2024.12.03
企業の情報漏えいで最も多いのは「中途退職者」による持ち出し 内部不正が発生しやすい3つの要素
起業(全1記事)
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目次
3 起業するために押さえておくべき3つのポイント
3-1 理念・理想
3-2 知識
3-3 行動
4 起業に至るまでの流れ
4-1 理想やアイデアを事業に落とし込む
4-2 具体的な事業計画書をつくる
4-3 必要な資金や人を集める
4-4 事業を始める(開業手続き)
5 起業後に失敗しないための4つのポイント
5-1 最初はとにかく営業力が大事
5-2 健全な資金計画・コントロール
5-3 世の中の変化に柔軟に対応する
5-4 情報収集を怠らない
7 まとめ
起業とは、具体的には新しい事業やサービスを始める行為や、新しく法人を設立することを言います。起業するには新しい価値を生み出そうとする情熱、市場にないものを提供する意欲、そして自らのビジョンを実現したいという強い意思が必要です。事業を通じて社会や業界の課題を解決し、現状をより良くすることが求められるからです。
国内の状況としても、起業する件数は年々増加傾向にあり、一昔前に比べると起業もキャリアの選択肢の1つになってきているという印象があります。東京商工リサーチの調べによると2013年は11万件だった新設法人数が2021年には14万件を超えました。
2022年になって1.6%減少しているものの、政府は新規事業・スタートアップへの支援を強化することも宣言しているため、2023年以降も新たに事業を考えて起業する人は増えていくと予想されます。
まずは実際に起業した人たちの声から見てみましょう。
株式会社メンバーズ顧問の池田氏は、8社の創業に携わり4社をExitしました。大学時代に最初の共同起業を経験。以降も副業やCMOとして参画するなど起業に関わり、2013年には初めて自身が社長として起業。該当会社は2017年に他社に買収されました。
池田氏は起業が、自分の中で新しいことへの好奇心や行動への意欲を引き出してきたと言います。社長としてのオーナーシップを持つと、物事を自ら動かすことへの抵抗感が減り、新しいことを試みるのが楽しくなる。
1つの会社で複数の新事業を立ち上げるのではなく、同氏は異なるメンバーや事業ドメインごとに新しい会社を設立するスタイルを取っており、新しい仲間を巻き込みながら新会社を創立することに魅力を感じていると話します。
また起業だけでなく倒産も経験した起業家もいます。ジーフィット株式会社の阪根氏の事例です。
阪根氏は自動で衣類をたたむ「ランドロイド」と呼ばれるロボットを開発するベンチャーを創業しました。しかし、エアリズムやゴアゴアしたジーンズなど、一部対応できない衣類が出てきたり、急成長する組織のチームマネジメントが上手くいかないなどさまざまな問題が重なり、資金が底をついて倒産してしまいます。
100億円もの損失を出し23社の株主を回った時、厳しい人もいたが中には「もう一度大きく挑戦してほしい」という励ましの言葉をもらったそうです。そのこともあって、再度起業に挑戦し、ジーフィットを設立しました。
破産のショックは大きく、立ち直るまでに3年はかかったと話す阪根氏。その頃のハードシングスを胸に今もなお、事業と向き合う強い起業家です。
起業するために押さえておくべきポイントは次の3つです。
●理念・理想
●知識
●行動
まずもっとも大事なことは「なぜこの事業をやるのか」「何のために起業するのか」という“Why”、なぜ起業するのかという理念や理想を持つことです。ビジョンや目的、それを実現するための仮説や理由が明確でなければ、起業しても成功する可能性は低いでしょう。
理念や理想とは、起業の動機です。こうした動機が事業の柱となるため、まずは自身の中にある理念や理想をきちんと言語化しましょう。
次に必要なものは知識です。起業するためにはさまざまな分野の知識が求められます。法律、財務、マーケティングなど、事業規模によって変わるものの最低限会社を経営する知識を持ち合わせていなければ起業はできません。
例えば会社の種類にしても、株式会社、合同会社、合弁会社などさまざま。どういった形が自分の事業に合っているのか、きちんと判断できる知識を身につけましょう。
そして行動です。ただ考えるだけでは事業は進まず、実際に行動しなければ何も始まりません。市場の実情を把握するための調査、必要な資金を集めるための投資家との接触、そして業界内の人脈作りなど、成功させるためには積極的な行動が欠かせません。
次に、実際の起業までの流れを具体的に見ていきましょう。
起業の最初のステップは、持っている理想やアイデアを具体的なビジネスモデルに落とし込むことです。どのような市場で実現し、どういった属性のターゲットにアピールするかなどを明確にしましょう。
ここで大事なポイントは、理想論ではなく現実的なビジネスモデルであるかどうかです。収益が見込めず、持続可能でない事業であれば練り直す必要があります。
