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IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO RENATUS ROBOTICS株式会社(全1記事)

完全無人化で人類が物流を意識しない世界へ 世界100社以上のピッチコンテストで優勝した企業が挑む倉庫現場の革新

「IVS2024 KYOTO」内にて、次世代の起業家の登竜門とも言われる日本最大級のスタートアップピッチコンテスト「IVS LAUNCHPAD」が開催されました。本記事ではRENATUS ROBOTICS株式会社の安藤奨馬氏による、非効率な倉庫の現場を変える世界で唯一の自動倉庫システムについての6分間のプレゼンテーションをお届けします。

倉庫の自動化・省人化を実現するRENATUS ROBOTICS

安藤奨馬氏:「『空気』のような物流システムを」。RENATUS ROBOTICSの発表を始めます。

弊社は東京大学発の、「米国×物流×ロボティクス」スタートアップです。創業3期目、ナスダック上場を目指しています。昨今のEC配送需要の拡大に伴い、市場規模は年20パーセントで成長しています。一方、倉庫の現場はどのようになっているでしょうか?

むむ! こちらの作業員、必死になって商品を探し回っているようですね。棚に無数に並べられた何万種類もの中から商品を探し、倉庫内を駆け巡る、何十人もの作業員の姿が見受けられます。

そんな倉庫の自動化・省人化が叫ばれている中で、私たちが開発をしたのが「RENATUS」、世界で唯一の「ワンストップ梱包型」大規模・自動倉庫システムです。ロボット、アルゴリズム、昇降機、ラック、すべて自社で開発をいたしました。

ロボットは4m/s(毎秒4m)、自転車と同じ速度で高速に移動します。そして、このロボットを最大2,000台を同時制御するアルゴリズムによって、商品を絶え間なく、最適な順序で出荷する。そんな最高パフォーマンスの自動倉庫を実現いたしました。

1回の出荷が約4分→12秒に圧縮

従来の作業は非常に非効率で、1回の出荷に約4分の時間をかけていました。では、「RENATUS」を活用すると、この時間はどれだけ圧縮されるでしょうか? デモをお見せします。

お、こちらの女性、レギンスパンツを注文しましたね。注文データが転送されます。出荷作業開始。このように注文が入りますと、商品の入ったコンテナをロボットが運搬します。そして、このロボットがコンテナを昇降機に移載します。

昇降機はこのコンテナを受け取り、1階の作業員のいるステーションに運搬します。ここで作業が行われます。次に、流れてきた商品の中からピックして、ハンディで検品。そして最後に段ボールへ梱包します。作業はたったこれだけです。

前半は自動倉庫が処理を行うので、作業員の所要時間は0秒、後半は12秒。これまで4分かかっていた作業が12秒に圧縮されますので、20名必要だった作業員を1名に削減します。

倉庫を5棟建てるだけで、ユニコーンに

事例の紹介をしましょう。埼玉・草加市のこちらの物件、主にアパレルの商品を扱っています。ビジネスモデルは大きく2つ。1つ目は「買い切り型」で、こちらの倉庫を購入した物流企業さまは、わずか2.5年で投資回収が可能です。

次に「SaaS型」。SaaS型の展開により、中小企業さまも私たちのサービスを利用することができ、私たちのTAM(Total Available Market:ある市場で獲得できる可能性のある最大の市場規模)はさらに拡大します。

(ここまでのお話で)ニーズが大きいことはわかったと。しかし、私たちはこの事業でユニコーンになれるのでしょうか?

この問いを明らかにするため、先行プレイヤーの時価総額を参照します。EXOTECは時価総額3,000億円、PSR(Price Sales Ratio:株価売上倍率)は20倍。Symboticは時価総額3.3兆円、PSRは37倍をつけています。PSRが30倍前後の場合、売上は50億円でユニコーン。私たちは倉庫を5棟建てるだけで、ユニコーンになれるのです。

人類が物流を意識することのない世界へ

ユニコーンは通過点に過ぎません。そんな「RENATUS」の未来の話をしましょう。「完全無人倉庫を実現したい」というのが、私たちの次なるミッションです。

唯一残された、このピッキングの手作業、自動化が可能です。現在、こちらのピッキングアームの研究開発に取り組んでいます。たった12秒の作業をも0秒へ。私たちは限界に挑戦します。また、2024年内の米国進出を目指しています。先日行われた「Berkeley SKYDECK」のピッチコンテストで、世界各国100社以上が参加する中、私たちが優勝を収めました。

なぜ、日本で作って米国で売るのかというと、さまざまな理由があります。(米国は)莫大なマーケットが広がっており、円安により、米国の人件費は日本の3倍に到達しています。また、"Made in Japan"のブランド価値は健在です。さまざまな要因が、私たちのグローバル展開を後押ししています。

そして最後に。私たちの創業のきっかけは、MonotaROの鈴木(雅哉)社長との出会いでした。鈴木社長は10年もの間、世界各地で自動倉庫の技術を探し回られていましたが、理想の自動倉庫には出会えずじまい。

そんな時に、私たちと出会いました。半年以上のディスカッションを重ね、「よし。この若者たちに託してみようじゃないか」と、鈴木社長はおっしゃいました。こうして誕生したのが、この「RENATUS」です。

物流の完全無人化は、確定未来です。私たちは、このプロダクトを世界に提供することで、もう人類が物流を意識することのない世界を作ります。「『空気』のような物流システムを」。ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

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