2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
リンクをコピー
記事をブックマーク
国内外のさまざまな分野のリーダーや有識者が登壇して未来の都市のあり様を議論したイベント「SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program」に、連続起業家で、寿司の世界を探究する孫泰蔵氏が登壇。「SusHiの真髄」をテーマに、AI時代に成功するためのポイントを語りました。
孫泰蔵氏: 2024年はまだAI開発の第1段階にあります。特にドメインスペシフィックLLMが最も注目されています。しかし、将来的には、多くの小型スタートアップが登場し、これまでのAI開発の成果を活用することになるでしょう。
ここで重要なのは、地元のナレッジ、つまりローカルナレッジが非常に重要であるということです。
ローカルな寿司の知識がどこにあるかと言えば、もちろん東京です。シリコンバレーではありません。そのため、「SusHi Tech Tokyo」というのは非常に意義のある取り組みです。従来、イノベーションの中心はシリコンバレーでした。イノベーターや発明家たちは、シリコンバレーに集まり、情報や意見を交換し、投資家のサポートを受け、メディアやアクセラレーターの力を借りて新しいアイデアを実現してきました。
このように、イノベーションの化学反応を生み出すためには、1ヶ所に集まることが必要でした。しかし、これからはAIの力によって、ローカルナレッジのクラスターが各地でエピセンター(震源地)を形成することになります。もはや単一の場所に集まる必要はなくなります。
AIの時代以前は、私も頻繁にシリコンバレーに行き来していました。しかし、これからは汎用LLMはシリコンバレーの人々が開発するものの、領域特化型(ドメインスペシフィック)AIやAIエージェントはローカルデータと知識が必要となります。
このように、ローカルナレッジが重要な役割を果たす時代において、東京は非常に重要な役割を果たすことができます。みなさんも、自分たちの地元の知識やデータを活用して、どのようにAIを進化させていくかを考えてみてください。ローカルな視点を持つことで、新しいイノベーションが生まれるはずです。
ですので、AIに駆動されたイノベーションが世界各地で起こることを期待しています。そのうちの1つの大きな震源地は東京になるでしょう。ただし、東京だけが震源地ではありません。お寿司に関しては東京がエピセンターかもしれませんが、他の場所にもたくさんのローカルナレッジ、ノウハウ、データがあります。特にアジアの国々はその点で非常に重要です。
このネットワークは最終的に世界中に広がるものですが、最初のステップとして、同じようなビジョンを持つ投資家やサポーターとつながることを目指しています。アジア諸国の方々と共に、バーチャルプラットフォームを作りたいと考えています。これにより、ファウンダーと投資家やサポーターの間で良いマッチングが可能になるでしょう。
サポーターはアクセラレーターやインキュベーターだけでなく、大手企業も含まれます。大手企業が最新のテクノロジーを採用したい場合、スタートアップとマッチングすることができます。これにより、スタートアップはAIの学習が進み、事業としても成長することができます。
そのため、私は投資家とサポーターをつなぐネットワークを構築したいと考えています。これはスタートアップの成長を促進し、新しいイノベーションを生み出すために非常に重要なことです。
これからのAI時代において、ローカルナレッジとグローバルネットワークの融合が鍵となります。みなさんもぜひ、このネットワークの一部となり、新しいイノベーションを共に創り出していきましょう。
そして、これからお話しすることは少しコンフィデンシャルな情報ですが、「SusHi Tech Tokyo」で初めてお伝えします。NDAがかかっている内容ですが、最新の活動についてお話ししたいと思います。
「アルファリーグ」という仮名で呼んでいますが、このネットワークを作りたいと考えています。
これは資本を持っている人、データを持っている人、社会を改善したい人などをつなげるもので、領域特有のLLMを活用して、ファウンダーとサポーターをマッチングすることを目的としています。