事業の方向性が決まったら、そのアイデアを実際にどのように実現するかを事業計画書に落とし込みましょう。事業計画書とは、具体的な収益や経費などをシミュレーションし数値を可視化したものです。事業のロードマップでもあるので、実際に起業した後の進捗状況の確認にも役立ちます。
また、事業計画書は法人口座(ネット銀行など一部不要なものもある)の開設や、投資家や銀行から資金を調達する際にも必要となるので、専門家に相談しながら作成するのがおすすめです。商工会などでもサポートしてくれることがあります。
起業には資金が必要不可欠であり、事業規模によっては最初から人手も必要となるでしょう。資金に関しては自己資金だけでなく、外部の投資家や金融機関からの資金調達も考慮し集めたいところです。人手に関しては人口減少に伴い労働人口も減少しており、資金集め以上に採用が困難なケースも考えられます。そういった時には、VCなど投資家が知恵を貸してくれることもあるので、上手く周囲を巻き込みながら考えてみるといいでしょう。
会社の設立には税務や社会保険の手続きなど、法的な手続きが必要になります。全て自分でしようとせず税理士や社労士など士業の力を利用するのも手です。ここで大事なのはきちんと必要な手続きを済ませること。開業手続きが終われば、あとは事業に専念するのみです。
起業はゴールではなくスタートです。きちんと事業を続けていくため、起業前から失敗しないポイントを押さえておくのも大事なことです。そんなポイントを次の4つに分けて詳しく解説します。
最初はとにかく営業力が大事健全な資金計画・コントロール世の中の変化に柔軟に対応する情報収集を怠らない
商品やサービスのクオリティを上げることも大切ですが、最初はいかに売り込めるかが大事だと言えるでしょう。新しいビジネスをスタートさせたばかりの段階では、仮に品質の良い商品やサービスを持っていても、認知されていないためユーザーには届きません。高い広告宣伝費をかけて周知したとしても、それだけで売れることは稀でしょう。
きちんと使ってもらうためには、必ずどこかでユーザーに直接提案することが必要になります。顧客へのアプローチや、持っている価値を効果的に伝える営業力が必要不可欠であり、事業を成長させるためにも極めて重要です。
資金面の管理も非常に重要です。特にキャッシュフローの管理は、ビジネスの持続性を左右する要因の1つ。売上や利益は上がっているのに、売掛金の回収が間に合わず手元の資金が底をついてしまう「黒字倒産」という事例もあります。収益予測や支出の計画をしっかりと立て、それをもとに健全な資金コントロールを心がけましょう。
市場やユーザーのニーズなど、絶えず変化する要素に適応する能力は、ビジネスの持続的な成長のために不可欠です。特にテクノロジーの進化や社会のトレンドに敏感になり、自社のビジネスモデルやサービスを常に見直す姿勢が求められます。
継続的な情報収集は、競争優位性を保つための鍵です。業界の最新の動向や競合の活動、新しい技術の導入など、幅広い情報を日々収集し、自社のビジネスに活かすことで事業を優位に進めることができるでしょう。
最後に起業することによるメリット・デメリットについて、どの業種や規模にも言える点を確認しておきましょう。
まずメリットに関して。自らのアイデアや夢を具体的にビジネスとして世に出せる点は起業の大きなメリットでしょう。固定された勤務時間や場所に縛られることなく、自分のペースやスタイルで働くこともでき、成功すれば利益や社会的な影響力を手に入れられる可能性もあります。
続いてデメリットですが、前述したジーフィット株式会社の阪根氏の事例のように、成功する保証はないためリスクが大きいことが挙げられます。特に起業初期は収入が不安定になることもあります。メンバーが少ない時や自分一人しかいない時は、全ての業務が自分に集中し自由に働ける環境とは言い難い場合もあるでしょう。
ここで挙げたこと以外にも、事業の特性や規模によってもさまざまなメリット・デメリットがあります。
例えば、小さな規模で起業するメリットは「シンプルに気楽だ」と話すのは株式会社ボーダレス・ジャパンの代表取締役社長である田口氏。
さらにひとり起業だと「思いついたらすぐに行動できるとこはかなりおもしろい」と、株式会社アルト・アルコの代表取締役である安藤氏も話します。
起業は、夢を実現するための大きなチャンスであり、また同時に多くの課題や困難を背負う覚悟が必要になります。よく考え、綿密に準備し、情熱をもって挑んだとしても、どんな困難が起こるかはわかりません。起業家の先輩たちの言葉や事例を見て、多少なりともそのリアルを感じていただけたのではないでしょうか。
ログミーBizではこうした起業家たちの講演や登壇の記録を記事として多数残しています。今後の、起業するかもしれないということであれば、ぜひ他の記事も参考にしてみてください。
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