2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
リンクをコピー
記事をブックマーク
司会者:では次の質問に行きます。こちらはちょっとこれまでの質問とは趣旨が変わるんですが……趣旨がというか、ちょっとフェーズが変わってくるんですけれども。金融領域で現在事業立ち上げをされているんですが、なんで金融領域を選ばれたのでしょうか。
阪根信一氏(以下、阪根):私、セブン・ドリーマーズの中でもそうですし、それまでもそうですけど、いろんな事業をやってくる中で「分野によって成功確率って変わるな」っていうのがすごくあってですね。なので分野をまず正しく選ばないと失敗しちゃう、逆に失敗確率が高まっちゃうなと思ったので。
セブン・ドリーマーズの破産後は背負うものもなにもなくなって、ある意味自由に、良くも悪くも自由に分野を選べる状況になったので。テーマ選びをしっかりとやっていく時に、まずは分野をちゃんと選ぼうとして、本当に幅広く探していきました。
私が個人的に一番興味があったのは教育分野だったので、そこを実はけっこうしっかり調べていったんですけど。教育分野は僕の3つ掲げてる、社会に貢献したいというのと、技術的にはけっこうおもしろいこともできそうだったんですけれど、もう1つどうしてもスケールしないっていう問題があって。比較的短期で結果は出せそうだったんだけど、大きくスケールしないなということで、教育分野はやめたり。
そのあと残ったのはバイオサイエンスと金融の分野だったんですけど……ずっと家に巣ごもりしてたので、ずっとYouTube見たり本読んだりしながら調べてただけなんですけど(笑)。最終的に金融とバイオの世界を残して、最後は金融に定めたっていうことですね。
司会者1:ありがとうございます。最後、金融と一緒にバイオ系が残ったというお話でしたけれども、阪根さんは大学の時に化学をされてたっていうお話だったので。バイオ系はけっこう阪根さんのバックグラウンドには近いかなというふうに思うんですけれども、なぜ自分のバックグラウンドから離れた金融のほうを選ばれたんでしょうか。
阪根:ここちょっと、私が変わってるのか正しいのかよくわからないんですけれども。大学院出て社会人になってから、自分の中では常にさっき言った3つのクライテリア……要は世の中のためになって、ちゃんとスケールできて、技術的にチャレンジできるものという。この3つのクライテリアを満たすものであれば、分野を問わず選んでいくっていうのをずっと決めていて。
当然自分が知ってる分野であれば有利には戦えるものの、それは必須条件ではないなと思っていてですね。わからなければ調べて勉強すればいいし、経験が足りないところは、やはり経験者と一緒に組んでやればいいので。なのでそこはもう気にせず、分野を問わず探していく。そういう中でこれにしました。
司会者1:ちなみになんですが、金融とバイオで金融のほうがいいって思った理由は何なんですか?
阪根:両方とも3つの条件を満たしていたんですけれども、具体的なテーマに落とし込んでいった時に、バイオのほうのテーマだと倍の時間がかかると。
司会者1:成果が出るまでに時間がかかる。
阪根:そうなんですよ。金融のほうも決して簡単ではなくて、けっこう難しいテーマを選んだので時間はかかるんですけど、バイオサイエンスのほうがさらにその倍ぐらい時間がかかるという見積もりになりまして。もう歳もその時49とか、50に迫ってたので(笑)。全力で苦しい世界にもう1回飛び込んでいって、戦っていける年齢って、たぶんどこかで限界があるんだろうなと思うので。そういった意味で現実的なほうを選んだという感じですね。
司会者1:そうなんですね、ありがとうございます。ではこれが最後かな。あ、でもお話ありましたね。「金融以外に具体的に検討した領域」ということで、バイオ系と、あと教育系っていうお話がありましたけれど。なにかほかに見てた領域とかありますか?
阪根:いっぱいありますよ。金融系も結果的にはtoBのSaaSビジネスなんですけど、その他の「企業のお困りごと便利ツール」みたいなSaaSビジネスも全般的に見ましたし(笑)。あとtoCでもIT系のツール、いろいろ調べました。
司会者1:それで最終的に、今の「中小企業の人でも為替のリスクコントロールをできるように」みたいな事業にいったのは、どういう経緯があってそこにフォーカスされたんですか?