このネットワークにより、イノベーションが加速すると考えています。例えば、日本のスタートアップの1つの問題として、日本市場が特有であるため、国内市場に特化しがちです。日本市場に特化しすぎると、世界に拡大することが難しくなります。そのため、日本の若いファウンダーのみなさんには、設計段階からアジアや国際市場を視野に入れることを提案したいと思います。
私たちは、このようなサポートを提供するプラットフォームを作っています。例を挙げると、野球やサッカーの若い選手たちは、大谷翔平やメッシ、ロナウドのような明確な目標を持っています。彼らは「メジャーリーグで活躍したい」「プレミアリーグに行きたい」といった具体的な夢を持つことで、努力を続けることができます。
このように、AI分野でも若いファウンダーたちに明確な目標を持ってもらい、国際的な視野で事業を展開するための支援をしていきたいと考えています。これが「アルファリーグ」の目的であり、みなさんと共に新しいイノベーションを創り出していきたいと願っています。ですので、これからの活動にぜひご注目ください。そして、みなさんもこのネットワークの一員となり、一緒に新しい未来を築いていきましょう。
しかし、スタートアップの世界では明確な目標を持つことが難しいのが現状です。例えば、イーロン・マスクやスティーブ・ジョブズのようになりたいと思っても、具体的にどうすればいいのか分からないことが多いです。そこで、「アルファリーグ」が明確な目標として機能することを目指しています。
優れた製品やサービスを開発し、「アルファリーグ」に訴求し、サポートを受けることで、次のステップとしてグローバル展開を目指すことができるようになります。このような明確な目標があれば、もっと多くの人々がスタートアップのエコシステムに参加してくれるでしょう。サッカーや野球のリーグのようなものを作りたいという考えです。
少し自分の宣伝になりますが、昨年(2023年)日本で本を出版しました。
すでに10万部売れ、この夏には英語版も発売されます。この本では、AIの時代においてどのように生きていくべきかをテーマにしています。特に、論理的思考の重要性が下がっていくと書いています。なぜなら、AIがその役割を担うからです。
人間として大切なのは、従来の考え方に囚われず、新しい視点を持つことです。解決策を考えるよりも、良い質問をする能力が重要になります。良い質問をすることで、AIから良い答えが返ってきます。これは簡単な技能ではなく、非常に重要なものです。良い質問ができれば、良いアイデアや答えが得られ、同じ志を持つ人々とつながることができます。そして、すばらしい施策を通じて世界を良くすることができるのです。
新しいアイデアを考えた時、多くの人はGoogleで検索して情報を収集します。しかし、これからはAIの時代です。良い質問をすることが一番重要になります。これは私の本でも強調しているキーメッセージです。
ですので、みなさんも良い質問をする能力を磨き、AIを最大限に活用して新しい時代に適応していってください。これからの未来を一緒に創り出していきましょう。
「SusHi Tech Tokyo」を見回すと、通常の展示会やミートアップに似ているかもしれませんが、これからはそれでは十分ではありません。スタートアップや投資家、エコシステムのメンバーにとって、本当に価値のある場所にするためには、「SusHi Tech Tokyo」は良い質問を交換する場所になるべきだと思います。
私が「SusHi Tech」に提案したいメッセージは、特に東京のリーダーシップを担う方々にも期待したいことです。こういった場所では、生成AIを使って良い質問を持ち寄り、生成対話を行うことが重要です。生成AIを活用した対話は非常にパワフルなものであり、これが未来のミートアップのかたちになると考えています。
良い質問を交換するためには、対面で会うことが重要です。ですから、こういったイベントは非常に意義があります。また、将来的にはスタートアップが新しいデバイスを開発し、それを使って対話を行うことも考えられます。例えば、マイクを装着して質問をすると、生成AIが最新の情報を提供するようなものです。
AIと共に良い対話ができる場を作ることが、ミートアップの未来だと思います。これが実現すれば、確実にイノベーションを加速し、これまで以上に強化できるでしょう。
