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強さは鉄の100倍、軽さは鋼鉄5分の1の夢の素材 「宇宙エレベーター」実現の鍵を握る、世界に1つの量産技術

【3行要約】
・宇宙開発が注目される一方、ロケット輸送は高コスト・安全性の課題を抱え、宇宙産業の拡大には限界があります。
・カーボンフライの木村氏は、日本発の「夢の素材」カーボンナノチューブの量産技術により、人類の夢である宇宙エレベーター実現に挑戦中。
・この革新的技術は宇宙と地上を安全かつ低コストでつなぎ、未来の宇宙産業に無限の可能性をもたらすと期待されています。

日本発、“夢の素材”カーボンナノチューブとは

木村貴幸氏(以下、木村):カーボンフライの木村です。よろしくお願いいたします。

私たちカーボンフライは、カーボンナノチューブという新しい材料を作っている、現在4期目のスタートアップです。みなさん、カーボンナノチューブってご存じでしょうか? 実はカーボンナノチューブは日本で発見された素材で、その優れた特徴から「夢の素材」とまで言われている素材なんです。


鉄の100倍強く、鉄鋼の5分の1軽く、電気を流せる

その夢の素材であるゆえん。それは鉄の100倍ほど強く、そして鋼鉄の5分の1ほど軽く、そして大量の電気を流せるという、ほかに類を見ない、優れた特徴があるからなんです。



私たちは、この夢の素材をもって宇宙産業に参入します。現在、宇宙産業の市場規模は約54兆円。非常に大きなマーケットがあります。


目指すのは「今ある市場」ではなく未来の宇宙インフラ

しかしそれだけではありません。今後の展開として、宇宙の太陽光発電、あるいは宇宙旅行、コロニー建設など、さまざまなビッグプロジェクトが待っています。

しかし私たちがやりたいのは、ここにある市場、今出ている市場ではないんです。ロケットによる宇宙開発が現状抱える課題を解決する新たな市場を私たちは作ります。

実現したいのは、人類の夢「宇宙エレベーター」

みなさん、SF映画や、もしくはネコ型ロボットが歩くような作品の中で見たことがあるかもしれません。それは、地球と宇宙を1本のロープでつなぎ、そこを電力のみで行き来する、そんな人類の夢、宇宙エレベーターです。



カーボンナノチューブが発見される前からこの構想はあったのですが、ここまで実現はされてきませんでした。私たちはこの夢のプロダクトを本気で、夢の素材を使って実現しようとしています。

現在のロケット輸送の“限界”とは?

今日私は、みなさんにこの「夢」というテーマでお話をさせていただきます。

現在、このロケット輸送の抱える課題として、コスト、搬送物の制限、そして安全性があります。現在、ロケットを打ち上げるためには1発50億から100億円ほどかかります。1キログラム当たりで言うと45万円程度。宇宙の太陽光発電システムを持っていくには高過ぎるんです。



そして運搬物の制限もあります。G(重力加速度)に耐える必要があり、人が行くには数ヶ月間のトレーニングが必要です。物にもGに耐えるための設計が必要です。宇宙旅行のハードルは非常に高いです。もちろん爆発してしまう可能性だってあります。宇宙開発が加速していくには、やはり時間がかかってしまう。

繰り返し使え、安全で安い、宇宙エレベーターの魅力

それを取り払うのが宇宙エレベーターです。この宇宙エレベーターは繰り返し使用が可能なため、コストとしては100分の1程度にまで抑えられます。そしてゆっくり上がっていくので、もちろんGによるような心配もありません。安全性も電気のみで稼働するため爆発するリスクもありません。

これにより宇宙エレベーターが成立すると、人流あるいは物流、宇宙と地上の行き来が加速し、既存の産業あるいは今後の展望となる未来の産業が、次々と拡大、爆発的に加速していくことで、まったく市場規模も予測がつかないような市場が待っています。

“夢の素材”が、唯一ケーブルとして使える理由

ここまで聞いて、おそらくみなさんずっと疑問に思っていると思います。「なぜ単なる素材メーカーが、こんなに宇宙エレベーターを語っているのか?」と。実は宇宙エレベーターとカーボンナノチューブには、非常に密接な関係があるんです。

実はカーボンナノチューブは、宇宙エレベーターのケーブルに使用できる唯一の素材と言われています。宇宙エレベーターの根幹となるケーブルには、強さ、軽さ、そして電気を通すという性質が必要になります。

これ、鋼鉄でもダメなんです。炭素繊維でもダメなんです。鋼鉄だと45キロメートル伸ばしたところで自分の重さに耐え切れなくなって壊れてしまうんです。これが実現できるのが唯一、カーボンナノチューブなんです。


ナノチューブ量産を超えたカーボンフライ社

夢物語と思っているかもしれないこの宇宙エレベーターは既存技術の延長だと言われています。しかしそれはケーブル以外です。ケーブルだけがとにかくできない。そのケーブルという技術の土台を作るのは各カーボンナノチューブメーカー。カーボンナノチューブメーカーが何度もチャレンジして、挫折してきたんです。



カーボンナノチューブメーカーは、糸を作ろうとしました。ナノチューブで糸を作るためには、直径や長さ、そして欠陥、ナノレベルのスケールでこれらをすべてコントロールする必要があります。

この精密なコントロールは、世界中にいるメーカー20社のうち、おそらく3社しかできないです。しかもその3社も量産ができていない。

それに対し、私たちは20年以上研究してきた研究結果をもって、ようやく精密にコントロールしたナノチューブを量産することに成功しました。

カーボンナノチューブ量産を可能にする「Caltema」

(スライドを示して)パテントの関係上、これしかお見せできませんが、私たちは今カーボンナノチューブ100パーセントのファイバーを、機械的に量産しています。直近では2,000メートルを作成し、とある案件で納品をしました。



そして、この精密にコントロールされているカーボンナノチューブを量産する設備そのものも、自社で設計・開発して、複数の特許を押さえています。他社が真似すること、参入することはできないんです。世界唯一のカーボンナノチューブテザー量産メーカーになり、私たちはこのテザーの出口として宇宙エレベーターを実現します。


夢の素材で、地上と宇宙をつなぐ

ここまで大きなことを言ってきましたが、もちろんここまでも、そしてこれからも、私たちだけの力でこれを成し遂げることはできません。

多くの株主さま、もしくはパートナー企業さまの力を借りて私たちはここまで来ることができました。そしてみなさまに後押ししていただいて、宇宙事業以外で現在売上を立てることができており、現在N-2、そして2年後にはIPOを控えています。私たちはこのIPOをもとに、さらにこのテザーというカーボンナノチューブの可能性を広げる事業を拡大させていきます。



みなさまに本気でカーボンナノチューブの可能性を信じていただければ、きっと宇宙エレベーターという夢を現実にできると信じています。みなさん、私たちに期待してください。夢の素材、カーボンナノチューブで地上と宇宙をつなぎたいと思います。

カーボンフライでした。ありがとうございました。

(会場拍手)

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