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IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO 株式会社esa(全1記事)

日本はプラスチックの廃棄量が世界第2位 今ある便利な生活を手放す「脱プラ」ではなく「withプラ」を目指すスタートアップ

「IVS2024 KYOTO」内にて、次世代の起業家の登竜門とも言われる日本最大級のスタートアップピッチコンテスト「IVS LAUNCHPAD」が開催されました。本記事では、株式会社esa代表の黒川周子氏による、日本のリサイクルを取り巻く環境や、法改正による市場の拡大についての6分間のプレゼンテーションをお届けします。

日本はプラスチックの廃棄量が世界第2位

黒川周子氏:みなさん、こんにちは。Environmental Solutions Architectの頭文字を取ってesaの黒川と申します。よろしくお願いいたします。

本日は私たちが作る再生樹脂のお話をさせてください。昨今はみなさま、リサイクル、カーボンニュートラル、サーキュラリティ、環境保全といった単語を毎日耳にしていると思いますけれども、プラスチックリサイクルを取り巻く環境は、依然として未解決のままです。

プラスチックの廃棄量は年々増えています。その中でも日本は、プラスチックの廃棄量が世界第2位。そしてリサイクルを取り巻く環境は、世界から大きく大きく後れをとっています。

世界のリサイクル率は実に9パーセントのみ。残りの91パーセントはすべて焼却か埋め立て処理に回されています。私たちのこの便利な生活の裏に、リサイクルをしなければならない現実があります。

日本のリサイクル率ですけれども、「サーマルリサイクル」とは何かご存知でしょうか。サこれはプラスチックの熱エネルギーを利用して焼却炉を燃やす時のエネルギーにする(ものです)。日本では、それと埋め立てで76パーセント以上を占めていますが、この方法は諸外国ではリサイクルと認められていません。

これまでリサイクルをする技術がなかった、複合素材のプラスチックに着目

プラスチック製品は、今みなさんのお手元にありますペットボトルのような単一と言われる素材と、こちらにお示しをしています複合と言われる素材からなる製品の2つに大きく分けられます。

私たちは、これまでリサイクルをする技術がなかった複合素材のプラスチックに着目をしました。この複合素材のリサイクルが叶えば、プラスチックの廃棄量を軽減させられるのではないか。そしてこの再生樹脂を市場に循環させることができれば、大きな新しい市場を作り出せるのではないかと考えました。そして、リプラと名付けて、実際に市場に還元をしています。

世界あまたで、プラスチックのリサイクルをしなければならない現状があります。みなさんのお手元にある携帯やテレビの液晶などを企業さんから回収して、我々独自の技術でリサイクルペレット(プラスチック製品の原料となる小さな球)を作っています。

私たちの強みとしては、独自の機械を開発、製造することができます。特にこの複合と言われる素材、私たちが作る特別なスクリューと、素材ごとにあわせられる微妙な温度調整の2つは、他社にはないノウハウです。

少しここで製造工程をご紹介させてください。(スライドの)左側で、企業さんからさまざまな複合素材のプラスチックを回収します。そして一度粉砕をして、押し出し器に入れます。熱をかけて溶かして、一度冷やして再資源化し、再生樹脂を作ります。

日本でも再生プラスチックを使う市場が一気に広がる

私たちのこの技術は今、京都大学さんと共同研究をさせていただいております。そうすることによって、新しい市場開拓と私たちの技術の革新を目指しています。ビジネスモデルは単純明朗です。企業さまから廃棄されていたプラスチックをお預かりし、再生樹脂に生まれ変わらせて、またお客さまに販売します。

販売をした先のお客さまは、それを原料として、製品を作る時の原料としていただきます。そうすることによって、このプラスチックのエコシステムを取り巻くすべてのみなさまがCO2の削減に寄与できるビジネスモデルになっています。

では、私たちの作った樹脂でビニール袋を作ると、どれぐらいCO2を削減できるのか。実に38パーセントの削減が見込めました。これは京都大学さんに試算をしていただいて、近く論文も発表いたします。17,500トンのCO2の削減に貢献してきました。市場も国内外、大きく広がっています。

私たちは、今の便利な生活を手放す脱プラではなくて、withプラを目指しています。医療現場やみなさんの大切な方の生活を守っているのがプラスチックです。

そして先週ニュースになりましたのが、再資源化された再生プラスチック樹脂を、製造工程である一定量使わなければならないと。この法改正は大変大きなニュースです。これから日本でも再生プラスチックを使う市場が一気に広がります。

そして、私たちはここにいらっしゃるみなさんと共に、再資源化、環境保全に臨みたいと思っております。本日はご清聴、誠にありがとうございました。

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