最後にもう1つ提案があります。それは、生成対話を行うためには子どもや若者を参加させることが重要だということです。なぜなら、彼らは既存の知識をアンラーンする必要がなく、固定観念に囚われないからです。彼らの柔軟な思考と新しい視点が、良い対話を生み出すためには欠かせません。
「SusHi Tech Tokyo」を通じて、子どもや若者も含めた多様な視点が交わる場を作り、新しいアイデアやイノベーションが生まれることを期待しています。みなさんもぜひ、積極的に参加し、共に未来を創り出していきましょう。
私は個人的に「VIVITA」というNPOを立ち上げました。これについての短いビデオをご覧ください。私たちが何をしているのかを紹介します。
【VIVITAの紹介動画が再生される】
孫泰蔵氏:(「VIVITA」HA)8年前に東京近郊で始めました。元々のアイデアは、スタートアップやアクセラレーターのアプローチや方法論を子どもたちに当てはめたらどうなるかというものでした。それだけのシンプルな考えからスタートしました。
このように完全に自由な空間を作り、フリースペースとして提供した結果、見ていただいたように成功しました。1万人以上の子どもや若者が毎日何かを創造しています。そして、彼らのアイデアを披露するDemo Dayを開催し、本当に驚くべきスタートアップのアイデアが集まりました。
彼らは実際にスタートアップを立ち上げることができると思います。これはAIのおかげです。経験がなくても、AIの力を借りれば驚くべき成果を出すことができます。彼ら自身ですばらしいことを成し遂げることができるのです。このアクセラレーターを作ったのは、年齢や性別、文化に関係なく、すべての子どもが将来を形作る力を持っていると信じているからです。NPOとして、このムーブメントを進めています。
さて、時間がなくなってきましたので、みなさんに東京に集まっていただいたことに感謝しつつ、ぜひ寿司屋に行ってお寿司を楽しんでいただきたいと思います。これが私の最後のメッセージです。
もう1つお知らせがあります。私はお寿司が大好きで、2024年9月にソウルでお寿司屋をオープンします。もし9月以降にソウルに行かれる際は、ぜひご連絡ください。私の寿司屋にご招待させていただきます。ありがとうございました。
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.19
12万通りの「資格の組み合わせ」の中で厳選された60の項目 532の資格を持つ林雄次氏の新刊『資格のかけ算』の見所
2024.12.16
32歳で成績最下位から1年でトップ営業になれた理由 売るテクニックよりも大事な「あり方」
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
2024.12.13
ファシリテーターは「しゃべらないほうがいい」理由 入山章栄氏が語る、心理的安全性の高い場を作るポイント
PR | 2024.12.20
モンスター化したExcelが、ある日突然崩壊 昭和のガス工事会社を生まれ変わらせた、起死回生のノーコード活用術
2024.12.18
「社長以外みんな儲かる給与設計」にした理由 経営者たちが語る、優秀な人材集め・会社を発展させるためのヒント
2024.12.12
今までとこれからで、エンジニアに求められる「スキル」の違い AI時代のエンジニアの未来と生存戦略のカギとは
PR | 2024.11.26
なぜ電話営業はなくならない?その要因は「属人化」 通話内容をデータ化するZoomのクラウドサービス活用術
Climbers Startup JAPAN EXPO 2024 - 秋 -
2024.11.20 - 2024.11.21
『主体的なキャリア形成』を考える~資格のかけ算について〜
2024.12.07 - 2024.12.07
Startup CTO of the year 2024
2024.11.19 - 2024.11.19
社員の力を引き出す経営戦略〜ひとり一人が自ら成長する組織づくり〜
2024.11.20 - 2024.11.20
「確率思考」で未来を見通す 事業を成功に導く意思決定 ~エビデンス・ベースド・マーケティング思考の調査分析で事業に有効な予測手法とは~
2024.11.05 - 2024.11.05