【3行要約】・ライブコマースは日本のEC市場15兆円の中でわずか450億円程度の規模ながら、「TikTok Shop」の登場などもあり、企業からの注目度が高まっています。
・ UUUM梅景社長は「クリエイターを起点とした事業」を展開する立場から、Cellest佐々木CEOの2017年からの継続的な市場開拓に高い評価を示しています。
・動画配信とライブコマースは「近いようで近くない」スキルであり、専門のライブコマーサーの育成が今後の市場拡大のカギとなります。
前回の記事はこちら UUUM株式会社・梅景匡之氏を迎えてトーク
稲荷田和也氏(以下、稲荷田):資金調達を実施されたばかりの起業家の人生や事業の裏側に迫る「Startup Now」。株式会社Cellest代表取締役CEO、佐々木宏志さんへのインタビューの続きをお送りいたします。
個人的には、「圧倒的に優秀だな」という感覚が幼少期の自分にはなかったので、すごいなと思いました。一方で、独自の勉強のメソッドもご自身がやり切っただけじゃなくて、再現性を持って他の方にもされていらっしゃったのも意外でした。
あとは、このライブコマースの事業で共同創業者の熊田(佳奈)さんとご一緒された理由もうかがいまして、役割分担を明確にされながらやられていらっしゃるんだなというのは、とても印象的でした。
後編では、包括業務提携を締結されていらっしゃいますUUUM株式会社より、代表取締役社長執行役員の梅景匡之さんを交えて、Cellestさんの魅力やライブコマースの市場に迫っていきたいと思います。それでは梅景さん、UUUMさんおよびご自身の自己紹介を1~2分ぐらいでお願いできますか?
梅景匡之氏(以下、梅景):あらためまして、UUUM株式会社の梅景です。当社は「想いの熱量でセカイを切り拓く」という理念を掲げて活動しているクリエイティブエージェンシーです。HIKAKINや、はじめしゃちょーなどのYouTubeクリエイターを中心に、1万5,000以上のチャンネルやインフルエンサーのサポートをしています。
また、インフルエンサーを活用したマーケティングやグッズ(の販売)、イベントの運営、クリエイターやインフルエンサーのブランド制作といった事業を展開しております。まとめると、クリエイターやインフルエンサーを起点とした事業を中心にチャレンジしている会社です。
「とにかくすごいなという感想」
稲荷田:ありがとうございます。梅景さんご自身のキャリアというか、UUUMさんに入られてからはどんな感じですか?
梅景:もともと30代過ぎまでは通信関係の事業に携わっていまして、まったく畑違いのところにいたんですけども、そこからいろんな出会いの中で、このエンタメ領域と縁がありました。
あとは動画というところで、(かつては映像の視聴手段といえば)マスメディアであるテレビでした。そこから、今や自分の子どもがスマホやiPadを片手に動画を見る姿を目の当たりにしていたので、動画市場に興味を持ったことがきっかけでジョインしました。
稲荷田:ありがとうございます。前編もご同席して聞いていただいたかなと思うんですが、佐々木さんの新しい側面も知れたかなと思います。感想として、どう思われましたか?
梅景:正直、いろいろお話をしたり、お食事をさせていただいたりしているんですけども、やはり、とにかくすごいなという感想です。先ほど学生の時に3回ほど起業しているというお話もあったと思います。やはりその実行力と、自分の信念がありながらもその時々で正しいと思うところに方向転換できるところがすばらしいなと思って聞いていました。
稲荷田:確かに。ちょっと悪く言うと、幼少期は世の中を斜めに見ている感じがありました。けれども、ただそれを否定するだけじゃなくて、実際に行動にまで移されているのはおもしろいなとか、すばらしいなと僕も感じているところでした。
市場の黎明期から活動している点を評価
稲荷田:そうしましたら、ぜひ佐々木さんにもうかがいたいと思います。今回のご出演に当たり、どなたに出ていただくかみたいな調整もさせていただきました。今回、UUUMさんにお越しいただいておりまして、そもそもUUUMさんや梅景さんとの出会いを教えていただけますでしょうか?
佐々木宏志氏(以下、佐々木):もともと、僕が「WABE」というライブコマースのアプリを作っている段階で、UUUMさんに「WABE」のプロモーションをお願いしたいと思った時期があったんです。恐らくマーケティング担当の方からそのタイミングでご連絡をいただいて、わりと接点を持っていたんです。
稲荷田:どっちかというと、普通にビジネスでの(つながり)というか。
佐々木:はい、そうです。「WABE」はローンチがかなり遅れていたので、そのプロモーション自体は何回か先送りになっていたんです。ちょうどその頃にライブコマースが盛り上がってきて、明確には決めていなかったんですけど、ざっくりと「どこかのクリエイター事務所さんと組んだらおもしろそうだな」というのがありました。
そのタイミングで、また別の担当の方から連絡をいただき、そこから接点を持つようになりました。2回目か3回目ぐらいの打ち合わせでは、もう梅景さんと食事に行っていたのかな。わりと速いスピード感でここまで来ています。
稲荷田:ありがとうございます。なかなかそのスピード感でご一緒するケースは、梅景さんもそんなにたくさん(経験)されていらっしゃるわけではないんじゃないかなと想像します。ぜひ梅景さんにもうかがいたいのは、なんで今、こういうかたちでご一緒されているのか。ないしは佐々木さんご自身に感じた可能性も、当時に思われたものがありましたら教えていただきたいです。
梅景:先ほどもありましたけども、当時はライブコマースが来るんじゃないかと言われつつも、なかなか継続性を持って取り組まれている企業さんや事業者さんって少ないと思っていました。お会いした時もそうですけども、(佐々木さんは)2017年からライブコマースをやられていて、市場を作るところから始まり、なおかつこれを継続しているという実行力や魅力がありました。