングでは、スマートフォンのPVのシェアが2パーセントぐらいで、ガラケーが20パーセントで、80パーセントがパソコンでした。そこから、(スマートフォンが)5年間で一気に70~80パーセントぐらいまでいったんですよ。
その間はずっとスマートフォンの戦略課におりました。各事業部がものづくりする時の支援を、そういった専門性を持った先輩と一緒にやっていたんですね。
稲荷田:すごい。めちゃめちゃいい経験ですね。
逆瀬川:そうですね。
名刺アプリという新規事業での挑戦
稲荷田:ちょっと僕が聞き過ぎちゃって時間が怪しくなってきました。楽天を退職されて、次はウォンテッドリーに行かれたと思うんですけど、ウォンテッドリーの話もちょっと聞きたいです。
ウォンテッドリーというと、たぶんこれを聴かれていらっしゃる方は、求職ないしは採用する立場のどちらかのサイドで登録していたり使っていたりするかと思います。けれども、それっていうよりかは、新規事業をやられていたんですか?
逆瀬川:そうですね。「Wantedly People」という名刺管理サービスです。ちょうど僕が入った(くらいの)年の2016年に立ち上げて、2年半ぐらいで400万ダウンロードぐらいまでいきました。
稲荷田:すごいですね。
逆瀬川:一時期、「Eight」と同じぐらいまで伸びました。(その後に)辞めたっていうかたちです。
稲荷田:なるほど。これは言える範囲でいいんですけど、ちなみに僕はSansanにいたので、Eight(側の人間)なんですよ(笑)。
EightってSansanが提供元なんです。それでいくと、僕も「ウォンテッドリーもWantedly Peopleという名刺のやつをやっているんだな」と横目で見ていたわけですよ。でも、逆瀬川さんからしたら、たぶんEightのほうが先行ですよね。
逆瀬川:そうですね。
Eightに迫った成長戦略の裏側
稲荷田:という意味では、表現はあれですけど、恐らく圧倒的に先を行っていたであろう強者がいる中でどうまくるか、みたいな話じゃないですか。かなり難易度が高いと思うんですけど、どうやって追いついていったとか、そのあたりを教えていただけますか?
逆瀬川:基本的にはけっこうシンプルです。ウォンテッドリーのエンジニアもデザイナーもかなり優秀なので、UXは初期からけっこう良いものを出せるという自信はありました。(それで、)勝つにはどうするかっていうと、マーケティングだけなんですよね。
幸いSansanさんに名刺管理という領域の認知をかなり取っていただいていました。なので、我々は具体的に名刺管理を使うユーザーさんにサシでマーケティングをしにいけば、けっこう安いコストで(シェアを)取れるんじゃないかという仮説がありました。
なので、マーケティングにめちゃくちゃ力を入れて、広告運用も最終的に自前でやったり、クリエイティブも自分たちでかなりディレクションしながら運用しました。そうして、(Eightに)かなり近しいところまで追いついた感じですね。
稲荷田:なるほど、ありがとうございます。ちょっと前編はぼちぼち(終了の)時間になってしまいました。残念ながら、医療のところまでたどり着いていませんが、ここまで聴いていただいた方は、恐らく今までの話で逆瀬川さんの魅力を少しずつ感じているかなと思っています。
じゃあ、なんで非医療だった逆瀬川さんが医療をやっているのか。(それは)恐らく市場のポテンシャルや業界のペインとかが深く関わっているんじゃないかなと思っています。このあたりを少し持ち越しながら、後半もお話しいただきたいなと思います。ということで、前編はここまででございます。逆瀬川さんと、ここまでお聴きいただいたあなたも、ありがとうございました。
逆瀬川:ありがとうございました。
続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。
会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。
無料会員登録
すでに会員の方はこちらからログイン
または
名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!
スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ
名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は
ボタンをタップするだけで
すぐに記事が読めます!