【Z世代のリアル】U25起業家たちが描くキャリアと社会課題への向き合い方(全3記事)
セクハラ、価値観ギャップ・・・“高校生起業家時代”にぶつかった“壁” 女性起業家が感じた居場所のない空気と変わり始めた現場 [2/2]
コピーリンクをコピー
ブックマーク記事をブックマーク ブックマークブックマーク解除
“スタートアップ業界の壁”の乗り越え方
椎木:それはどうやって突破していくものなんですか? 徐々に慣れていくものなのか、それとも誰かに助けてもらって、今のクリーンな状態になってきたのかというと、山本さん的にはどうだったと思いますか?
山本:ありがとうございます。ちなみに今日が初参加の方って何名ぐらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
山本:めちゃくちゃいらっしゃいますね。ありがとうございます。初参加の方にぜひお勧めなこととしては、知り合いがいたらぜひ知り合いを見つけていただきたいです。知り合いがいなければ、こういった場やサイドイベントがあるので、そこで仲良くなったりしながら、その場だけでも2人や3人で一緒に回る人を作っていくのはけっこうお勧めですね。
やはり1人だと自分も話しかけにくいし他のブースの方も少し話しかけにくい。「この人に話しかけていいのかな?」となってしまいます。なので、もしお時間がありそうな方がいたら、「せっかくなので、お名刺交換しませんか?」とその場で話しかけて、そこから回っていくと、だんだんご縁が広がっていったりします。
最初だけ勇気が要ると思うんですが、みなさんは交流をしたくて今日ここに来ていると思うので、そこをぜひ積極的にやっていただけたら得るものの多い時間になるんじゃないかなと思います。
投資家との“価値観ギャップ”
椎木:確かに。今のお話は本当に初参加の方からしたらすごく心強いなと思いました。ちょっと話を前に戻します。上の世代の投資家や起業家が多い中で、「ちょっとここは今の山本さんの世代と考え方が違うな」とか「ちょっと苦しいなぁ」みたいなジェネレーションギャップを感じる場面は山本さん的に今まであったりしましたか?
山本:ありがとうございます。そうですね。(そう感じるようなことを)明確に言われたりしたことはありますね。弊社のスタートアップは創業が2022年で、ベンチャーキャピタルからの資金調達が2023年なんです。
けれどもまさに今、2025年の話ですけど、次の資金調達に向けて動いている中で、投資家の方から「じゃあ、シリーズA、B、Cを越えていく段階になった時に、結婚はどうするの? 子どもは産むの? それは、イコール、あなたの起業家キャリアにとってかなりネガティブな影響があるんじゃないか?」と言われることも確かにありましたね。そこは変えていかなければいけないと思います。
もちろん、たとえお仕事を少し休んで自分がいなくなっても回るような会社の体制を作っていくことはめちゃくちゃ大事だなと思います。(ただ、)椎木さんも最近ご出産されて、それを私はメディアで拝見していたので、自分がこれから進んでいく上でのキャリアへの安心感はもっと欲しいなと思います。
椎木:それこそ託児所とかもIVSではできたりしましたけど、「もっとこうなったら安心できるな」って、Z世代的にあったりするんですかね?
山本:私もできる限りこういった講演などで(IVSに)参加したいなと思うんですけど、やはり自分の人生のフェーズが今シード期で、「ここからどうなっていくんだろう?」っていう、自分の人生の変化はもちろんわからないところが多かったりします。
なので、「こうなったら安心できるな」で言うと、そういった少し一歩、二歩先を行っているような先輩たちの話を聞けたり、なんなら仲良くなったりできるような、自分たちを歓迎してもらえる環境があると、すごくうれしいなと思います。
今回のIVSでは、学生を無料で招待する試みもありますよね? 学生で参加した方に向けての案内やサポートもいくつかあります。そういった、フェーズに合わせて、よりサポートの厚みが変わっていくような体制を作れたらいいなと思います。
何度もIVSに来られている方は、もちろんお知り合いとのお話も楽しみつつ、私たちと話すのもぜひ楽しんでもらえたらうれしいなと思います。
ロールプレイ文化と“失敗回避”志向
椎木:そうですね。今のお話を聞いていて、私の印象だとZ世代の方たちって、ちょっとファミリー感というか「オープンマインドな大人たちが欲しい」と思っているような気がするんですね。
今のお話も、「自分たちの話を『わからない』と避けるんじゃなくて、ちゃんと聞いてほしい、受け止めてほしい」みたいな思いも感じました。そういう傾向って周りも含めてあったりするんですか?
山本:ある気がしますね。「Z世代のあるある」として言われる、「失敗が怖い」みたいな話をよく聞くじゃないですか。恋愛リアリティショーとかも含めて、「すべてできるだけロールプレイを見て、失敗を避けて、優れた選択をしていきたい。そうしなければ社会に評価されないんじゃないか」みたいな話が、すごく怖いなと感じることもあります。
なので、そういったロールプレイができる環境を求めている気もしますし、逆に自分たちが失敗しないようにできる限りのことは我々もするべきなのかなと思いますね。例えば、自分が何をやっている人かって、初めましての方はパッと見でわからないじゃないですか。
今日、IVSのサイドイベントで朝ランに行ってきたんです。朝ランでは「自分のやっていることをここから見られます!」みたいな感じでQR(コードが描かれた)紙を段ボールに貼って、背中にしょって、デモンストレーションしている方がいたんです。もう(IVSは)始まっていますけど、そういう初めましての方にちゃんと自分のことを伝える努力をする準備は、今からでもできることがぜんぜんあるんじゃないかなと思います。
我々は今(は持ってい)ないですけど、ここのSTUDENT PASSに自分の属性ややりたいことを書けると思うので、追加でどんどん情報を書き加えてもいいんじゃないかなと思います。
IVSでの新しい名刺交換のカタチ
椎木:ありがとうございます。そういうコミュニケーションにも何かヒントがありそうだなという気がしました。山本さん的に、できれば最近のことで、「こういうコミュニケーションの方法でビジネスを今、新しく進めていっています!」みたいなアイデアがあれば、ぜひおうかがいしたいなと思うんですけど。
山本:これって弊社のプロダクトの話をしちゃっても大丈夫ですか?
椎木:もちろん大丈夫です。
山本:ありがとうございます。昨日もサイドイベントをやっていたんですけど、私たちは今、脈拍でマッチングするということをやっています。脈拍を使うと、お互いがどのタイミングで盛り上がっていたかがわかるんですね。それで、恋愛でそれを使っているんですけど、それをちょっとビジネスマッチングに応用してみようと思っています。
誰と名刺交換をして、何を話して、どう盛り上がったかって、みなさんもけっこう忘れちゃうじゃないですか。その盛り上がった内容をみなさんのお話しした方との(データを)もとにレポートでまとめるというものを作っています。
名刺交換から、「じゃあ、次にこういうコラボレーションをしましょう」とか「1回、もうちょっと詳しくお話ししましょう」とか、実際にその方たちとネクストアクションにつながるようなことはなかなか言い出しにくい。
そういう方にも、それをもとにして言い出せる一歩を後押しする仕組みをけっこう技術的にも作れるところまで来ています。実際に今もお試しをいただいていますので、そういった技術のサポートは今後どんどんしていけるんじゃないかなと思います。
椎木:おもしろいですね。ありがとうございます。 続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。
会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。
無料会員登録
すでに会員の方はこちらからログイン
または
名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!
スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ
名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は
ボタンをタップするだけで
すぐに記事が読めます!