阪根:最後に金融とバイオサイエンスに絞ったあとは、具体的に事業計画を自分で書いていったんですね、どんどん。事業計画を書く中で、まずテーマを探さないといけないじゃないですか。分野を選んだら次はテーマなので。
テーマを探す中でやはり、テーマって自分の中に答えはなくてですね。当然どこにあるかというと、お客さまの中にあるわけで。なのでいろんな人にヒアリングをして回って「どういったニーズがありますか」というのを聞いていく中で、自分の経験上も「外国為替周りってすごく難しいな」とか「十分なサービスがないよな」っていう感覚もあったので。そういった貿易をしている方々のお困りごとを聞いて回ったっていうところからですかね。
司会者1:もうそこはヒアリングして。
阪根:そうです。ビジネスにおいて、答えは顧客にしかないというふうに常に思ってきたので。ユーザーの声を聞く、VoCですね。それを続けてきたって感じです。
司会者1:わかりました、ありがとうございます。では、たぶんこれで私たちが準備した質問は以上なので。今視聴してくださってる方からたくさんの質問をいただいているので、そちらにお答えいただきたいと思うのですが。
司会者2:1つ目、せっかくなのでタムラさん。よければ、あらためてZoomに書いてくださったことを聞いていただいてもいいですか。
質問者1:タムラです。阪根さん、本日は貴重なお話ありがとうございました。私はどちらかというと、こういったスタートアップ企業さんを支援する側の人間なんですけど。阪根さんにお聞きしたかったのが、創業期から倒産してしまうまでの間にいろいろ経営面で、チーム作り、人の面とかですごくご苦労されたというお話もいただいていたんですけど。
そういった経営全般ですとか、あとは資金繰りのところで相談する方ですね。パートナーというか、「あぁ困った」という時に相談する人ってどういう人が......。まず相談する人がいたかということと、もしいたならばどんな方に相談されていたのか、ちょっと教えていただけたらと思います。よろしくお願いします。
阪根:相談した方はもう山のようにいました(笑)。あらゆる方々に相談しましたね。セブンドリーマーズでは投資家がそれなりにいたので、当然資金調達の最初にお声がけするのはやはり既存の投資家で、「追加投資しませんか」っていうような話ですよね。
当然してくれた方もいれば、しなかった方もいるというところで、それだけじゃ我々が求める資金が集まらないとなったら「ぜひ周りの方を紹介してください」。となると、その投資家も同じ船に乗っているので、自分は出せないんだけどほかに投資家がつけばその船はもっと前に進むので、全力で協力していろんな方々を紹介していただけます。ということで、株主の紹介を受けて新たな投資家に進んでいったのもありますし。
それから、ベンチャー資金のそういった相談に乗ってくれるエージェントっぽい方であったり、弁護士さんであったり。こういった方々も紹介を受けたり、自分たちでネットで調べて話をしに行ったりとか。それからブリッジファンド的な融資。これはちょっとリスク系の、会社に対して次の投資までのつなぎ資金を、ある意味すごく利息は高いんですけど貸してくれるようなところを探して行ったりとか。
あらゆる方々に、周りにあるネットワークすべてを使って質問しながら、やれることは全部やっていったという感じですかね。
質問者1:わかりました、ありがとうございました。
司会者2:タムラさん、ありがとうございます。じゃあどんどんいきますか、2つ目。コバヤシさんですかね。2つ聞いてくださってて、1つ目が「倒産してから現在の会社への資金をどうされましたか」というのと、「倒産された時から現在まで、家庭への収入面ではいかがでしたか」という。主に資金の質問をされていて、コバヤシさん、なにか補足があればあらためてここで阪根さんに直接聞いていただければと思います。なにかありますか?
質問者2:倒産するまで、資金が回っていかないというところから、やはり給与は出していかないといけないけど、たぶんだんだん自分に払っていけるお金もなくなっていくし。そうすると家庭への収入というか、入れるお金もだんだんなくなっていくから、たぶん自分の資金を削っていくと思うんですよね。
そうするとそこからだんだん会社としての資金がなくなっていく。そうすると自分のお金ってどうなるのかなとか、その中で返済するためにも起業というのを考えられたということですので、そこから次の資金面、企業資金面ってどうされたのか。
次に会社を立ち上げたとして、今、社員さんが4名、ほかにもいらっしゃるということですから、払っていかれるお金はどうされてるんだろうと。
阪根:まず倒産していく過程の中で、もう最後の1~2年はやはり社長は給料を取っちゃいかんというか(笑)。社長が給料を取れるような状況ではなかったので、最後の1年半ぐらいは私は給料を取ってませんでした。役員は報酬カット2割ぐらいですかね、僕は0にして進んでいきましたね。なので、それまでに持っていた貯金で家族は食わしていたということです。
最後、預金型生命保険以外のお金はすべて会社につぎ込んで、なんとか生きながらえるようにしようとしていたんですが、当然最後ぶっ飛んでしまって返ってこなかったので。結果的には最後、会社が飛んだ瞬間に残ったのはその生命保険だけだったので(笑)。それを切り崩して、ちょっと家族を退避させたり、引っ越し代に充てたり、しばらくそれで食わすようなことをしていました。
私自身はちっちゃいワンルームマンションに引っ越して、今も実はそこにいるんですけど、それでなんとかコストかからないように生きていくようにして。ただ幸い、これだけチャレンジして失敗すると、先ほども少し触れたように、やはりお声がけいただく方々もいるんですね。「大変だろう」みたいな(笑)。「うちで手伝ってくれないか」みたいな感じのお声がけがあって。
「がっつり来てくれ」ということに対してはお断りをしたんですけど、一部の時間でコンサルティング的にサポートさせていただけるのであればぜひということで。最初の3ヶ月ぐらいはちょっと多めの時間、半分ぐらいの時間でコンサルをさせていただきました。その会社はどっちかというと救済的に、「お金しんどいだろうから、うちにおいでよ」みたいな(笑)。「手伝ってくれ」って言われて、そこで3ヶ月ぐらい手伝わせていただいた。
そうこうしてるうちに2社ほど、すごく短い時間だけどそれなりにコンサルフィーを払っていただけるところが見つかって。それで会社をスタートするまでお金をちょっと貯めながら、次のチャレンジの準備をしていって。で、貯めたお金で新しい会社の株式を自分も持って、今に至るって感じですね。
最初、その会社では金融公庫の資金で1,000万円ほど借りて。人数も少ないし僕らも給料を安くしか取ってないので、それでしばらくいきました。昨年2億円ほどの新しい資金調達をしたので、今はそれで人数を増やしてやっているという感じです。
質問者2:ありがとうございます。
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには