#92 株式会社Cellest 代表取締役CEO 佐々木 宏志氏(全4記事)
“日本でライブコマースは流行らない”を覆すTikTok Shopの影響 市場拡大を担う専門スキル人材の育成 [2/2]
コピーリンクをコピー
ブックマーク記事をブックマーク ブックマークブックマーク解除
ライブコマース市場の現状
梅景:実際、日本の市場で成果をしっかりと出されているという意味で、我々も見習うべきことがたくさんありますし、ご一緒することでシナジーを生める部分であるとか、そういった協業することの魅力をすごく感じたというのがきっかけですね。
稲荷田:ありがとうございます。今まさにライブコマースの市場の可能性みたいなところもいただきました。ここはあらためて、ぜひ佐々木さんから(ライブコマース市場を)どう捉えていらっしゃるのか、それこそ中国との比較でもいいですし、日本の現状とか、そのあたりを概要としていただけますか?
佐々木:市場規模で言うと、今は中国が100兆円ぐらいかな。
稲荷田:100兆円ですか。
佐々木:いろんなニュースがあるのですが、70兆~100兆円ぐらいの規模で、アメリカは約7兆円だと言われています。
日本でもいろんな発表があるんですが、一番よく言われるのは、今の日本のECの市場規模が15兆円あるということですね。これに対して、ライブコマースの割合が3パーセントぐらいだと言われています。15兆円に3パーセントを掛けると4,500億円ぐらい。まずこれがライブコマースの市場だと言われています。
ただ、僕の感覚としては4,500億円もないだろうなと。その10分の1の450億円ぐらいなんじゃないかなと感じています。
稲荷田:今の時点では?
佐々木:はい。現時点で。
これまでとは違う盛り上がり方
稲荷田:その450億円というのでさえもしっかりした大きな市場だと思いますけど、これはやはり、どんどん拡張していく未来も考えているんですか?
佐々木:そうですね。これまでずっと流行らないと言われていたんですが、2025年はやはり「TikTokにライブコマースが付くぞ」というインパクトがあり、これまでとはもうぜんぜん違う盛り上がり方をしているなという感覚があります。
毎日どこかの企業さんが、「『TikTok Shop』を使ったサービスを始めました」みたいなのを見ます。なので今、ビジネスパーソンで「ライブコマースを聞いたことがないよ」と言う人にあんまり出会ったことがありません。
それと、僕たちの会社にお問い合わせをいただく企業もかなり増えました。ほぼ毎日、とんでもない企業さんから連絡が来たりするので、盛り上がっているなという感覚がありますね。
稲荷田:ありがとうございます。今はまさにライブコマースの事業者の目線としていただきました。ぜひ梅景さんにもお聞きしたいのは、UUUMさんとしての視点でライブコマースの市場がどう見えているのか、ないしはUUUMさんの事業の中でどういったシナジーが見えており、期待値があるのか。そのあたりはどうですか?
梅景:先ほど(言ったように)我々はインフルエンサーやクリエイターを抱えてビジネスを行っていますけども、インフルエンサーやクリエイターの物販とかブランドといった、ものづくりの観点があります。
あとは、企業さんからいただくタイアップですね。プロモーションのお話で言うと、もともとライブではないけども商品を紹介したり、そのエンゲージメントを活用してモノを売ったり動かしたりすることをビジネスとしています。なのでもともと、非常に近い領域にあるビジネスモデルだと認識をしていました。
新しいマネタイズポイントを作る
梅景:先ほどもありましたけど、(TikTokを運営する)Bytedance社さんが今回、「TikTok Shop」の発表をされる中で、さまざまな企業さんやメーカーさん側からも非常に注目されています。我々としてはそういった市場の中で、インフルエンサーやクリエイターの新しいマネタイズポイントを作っていくこともできると思っています。
ライブ配信という市場の魅力で言うと、非常に若い方だけ(が視聴者だ)と思われがちですけども、実はいろんな年代の方が生配信を聞いています。そういった可能性で言うと、我々としては(Cellestさんと)ご一緒することで、いろんなことを吸収できると思います。
逆に、我々が持っているノウハウ(の提供)や、クリエイターをマネジメントしていく部分での協業で言うと、非常に意味のある取り組みになるんじゃないかなと思っています。
稲荷田:ありがとうございます。イチ消費者目線というか視聴者目線だと、特にトップインフルエンサーやトップYouTubeクリエイターであれば、すでにブランドもたくさん手掛けていて、相当な販売実績もあるかと思います。
これもライブコマースと掛け合わせるともっと拡張できる、ないしはトップ層じゃなくてもマネタイズができるんじゃないか、みたいな期待があるんですか?
ライブ配信とライブコマースのスキルは異なる
梅景:そうですね。先ほどトップクリエイターの話が出ましたけども、必ずしもそこはイコールではないと思っています。動画でライブ配信をすることと、ライブコマースをやることと、録画したものを編集してアーカイブとして動画を出すこと。これらは近いようで、まったく近くない部分があると思っています。
なので、必ずしもトップクリエイターやインフルエンサーで何かをしていくというより、マイクロもしくはミドルインフルエンサーや、コマーサーという新しいビジネスモデルの職業で活躍していく人を作っていきたいと思っています。
そのための育成は、過去に僕らがインフルエンサーとビジネスをしている上で得たノウハウを活用することで、(シナジーを生む)可能性があるんじゃないかなとは思っています。
続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。
会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。
無料会員登録
すでに会員の方はこちらからログイン
または
名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!
スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ
名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は
ボタンをタップするだけで
すぐに記事が読めます!