独学で同志社に一発合格→“落ちたら全額返金”の塾を起業　9.4億円を資金調達した起業家が語るビジネスの原点 [2/2]

高校卒業後に同志社大学を目指す

稲荷田：幼い頃から起業したいという思いがあって、実際に起業に踏み切った最初のタイミングはいつになりますか？

佐々木：大学1回生の時ですね。もともと僕、高卒で就職したんです。1度高卒で就職して、それもかなり珍しかったんですけど。普通は学校の成績が良かったら、みんな大学に行くんです。

稲荷田：そうですね。

佐々木：だけど大学に行く理由があんまりわからなくて。賢い人だったら大学に行かずにそのまま就職して、みんなが大学で遊んでいる4年間があれば、もっともっと上にいけるんじゃないかなと思って、自分は先に就職したんですね。

でも働くうちに大学の重要性とか、社会的ヒエラルキーとか、社会の構造をまた新たに知ってしまい、大学っていうのに行ってみようと。いろんな社長さんが「大学は重要だ」みたいなことを言うので、そんなに言うんだったらと思って、人生で初めての勉強をしたんですね。

稲荷田：いわゆる受験勉強ってことですね。

佐々木：受験勉強もそうですし、学校の勉強もそもそも興味がなくて、必要だと思っていなかったので。したことがなかった勉強というものを、まず初めてしたという。

稲荷田：たぶん、興味のある分野は明確になかったんじゃないかなと思いますけど、学校や学部選びはどうやって決めたんですか？

佐々木：とにかく自分の賢さを証明したかったので、一番賢いところ。関西にいたので、大阪にあって、かつ私学で一番賢いところを周りに聞いたら「同志社大学が賢い」っていうのを知って。

もし初めての勉強で同志社大学に1年間で行けたら、それはとんでもなくすごいことだって言われたので、行ってみようと思って、同志社大学を目指して勉強を始めたんです。で、1年で受かったんですね。

稲荷田：おお、すごい。

佐々木：けっこうすんなり受かって、自分の中では「わりと簡単だったな」って思ったんです。でも、友だちというか、知り合いはみんな落ちていたんですね。

“落ちたら全額返金”の関関同立専門塾を起業

佐々木：これはビジネスになりそうだなと思って。自分の勉強方法って（他の）人とぜんぜん違ったんです。これが特徴的だなと思って、大学1回生の時に関関同立（同志社大学・立命館大学・関西大学・関西学院大学）の専門塾を「落ちたら全額返金保証」っていうサービスをつけて起業したのが初めてです。

稲荷田：ちなみに周りとぜんぜん勉強の仕方が違うっていうのは、独学で編み出した何かがあるんですか。

佐々木：そうですね、独学ですね。いろんなことがあったんですけど、まず黒や赤のペンを使わずに、青のペンしか使わないとか。あとはノートも、頭の中にノートを置いて、目をつぶって頭にノートを具現化するんです。そこに青のペンを持って書くんですね。

稲荷田：実際には書かないんですか？

佐々木：書かないです。頭の中で手とペンを用意して、書いていくっていう作業をするんです。そうするとノートとかがなくても、いつでもどこでも勉強できる状態（になる）。

それと、僕は模擬試験とかを受ける時に、思い出す時って目をつぶって、頭の中にぐっと思い出す作業をするんです。

稲荷田：これはみんなやっていそうですね。

佐々木：そうすると、ふだん（から）リアルのノートに書くよりも、いつも頭の中で真っ暗の（空間の）中にノートを思い浮かべて書いていると、そっちのほうが早く思い出せるんですよ。

稲荷田：へぇー……。

佐々木：っていうのに気づいたので、勉強する時は頭の中にノートみたいなものを作るほうが思い浮かぶのがすごく早かった。こういうのが細かくいろいろあって、自分の中でそういうわけのわからん勉強方法をいろいろ編み出してやっていました（笑）。

稲荷田：佐々木さんが「わけのわからん」ってことを言っていただいたので、正直、僕もそういう感覚だと思っているんですけど（笑）。

佐々木：（笑）。

稲荷田：やはり周りの方々には、理解されにくい勉強法だったのかなと思います。ただ、それを佐々木さんがご自身でやられただけじゃなくて、学習塾として、ある意味再現性のあるかたちで受講生の方々にも推奨して、やってもらったんですか。

佐々木：そうです。

稲荷田：できるんですか？

佐々木：できます。もちろん人によって能力は違うんですが、普通よりは遥かに効率が良く勉強ができると思います。

稲荷田：なるほど。全額保証だとしても、逆にそれがあるから一定の投資をしていただけるご家庭であれば、いわゆる教育費は普通の塾よりは高めに取っていたりしたんですか？

佐々木：気持ち高いぐらいですね。そんなには変わらないと思います。